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生産と効率が優越した近代化は生存基盤に歪みをもたらしつつある.とりわけ,生命の多様性や連鎖を等閑に付し,地球圏の物質循環を充分に考慮しない先進産業社会が自然環境に与える負の影響は深刻である.地球圏と生命圏の論理を視野におさめ,豊富な自然科学の知見を中心に,持続可能性をもつ熱帯型発展径路の潜在力を探りだす.
[編者紹介]
柳澤 雅之(やなぎさわ まさゆき)[序章,おわりに]
京都大学地域研究統合情報センター准教授.専攻:東南アジア地域研究.
京都大学大学院農学研究科博士課程修了.農学博士.京都大学東南アジア研究センター助手,同准教授を経て現職.主要論文に,「東南アジア生態史」『東南アジア史研究の展開』(山川出版社,2009年),「ベトナム紅河デルタにおける農業生産システムの変化と合作社の役割」『東アジア農村の兼業化—その持続性への展望』(年報村落社会研究,2004年).
河野 泰之(こうの やすゆき)[序章,第10章,おわりに]
京都大学東南アジア研究所教授.専攻:東南アジア研究.
東京大学農学部卒,東京大学大学院農学系研究科博士課程修了.農学博士.京都大学東南アジア研究センター助手,アジア工科大学院助教授,京都大学東南アジア研究センター助教授を経て現職.主要著作に,Ecological Destruction, Health, and Development: Advancing Asian Paradigms(共編,京都大学学術出版会,2004年),Small-scale Livelihoods and Natural Resources Management in Marginal Areas of Monsoon Asia(共編,Bishen Singh Mahendra Pal Singh,2006),『論集モンスーンアジアの生態史 第1巻生業の生態史』(責任編集,弘文堂,2008年).
甲山 治(こうざん おさむ)[序章,第1章,おわりに]
京都大学東南アジア研究所准教授.専攻:水文学,土木工学.
京都大学工学部卒,京都大学大学院工学研究科博士課程修了.博士(工学).山梨大学工学部研究員,京都大学防災研究所研究員,京都大学東南アジア研究所特定助教を経て現職.主要著作に,『地球圏・生命圏・人間圏—持続的な生存基盤を求めて』(共著,京都大学学術出版会,2010年).
神崎 護(かんざき まもる)[序章,第4章,おわりに]
京都大学大学院農学研究科准教授,京都大学JST科学技術戦略推進費国際共同研究「熱帯多雨林における集約的森林管理と森林資源の高度利用による持続的利用パラダイムの創出」代表者.専攻:森林生態学.
東京農工大学農学部卒,千葉大学大学院理学研究科修士課程,大阪市立大学博士課程修了.理学博士.大阪市立大学理学部助手,講師を経て現職.主要著作に,『森林の再発見』(共著,京都大学出版会,2007年),『地球圏・生命圏・人間圏—持続的な生存基盤を求めて』(共著,京都大学学術出版会,2010年).
[著者紹介](執筆順)
J. F. ウォーレン(James Francis Warren)[第2章]
マードック大学アジア研究プログラムおよびアジア研究センター教授.専攻:東南アジア現代史.
主要著作に,The North Borneo Chartered Company's Administration of the Bajau, 1878—1909 (Ohio University Press, 1971), The Sulu Zone, 1768-1898: The Dynamics of External Trade, Slavery and Ethnicity in the Transformation of a Southeast Asian Maritime State (Singapore University Press, 1981), Rickshaw Coolie: A People's History of Singapore, 1880—1940 (Oxford University Press, 1986), Pirates, Prostitutes and Pullers Explorations in the Ethno-and Social History of Southeast Asia (University of Western Australia Press, 2008).
谷 誠(たに まこと)[第3章]
京都大学大学院農学研究科教授,専攻:森林水文学.
京都大学農学部卒,京都大学大学院農学研究科博士課程修了.農学博士.森林総合研究所研究員,気象研究室長を経て現職.主要論文に,「森林斜面での雨水流動」『森林水文学』(文永堂出版,1992年),「水の循環における森林の役割」『森林の再発見』(京都大学学術出版会,2007年),“Predicting the Dependencies of Rainfall-runoff Responses on Human Forest Disturbances with Soil Loss Based on the Runoff Mechanisms in Granitic and Sedimentary-rock Mountains”, Hydrological Processes, 19 October 2011.
稲田 友弥(いなだ ともや)[第4章]
京都大学大学院農学研究科博士課程在学中.専攻:森林科学.
北海道大学農学部卒,京都大学大学院農学研究科修士課程修了.
野草 俊哉(のぐさ としや)[第4章]
京都大学大学院農学研究科修士課程在学中.専攻:森林科学.
京都大学農学部卒.
福島 万紀(ふくしま まき)[第5章]
京都大学東南アジア研究所研究員(グローバルCOE),島根県中山間地域研究センターやさか郷づくり事務所研究員.専攻:森林生態学.
京都大学農学部卒,京都大学大学院農学研究科博士課程修了.農学博士.主要論文に,“Secondary Forest Succession after the Cessation of Swidden Cultivation in the Montane Forest Area in Northern Thailand”, Forest Ecology and Management, 225(共著),主要訳書に,『森の恵み—アジアの食べ物,香辛料,工芸品と樹脂』(共監訳,国際林業センター,2008年).
佐々木綾子(ささき あやこ)[第6章]
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科研究員.専攻:農学,地域社会学.
日本大学生物資源科学部卒,京都大学大学院農学研究科修士課程,同博士後期課程修了.農学博士.日本学術振興会特別研究員PD(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)を経て現職.主要論文に,“Population Dynamics and Land-use Changes in a Miang (Chewing-tea) Village, Northern Thailand” , Tropics, 16(共著),“Changes in the Management System of the Resources in the 'Miang Tea Gardens' A Case Study of PMO Village, Northern Thailand”, Tropics, 17,「タイ北部における発酵食用茶『ミアン』の伝播に関する一考察」『ヒマラヤ学誌』10.
田中 耕司(たなか こうじ)[第7章]
京都大学学術研究支援室・次世代研究者育成センター特任教授.専攻:東南アジア地域研究(熱帯環境利用論).
京都大学大学院農学研究科博士課程中退.京都大学農学部 / 東南アジア研究センター助手・助教授・教授,同東南アジア研究所 / 地域研究統合情報センター教授を経て,2010年京都大学を停年により退職.主要著作に,『稲のアジア史』(共編著,小学館,1987年),『講座文明と環境第10巻海と文明』(共編著,朝倉書店,1995年),『講座人間と環境第3巻自然と結ぶ—「農」にみる多様性』(編著,昭和堂,2000年),『講座「帝国」日本の学知第7巻実学としての科学技術』(編著,岩波書店,2006年).
平井 將公(ひらい まさあき)[第8章]
京都大学アフリカ地域研究資料センター研究員.専攻:アフリカ地域研究,生態学.
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了.博士(地域研究).主要論文に,「セネガル中西部におけるアルビダ植生の維持機構」『アフリカ自然学』(古今書院,2005年),「サバンナ帯の人口稠密地域における資源利用の生態史—セネガルのセレール社会の事例」『森棲みの生態誌』(京都大学学術出版会,2010年).
安藤 和雄(あんどう かずお)[第9章]
京都大学東南アジア研究所実践型地域研究推進室准教授.専攻:熱帯農学,農村開発,地域研究.
静岡大学農学部卒,京都大学大学院農学研究科博士課程修了.博士(農学).青年海外協力隊隊員(バングラデシュ稲作),JICA長期派遣専門家(バングラデシュ農村開発),京都大学東南アジア研究所助教授を経て現職.主要著作に,Integrated Study on Sustainable Agriculture and Rural Development towards Research and Education in Myanmar and Education in Myanmar and Surrounding Countries(共編著,Yezin Agricultural University, 2011),主要論文に,「農村研究の視点—在地の絶対肯定」『地域の発展と産業』(放送大学教育振興会,2011年),“Recent Change in Rice Cultivation Technology in Bangladesh”, Journal of Agroforestry and Environment, 5 (Special Issue).
佐藤 孝宏(さとう たかひろ)[第10章]
京都大学東南アジア研究所特定助教(グローバルCOE).専攻:熱帯農業生態学.
電気通信大学電気通信学部および宇都宮大学農学部卒,京都大学大学院農学研究科博士課程修了.博士(農学).京都大学東南アジア研究所研究員,京都大学生存基盤科学研究ユニット研究員などを経て現職.主要論文に,“The Effect of Expansion of Private Wells on Rural Livelihood in Tank Intensive Watersheds: A case Study in Upper Gundar River Basin, Tamil Nadu”, Southeast Asian Studies, 49(共著),“Effect of Supplemental Irrigation on Leaf Stomatal Conductance of Field-grown Wheat in Northern Syria”, Agr. Water Manage, 85(共著).
渡辺 一生(わたなべ かずお)[第10章]
京都大学東南アジア研究所特定研究員(グローバルCOE).専攻:農業土木.
四日市大学環境情報学部卒,信州大学大学院農学研究科修士課程修了,岐阜大学大学院連合農学研究科博士後期課程修了.農学博士.京都大学東南アジア研究所研究員(機関研究)を経て現職.主要論文に,「タイ国東北部・ドンデーン村の過去70年間における天水田域拡大過程」『農業農村工学会論文集』75(5)(共著),「タイ国東北部・ドンデーン村における天水田の区画改変とその水稲生産への影響」『農業農村工学会論文集』76(1)(共著).
石川 登(いしかわ のぼる)[第11章]
京都大学東南アジア研究所准教授.専攻:人類学.
ニューヨーク市立大学大学院博士課程修了.Ph.D.(人類学).京都大学東南アジア研究センター助手,助教授を経て現職.主要著作に,『境界の社会史—国家が所有を宣言するとき』(京都大学学術出版会,2008年),Between Frontiers: Nation and Identity in a Southeast Asian Borderland (NUS Press/NIAS Press/Ohio University Press, 2010), Transborder Governance of Forests, Rivers and Seas(共編著,Earthscan, 2010).Flows and Movements in Southeast Asia: New Approaches to Transnationalism(編著,Kyoto University Press, 2011).
祖田 亮次(そだ りょうじ)[第11章]
大阪市立大学大学院文学研究科准教授,京都大学東南アジア研究所共同研究員.専攻:地理学.
京都大学大学院文学研究科博士課程修了.博士(文学).広島大学文学部助手,北海道大学助教授・准教授を経て現職.主要著作に,People on the Move: Rural-urban Interactions in Sarawak (Kyoto University Press and Trans Pacific Press, 2007),『広島原爆デジタルアトラス』(共著,広島大学総合地誌研究資料センター,2001年).
鮫島 弘光(さめじま ひろみつ)[第11章]
京都大学東南アジア研究所特定研究員.専攻:生態学.
京都大学理学部卒,京都大学大学院理学研究科博士課程修了.理学博士.
柳澤 雅之(やなぎさわ まさゆき)[序章,おわりに]
京都大学地域研究統合情報センター准教授.専攻:東南アジア地域研究.
京都大学大学院農学研究科博士課程修了.農学博士.京都大学東南アジア研究センター助手,同准教授を経て現職.主要論文に,「東南アジア生態史」『東南アジア史研究の展開』(山川出版社,2009年),「ベトナム紅河デルタにおける農業生産システムの変化と合作社の役割」『東アジア農村の兼業化—その持続性への展望』(年報村落社会研究,2004年).
河野 泰之(こうの やすゆき)[序章,第10章,おわりに]
京都大学東南アジア研究所教授.専攻:東南アジア研究.
東京大学農学部卒,東京大学大学院農学系研究科博士課程修了.農学博士.京都大学東南アジア研究センター助手,アジア工科大学院助教授,京都大学東南アジア研究センター助教授を経て現職.主要著作に,Ecological Destruction, Health, and Development: Advancing Asian Paradigms(共編,京都大学学術出版会,2004年),Small-scale Livelihoods and Natural Resources Management in Marginal Areas of Monsoon Asia(共編,Bishen Singh Mahendra Pal Singh,2006),『論集モンスーンアジアの生態史 第1巻生業の生態史』(責任編集,弘文堂,2008年).
甲山 治(こうざん おさむ)[序章,第1章,おわりに]
京都大学東南アジア研究所准教授.専攻:水文学,土木工学.
京都大学工学部卒,京都大学大学院工学研究科博士課程修了.博士(工学).山梨大学工学部研究員,京都大学防災研究所研究員,京都大学東南アジア研究所特定助教を経て現職.主要著作に,『地球圏・生命圏・人間圏—持続的な生存基盤を求めて』(共著,京都大学学術出版会,2010年).
神崎 護(かんざき まもる)[序章,第4章,おわりに]
京都大学大学院農学研究科准教授,京都大学JST科学技術戦略推進費国際共同研究「熱帯多雨林における集約的森林管理と森林資源の高度利用による持続的利用パラダイムの創出」代表者.専攻:森林生態学.
東京農工大学農学部卒,千葉大学大学院理学研究科修士課程,大阪市立大学博士課程修了.理学博士.大阪市立大学理学部助手,講師を経て現職.主要著作に,『森林の再発見』(共著,京都大学出版会,2007年),『地球圏・生命圏・人間圏—持続的な生存基盤を求めて』(共著,京都大学学術出版会,2010年).
[著者紹介](執筆順)
J. F. ウォーレン(James Francis Warren)[第2章]
マードック大学アジア研究プログラムおよびアジア研究センター教授.専攻:東南アジア現代史.
主要著作に,The North Borneo Chartered Company's Administration of the Bajau, 1878—1909 (Ohio University Press, 1971), The Sulu Zone, 1768-1898: The Dynamics of External Trade, Slavery and Ethnicity in the Transformation of a Southeast Asian Maritime State (Singapore University Press, 1981), Rickshaw Coolie: A People's History of Singapore, 1880—1940 (Oxford University Press, 1986), Pirates, Prostitutes and Pullers Explorations in the Ethno-and Social History of Southeast Asia (University of Western Australia Press, 2008).
谷 誠(たに まこと)[第3章]
京都大学大学院農学研究科教授,専攻:森林水文学.
京都大学農学部卒,京都大学大学院農学研究科博士課程修了.農学博士.森林総合研究所研究員,気象研究室長を経て現職.主要論文に,「森林斜面での雨水流動」『森林水文学』(文永堂出版,1992年),「水の循環における森林の役割」『森林の再発見』(京都大学学術出版会,2007年),“Predicting the Dependencies of Rainfall-runoff Responses on Human Forest Disturbances with Soil Loss Based on the Runoff Mechanisms in Granitic and Sedimentary-rock Mountains”, Hydrological Processes, 19 October 2011.
稲田 友弥(いなだ ともや)[第4章]
京都大学大学院農学研究科博士課程在学中.専攻:森林科学.
北海道大学農学部卒,京都大学大学院農学研究科修士課程修了.
野草 俊哉(のぐさ としや)[第4章]
京都大学大学院農学研究科修士課程在学中.専攻:森林科学.
京都大学農学部卒.
福島 万紀(ふくしま まき)[第5章]
京都大学東南アジア研究所研究員(グローバルCOE),島根県中山間地域研究センターやさか郷づくり事務所研究員.専攻:森林生態学.
京都大学農学部卒,京都大学大学院農学研究科博士課程修了.農学博士.主要論文に,“Secondary Forest Succession after the Cessation of Swidden Cultivation in the Montane Forest Area in Northern Thailand”, Forest Ecology and Management, 225(共著),主要訳書に,『森の恵み—アジアの食べ物,香辛料,工芸品と樹脂』(共監訳,国際林業センター,2008年).
佐々木綾子(ささき あやこ)[第6章]
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科研究員.専攻:農学,地域社会学.
日本大学生物資源科学部卒,京都大学大学院農学研究科修士課程,同博士後期課程修了.農学博士.日本学術振興会特別研究員PD(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)を経て現職.主要論文に,“Population Dynamics and Land-use Changes in a Miang (Chewing-tea) Village, Northern Thailand” , Tropics, 16(共著),“Changes in the Management System of the Resources in the 'Miang Tea Gardens' A Case Study of PMO Village, Northern Thailand”, Tropics, 17,「タイ北部における発酵食用茶『ミアン』の伝播に関する一考察」『ヒマラヤ学誌』10.
田中 耕司(たなか こうじ)[第7章]
京都大学学術研究支援室・次世代研究者育成センター特任教授.専攻:東南アジア地域研究(熱帯環境利用論).
京都大学大学院農学研究科博士課程中退.京都大学農学部 / 東南アジア研究センター助手・助教授・教授,同東南アジア研究所 / 地域研究統合情報センター教授を経て,2010年京都大学を停年により退職.主要著作に,『稲のアジア史』(共編著,小学館,1987年),『講座文明と環境第10巻海と文明』(共編著,朝倉書店,1995年),『講座人間と環境第3巻自然と結ぶ—「農」にみる多様性』(編著,昭和堂,2000年),『講座「帝国」日本の学知第7巻実学としての科学技術』(編著,岩波書店,2006年).
平井 將公(ひらい まさあき)[第8章]
京都大学アフリカ地域研究資料センター研究員.専攻:アフリカ地域研究,生態学.
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了.博士(地域研究).主要論文に,「セネガル中西部におけるアルビダ植生の維持機構」『アフリカ自然学』(古今書院,2005年),「サバンナ帯の人口稠密地域における資源利用の生態史—セネガルのセレール社会の事例」『森棲みの生態誌』(京都大学学術出版会,2010年).
安藤 和雄(あんどう かずお)[第9章]
京都大学東南アジア研究所実践型地域研究推進室准教授.専攻:熱帯農学,農村開発,地域研究.
静岡大学農学部卒,京都大学大学院農学研究科博士課程修了.博士(農学).青年海外協力隊隊員(バングラデシュ稲作),JICA長期派遣専門家(バングラデシュ農村開発),京都大学東南アジア研究所助教授を経て現職.主要著作に,Integrated Study on Sustainable Agriculture and Rural Development towards Research and Education in Myanmar and Education in Myanmar and Surrounding Countries(共編著,Yezin Agricultural University, 2011),主要論文に,「農村研究の視点—在地の絶対肯定」『地域の発展と産業』(放送大学教育振興会,2011年),“Recent Change in Rice Cultivation Technology in Bangladesh”, Journal of Agroforestry and Environment, 5 (Special Issue).
佐藤 孝宏(さとう たかひろ)[第10章]
京都大学東南アジア研究所特定助教(グローバルCOE).専攻:熱帯農業生態学.
電気通信大学電気通信学部および宇都宮大学農学部卒,京都大学大学院農学研究科博士課程修了.博士(農学).京都大学東南アジア研究所研究員,京都大学生存基盤科学研究ユニット研究員などを経て現職.主要論文に,“The Effect of Expansion of Private Wells on Rural Livelihood in Tank Intensive Watersheds: A case Study in Upper Gundar River Basin, Tamil Nadu”, Southeast Asian Studies, 49(共著),“Effect of Supplemental Irrigation on Leaf Stomatal Conductance of Field-grown Wheat in Northern Syria”, Agr. Water Manage, 85(共著).
渡辺 一生(わたなべ かずお)[第10章]
京都大学東南アジア研究所特定研究員(グローバルCOE).専攻:農業土木.
四日市大学環境情報学部卒,信州大学大学院農学研究科修士課程修了,岐阜大学大学院連合農学研究科博士後期課程修了.農学博士.京都大学東南アジア研究所研究員(機関研究)を経て現職.主要論文に,「タイ国東北部・ドンデーン村の過去70年間における天水田域拡大過程」『農業農村工学会論文集』75(5)(共著),「タイ国東北部・ドンデーン村における天水田の区画改変とその水稲生産への影響」『農業農村工学会論文集』76(1)(共著).
石川 登(いしかわ のぼる)[第11章]
京都大学東南アジア研究所准教授.専攻:人類学.
ニューヨーク市立大学大学院博士課程修了.Ph.D.(人類学).京都大学東南アジア研究センター助手,助教授を経て現職.主要著作に,『境界の社会史—国家が所有を宣言するとき』(京都大学学術出版会,2008年),Between Frontiers: Nation and Identity in a Southeast Asian Borderland (NUS Press/NIAS Press/Ohio University Press, 2010), Transborder Governance of Forests, Rivers and Seas(共編著,Earthscan, 2010).Flows and Movements in Southeast Asia: New Approaches to Transnationalism(編著,Kyoto University Press, 2011).
祖田 亮次(そだ りょうじ)[第11章]
大阪市立大学大学院文学研究科准教授,京都大学東南アジア研究所共同研究員.専攻:地理学.
京都大学大学院文学研究科博士課程修了.博士(文学).広島大学文学部助手,北海道大学助教授・准教授を経て現職.主要著作に,People on the Move: Rural-urban Interactions in Sarawak (Kyoto University Press and Trans Pacific Press, 2007),『広島原爆デジタルアトラス』(共著,広島大学総合地誌研究資料センター,2001年).
鮫島 弘光(さめじま ひろみつ)[第11章]
京都大学東南アジア研究所特定研究員.専攻:生態学.
京都大学理学部卒,京都大学大学院理学研究科博士課程修了.理学博士.
口絵
本講座の刊行によせて
序 章 熱帯生存基盤の再構築 —地球圏・生命圏と人間圏の相互作用系—
[柳澤雅之・河野泰之・甲山 治・神崎 護]
1 はじめに
2 歴史的存在としての相互作用系
2—1 人間圏の形成
2—2 農耕の開始
2—3 相互作用系の成長
3 人間圏の膨張と相互作用系の弱体化
3—1 農業の集約化
3—2 熱帯地域社会の変化
4 熱帯生存基盤の再構築に向けて
5 本書の構成
第1編 地球圏・生命圏の動態と生存基盤
第1章 地球圏からみた熱帯 —気候システムを中心に— [甲山 治]
1 はじめに
2 熱帯地球圏に働く力
3 熱帯におけるテレコネクション
4 極端現象と人間社会
5 大規模開発が気候システムに与える影響
6 おわりに—熱帯地球圏の予測可能性
第2章 気候変動・食糧生産・農村社会 —1582年から2009年のフィリピン— [J. F. ウォーレン(河野泰之訳)]
1 はじめに
1—1 本章のねらい
1—2 飢饉と歴史変動
1—3 フィリピン社会とエルニーニョ
2 エルニーニョと干ばつ
2—1 エルニーニョとその影響
2—2 干ばつの変動性
2—3 干ばつが地域社会に与える影響
2—4 サマール島
3 食糧不足,農民騒動,集団移住
4 干ばつと疾病
5 結 論
第3章 水循環をつうじた無機的自然・森林・人間の相互作用系 [谷 誠]
1 地球圏・生命圏・人間圏の相互作用から環境問題を考える
2 水循環をつうじた地球の無機的自然と森林生態系の相互作用
2—1 安定大陸奥地における湿潤気候
2—2 森林蒸発散の特徴
2—3 安定大陸における森林の気候維持作用
2—4 湿潤変動帯における生態系と土壌の関係
2—5 森林保水力を支える土壌の役割
2—6 水循環における無機的自然と森林の相互作用
3 水循環をつうじた相互作用における人間の評価
3—1 相互作用への人間圏の割り込みと自然災害概念の発生
3—2 森林利用による里山の成立
3—3 人間の森林利用が流出に及ぼす影響
3—4 地球圏と生命圏の相互作用撹乱としての林業の位置づけ
3—5 戦後の林業の経過
3—6 木材輸入とバーチャルソイル
4 森林がとりもつ地球圏と生命圏の相互作用の維持
4—1 地球規模における地球圏と生命圏の相互作用
4—2 相互作用の社会への還元のあり方
第2編 森とともに創り出す生存基盤
第4章 生存基盤としての熱帯多雨林 —択伐天然林における木材生産— [神崎 護・稲田友弥・野草俊哉]
1 はじめに
2 熱帯雨林の択伐と木材生産の持続性
2—1 熱帯材の輸入元とその変遷
2—2 熱帯多雨林内の商業樹種の存在形態
2—3 持続的な生産を意図した伐採手法
2—4 インドネシアにおける択伐方式の変遷
2—5 植栽の必要性
2—6 集約的植栽の実例
2—7 低インパクト伐採
3 地域社会と森林の多面的機能に対する配慮
3—1 伐採企業の社会的責任
3—2 熱帯奥地における伐採会社の存在とCSR活動
3—3 森林認証制度
3—4 生物多様性保全
4 生存基盤としての択伐天然林
第5章 焼畑耕作が創出する生存基盤 —種多様性が保持されるメカニズムに着目して— [福島万紀]
1 はじめに
2 定着型焼畑の持続的システム
3 焼畑耕作が創り出す二次林の種多様性の構造
4 焼畑耕作が停止すると,二次林の多様性はどのように変化するか
5 焼畑耕作が創出する植物資源
6 タイ北部の生存基盤としての焼畑耕作
第6章 農の場としての森林 —森林を利用したチャ栽培の構造と多面的機能— [佐々木綾子]
1 はじめに—伝統的農業と人々の生存基盤
2 山地のくらしと茶生産との関係
3 タイ北部における茶生産と森林との関係
4 タイ北部山地のミアン生産村における生業と資源利用の変化
4—1.チャ栽培の導入と拡大—1930—70年
4—2.タイ北部山地社会の変化とミアン林—1970年代—2010年
5 ミアン林の構造とチャ樹の現存量
6 生業の安定性に寄与する生産物の特殊性
7 おわりに
第3編 農が創り出す生存基盤
第7章 樹木を組み込んだ耕地利用 —作物の時空間配置から熱帯の未来可能性を考える— [田中耕司]
1 東アジアグリーンベルトと耕地利用
2 農業における景観的秩序—温帯と熱帯の比較
2—1 自然と人為の交錯場としての耕地利用
2—2 作付体系の多様性—用語の整理
3 時空間利用の多様化—温帯と熱帯の比較
3—1 樹木を組み込むことによる耕地利用の多様化
3—2 混栽の効果—時空間の有効利用
4 熱帯における小農農業の未来可能性—まとめにかえて
4—1 土地資源賦与からみた熱帯
4—2 小農の「構想力の論理」と熱帯の未来
第8章 セネガルのセレール社会における生業変容と人為植生 —樹木資源をめぐる技術と制度の変化— [平井將公]
1 はじめに
2 セレールの生業とサース
2—1 セレールの生業
2—2 サースの稀少化
3 経済の論理—家畜飼養をとおした既婚男性とサースの関係
3—1 家畜飼養の変遷
3—2 舎飼肥育のはじまり
3—3 生計における既婚男性の役割と舎飼肥育
3—4 家畜の舍飼肥育におけるサースの意味
3—5 サースの枝葉を切るための技術
4 生存の論理—女性の生計活動とサース
4—1 生活燃料の採集をめぐる状況の変化
4—2 備蓄型燃料採集—タハン
4—3 女性の生計活動と樹皮の剥ぎ取り
5 サースをめぐるアクター間の関係
5—1 沈黙する不満
5—2 樹皮の剥ぎ取りの解消に向けて
6 サースをつうじた人と自然の相互作用
第9章 ベンガル・デルタの洪水,サイクロンと在地の技術 [安藤和雄]
1 はじめに—生存基盤としての在地という視点
2 在地の技術の発見
3 ベンガル・デルタの自然環境の不安定性—洪水とサイクロン
4 洪水とサイクロン被害を逃れる知恵と技術
5 在地の技術となったサイクロン・シェルター
6 「緑の革命」の導入と発展
7 稲作における在地の知恵
8 おわりに—在地の技術の精神世界の背景
第4編 熱帯生存圏における時間
第10章 熱帯生存圏における農業発展のメカニズム [河野泰之・佐藤孝宏・渡辺一生]
1 本章のねらい
2 農業発展と地球圏・生命圏
3 急激な発展
4 緩やかな発展
5 「農業発展」のメカニズムを問い直す
第11章 熱帯バイオマス社会の複雑系 —自然の時間,人の時間— [石川 登・祖田亮次・鮫島弘光]
1 はじめに—時間の整合
2 熱帯バイオマス社会
3 熱帯バイオマスと人間を結ぶ時間
3—1 焼畑陸稲耕作
3—2 非木材森林産物利用
3—3 木材伐採
3—4 プランテーションによるバイオマス生産
4 考 察
4—1 超複雑系のなかの反システム
4—2 擬似ローテーションと資源の時空間的偏在
5 おわりに
おわりに
執筆者紹介
索引
本講座の刊行によせて
序 章 熱帯生存基盤の再構築 —地球圏・生命圏と人間圏の相互作用系—
[柳澤雅之・河野泰之・甲山 治・神崎 護]
1 はじめに
2 歴史的存在としての相互作用系
2—1 人間圏の形成
2—2 農耕の開始
2—3 相互作用系の成長
3 人間圏の膨張と相互作用系の弱体化
3—1 農業の集約化
3—2 熱帯地域社会の変化
4 熱帯生存基盤の再構築に向けて
5 本書の構成
第1編 地球圏・生命圏の動態と生存基盤
第1章 地球圏からみた熱帯 —気候システムを中心に— [甲山 治]
1 はじめに
2 熱帯地球圏に働く力
3 熱帯におけるテレコネクション
4 極端現象と人間社会
5 大規模開発が気候システムに与える影響
6 おわりに—熱帯地球圏の予測可能性
第2章 気候変動・食糧生産・農村社会 —1582年から2009年のフィリピン— [J. F. ウォーレン(河野泰之訳)]
1 はじめに
1—1 本章のねらい
1—2 飢饉と歴史変動
1—3 フィリピン社会とエルニーニョ
2 エルニーニョと干ばつ
2—1 エルニーニョとその影響
2—2 干ばつの変動性
2—3 干ばつが地域社会に与える影響
2—4 サマール島
3 食糧不足,農民騒動,集団移住
4 干ばつと疾病
5 結 論
第3章 水循環をつうじた無機的自然・森林・人間の相互作用系 [谷 誠]
1 地球圏・生命圏・人間圏の相互作用から環境問題を考える
2 水循環をつうじた地球の無機的自然と森林生態系の相互作用
2—1 安定大陸奥地における湿潤気候
2—2 森林蒸発散の特徴
2—3 安定大陸における森林の気候維持作用
2—4 湿潤変動帯における生態系と土壌の関係
2—5 森林保水力を支える土壌の役割
2—6 水循環における無機的自然と森林の相互作用
3 水循環をつうじた相互作用における人間の評価
3—1 相互作用への人間圏の割り込みと自然災害概念の発生
3—2 森林利用による里山の成立
3—3 人間の森林利用が流出に及ぼす影響
3—4 地球圏と生命圏の相互作用撹乱としての林業の位置づけ
3—5 戦後の林業の経過
3—6 木材輸入とバーチャルソイル
4 森林がとりもつ地球圏と生命圏の相互作用の維持
4—1 地球規模における地球圏と生命圏の相互作用
4—2 相互作用の社会への還元のあり方
第2編 森とともに創り出す生存基盤
第4章 生存基盤としての熱帯多雨林 —択伐天然林における木材生産— [神崎 護・稲田友弥・野草俊哉]
1 はじめに
2 熱帯雨林の択伐と木材生産の持続性
2—1 熱帯材の輸入元とその変遷
2—2 熱帯多雨林内の商業樹種の存在形態
2—3 持続的な生産を意図した伐採手法
2—4 インドネシアにおける択伐方式の変遷
2—5 植栽の必要性
2—6 集約的植栽の実例
2—7 低インパクト伐採
3 地域社会と森林の多面的機能に対する配慮
3—1 伐採企業の社会的責任
3—2 熱帯奥地における伐採会社の存在とCSR活動
3—3 森林認証制度
3—4 生物多様性保全
4 生存基盤としての択伐天然林
第5章 焼畑耕作が創出する生存基盤 —種多様性が保持されるメカニズムに着目して— [福島万紀]
1 はじめに
2 定着型焼畑の持続的システム
3 焼畑耕作が創り出す二次林の種多様性の構造
4 焼畑耕作が停止すると,二次林の多様性はどのように変化するか
5 焼畑耕作が創出する植物資源
6 タイ北部の生存基盤としての焼畑耕作
第6章 農の場としての森林 —森林を利用したチャ栽培の構造と多面的機能— [佐々木綾子]
1 はじめに—伝統的農業と人々の生存基盤
2 山地のくらしと茶生産との関係
3 タイ北部における茶生産と森林との関係
4 タイ北部山地のミアン生産村における生業と資源利用の変化
4—1.チャ栽培の導入と拡大—1930—70年
4—2.タイ北部山地社会の変化とミアン林—1970年代—2010年
5 ミアン林の構造とチャ樹の現存量
6 生業の安定性に寄与する生産物の特殊性
7 おわりに
第3編 農が創り出す生存基盤
第7章 樹木を組み込んだ耕地利用 —作物の時空間配置から熱帯の未来可能性を考える— [田中耕司]
1 東アジアグリーンベルトと耕地利用
2 農業における景観的秩序—温帯と熱帯の比較
2—1 自然と人為の交錯場としての耕地利用
2—2 作付体系の多様性—用語の整理
3 時空間利用の多様化—温帯と熱帯の比較
3—1 樹木を組み込むことによる耕地利用の多様化
3—2 混栽の効果—時空間の有効利用
4 熱帯における小農農業の未来可能性—まとめにかえて
4—1 土地資源賦与からみた熱帯
4—2 小農の「構想力の論理」と熱帯の未来
第8章 セネガルのセレール社会における生業変容と人為植生 —樹木資源をめぐる技術と制度の変化— [平井將公]
1 はじめに
2 セレールの生業とサース
2—1 セレールの生業
2—2 サースの稀少化
3 経済の論理—家畜飼養をとおした既婚男性とサースの関係
3—1 家畜飼養の変遷
3—2 舎飼肥育のはじまり
3—3 生計における既婚男性の役割と舎飼肥育
3—4 家畜の舍飼肥育におけるサースの意味
3—5 サースの枝葉を切るための技術
4 生存の論理—女性の生計活動とサース
4—1 生活燃料の採集をめぐる状況の変化
4—2 備蓄型燃料採集—タハン
4—3 女性の生計活動と樹皮の剥ぎ取り
5 サースをめぐるアクター間の関係
5—1 沈黙する不満
5—2 樹皮の剥ぎ取りの解消に向けて
6 サースをつうじた人と自然の相互作用
第9章 ベンガル・デルタの洪水,サイクロンと在地の技術 [安藤和雄]
1 はじめに—生存基盤としての在地という視点
2 在地の技術の発見
3 ベンガル・デルタの自然環境の不安定性—洪水とサイクロン
4 洪水とサイクロン被害を逃れる知恵と技術
5 在地の技術となったサイクロン・シェルター
6 「緑の革命」の導入と発展
7 稲作における在地の知恵
8 おわりに—在地の技術の精神世界の背景
第4編 熱帯生存圏における時間
第10章 熱帯生存圏における農業発展のメカニズム [河野泰之・佐藤孝宏・渡辺一生]
1 本章のねらい
2 農業発展と地球圏・生命圏
3 急激な発展
4 緩やかな発展
5 「農業発展」のメカニズムを問い直す
第11章 熱帯バイオマス社会の複雑系 —自然の時間,人の時間— [石川 登・祖田亮次・鮫島弘光]
1 はじめに—時間の整合
2 熱帯バイオマス社会
3 熱帯バイオマスと人間を結ぶ時間
3—1 焼畑陸稲耕作
3—2 非木材森林産物利用
3—3 木材伐採
3—4 プランテーションによるバイオマス生産
4 考 察
4—1 超複雑系のなかの反システム
4—2 擬似ローテーションと資源の時空間的偏在
5 おわりに
おわりに
執筆者紹介
索引