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先進産業社会は,少産少死の高齢化時代にある.家族の危機と国家的制度の困難は,生産労働中心社会が生んだ根本的な生存基盤の危機を示している.一方,後に産業化を歩んだ熱帯社会では,外延的な人びとの関係性がなすケアの論理が生存基盤を確保し回復力を維持している.公共圏へ広がる多様な生のつながりから熱帯社会の潜在力を探る.
『アジア・アフリカ地域研究』2012年第12-2号、282-285頁、評者:加藤淳典氏
『東南アジア研究』51巻2号、326-328頁、評者:丸山淳子氏
『東南アジア研究』51巻2号、326-328頁、評者:丸山淳子氏
速水 洋子(はやみ ようこ)[序章,第4章]
京都大学東南アジア研究所教授,京都大学グローバルCOEプログラム「生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点」イニシアティブ4リーダー.専攻:文化人類学,東南アジア研究.
ブラウン大学Ph.D.(人類学).主要著作に,『差異とつながりの民族誌—北タイ山地カレン社会の民族とジェンダー』(世界思想社,2009年),Between Hills and Plains: Power and Practice in Socio-Religious Dynamics among Karen (Kyoto University Press and Trans Pacific Press, 2004), Gender and Modernity in Asia and the Pacific (Kyoto University Press and Trans Pacific Press, 2003), The Family in Flux in Southeast Asia: Institution, Ideology and Practice(共編著,Kyoto University Press and Silkworm Books, 2012).
西 真如(にし まこと)[序章,第5章]
京都大学東南アジア研究所特定助教(グローバルCOE).専攻:文化人類学,アフリカ研究.
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(アフリカ地域研究専攻)博士課程単位取得退学.博士(地域研究).
著作に,『現代アフリカの公共性—エチオピア社会にみるコミュニティ・開発・政治実践』(昭和堂,2009年),主要論文に「疫学的な他者と生きる身体—エチオピアのグラゲ社会におけるHIV / AIDSの経験」『文化人類学』76(3).
木村 周平(きむら しゅうへい)[序章,第9章]
富士常葉大学大学院環境防災研究科准教授.専攻:文化人類学,科学技術社会論.
東京大学教養学部卒,東京大学大学院総合文化研究科退学.博士(学術).京都大学東南アジア研究所特定助教(グローバルCOE)を経て現職.主要著作に,『現実批判の人類学—新世代のエスノグラフィへ』(共著,世界思想社,2011年),『地球圏・生命圏・人間圏—持続的な生存基盤を求めて』(共著,京都大学学術出版会,2010年),主要論文に「防災の公共性はいかに維持されるか—トルコにおける公共性をめぐる論理と実践の一事例」『アジア経済』52(4).
[著者紹介](執筆順)
高田 明(たかだ あきら)[第1章]
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科准教授.専攻:人類学,アフリカ地域研究.
京都大学文学部卒,京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了.博士(人間・環境学).日本学術振興会特別研究員,京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科助手,同助教を経て現職.主要論文に,「転身の物語り—サン研究における「家族」再訪」『文化人類学』75(4),“Pre-verbal infant-caregiver interaction”, The Handbook of Language Socialization(共同執筆,Oxford: Blackwell,2011),“Mother-infant interactions among the !Xun: Analysis of gymnastic and breastfeeding behaviors”, Hunter-gatherer childhoods: Evolutionary, Developmental, and Cultural Perspectives(共同執筆,New Brunswick, NJ: Transaction Publishers, 2005).
佐藤 奈穂(さとう なお)[第2章]
京都大学東南アジア研究所機関研究員.専攻:開発経済学,東南アジア地域研究.
龍谷大学大学院経済学研究科民際学専攻修士課程修了(経済学修士),京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了.博士(地域研究).主要論文に,「カンボジア農村における死別・離別女性の研究—親族ネットワークと生計維持戦略」(博士論文),「女性世帯主世帯の世帯構成と就業選択—カンボジア シェムリアップ州 タートック村を事例として」『アジア経済』46(5).
吉村 千恵(よしむら ちえ)[第3章]
京都大学東南アジア研究所研究員(グローバルCOE).専攻:東南アジア地域研究.
熊本県出身.熊本学園大学大学院社会福祉学研究科修士課程修了,京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科単位取得満期退学.主要論文に,「タイの障害者立法の制定過程(1991—2007年)—障害当事者の役割を中心に」『タイの立法過程』(アジア経済研究所,2012年),「ケアの実践と「障害」の揺らぎ—タイ障害者の生活実践におけるケアとコミュニテイ形成」『アジア・アフリカ地域研究』10(2).
佐川 徹(さがわ とおる)[第6章]
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科助教.専攻:人類学,アフリカ地域研究.
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了.博士(地域研究).日本学術振興会特別研究員などを経て現職.主要著作に,『暴力と歓待の民族誌—東アフリカ牧畜社会の戦争と平和』(昭和堂,2011年),To Live with Others: Essays on Cultural Neighborhood in Southern Ethiopia(共著,R【¨u】diger K【¨o】ppe Verlag, 2010),主要論文に“Automatic Rifles and Social Order amongst the Daasanach of Conflict-ridden East Africa”, Nomadic Peoples, 14 (1).
舟橋 健太(ふなはし けんた)[第7章]
京都大学東南アジア研究所研究員(グローバルCOE).専攻:文化人類学.
北海道大学文学部卒, 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了.博士(地域研究).主要論文に,「仏教徒として / チャマールとして—北インド,ウッタル・プラデーシュ州における「改宗仏教徒」の事例から」『南アジア研究』19,「信じるもの / おこなうものとしての〈宗教〉—現代北インドにおける「改宗仏教徒」の事例から」『宗教の人類学(シリーズ 来たるべき人類学 第3巻)』(春風社,2010年).
遠藤 環(えんどう たまき)[第8章]
埼玉大学経済学部准教授.専攻:開発経済学,都市経済学,東南アジア研究.
京都大学法学部卒,京都大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学.博士(経済学).日本学術振興会特別研究員(PD)(京都大学東南アジア研究所),京都大学東南アジア研究所研究員(グローバルCOE),埼玉大学経済学部講師を経て現職.主要著作に,『都市を生きる人々—バンコク・都市下層民のリスク対応』(京都大学学術出版会,2011年).
篠原 真毅(しのはら なおき)[第9章]
京都大学生存圏研究所教授.専攻:マイクロ波応用工学,宇宙太陽発電.
京都大学工学部電気工学科卒,京都大学大学院工学研究科博士課程修了.博士(工学).京都大超高層電波研究センター(現生存圏研究所)助手,同准教授を経て現職.主要著作に,『ワイヤレス給電の最前線』(監修,CMC出版,2011年),『京の宇宙学』(共著,ナノオプトメディア,2009年).
山越 言(やまこし げん)[第10章]
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科准教授.専攻:アフリカ地域研究.
京都大学理学部卒,京都大学大学院理学研究科博士課程修了.博士(理学).京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科助手を経て現職.主要著作に,『講座生態人類学8 ホミニゼーション』(共著,京都大学学術出版会,2001年).
孫 暁剛(そん しょうがん)[第11章]
筑波大学大学院生命環境科学研究科助教.専攻:生態人類学,アフリカ地域研究.
筑波大学国際関係学類卒,筑波大学修士課程環境科学研究科修了,京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士後期課程修了.博士(地域研究).日本学術振興会外国人特別研究員(PD),京都大学東南アジア研究所特定研究員(グローバルCOE)を経て現職.主要著作に,『遊牧と定住の人類学』(昭和堂,2012年),“Dynamics of Continuity and Changes of Pastoral Subsistence among the Rendille in Northern Kenya: With Special Reference to Livestock Management and Response to Socio-Economic Changes”, Supplementary Issue of African Study Monographs, 31.
常田夕美子(ときた ゆみこ)[第12章]
大阪大学グローバルコラボレーションセンター特任准教授.専攻:文化人類学,南アジア地域研究.
ロンドン大学東洋アフリカ学院修士課程修了,東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学.博士(学術).京都大学人文科学研究所研究支援推進員,フリーランス翻訳者などを経て現職.主要著作に,Gender and Modernity: Perspectives from Asia and the Pacific(共編著,Kyoto University Press and Trans Pacific Press, 2003),『ポストコロニアルを生きる—現代インド女性の行為主体性』(世界思想社,2011年).
田辺 明生(たなべ あきお)[第12章]
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授,同研究科附属現代インド研究センター長.専攻:歴史人類学,南アジア地域研究.
東京大学法学部卒,東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学.博士(学術).東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助手,京都大学人文科学研究所准教授などを経て現職.主要著作に,The State in India: Past and Present(共編,Oxford University Press, 2006),『南アジア社会を学ぶ人のために』(共編,世界思想社,2010年),『カーストと平等性—インド社会の歴史人類学』(東京大学出版会,2010年,国際開発研究・大来賞,発展途上国研究奨励賞).
京都大学東南アジア研究所教授,京都大学グローバルCOEプログラム「生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点」イニシアティブ4リーダー.専攻:文化人類学,東南アジア研究.
ブラウン大学Ph.D.(人類学).主要著作に,『差異とつながりの民族誌—北タイ山地カレン社会の民族とジェンダー』(世界思想社,2009年),Between Hills and Plains: Power and Practice in Socio-Religious Dynamics among Karen (Kyoto University Press and Trans Pacific Press, 2004), Gender and Modernity in Asia and the Pacific (Kyoto University Press and Trans Pacific Press, 2003), The Family in Flux in Southeast Asia: Institution, Ideology and Practice(共編著,Kyoto University Press and Silkworm Books, 2012).
西 真如(にし まこと)[序章,第5章]
京都大学東南アジア研究所特定助教(グローバルCOE).専攻:文化人類学,アフリカ研究.
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(アフリカ地域研究専攻)博士課程単位取得退学.博士(地域研究).
著作に,『現代アフリカの公共性—エチオピア社会にみるコミュニティ・開発・政治実践』(昭和堂,2009年),主要論文に「疫学的な他者と生きる身体—エチオピアのグラゲ社会におけるHIV / AIDSの経験」『文化人類学』76(3).
木村 周平(きむら しゅうへい)[序章,第9章]
富士常葉大学大学院環境防災研究科准教授.専攻:文化人類学,科学技術社会論.
東京大学教養学部卒,東京大学大学院総合文化研究科退学.博士(学術).京都大学東南アジア研究所特定助教(グローバルCOE)を経て現職.主要著作に,『現実批判の人類学—新世代のエスノグラフィへ』(共著,世界思想社,2011年),『地球圏・生命圏・人間圏—持続的な生存基盤を求めて』(共著,京都大学学術出版会,2010年),主要論文に「防災の公共性はいかに維持されるか—トルコにおける公共性をめぐる論理と実践の一事例」『アジア経済』52(4).
[著者紹介](執筆順)
高田 明(たかだ あきら)[第1章]
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科准教授.専攻:人類学,アフリカ地域研究.
京都大学文学部卒,京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了.博士(人間・環境学).日本学術振興会特別研究員,京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科助手,同助教を経て現職.主要論文に,「転身の物語り—サン研究における「家族」再訪」『文化人類学』75(4),“Pre-verbal infant-caregiver interaction”, The Handbook of Language Socialization(共同執筆,Oxford: Blackwell,2011),“Mother-infant interactions among the !Xun: Analysis of gymnastic and breastfeeding behaviors”, Hunter-gatherer childhoods: Evolutionary, Developmental, and Cultural Perspectives(共同執筆,New Brunswick, NJ: Transaction Publishers, 2005).
佐藤 奈穂(さとう なお)[第2章]
京都大学東南アジア研究所機関研究員.専攻:開発経済学,東南アジア地域研究.
龍谷大学大学院経済学研究科民際学専攻修士課程修了(経済学修士),京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了.博士(地域研究).主要論文に,「カンボジア農村における死別・離別女性の研究—親族ネットワークと生計維持戦略」(博士論文),「女性世帯主世帯の世帯構成と就業選択—カンボジア シェムリアップ州 タートック村を事例として」『アジア経済』46(5).
吉村 千恵(よしむら ちえ)[第3章]
京都大学東南アジア研究所研究員(グローバルCOE).専攻:東南アジア地域研究.
熊本県出身.熊本学園大学大学院社会福祉学研究科修士課程修了,京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科単位取得満期退学.主要論文に,「タイの障害者立法の制定過程(1991—2007年)—障害当事者の役割を中心に」『タイの立法過程』(アジア経済研究所,2012年),「ケアの実践と「障害」の揺らぎ—タイ障害者の生活実践におけるケアとコミュニテイ形成」『アジア・アフリカ地域研究』10(2).
佐川 徹(さがわ とおる)[第6章]
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科助教.専攻:人類学,アフリカ地域研究.
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了.博士(地域研究).日本学術振興会特別研究員などを経て現職.主要著作に,『暴力と歓待の民族誌—東アフリカ牧畜社会の戦争と平和』(昭和堂,2011年),To Live with Others: Essays on Cultural Neighborhood in Southern Ethiopia(共著,R【¨u】diger K【¨o】ppe Verlag, 2010),主要論文に“Automatic Rifles and Social Order amongst the Daasanach of Conflict-ridden East Africa”, Nomadic Peoples, 14 (1).
舟橋 健太(ふなはし けんた)[第7章]
京都大学東南アジア研究所研究員(グローバルCOE).専攻:文化人類学.
北海道大学文学部卒, 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了.博士(地域研究).主要論文に,「仏教徒として / チャマールとして—北インド,ウッタル・プラデーシュ州における「改宗仏教徒」の事例から」『南アジア研究』19,「信じるもの / おこなうものとしての〈宗教〉—現代北インドにおける「改宗仏教徒」の事例から」『宗教の人類学(シリーズ 来たるべき人類学 第3巻)』(春風社,2010年).
遠藤 環(えんどう たまき)[第8章]
埼玉大学経済学部准教授.専攻:開発経済学,都市経済学,東南アジア研究.
京都大学法学部卒,京都大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学.博士(経済学).日本学術振興会特別研究員(PD)(京都大学東南アジア研究所),京都大学東南アジア研究所研究員(グローバルCOE),埼玉大学経済学部講師を経て現職.主要著作に,『都市を生きる人々—バンコク・都市下層民のリスク対応』(京都大学学術出版会,2011年).
篠原 真毅(しのはら なおき)[第9章]
京都大学生存圏研究所教授.専攻:マイクロ波応用工学,宇宙太陽発電.
京都大学工学部電気工学科卒,京都大学大学院工学研究科博士課程修了.博士(工学).京都大超高層電波研究センター(現生存圏研究所)助手,同准教授を経て現職.主要著作に,『ワイヤレス給電の最前線』(監修,CMC出版,2011年),『京の宇宙学』(共著,ナノオプトメディア,2009年).
山越 言(やまこし げん)[第10章]
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科准教授.専攻:アフリカ地域研究.
京都大学理学部卒,京都大学大学院理学研究科博士課程修了.博士(理学).京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科助手を経て現職.主要著作に,『講座生態人類学8 ホミニゼーション』(共著,京都大学学術出版会,2001年).
孫 暁剛(そん しょうがん)[第11章]
筑波大学大学院生命環境科学研究科助教.専攻:生態人類学,アフリカ地域研究.
筑波大学国際関係学類卒,筑波大学修士課程環境科学研究科修了,京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士後期課程修了.博士(地域研究).日本学術振興会外国人特別研究員(PD),京都大学東南アジア研究所特定研究員(グローバルCOE)を経て現職.主要著作に,『遊牧と定住の人類学』(昭和堂,2012年),“Dynamics of Continuity and Changes of Pastoral Subsistence among the Rendille in Northern Kenya: With Special Reference to Livestock Management and Response to Socio-Economic Changes”, Supplementary Issue of African Study Monographs, 31.
常田夕美子(ときた ゆみこ)[第12章]
大阪大学グローバルコラボレーションセンター特任准教授.専攻:文化人類学,南アジア地域研究.
ロンドン大学東洋アフリカ学院修士課程修了,東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学.博士(学術).京都大学人文科学研究所研究支援推進員,フリーランス翻訳者などを経て現職.主要著作に,Gender and Modernity: Perspectives from Asia and the Pacific(共編著,Kyoto University Press and Trans Pacific Press, 2003),『ポストコロニアルを生きる—現代インド女性の行為主体性』(世界思想社,2011年).
田辺 明生(たなべ あきお)[第12章]
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授,同研究科附属現代インド研究センター長.専攻:歴史人類学,南アジア地域研究.
東京大学法学部卒,東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学.博士(学術).東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助手,京都大学人文科学研究所准教授などを経て現職.主要著作に,The State in India: Past and Present(共編,Oxford University Press, 2006),『南アジア社会を学ぶ人のために』(共編,世界思想社,2010年),『カーストと平等性—インド社会の歴史人類学』(東京大学出版会,2010年,国際開発研究・大来賞,発展途上国研究奨励賞).
本講座の刊行によせて
序 章 人間圏の再構築に向けて [速水洋子・西 真如・木村周平]
1 人間と自然の新たな関わりに向けて
2 人間像と価値の転換
3 親密圏とケアの倫理
4 親密圏から公共圏へ
5 生産至上主義の論理へのオルタナティブ
6 リスクへの対応とレジリアンス
7 二元的知の形態から接合へ
8 生のつながりのなかで
第1編 生のつながりとケアの論理 —親密圏から公共圏へ向かう価値—
第1章 親密な関係の形成と環境 —ナミビア北中部のクン・サンにおける養育者—子ども間相互行為の分析から— [高田 明]
1 人間圏形成の基盤としての親密圏
2 サンにおける子どもの社会化
3 クン・サンの養育者—子ども間相互行為
3—1 民族誌的背景
3—2 方 法
3—3 接 触
3—4 言語的発話
3—5 給 食
3—6 考 察
補 論
第2章 世帯を超えて生を支え合う親族ネットワーク —カンボジア農村の事例から— [佐藤奈穂]
1 はじめに—世帯を超えたつながりから考える
2 調査概要
3 調査村の概況と生産活動
3—1 経済環境と地理的位置
3—2 人口・世帯・親族・婚姻
3—3 調査村の相互扶助慣行
3—4 生産活動の単位
4 子と高齢者のケアと親族ネットワーク
4—1 子どもの生活
4—2 子の他世帯への移動
4—3 子の移動による所得の平準化と消費単位の拡大
4—4 高齢者の移動
5 世帯の危機への対応
5—1 世帯の再編成による世帯の安全と労働力の獲得
5—2 他世帯との生産・再生産活動における互助関係
6 おわりに—世帯を超えた支え合いからみえるもの
第3章 ケアニーズがつなぐ人と地域 —タイ障害者の生活実践からみるケアをめぐる公共圏のひろがり— [吉村千恵]
1 はじめに—障害者のケアと当事者性をめぐる視座
2 タイ社会と障害者
2—1 タイの障害者を取り巻く社会的状況
2—2 調査地について
3 家族とともに暮らす
4 地域で暮らす障害者
4—1 地域内にあるインフォーマルビジネスの活用
4—2 地域内人的ネットワークの活用—障害者とコミュニティ
4—3 障害者同士のケア役割—つながりが生み出すもの
5 障害者によるケア獲得と拡大する公共圏
5—1 障害者によるケアの獲得と自己定位
5—2 他者から隣人へ—非障害者のまなざし
5—3 障害者ネットワークと新たなコミュニティの形成
5—4 親密で開放的な関係性から,「つながり」あう公共圏へ
6 おわりに—当事者性の可能性と今後の課題
第4章 生のつながりへ開かれる親密圏 —東南アジアにおけるケアの社会的基盤の動態— [速水洋子]
1 はじめに
2 親密圏からの考察
2—1 囲い込まれた「再生産」の領域
2—2 「ケアの倫理」をめぐる議論から
2—3 親密圏の両義性と危機
3 東南アジア社会にみる関係の広がり
3—1 生のかたちの継承—カレンの事例
3—2 関係の広がり—東南アジアから
4 タイにおける親密圏の変貌と新しい公共圏
4—1 親密圏とその変貌
4—2 タイにおける新たな親密圏の形成
5 開かれた親密圏の特性—複数性・生・応答性
6 生のつながり
第2編 ケアの政治学と人間圏のレジリアンス
第5章 ウイルスとともに生きる社会の条件 —HIV感染症に介入する知識・制度・倫理— [西 真如]
1 はじめに
2 人類と病原体との共存
2—1 病原体の侵襲を生き延びる
2—2 熱帯医学とグローバル・ヘルス
2—3 感染症疫学とHIV予防介入
3 エチオピアの農村社会における保健体制の展開
4 ウイルスとともに生きる
4—1 HIVの影響を受けた世帯
4—2 「隣の庭畑を耕す」
4—3 陽性者の出産とヘルスワーカーの役割
5 まとめと展望—ウイルスとともに生きる社会の条件
5—1 病原体の侵襲と生存のレジリアンス
5—2 ケアを指向する公衆衛生
第6章 「敵」と結ぶ友人関係 —東アフリカの紛争多発地域で生存を確保する— [佐川 徹]
1 極限的な状況下での他者への配慮
2 恐怖と欠乏の悪循環を断ち切る関係性
3 「敵」との友人関係
4 歓待と贈与から生まれる友人関係
5 生存基盤としての関係性
6 関係性をとおして維持される平和
第7章 平等を求めて —現代インドにおける「改宗仏教徒」の事例から— [舟橋健太]
1 はじめに—熱帯社会の平等論に向けて
2 B. R.アンベードカルによる仏教解釈と仏教運動
2—1 B. R.アンベードカルの生涯
2—2 アンベードカルの平等論と仏教解釈—アンベードカルの言説から
2—3 現代インドにおける仏教改宗
3 現代インドにおける仏教運動の主導者,「エリート・ダリト」
4 改宗仏教徒たちの実践形態—姻戚関係の交渉を中心に
5 おわりに—平等を求めて
第8章 バンコク都市下層民のリスク対応 [遠藤 環]
1 都市のリスクとは何か
1—1 都市におけるリスクへの遭遇と対応
1—2 リスクの発生
1—3 リスク対応の場と単位
2 バンコクの都市化と都市下層民のリスク
3 都市下層民の「居住」とリスク対応—火災への遭遇とコミュニティ
3—1 コミュニティにおける住宅と居住空間
3—2 コミュニティの居住空間としての機能
3—3 都心コミュニティSの火災と「居住」面への打撃
3—4 恒久住宅再建過程と入居後の変化
3—5 開発主体としての「コミュニティ」— コミュニティ開発におけるジレンマ
4 都市下層民の「職業」とリスク対応過程—生計手段の確保と維持
4—1 都市下層民の職業とリスク
4—2 職業上でのリスクへの遭遇と対応
4—3 生計手段の喪失とコミュニティ
4—4 コミュニティ内対応の可能性と限界
4—5 コミュニティを越えた連携の広がり
5 おわりに
第3編 人間圏をとりまく技術・制度・倫理の再構築
第9章 クリーン・エネルギーをめぐる科学技術と社会 —宇宙太陽発電を事例に— [篠原真毅・木村周平]
1 はじめに
2 持続可能な生存圏
2—1 人類の成長と科学技術
2—2 エネルギーと「持続可能な発展」
2—3 宇宙への生存圏の拡大
3 宇宙太陽発電とは
3—1 技術的な側面からみたSPS
3—2 検討の歴史
4 実現に向けて
4—1 2030年代に実現?
4—2 プロジェクトとオブジェクトの間で
4—3 SPS と生存圏の政治
5 おわりに—人間圏の再構想に向けて
第10章 在来知と科学知とが遭遇する場 —西アフリカの農村における里の動物としてのチンパンジー保全— [山越 言]
1 はじめに
2 チンパンジー=「境界線上の動物」を求めて
3 護るべき自然を象徴するチンパンジー
4 隣人としてのチンパンジー
5 「在来知」と「科学知」の相克
6 おわりに—在来知と科学知との対話に向かって
第11章 不確実性に生きる人々のリスク・マネジメント —自然災害とともに生きる東アフリカ遊牧社会— [孫 暁剛]
1 はじめに
2 東アフリカ乾燥地域と遊牧民
3 不確実性に生きる—ラクダ遊牧民レンディーレ
4 干ばつ早期警戒システムによるリスク・マネジメント
5 在来の技術・制度と科学技術の融合に向けて
第12章 関係性の政治 —開発と生存をめぐるグローカルネットワーク— [常田夕美子・田辺明生]
1 はじめに—人間と自然との関係性を問い直す
2 自然の多義性と「資源化」
2—1 ニヤムギリ山の生態と文化
2—2 アルミニウムの世界
3 ニヤムギリにおける開発と政治
3—1 政府の開発プログラムと地域の経済活動
3—2 ヴェーダンタ社とニヤムギリ鉱山開発
4 鉱山開発反対運動
4—1 ガーンディー主義的反開発の流れから自然資源のポリティクスへ
4—2 グローカルな社会運動への参加
5 参加,つながり,亀裂,紛争
6 おわりに—グローカルなつながりの再構築に向けて
執筆者紹介
索引
序 章 人間圏の再構築に向けて [速水洋子・西 真如・木村周平]
1 人間と自然の新たな関わりに向けて
2 人間像と価値の転換
3 親密圏とケアの倫理
4 親密圏から公共圏へ
5 生産至上主義の論理へのオルタナティブ
6 リスクへの対応とレジリアンス
7 二元的知の形態から接合へ
8 生のつながりのなかで
第1編 生のつながりとケアの論理 —親密圏から公共圏へ向かう価値—
第1章 親密な関係の形成と環境 —ナミビア北中部のクン・サンにおける養育者—子ども間相互行為の分析から— [高田 明]
1 人間圏形成の基盤としての親密圏
2 サンにおける子どもの社会化
3 クン・サンの養育者—子ども間相互行為
3—1 民族誌的背景
3—2 方 法
3—3 接 触
3—4 言語的発話
3—5 給 食
3—6 考 察
補 論
第2章 世帯を超えて生を支え合う親族ネットワーク —カンボジア農村の事例から— [佐藤奈穂]
1 はじめに—世帯を超えたつながりから考える
2 調査概要
3 調査村の概況と生産活動
3—1 経済環境と地理的位置
3—2 人口・世帯・親族・婚姻
3—3 調査村の相互扶助慣行
3—4 生産活動の単位
4 子と高齢者のケアと親族ネットワーク
4—1 子どもの生活
4—2 子の他世帯への移動
4—3 子の移動による所得の平準化と消費単位の拡大
4—4 高齢者の移動
5 世帯の危機への対応
5—1 世帯の再編成による世帯の安全と労働力の獲得
5—2 他世帯との生産・再生産活動における互助関係
6 おわりに—世帯を超えた支え合いからみえるもの
第3章 ケアニーズがつなぐ人と地域 —タイ障害者の生活実践からみるケアをめぐる公共圏のひろがり— [吉村千恵]
1 はじめに—障害者のケアと当事者性をめぐる視座
2 タイ社会と障害者
2—1 タイの障害者を取り巻く社会的状況
2—2 調査地について
3 家族とともに暮らす
4 地域で暮らす障害者
4—1 地域内にあるインフォーマルビジネスの活用
4—2 地域内人的ネットワークの活用—障害者とコミュニティ
4—3 障害者同士のケア役割—つながりが生み出すもの
5 障害者によるケア獲得と拡大する公共圏
5—1 障害者によるケアの獲得と自己定位
5—2 他者から隣人へ—非障害者のまなざし
5—3 障害者ネットワークと新たなコミュニティの形成
5—4 親密で開放的な関係性から,「つながり」あう公共圏へ
6 おわりに—当事者性の可能性と今後の課題
第4章 生のつながりへ開かれる親密圏 —東南アジアにおけるケアの社会的基盤の動態— [速水洋子]
1 はじめに
2 親密圏からの考察
2—1 囲い込まれた「再生産」の領域
2—2 「ケアの倫理」をめぐる議論から
2—3 親密圏の両義性と危機
3 東南アジア社会にみる関係の広がり
3—1 生のかたちの継承—カレンの事例
3—2 関係の広がり—東南アジアから
4 タイにおける親密圏の変貌と新しい公共圏
4—1 親密圏とその変貌
4—2 タイにおける新たな親密圏の形成
5 開かれた親密圏の特性—複数性・生・応答性
6 生のつながり
第2編 ケアの政治学と人間圏のレジリアンス
第5章 ウイルスとともに生きる社会の条件 —HIV感染症に介入する知識・制度・倫理— [西 真如]
1 はじめに
2 人類と病原体との共存
2—1 病原体の侵襲を生き延びる
2—2 熱帯医学とグローバル・ヘルス
2—3 感染症疫学とHIV予防介入
3 エチオピアの農村社会における保健体制の展開
4 ウイルスとともに生きる
4—1 HIVの影響を受けた世帯
4—2 「隣の庭畑を耕す」
4—3 陽性者の出産とヘルスワーカーの役割
5 まとめと展望—ウイルスとともに生きる社会の条件
5—1 病原体の侵襲と生存のレジリアンス
5—2 ケアを指向する公衆衛生
第6章 「敵」と結ぶ友人関係 —東アフリカの紛争多発地域で生存を確保する— [佐川 徹]
1 極限的な状況下での他者への配慮
2 恐怖と欠乏の悪循環を断ち切る関係性
3 「敵」との友人関係
4 歓待と贈与から生まれる友人関係
5 生存基盤としての関係性
6 関係性をとおして維持される平和
第7章 平等を求めて —現代インドにおける「改宗仏教徒」の事例から— [舟橋健太]
1 はじめに—熱帯社会の平等論に向けて
2 B. R.アンベードカルによる仏教解釈と仏教運動
2—1 B. R.アンベードカルの生涯
2—2 アンベードカルの平等論と仏教解釈—アンベードカルの言説から
2—3 現代インドにおける仏教改宗
3 現代インドにおける仏教運動の主導者,「エリート・ダリト」
4 改宗仏教徒たちの実践形態—姻戚関係の交渉を中心に
5 おわりに—平等を求めて
第8章 バンコク都市下層民のリスク対応 [遠藤 環]
1 都市のリスクとは何か
1—1 都市におけるリスクへの遭遇と対応
1—2 リスクの発生
1—3 リスク対応の場と単位
2 バンコクの都市化と都市下層民のリスク
3 都市下層民の「居住」とリスク対応—火災への遭遇とコミュニティ
3—1 コミュニティにおける住宅と居住空間
3—2 コミュニティの居住空間としての機能
3—3 都心コミュニティSの火災と「居住」面への打撃
3—4 恒久住宅再建過程と入居後の変化
3—5 開発主体としての「コミュニティ」— コミュニティ開発におけるジレンマ
4 都市下層民の「職業」とリスク対応過程—生計手段の確保と維持
4—1 都市下層民の職業とリスク
4—2 職業上でのリスクへの遭遇と対応
4—3 生計手段の喪失とコミュニティ
4—4 コミュニティ内対応の可能性と限界
4—5 コミュニティを越えた連携の広がり
5 おわりに
第3編 人間圏をとりまく技術・制度・倫理の再構築
第9章 クリーン・エネルギーをめぐる科学技術と社会 —宇宙太陽発電を事例に— [篠原真毅・木村周平]
1 はじめに
2 持続可能な生存圏
2—1 人類の成長と科学技術
2—2 エネルギーと「持続可能な発展」
2—3 宇宙への生存圏の拡大
3 宇宙太陽発電とは
3—1 技術的な側面からみたSPS
3—2 検討の歴史
4 実現に向けて
4—1 2030年代に実現?
4—2 プロジェクトとオブジェクトの間で
4—3 SPS と生存圏の政治
5 おわりに—人間圏の再構想に向けて
第10章 在来知と科学知とが遭遇する場 —西アフリカの農村における里の動物としてのチンパンジー保全— [山越 言]
1 はじめに
2 チンパンジー=「境界線上の動物」を求めて
3 護るべき自然を象徴するチンパンジー
4 隣人としてのチンパンジー
5 「在来知」と「科学知」の相克
6 おわりに—在来知と科学知との対話に向かって
第11章 不確実性に生きる人々のリスク・マネジメント —自然災害とともに生きる東アフリカ遊牧社会— [孫 暁剛]
1 はじめに
2 東アフリカ乾燥地域と遊牧民
3 不確実性に生きる—ラクダ遊牧民レンディーレ
4 干ばつ早期警戒システムによるリスク・マネジメント
5 在来の技術・制度と科学技術の融合に向けて
第12章 関係性の政治 —開発と生存をめぐるグローカルネットワーク— [常田夕美子・田辺明生]
1 はじめに—人間と自然との関係性を問い直す
2 自然の多義性と「資源化」
2—1 ニヤムギリ山の生態と文化
2—2 アルミニウムの世界
3 ニヤムギリにおける開発と政治
3—1 政府の開発プログラムと地域の経済活動
3—2 ヴェーダンタ社とニヤムギリ鉱山開発
4 鉱山開発反対運動
4—1 ガーンディー主義的反開発の流れから自然資源のポリティクスへ
4—2 グローカルな社会運動への参加
5 参加,つながり,亀裂,紛争
6 おわりに—グローカルなつながりの再構築に向けて
執筆者紹介
索引