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近代社会思想コレクション 12

市民の権利と義務

マブリ 川合 清隆 訳 

四六上製, 312 pages

ISBN: 9784876983919

pub. date: 05/14

  • Price : JPY 3,400 (with tax: JPY 3,740)
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内容

本書はフランス革命が始まった1789年に刊行されたために、これを読んだ読者がその予測度の高さに驚き、革命の事後に事実に合わせて執筆したのではないかと疑ったほどである。書簡体形式によって革命の理想を説きながら、全国に三部会を組織、それを拠点に国民を結集し、革命を通じて国民主権の共和国を実現することを主張する。本邦初訳。

プロフィール

川合 清隆(かわい きよたか)
甲南大学文学部名誉教授、専門は社会思想史
主な著訳書
『ルソーの啓蒙哲学——自然・社会・神』(名古屋大学出版会)、『ルソーとジュネーヴ共和国——人民主権論の成立』 (名古屋大学出版会)、『社会契約論入門』 (共著・有斐閣)、『啓蒙政治思想の展開』 (共著・成文堂)、ルソー『山からの手紙』 (翻訳・白水社)、ロジェ・カイヨワ編『夢と人間社会 上・下』 (共訳・法政大学出版局)、ジャン・ゲーノ『ジャン=ジャック・ルソーの生涯』(共訳・白水社)

目次

緒 言

第一の手紙
この著作で報告する対話はどのような機会に行われたか。
第一の対話——市民がその統治下で暮らす政府に対してなすべき服従についての一般的省察。

第二の手紙
第二の対話。あらゆる国家において、市民は公共の幸福を実現するうえで最適の統治を望む権利がある。そのような統治を実現するのは市民の義務である。その際に用いるべきさまざまな手段について。

第三の手紙
第二の対話の続き。スタナップ卿に提出した反論と彼の回答。

第四の手紙
第三の対話。キケロの『法律について』の一節の検討。人は不正な法律に服従してはならないということ。諸国民の下で賢明な法律あるいは不正な法律が生まれるさまざまな原因。

第五の手紙
第四の対話。自由な国家における良き市民の義務に関する一般的見解。彼〔市民〕は、君主政のもとで隷属状態がさらに高まるのを回避し、自由を回復するために、いかに行動すべきか。

第六の手紙
第四の対話の続き。君主政から離脱して自由になろうとする州について。フランスで全国三部会を開設する手段。そのための行動はいかなるものであるべきか。

第七の手紙
第五の対話。前回の対話の説明。自由を確実にする諸手段。立法権、および、行政権の諸分野への分割について。

第八の手紙
第六の、そして最後の対話。自由を回復した後、共和国はいかなる手段によって、その国制を維持し永続させることができるか。

ジヤン=ルイ・ルセルクル著「解説」
訳者あとがき——「共和主義者マプリ、そしてルソー 」
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