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スペイン継承戦争の講和会議(1712年)に出席した経験に基づき、ヨーロッパの恒久平和の実現のための構想を描く。諸国を共通の法に従わせるというヨーロッパ連合の構想を描いた本書は、ルソーとカントの平和論に影響をあたえ、後年国際連盟・国際連合の思想的基盤として結実する。第1分冊では永久平和論の骨子が示される。本邦初訳。(全2冊)
本田 裕志(ほんだ ひろし)
龍谷大学文学部教授
1956年 東京都に生まれる
1987年 京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学
龍谷大学文学部助教授を経て、2007年より現職
主な著訳書
『ベルクソン哲学における空間・延長・物質』(晃洋書房)
『生命倫理の現在』(共著、世界思想社)
『環境と倫理』(共著、有斐閣)
『応用倫理学事典』(共編著、丸善)
ホッブズ『市民論』(京都大学学術出版会)
J・レイチェルズ『生命の終わり』(共訳、晃洋書房)
ホッブス『人間論』(京都大学学術出版会)
サン—ピエール『永久平和論1』(京都大学学術出版会)
龍谷大学文学部教授
1956年 東京都に生まれる
1987年 京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学
龍谷大学文学部助教授を経て、2007年より現職
主な著訳書
『ベルクソン哲学における空間・延長・物質』(晃洋書房)
『生命倫理の現在』(共著、世界思想社)
『環境と倫理』(共著、有斐閣)
『応用倫理学事典』(共編著、丸善)
ホッブズ『市民論』(京都大学学術出版会)
J・レイチェルズ『生命の終わり』(共訳、晃洋書房)
ホッブス『人間論』(京都大学学術出版会)
サン—ピエール『永久平和論1』(京都大学学術出版会)
序 文 計画の全体的構想
第一論考 平和を維持するためにこれまで実際に用いられてきた諸々の手段は、まったく効力のないものである。
証明されるべき第一の命題(「ヨーロッパの現在の組織体制は、諸条約の履行についてのいかなる十分な保障も決してもたらすことができないので、ほとんど絶え間のない戦争以外は決して生じさせることができないであろう。」)
証明されるべき第二の命題(「フランスの王家とオーストリアの王家との間の力の均衡は、諸国家の保全のためにも、通商の継続のためにも、十分な保障をもたらすことはできないであろう。」)
第二論考 本計画に有利な二つの判断材料。
証明されるべき第一の命題(「ドイツの全領邦国家の恒常的な社会的結合をかつて形成するのに十分であった同じ動機と同じ手段が、等しく私たちの能力の範囲内にあり、なおかつ全キリスト教主権国家の恒常的な社会的結合を形成するのに十分でありうる。」)
第二の命題(「ヨーロッパ諸国の君主・首脳にアンリ大王が提案されたヨーロッパ諸国の社会的結合の計画に対して、彼らの大部分が与えた賛同は、そのような計画が彼らの後継者たちの賛同を将来得る可能性がある、という希望を持ってよいことを証拠立てている。」)
第三論考
証明すべき命題(「私の提案するヨーロッパ諸国の社会的結合が、すべてのキリスト教国の君主・首脳に、彼らの国の内外における平和の恒久性の十分な保障をもたらしうるならば、この社会的結合の設立のための条約に調印しないことよりもすることのほうに、自己にとってはるかに大きな利益があることにならないような君主・首脳は、一人もいない。」)
第四論考
証明すべき命題(「提案されようとしているようなヨーロッパ諸国の社会的結合は、全キリスト教国の君主・首脳に、自国の内外における平和の恒久性についての十分な保障をもたらすであろう。」)
第五論考
証明すべき命題(「本計画は、諸国の君主・首脳に対して戦争中に提案されれば和議を容易にし、講和会議の最中に提案されれば講和条約の締結を容易にし、講和条約の締結後に提案されればそれに永続性をもたらすであろう。」)
第六論考
さまざまな反対論の集成
第七論考
有用条項・特殊動機
要約
ヨーロッパ連合の形成と保存のために有用なものとして提案される諸条項
第二部の構想
某氏への著者の手紙—本書を検討するために
某男爵の所感 恒久平和の計画に関して
第一論考 平和を維持するためにこれまで実際に用いられてきた諸々の手段は、まったく効力のないものである。
証明されるべき第一の命題(「ヨーロッパの現在の組織体制は、諸条約の履行についてのいかなる十分な保障も決してもたらすことができないので、ほとんど絶え間のない戦争以外は決して生じさせることができないであろう。」)
証明されるべき第二の命題(「フランスの王家とオーストリアの王家との間の力の均衡は、諸国家の保全のためにも、通商の継続のためにも、十分な保障をもたらすことはできないであろう。」)
第二論考 本計画に有利な二つの判断材料。
証明されるべき第一の命題(「ドイツの全領邦国家の恒常的な社会的結合をかつて形成するのに十分であった同じ動機と同じ手段が、等しく私たちの能力の範囲内にあり、なおかつ全キリスト教主権国家の恒常的な社会的結合を形成するのに十分でありうる。」)
第二の命題(「ヨーロッパ諸国の君主・首脳にアンリ大王が提案されたヨーロッパ諸国の社会的結合の計画に対して、彼らの大部分が与えた賛同は、そのような計画が彼らの後継者たちの賛同を将来得る可能性がある、という希望を持ってよいことを証拠立てている。」)
第三論考
証明すべき命題(「私の提案するヨーロッパ諸国の社会的結合が、すべてのキリスト教国の君主・首脳に、彼らの国の内外における平和の恒久性の十分な保障をもたらしうるならば、この社会的結合の設立のための条約に調印しないことよりもすることのほうに、自己にとってはるかに大きな利益があることにならないような君主・首脳は、一人もいない。」)
第四論考
証明すべき命題(「提案されようとしているようなヨーロッパ諸国の社会的結合は、全キリスト教国の君主・首脳に、自国の内外における平和の恒久性についての十分な保障をもたらすであろう。」)
第五論考
証明すべき命題(「本計画は、諸国の君主・首脳に対して戦争中に提案されれば和議を容易にし、講和会議の最中に提案されれば講和条約の締結を容易にし、講和条約の締結後に提案されればそれに永続性をもたらすであろう。」)
第六論考
さまざまな反対論の集成
第七論考
有用条項・特殊動機
要約
ヨーロッパ連合の形成と保存のために有用なものとして提案される諸条項
第二部の構想
某氏への著者の手紙—本書を検討するために
某男爵の所感 恒久平和の計画に関して