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適応と進化のプロセスは、「腸」のなかにつまっている。タンパク質不足でも筋骨隆々のパプアニューギニア高地人。栄養学からは不可解な謎を解く鍵は腸内細菌にある。地球上のあらゆる場所に住むホモ・サピエンスが,適応と進化を繰リ返すなかで獲得してきた生存システム。そのコードのひとつを高地人の低タンパク適応から解明する。
梅崎昌裕(うめざき まさひろ)
東京大学大学院教授。東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻修了、博士(保健学)。専門は人類生態学。主な著作に、『人間の本質にせまる科学―自然人類学の挑戦』(共編、東京大学出版会、2021年)などがある。
東京大学大学院教授。東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻修了、博士(保健学)。専門は人類生態学。主な著作に、『人間の本質にせまる科学―自然人類学の挑戦』(共編、東京大学出版会、2021年)などがある。
序章
1 ホモ・サピエンスの適応
2 腸内細菌叢と適応
3 パプアニューギニア高地食の問題点
4 調査の経緯
5 本書の構成
第1章 フリの社会システム
1 パプアニューギニア高地
2 調査地域
3 生業―サツマイモの集約的栽培
4 ブタの飼養
5 対象地域の選定
6 ハメイギニ
7 ウェナニ・ヘリ・キキダ
第2章 集団の構造と成り立ち
1 留まらない人々
2 頻繁な居住地の移動
3 人口の変動
4 人生のなかでの移動
5 移動の方向
6 移動と適応
第3章 生業を支える在来知
1 農学の基本原則に反するタリ盆地のサツマイモ耕作
2 選択的な植樹と除草
3 共有されない在来知
4 サツマイモ畑に植えられた/残された植物
5 サツマイモの生産性を向上させる植物はどれか
6 サツマイモ栽培のための人為的植生形成
7 「あいまいな」知識体系
第4章 高地の食生活
1 サツマイモ
2 品種のこと
3 クム
4 ブタ
5 食事調査の方法
6 タリ盆地での食事調査
第5章 長雨への対応
1 天候不順に備える方法
2 長雨のタリ盆地
3 作物の生産性の低下
4 食生活にみられた影響
5 ウェナニとヘリの生存条件のちがい
6 近年のフリ社会の変化
7 なぜ「飢えた」か、なぜ「飢えなかった」のか
第6章 部族内戦争
1 警察権と司法権に優先する平和維持システム
2 「争い」の単位
3 「争い」と「集団」の論理
第7章 ポートモレスビー移住者集団の生態学
1 憧れのポートモレスビー
2 セトルメントの生活
3 インフォーマルセクター
4 移住者の生存戦略
5 労働とジェンダー
6 ポートモレスビーの食生活
7 移住と健康
第8章 低タンパク質適応
1 フリの適応システムの不思議
2 低タンパク質適応を支えるメカニズム
3 腸内細菌の役割
4 細菌とは
第9章 糞便をあつめる
1 生体試料の収集
2 便をあつめるタイミング
3 低タンパク質適応のメカニズム
4 細菌叢の特徴
終章
1 幸せな学問
2 腸内細菌叢と人類の適応
謝辞
参考文献
索引
1 ホモ・サピエンスの適応
2 腸内細菌叢と適応
3 パプアニューギニア高地食の問題点
4 調査の経緯
5 本書の構成
第1章 フリの社会システム
1 パプアニューギニア高地
2 調査地域
3 生業―サツマイモの集約的栽培
4 ブタの飼養
5 対象地域の選定
6 ハメイギニ
7 ウェナニ・ヘリ・キキダ
第2章 集団の構造と成り立ち
1 留まらない人々
2 頻繁な居住地の移動
3 人口の変動
4 人生のなかでの移動
5 移動の方向
6 移動と適応
第3章 生業を支える在来知
1 農学の基本原則に反するタリ盆地のサツマイモ耕作
2 選択的な植樹と除草
3 共有されない在来知
4 サツマイモ畑に植えられた/残された植物
5 サツマイモの生産性を向上させる植物はどれか
6 サツマイモ栽培のための人為的植生形成
7 「あいまいな」知識体系
第4章 高地の食生活
1 サツマイモ
2 品種のこと
3 クム
4 ブタ
5 食事調査の方法
6 タリ盆地での食事調査
第5章 長雨への対応
1 天候不順に備える方法
2 長雨のタリ盆地
3 作物の生産性の低下
4 食生活にみられた影響
5 ウェナニとヘリの生存条件のちがい
6 近年のフリ社会の変化
7 なぜ「飢えた」か、なぜ「飢えなかった」のか
第6章 部族内戦争
1 警察権と司法権に優先する平和維持システム
2 「争い」の単位
3 「争い」と「集団」の論理
第7章 ポートモレスビー移住者集団の生態学
1 憧れのポートモレスビー
2 セトルメントの生活
3 インフォーマルセクター
4 移住者の生存戦略
5 労働とジェンダー
6 ポートモレスビーの食生活
7 移住と健康
第8章 低タンパク質適応
1 フリの適応システムの不思議
2 低タンパク質適応を支えるメカニズム
3 腸内細菌の役割
4 細菌とは
第9章 糞便をあつめる
1 生体試料の収集
2 便をあつめるタイミング
3 低タンパク質適応のメカニズム
4 細菌叢の特徴
終章
1 幸せな学問
2 腸内細菌叢と人類の適応
謝辞
参考文献
索引