ご挨拶
今日の社会状況の変化は、大学における教育・研究のあり方に大きな変化をもたらしています。教育においては、大学に入学する学生の学力低下、勉学意欲の低下がしばしば問題となり、従来どおりの教育方法の見直しが迫られています。また、大学院「重点化」により大学院生の数が大幅に増加し、院生間の学力レベルの幅が広がり、これまである意味では黙示的に可能であった研究者養成を目的とした大学院教育の遂行が困難となっています。学問研究においては、「高度化」、「先端化」が声高に叫ばれ、その一方で進む「細分化」により、「同じ学会にあっても、もはや、隣の人の研究が理解できない」とさえ言える状況が見られます。
このような状況の下、これまで学術の発展を支えてきた「学術コミュニケーション」の在り方も検討しなおすことが必要となっていますが、それを正面から捉え、見直す動きは必ずしも活発ではありません。より具体的には、学術図書、学術雑誌、紀要や速報、更には図書館によるそれらの集積が、猛スピードで進む学問分野の細分化、分野間格差の進行、そしてインターネットを利用した諸情報の氾濫の中で、学術メディアとしてのそれぞれの位置を定位することができないまま困惑していると言っても過言ではありません。また、このような情報の氾濫の中で、学術情報そのものの陳腐化が進んでいるように思われます。本来、先人の成果の上に新しい知見や枠組みを加え、それを発表し、評価・検討を経た後、受容されたものが次の発展のサイクルを準備するという学術発展の原点に立ち返って「学術コミュニケーション」の再構築を図るべき時であると考えています。
大学出版部は、500年前のヨーロッパにおける創設以来、「学術コミュニケーション」の核としての役割を担ってきました。京都大学学術出版会は、学問の細分化を埋める包括的な概説書の開発、学部・大学院教育の再構築を図る教科書の開発、海外、特にアジア・環太平洋地域の学術出版と連携した英文書の刊行、新しいメディアを積極的に活用したユニークな研究書の刊行など新しい取り組みを行って行きたいと考えています。また、大学の法人化によりその重要性が増した学問研究の成果を大学から社会に発信するためのお手伝いにも力を入れていきたいと思っています。私たちは、限られた規模ながら、高い志をもって、新しい「学術コミュニケーション」の在り方を模索していく所存です。
今後とも、ご支援、ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。
当会の概要
名 称 |
一般社団法人 京都大学学術出版会 |
創 業 |
1989(平成元)年7月 |
設 立 |
2005(平成17)年9月 |
所在地 |
京都市左京区吉田近衛町69京都大学吉田南構内(〒606-8315) |
基 金 |
5,835万円 |
年 商 |
1億1732万6856円(令和5年度実績) |
出版点数 |
1550点(令和6年度見込) |
事業内容 |
(1)学術研究図書および資料の刊行頒布
(2)教育用図書および各種教材の開発・刊行頒布
(3)教養書・啓蒙書の刊行頒布
(4)学術・文化振興のための講演会・シンポジウム等の実施
(5)その他前条の目的を達成するために必要な事業
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取引銀行 |
みずほ銀行出町支店、三菱UFJ銀行聖護院支店 |
会 長 |
湊 長博(京都大学総長) |
理事長 |
黒澤隆文(京都大学教授) |
事務局職員 |
10名 |
定 款
第1章 総 則
第1条(名称)
本法人は、一般社団法人京都大学学術出版会(英文名:Kyoto University Press)と称する。
第2条(主たる事務所の所在地)
本法人は、主たる事務所を京都市左京区吉田近衛町69番地に置く。
第3条(目的)
本法人は、京都大学における教育研究活動を中心とする学術的成果を、主として出版活動を通じて、広くわが国および国際社会に公表・普及し、もって教育研究の振興と文化の向上に寄与することを目的とする。
第4条(事業)
本法人は、前条の目的を達成するため、次の事業を行う。
(1)学術研究図書および資料の刊行頒布
(2)教育用図書および各種教材の開発・刊行頒布
(3)教養書・啓蒙書の刊行頒布
(4)学術・文化振興のための講演会・シンポジウム等の実施
(5)その他、本法人の目的を達成するために必要な事業
第5条(公告の方法)
本法人の公告は、電子公告の方法により行う。
2 事故その他やむを得ない事由によって前項の電子公告をすることができない場合は、官報に掲載する方法による。
第2章 社 員
第6条(社員の構成)
本法人の社員は、次の3種とする。
(1)京都大学教職員社員
京都大学教職員で、京都大学の研究科および研究所・センター等から推薦された者。
(2)京都大学卒業者社員
京都大学卒業者で、京都大学より推薦された者。
(3)京都大学名誉教授社員
京都大学名誉教授で、京都大学より推薦された者。
第7条(社員の期間)
社員の期間は、2年とする。ただし、再任を妨げない。
第8条(社員名簿)
本法人は、社員の氏名および住所を記載した名簿を作成する。
第3章 役 員
第9条(種類及び定数)
本法人は次の役員を置く。
(1)理事 10名以上
(2)監事 1名以上
第10条(役員の選任)
理事及び監事は、社員総会において選任する。
第11条(理事長・副理事長・専務理事・常務理事の選出)
本法人に理事長・副理事長・専務理事・常務理事を置き、理事会において選出する。
2 本法人は、理事長及び専務理事をもって一般社団・一般財団法人法に定める代表理事とする。
第12条(役員の職務)
役員は次の職務を行う。
(1)理事長は、理事を代表して本法人の業務を統括する。
(2)副理事長は、理事長を補佐し、理事長が業務統括できないときはこれを代行する。
(3)専務理事及び常務理事は、理事長の指示を受けて業務を分担、遂行する。
(4)理事は、理事会を構成し、理事会の決議に従って本法人の業務を執行する。
(5)監事は、次の業務を行う。
イ)財産および会計を監査すること
ロ)理事の業務執行状況を監査すること
ハ)財産、会計および業務の執行について不正事実を発見したときは、これを社員総会に報告すること
ニ)前号の報告をするために、必要あるときは社員総会の招集を請求すること
(6)監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。
第13条(役員の任期)
本法人の役員の任期は、次のとおりとする。
(1)理事の任期は、就任後2年内の最終の事業年度に関する定時社員総会終結のときまでとし、再任を妨げない。ただし、理事長および副理事長は3期を超えることはできない。
(2)監事の任期は、就任後4年内の最終の事業年度に関する定時社員総会終結のときまでとする。ただし、再任を妨げない。
(3)任期満了前に退任した理事の補欠として、または増員により選任された理事の任期は、前任者または他の在任理事の任期の残存期間と同一とする。
(4)任期満了前に退任した監事の補欠として選任された監事の任期は、前任者の任期の残存期間とする。
2 役員は、辞任しまたは任期が満了した場合においても、後任者が就任するまではその職務を行わなければならない。
第14条(役員の解任)
役員が次の各号の一に該当する場合には、社員総会の決議に基づいて解任することができる。この場合、当該役員に対し、決議前に弁明の機会を与えるものとする。
(1)心身の故障のために職務の執行に耐えないとき
(2)職務上の義務違反、その他役員としてふさわしくない行為があるとき
第15条(役員の報酬)
役員は無給とする。ただし、専務理事、常務理事および監事については有給とすることができる。
2 前項に関して必要な事項は、社員総会の決議をもって定める。
第4章 社員総会
第16条(種類)
本法人の社員総会は、定時社員総会と臨時社員総会の2種類とする。
第17条(構成)
社員総会は、社員をもって構成する。
第18条(権限)
社員総会は、法令及びこの定款で定めるもののほか、本法人の運営に関する重要事項を決議する。
第19条(開催)
定時社員総会は、毎年1回6月に開催する。ただし、特段の事情がある場合は、あらかじめ書面によりその旨を通知することにより、開催時期を変更することができる。
2 臨時社員総会は次の各号に該当する場合に開催する。
(1)理事会が必要と認め、招集の請求をしたとき
(2)社員総数の五分の一以上から会議の目的を記載した書面により、招集の請求があったとき
(3)監事から招集の請求があったとき
第20条(招集)
社員総会は、この定款に定めるもののほか、理事長が招集する。
2 理事長は、前条第2項第2号または第3号の規定による請求があったときは、その日から14日以内に臨時社員総会を招集しなければならない。
3 理事長は、社員総会を招集する場合には、総会の日時、場所、目的及び審議事項を記載した書面を、少なくとも社員総会の7日前に社員に対して通知しなければならない。
第21条(議長)
社員総会の議長は、その社員総会に出席した社員の中から選出する。
第22条(定足数)
社員総会は、社員総数の二分の一以上の出席がなければ開会することができない。
第23条(議決権)
社員は1人1議決権を有する。
2 社員総会の議事は、法令及びこの定款に特別な定めのある場合のほかは、出席した社員の過半数をもって決し、可否同数のときは議長の決するところによる。
第24条(書面による議決権行使)
社員総会に出席できない社員は、あらかじめ通知された事項について書面をもって議決権を行使し、又は他の社員を代理人として議決権行使を委任することができる。この場合において、前条第2項の規定の適用については、その社員は出席したものとみなす。
第25条(議事録)
社員総会の議事については、議事録を作成し、これに議事の経過の要領及びその結果を記載しなければならない。
第5章 理事会
第26条(構成)
本法人に理事会を置く。
理事会は、すべての理事をもって構成する。
第27条(権限)
理事会は、法令及びこの定款で定めるもののほか、次の事項を決議する。
(1)社員総会に付議すべき事項
(2)社員総会の決議した事項の執行に関する事項
(3)そのほか、社員総会の決議を要しない本法人の業務の執行に関する事項
第28条(開催)
理事会は、定時理事会と臨時理事会の2種類とする。
2 定時理事会は毎事業年度6回、奇数月に開催する。ただし、特段の事情がある場合は、あらかじめ書面によりその旨を通知することにより、開催時期を変更することができる。
3 臨時理事会は、次の各号の一に該当するとき開催する。
(1)理事長が認めたとき
(2)理事のうち三分の一以上から、理事会の目的たる事項および招集の理由を記載した書面により、理事会開催の請求があったとき
(3)監事から招集の請求があったとき
第29条(招集)
理事会は、理事長が招集する。
2 理事長は、前条第3項第2号または第3号の規定による請求があった場合には、その日から14日以内に臨時理事会を招集しなければならない。
3 理事長は、理事会を招集する場合は、理事会の日時、場所、目的および審議事項を記載した書面を、少なくとも理事会の7日前までに理事に通知しなければならない。
第30条(議長)
理事会の議長は、理事長がこれを行う。
第31条(定足数)
理事会は、議決に加わることができる理事の過半数の出席により成立する。
第32条(議決権)
理事は1人1議決権を有する。
2 理事会の議事は、出席者の過半数をもって決し、可否同数のときは議長の決するところによる。
第33条(書面による議決行使権)
理事会に出席できない理事は、あらかじめ通知された事項について書面をもって議決権を行使し、または他の理事を代理人として議決権行使を委任することができる。この場合において、前条第2項の規定の適用については、その理事は出席したものとみなす。
第34条(運用細則)
理事会は、その権限の範囲で、業務執行に関わる運用細則を定めることができる。
第6章 会長及び顧問
第35条(会長)
本法人に会長を置く。
2 会長は、京都大学総長をもって充てる。
3 会長は、本法人を総裁するが本法人を代表しない。
第36条(顧問)
本法人に、理事会の議を経て顧問を置くことができる。
2 顧問は、理事会の諮問に応じる。
第7章 基 金
第37条(基金を引き受ける者の募集)
本法人は、基金を引き受けるものを募集することができる。
第38条(基金の拠出者の権利)
本法人の基金は、拠出者からの預り金とし、本法人が解散するときまでは第39条による場合の他は拠出者に返還されない。
2 基金の返還に係わる債権には利息を付さない。
3 基金の拠出者は、基金の返還に係わる債権を社員総会の承認なしに他に譲渡し、または担保に供してはならない。
4 基金の拠出者は、本法人の運営について議決権その他の権限を有しない。
5 基金の拠出者は、本法人の社員を兼ねることができる。
第39条(基金の返還手続き)
本法人の基金の拠出者が基金の返還を求めるときは、定時社員総会での決議および代替基金の積み立て後に、これを返還する。
第8章 財産および会計
第40条(財産の構成)
本法人の財産は、次に掲げるものをもって構成する。
(1)基金
(2)事業に伴う収入
(3)寄付金品
(4)財産から生じる収入
(5)その他の収入
第41条(財産の管理)
本法人の財産は理事長が管理し、その管理方法は社員総会の決するところによる。
第42条(経費の支弁)
本法人の経費は、財産をもって支弁する。
第43条(事業報告及び収支決算)
本法人の事業報告及び収支決算は、毎事業年度終了後3カ月以内に、理事長が事業報告書、収支決算書及び附属明細書等を作成し、監事の監査を受け、社員総会の決議、承認を得なければならない。
第44条(事業年度)
本法人の事業年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までとする。
第9章 定款変更および解散
第45条(定款変更)
この定款は、社員総会において総社員の議決権の四分の三以上の議決を経なければ変更することができない。
第46条(解散)
本法人は、法令の定めるところによるほか、社員総会において総社員の議決権の四分の三以上の議決を経て解散することができる。
第47条(解散後の残余財産の帰属)
債務を完済した解散後の本法人に残存する財産の帰属は、基金の拠出者に拠出額を限度として返還する。基金返還後の残余財産の帰属は、社員総会の決議により定める。
第10章 事務局
第48条(設置等)
本法人の事務を遂行するため、事務局を置く。
2 事務局には、所用の職員を置き、事務局長がこれを統括する。
3 事務局長および職員の任免は理事長が行う。
4 事務局職員は有給とする。
5 事務局の組織および運営に関して必要な事項は、理事会の議決を経て、理事長が行う。
第49条(準拠すべき法律)
この定款に規定のない事項は、すべて一般社団・一般財団法人法その他の法令の定めるところによるものとする。
採用情報
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