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今日,社会の発展を示す国際的な指標に人間開発指数が広くもちいられている.しかしその構成と算出は温帯優位に偏った傾向をもち,世界が直面する グローバルな課題に鑑みれば生存基盤を適切に評価できているとはいえない.超領域的な協働から「生存基盤指数」を提唱し,新しい発展パラダイムの 創出と地球生存圏の再評価を目指す.
『アジア・アフリカ地域研究』2012年第12-1号、104-107頁、評者:古澤拓郎氏
『社会経済史学』Vol.78, No.4、145-146頁、評者:黒崎卓氏
『社会経済史学』Vol.78, No.4、145-146頁、評者:黒崎卓氏
佐藤 孝宏(さとう たかひろ)[序章,第3章,第4章,第6章]
京都大学東南アジア研究所特定助教(グローバルCOE).専攻:熱帯農業生態学.
電気通信大学電気通信学部および宇都宮大学農学部卒,京都大学大学院農学研究科博士課程修了.博士(農学).京都大学東南アジア研究所研究員,京都大学生存基盤科学研究ユニット研究員などを経て現職.主要論文に,“The Effect of Expansion of Private Wells on Rural Livelihood in Tank Intensive Watersheds: A Case Study in Upper Gundar River Basin, Tamil Nadu”, Southeast Asian Studies, 49, “Effect of Supplemental Irrigation on Leaf Stomatal Conductance of Field-grown Wheat in Northern Syria”, Agr. Water Manage, 85.
和田 泰三(わだ たいぞう)[序章,第5章,第6章]
京都大学東南アジア研究所特定研究員(グローバルCOE).専攻:老年医学.
高知医科大学卒,京都大学大学院医学研究科博士課程修了,ロンドン大学熱帯公衆衛生大学院修士課程修了.医学博士,疫学修士.近森病院内科医員,京都大学附属病院老年内科助手を経て現職.主要論文に,“Fifteen-item Geriatric Depression Scale Predicts 8-year Mortality in Older Japanese”, J. Am. Geriatr. Soc., 59(11), “Health Status and Subjective Economic Satisfaction in West Papua”, Lancet, 360.
杉原 薫(すぎはら かおる)[序章]
京都大学東南アジア研究所教授,京都大学グローバルCOEプログラム「生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点」拠点リーダー.専攻:近代経済史.
京都大学経済学部卒,東京大学大学院経済学研究科博士課程修了.経済学博士.大阪市立大学経済学部助教授,ロンドン大学東洋アフリカ学院歴史学部上級講師,大阪大学大学院経済学研究科教授を経て現職.主要著作に,『アジア間貿易の形成と構造』(ミネルヴァ書房,1996年),『アジア太平洋経済圏の興隆』(大阪大学出版会,2003年),Japan, China and the Growth of the Asian International Economy, 1850—1949(編,Oxford University Press, 2005),『地球圏・生命圏・人間圏—持続的な生存基盤を求めて』(共編,京都大学学術出版会,2010年).
峯 陽一(みね よういち)[序章,第1章,第9章]
同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授,京都大学東南アジア研究所客員教授,JICA(国際協力機構)研究所客員研究員,専攻:開発経済学,人間の安全保障研究,アフリカ地域研究.
京都大学文学部卒,同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学.南アフリカ共和国ステレンボッシュ大学准教授,中部大学国際関係学部教授,大阪大学大学院人間科学研究科准教授を経て現職.主要著作に,『南アフリカ』(岩波新書,1996年),『現代アフリカと開発経済学』(日本評論社,1999年),『憎悪から和解へ』(共編著,京都大学学術出版会,2000年),『南アフリカを知るための60章』(編著,明石書店,2010年),『アフリカから学ぶ』(共編著,有斐閣,2010年).
[著者紹介](執筆順)
河野 泰之(こうの やすゆき)[第2章]
京都大学東南アジア研究所教授.専攻:東南アジア研究.
東京大学農学部卒,東京大学大学院農学系研究科博士課程修了.農学博士.京都大学東南アジア研究センター助手,アジア工科大学院助教授,京都大学東南アジア研究センター助教授を経て現職.主要著作に,Ecological Destruction, Health, and Development: Advancing Asian Paradigms(共編,京都大学学術出版会,2004年),Small-scale Livelihoods and Natural Resources Management in Marginal Areas of Monsoon Asia(共編,Bishen Singh Mahendra Pal Singh, 2006),『論集モンスーンアジアの生態史 第1巻 生業の生態史』(責任編集,弘文堂,2008年).
佐藤 史郎(さとう しろう)[第6章]
京都大学東南アジア研究所特定研究員(グローバルCOE).専攻:国際関係論.
同志社大学商学部卒,立命館大学大学院国際関係研究科博士後期課程修了.博士(国際関係学).龍谷大学アフラシア平和開発研究センター博士研究員を経て現職.主要著作に,『紛争解決 暴力と非暴力』(共著,ミネルヴァ書房,2010年),Re-examination of 'Non-Western' International Relations Theories(共編著,Kyoto Working Papers on Area Studies No. 118, 2011).
清水 展(しみず ひろむ)[第7章]
京都大学東南アジア研究所教授.専攻:文化人類学,東南アジア地域研究.
東京大学教養学部卒,東京大学大学院社会科学研究科博士課程退学.社会学博士.東京大学助手(教養学部,東洋文化研究所),九州大学助教授(教養部),九州大学教授(大学院比較社会文化研究院)を経て現職.主要著作に,『山奥はグローバル—北ルソン棚田村の植林運動と参与の人類学』(京都大学学術出版会,2012年),「グローバル化時代の地域ネットワークの再編—遠隔地環境主義の可能性」『地球圏・生命圏・人間圏—持続的な生存基盤を求めて』(京都大学学術出版会,2011年),『噴火のこだま—ピナトゥボ・アエタの被災と新生をめぐる文化・開発・NGO』(九州大学出版会,2003年),The Orphans of Pinatubo: Ayta Struggle for Existence (Solidaridad Publishing House, 2001).
西 真如(にし まこと)[第8章]
京都大学東南アジア研究所特定助教(グローバルCOE).専攻:文化人類学,アフリカ研究.
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(アフリカ地域研究専攻)博士課程単位取得退学.博士(地域研究).著作に,『現代アフリカの公共性—エチオピア社会にみるコミュニティ・開発・政治実践』(昭和堂,2009年),主要論文に「疫学的な他者と生きる身体—エチオピアのグラゲ社会におけるHIV / AIDSの経験」『文化人類学』76(3).
京都大学東南アジア研究所特定助教(グローバルCOE).専攻:熱帯農業生態学.
電気通信大学電気通信学部および宇都宮大学農学部卒,京都大学大学院農学研究科博士課程修了.博士(農学).京都大学東南アジア研究所研究員,京都大学生存基盤科学研究ユニット研究員などを経て現職.主要論文に,“The Effect of Expansion of Private Wells on Rural Livelihood in Tank Intensive Watersheds: A Case Study in Upper Gundar River Basin, Tamil Nadu”, Southeast Asian Studies, 49, “Effect of Supplemental Irrigation on Leaf Stomatal Conductance of Field-grown Wheat in Northern Syria”, Agr. Water Manage, 85.
和田 泰三(わだ たいぞう)[序章,第5章,第6章]
京都大学東南アジア研究所特定研究員(グローバルCOE).専攻:老年医学.
高知医科大学卒,京都大学大学院医学研究科博士課程修了,ロンドン大学熱帯公衆衛生大学院修士課程修了.医学博士,疫学修士.近森病院内科医員,京都大学附属病院老年内科助手を経て現職.主要論文に,“Fifteen-item Geriatric Depression Scale Predicts 8-year Mortality in Older Japanese”, J. Am. Geriatr. Soc., 59(11), “Health Status and Subjective Economic Satisfaction in West Papua”, Lancet, 360.
杉原 薫(すぎはら かおる)[序章]
京都大学東南アジア研究所教授,京都大学グローバルCOEプログラム「生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点」拠点リーダー.専攻:近代経済史.
京都大学経済学部卒,東京大学大学院経済学研究科博士課程修了.経済学博士.大阪市立大学経済学部助教授,ロンドン大学東洋アフリカ学院歴史学部上級講師,大阪大学大学院経済学研究科教授を経て現職.主要著作に,『アジア間貿易の形成と構造』(ミネルヴァ書房,1996年),『アジア太平洋経済圏の興隆』(大阪大学出版会,2003年),Japan, China and the Growth of the Asian International Economy, 1850—1949(編,Oxford University Press, 2005),『地球圏・生命圏・人間圏—持続的な生存基盤を求めて』(共編,京都大学学術出版会,2010年).
峯 陽一(みね よういち)[序章,第1章,第9章]
同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授,京都大学東南アジア研究所客員教授,JICA(国際協力機構)研究所客員研究員,専攻:開発経済学,人間の安全保障研究,アフリカ地域研究.
京都大学文学部卒,同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学.南アフリカ共和国ステレンボッシュ大学准教授,中部大学国際関係学部教授,大阪大学大学院人間科学研究科准教授を経て現職.主要著作に,『南アフリカ』(岩波新書,1996年),『現代アフリカと開発経済学』(日本評論社,1999年),『憎悪から和解へ』(共編著,京都大学学術出版会,2000年),『南アフリカを知るための60章』(編著,明石書店,2010年),『アフリカから学ぶ』(共編著,有斐閣,2010年).
[著者紹介](執筆順)
河野 泰之(こうの やすゆき)[第2章]
京都大学東南アジア研究所教授.専攻:東南アジア研究.
東京大学農学部卒,東京大学大学院農学系研究科博士課程修了.農学博士.京都大学東南アジア研究センター助手,アジア工科大学院助教授,京都大学東南アジア研究センター助教授を経て現職.主要著作に,Ecological Destruction, Health, and Development: Advancing Asian Paradigms(共編,京都大学学術出版会,2004年),Small-scale Livelihoods and Natural Resources Management in Marginal Areas of Monsoon Asia(共編,Bishen Singh Mahendra Pal Singh, 2006),『論集モンスーンアジアの生態史 第1巻 生業の生態史』(責任編集,弘文堂,2008年).
佐藤 史郎(さとう しろう)[第6章]
京都大学東南アジア研究所特定研究員(グローバルCOE).専攻:国際関係論.
同志社大学商学部卒,立命館大学大学院国際関係研究科博士後期課程修了.博士(国際関係学).龍谷大学アフラシア平和開発研究センター博士研究員を経て現職.主要著作に,『紛争解決 暴力と非暴力』(共著,ミネルヴァ書房,2010年),Re-examination of 'Non-Western' International Relations Theories(共編著,Kyoto Working Papers on Area Studies No. 118, 2011).
清水 展(しみず ひろむ)[第7章]
京都大学東南アジア研究所教授.専攻:文化人類学,東南アジア地域研究.
東京大学教養学部卒,東京大学大学院社会科学研究科博士課程退学.社会学博士.東京大学助手(教養学部,東洋文化研究所),九州大学助教授(教養部),九州大学教授(大学院比較社会文化研究院)を経て現職.主要著作に,『山奥はグローバル—北ルソン棚田村の植林運動と参与の人類学』(京都大学学術出版会,2012年),「グローバル化時代の地域ネットワークの再編—遠隔地環境主義の可能性」『地球圏・生命圏・人間圏—持続的な生存基盤を求めて』(京都大学学術出版会,2011年),『噴火のこだま—ピナトゥボ・アエタの被災と新生をめぐる文化・開発・NGO』(九州大学出版会,2003年),The Orphans of Pinatubo: Ayta Struggle for Existence (Solidaridad Publishing House, 2001).
西 真如(にし まこと)[第8章]
京都大学東南アジア研究所特定助教(グローバルCOE).専攻:文化人類学,アフリカ研究.
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(アフリカ地域研究専攻)博士課程単位取得退学.博士(地域研究).著作に,『現代アフリカの公共性—エチオピア社会にみるコミュニティ・開発・政治実践』(昭和堂,2009年),主要論文に「疫学的な他者と生きる身体—エチオピアのグラゲ社会におけるHIV / AIDSの経験」『文化人類学』76(3).
序 章 生存基盤指数の目指すもの [杉原 薫・佐藤孝宏・和田泰三・峯 陽一]
1 はじめに
2 「人間開発に関わる価値」から「生存に関わる価値」へ
2—1 人間開発に関わる価値
2—2 生存に関わる価値
2—3 潜在能力からケアへ
3 生存圏の持続性評価
3—1 異質な論理の承認と評価
3—2 なぜ各圏を3分の1ずつのウェイトにするのか
3—3 なぜ経済指標を採用しないのか
4 人間圏の持続性評価
4—1 多様性と平等
4—2 生存圏のライフサイクル的理解
4—3 熱帯人間圏からの視点
第1編 既存指数の生成過程とその批判的継承
第1章 生存基盤をはかる —GDP・HDIを超えて— [峯 陽一]
1 価値が指数のフレームを決める
2 諸国民の富の計測—GDPと「国力」
3 人間開発指数(HDI)—人間圏からのGDP批判
4 スティグリッツ=セン報告書—富,生活の質,持続可能性の統合指数へ
5 既存指数から生存基盤指数へ
6 おわりに—「熱帯の力」
第2章 人間圏と地球圏・生命圏をつなぐ指標 [河野泰之]
1 はじめに
2 地球環境の指標化の歩み
3 主要な指標
3—1 生きている地球指標とエコロジカル・フットプリント
3—2 環境パフォーマンス指標
3—3 環境脆弱性指標
4 持続型生存基盤研究のための指標に向けて
第2編 生存基盤指数からみた世界
第3章 地球圏総合指数とその構成要素 [佐藤孝宏]
1 地球圏の論理:循環
2 地球圏の可能性指数:太陽エネルギー
3 地球圏の関係性指数:大気・水循環指数
4 地球圏の撹乱指数:CO2排出量
5 地球圏総合指数からみた世界
第4章 生命圏総合指数とその構成要素 [佐藤孝宏]
1 生命圏の論理:多様化
2 生命圏の可能性指数:森林バイオマス
3 生命圏の関係性指数:生物多様性指数
4 生命圏の撹乱指数:HANPP
5 生命圏総合指数からみた世界
第5章 人間圏総合指数とその構成要素 [和田泰三]
1 人間圏の論理:自律と共感
2 人間圏の関係性指数:ケア指数
2—1 人間圏を貫く価値:ケア
2—2 平均世帯内人数と女性人口比(Female Male Ratio)—ケア空間と関係性の視点
3 人間圏の可能性指数:人口密度
3—1 過密状態で人間も暴力的になるか
3—2 世界各国の人口密度と人口推計
3—3 人口増加するアフリカと減少が予測されるアジアとその例外
4 人類存在に対する三つの圏からの脅威
4—1 地球圏からの撹乱:地震・津波・洪水・火山噴火による平均粗死亡率
4—2 生命圏からの撹乱:マラリア・HIV・結核による粗死亡率
4—3 人間圏からの撹乱:紛争・自殺・他殺の粗死亡率
4—4 人間圏総合撹乱指数
5 人間圏総合指数からみた世界
第6章 生存基盤指数からみた世界 [佐藤孝宏・和田泰三・佐藤史郎]
1 はじめに
2 生存基盤指数の方法
2—1 生存基盤指数の構成と算出方法
2—2 算出方法の背景にある論理的構造
3 生存基盤指数が意味するもの
4 人間開発指数と生存基盤指数の相違点—ケイパビリティから潜在力(Potentiality)へ
5 おわりに
第3編 生存圏の総合的評価に向けて
第7章 自然災害と社会のリジリエンシー(柔軟対応力)
—ピナトゥボ山大噴火(1991)の事例から「創造的復興」を考える— [清水 展]
1 はじめに—東日本大震災の衝撃
2 自然災害と日本社会—台風被害から地震被害へ
3 アジアにおける自然災害
4 災害に対処・適応する文化—フィリピンから考える
5 ピナトゥボ山の大噴火(1991)と先住民アエタの被災・適応—移住と民族の新生
5—1 世界を一変させた大噴火
5—2 先住民族の自覚と文化の意識化
6 おわりに—創造的復興を考える
第8章 熱帯社会におけるケアの実践と生存の質 [西 真如]
1 はじめに
1—1 生存の技術−制度的基盤,再生産のモード,ケアの実践
1—2 ケアの倫理と実践に関わる根深い論争
2 熱帯社会の人間圏を評価する
2—1 再生産のモードと人口
2—2 世帯規模と生存の質
3 ケアの実践と集団の編成
3—1 「囲い込まれた再生産領域」としての家族
3—2 ケアのネットワークとしての地域社会
3—3 ケアの実践によって規定される社会の編成
4 熱帯社会におけるケアの実践—アフリカ社会の事例を中心に
4—1 子育て
4—2 分与の共同体
4—3 病と障害
4—4 老いと死
5 おわりに—ケアの実践と生存の未来
第9章 生存基盤曼荼羅 —指数解釈のための試論— [峯 陽一]
1 ゲシュタルト転換としてのパラダイム転換
2 三圏の論理と進化
3 存在の根源としてのケア
4 両界曼荼羅と南方曼荼羅
5 生存基盤曼荼羅の萃点
6 おわりに
Appendix
執筆者紹介
索引
1 はじめに
2 「人間開発に関わる価値」から「生存に関わる価値」へ
2—1 人間開発に関わる価値
2—2 生存に関わる価値
2—3 潜在能力からケアへ
3 生存圏の持続性評価
3—1 異質な論理の承認と評価
3—2 なぜ各圏を3分の1ずつのウェイトにするのか
3—3 なぜ経済指標を採用しないのか
4 人間圏の持続性評価
4—1 多様性と平等
4—2 生存圏のライフサイクル的理解
4—3 熱帯人間圏からの視点
第1編 既存指数の生成過程とその批判的継承
第1章 生存基盤をはかる —GDP・HDIを超えて— [峯 陽一]
1 価値が指数のフレームを決める
2 諸国民の富の計測—GDPと「国力」
3 人間開発指数(HDI)—人間圏からのGDP批判
4 スティグリッツ=セン報告書—富,生活の質,持続可能性の統合指数へ
5 既存指数から生存基盤指数へ
6 おわりに—「熱帯の力」
第2章 人間圏と地球圏・生命圏をつなぐ指標 [河野泰之]
1 はじめに
2 地球環境の指標化の歩み
3 主要な指標
3—1 生きている地球指標とエコロジカル・フットプリント
3—2 環境パフォーマンス指標
3—3 環境脆弱性指標
4 持続型生存基盤研究のための指標に向けて
第2編 生存基盤指数からみた世界
第3章 地球圏総合指数とその構成要素 [佐藤孝宏]
1 地球圏の論理:循環
2 地球圏の可能性指数:太陽エネルギー
3 地球圏の関係性指数:大気・水循環指数
4 地球圏の撹乱指数:CO2排出量
5 地球圏総合指数からみた世界
第4章 生命圏総合指数とその構成要素 [佐藤孝宏]
1 生命圏の論理:多様化
2 生命圏の可能性指数:森林バイオマス
3 生命圏の関係性指数:生物多様性指数
4 生命圏の撹乱指数:HANPP
5 生命圏総合指数からみた世界
第5章 人間圏総合指数とその構成要素 [和田泰三]
1 人間圏の論理:自律と共感
2 人間圏の関係性指数:ケア指数
2—1 人間圏を貫く価値:ケア
2—2 平均世帯内人数と女性人口比(Female Male Ratio)—ケア空間と関係性の視点
3 人間圏の可能性指数:人口密度
3—1 過密状態で人間も暴力的になるか
3—2 世界各国の人口密度と人口推計
3—3 人口増加するアフリカと減少が予測されるアジアとその例外
4 人類存在に対する三つの圏からの脅威
4—1 地球圏からの撹乱:地震・津波・洪水・火山噴火による平均粗死亡率
4—2 生命圏からの撹乱:マラリア・HIV・結核による粗死亡率
4—3 人間圏からの撹乱:紛争・自殺・他殺の粗死亡率
4—4 人間圏総合撹乱指数
5 人間圏総合指数からみた世界
第6章 生存基盤指数からみた世界 [佐藤孝宏・和田泰三・佐藤史郎]
1 はじめに
2 生存基盤指数の方法
2—1 生存基盤指数の構成と算出方法
2—2 算出方法の背景にある論理的構造
3 生存基盤指数が意味するもの
4 人間開発指数と生存基盤指数の相違点—ケイパビリティから潜在力(Potentiality)へ
5 おわりに
第3編 生存圏の総合的評価に向けて
第7章 自然災害と社会のリジリエンシー(柔軟対応力)
—ピナトゥボ山大噴火(1991)の事例から「創造的復興」を考える— [清水 展]
1 はじめに—東日本大震災の衝撃
2 自然災害と日本社会—台風被害から地震被害へ
3 アジアにおける自然災害
4 災害に対処・適応する文化—フィリピンから考える
5 ピナトゥボ山の大噴火(1991)と先住民アエタの被災・適応—移住と民族の新生
5—1 世界を一変させた大噴火
5—2 先住民族の自覚と文化の意識化
6 おわりに—創造的復興を考える
第8章 熱帯社会におけるケアの実践と生存の質 [西 真如]
1 はじめに
1—1 生存の技術−制度的基盤,再生産のモード,ケアの実践
1—2 ケアの倫理と実践に関わる根深い論争
2 熱帯社会の人間圏を評価する
2—1 再生産のモードと人口
2—2 世帯規模と生存の質
3 ケアの実践と集団の編成
3—1 「囲い込まれた再生産領域」としての家族
3—2 ケアのネットワークとしての地域社会
3—3 ケアの実践によって規定される社会の編成
4 熱帯社会におけるケアの実践—アフリカ社会の事例を中心に
4—1 子育て
4—2 分与の共同体
4—3 病と障害
4—4 老いと死
5 おわりに—ケアの実践と生存の未来
第9章 生存基盤曼荼羅 —指数解釈のための試論— [峯 陽一]
1 ゲシュタルト転換としてのパラダイム転換
2 三圏の論理と進化
3 存在の根源としてのケア
4 両界曼荼羅と南方曼荼羅
5 生存基盤曼荼羅の萃点
6 おわりに
Appendix
執筆者紹介
索引