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ホメロスからよむ豊かな色彩世界——古代ギリシアの色彩研究の先駆者の一人はイギリス首相だった。首相のグラッドストンは,ホメロスの色彩感覚はきわめて貧困だったと断じている。これに対して本書はホメロスの叙事詩世界を手がかりにして,白は甘い? アキレウスの髪は何色か? 紫が海を越える? 虹は何色か? 葡萄酒色の海とは? など、様々な問いを投げかけながら,古代人の豊かな色彩世界を描き出す。
『秋田魁新報』2023年2月25日付 読書面
『産経新聞』2023年2月26日付 産経書房
『下野新聞』2023年2月26日付 読書面
『岩手日報』2023年3月5日付 読書面
『愛媛新聞』2023年3月5日付 読書面
『宮崎日日新聞』2023年3月5日付 読書面
『佐賀新聞』2023年3月5日付 読書面
『京都新聞』2023年3月11日付 読書面
『大分合同新聞』2023年3月12日付 読書面
『山形新聞』2023年5月3日付 文化面 評者:中右恵理子氏
『UP』2023年6月号、38-43頁、評者:佐藤俊樹氏
『産経新聞』2023年2月26日付 産経書房
『下野新聞』2023年2月26日付 読書面
『岩手日報』2023年3月5日付 読書面
『愛媛新聞』2023年3月5日付 読書面
『宮崎日日新聞』2023年3月5日付 読書面
『佐賀新聞』2023年3月5日付 読書面
『京都新聞』2023年3月11日付 読書面
『大分合同新聞』2023年3月12日付 読書面
『山形新聞』2023年5月3日付 文化面 評者:中右恵理子氏
『UP』2023年6月号、38-43頁、評者:佐藤俊樹氏
西塔 由貴子(さいとう ゆきこ)
京都精華大学特別研究員、英国リヴァプール大学オナラリーフェロー(Honorary Fellow, School of Archaeology, Classics and Egyptology, University of Liverpool, UK)、同志社女子大学大学院ほか非常勤講師
専門は西洋古典学、古代ギリシア文学
主要業績
“Πορφύρεος: Aspects of the Transformative Role of Bright Colour-Hues in Interior Space in Homer”(Brepolsより刊行予定); “Viewing the Sparkling Scenery of the Sea with Marmareos” (Epica Marina I, 2, Università degli Studi di Milano: Dipartimento di Studi letterari, filologici e linguistici, 2020); “A Fast-flash Shining Aspect of Homeric Colour Expressions” (Ricerche a Confronto. Dialoghi di Antichità; Classiche e del Vicino Oriente, Edizioni Saecula 2020);「Μαρμάρεος; 『イリアス』の中の輝く世界の一局面を探る」(『文芸学研究』 2020); “Some Remarks on Brightness in Homer’s Iliad,” (HARTS & Minds: The Journal of Humanities and Art 4: Chromatography Special Issue, 2018) など。翻訳は『オリュンポスの神々の歴史』(共訳、白水社2017)。
京都精華大学特別研究員、英国リヴァプール大学オナラリーフェロー(Honorary Fellow, School of Archaeology, Classics and Egyptology, University of Liverpool, UK)、同志社女子大学大学院ほか非常勤講師
専門は西洋古典学、古代ギリシア文学
主要業績
“Πορφύρεος: Aspects of the Transformative Role of Bright Colour-Hues in Interior Space in Homer”(Brepolsより刊行予定); “Viewing the Sparkling Scenery of the Sea with Marmareos” (Epica Marina I, 2, Università degli Studi di Milano: Dipartimento di Studi letterari, filologici e linguistici, 2020); “A Fast-flash Shining Aspect of Homeric Colour Expressions” (Ricerche a Confronto. Dialoghi di Antichità; Classiche e del Vicino Oriente, Edizioni Saecula 2020);「Μαρμάρεος; 『イリアス』の中の輝く世界の一局面を探る」(『文芸学研究』 2020); “Some Remarks on Brightness in Homer’s Iliad,” (HARTS & Minds: The Journal of Humanities and Art 4: Chromatography Special Issue, 2018) など。翻訳は『オリュンポスの神々の歴史』(共訳、白水社2017)。
凡例
はじめに―夜空に浮かぶ花火を眺めながら
色を扱うということ
多彩な感覚とともに
第1章 「色」とは―飛び出す色
はじめに―葡萄酒色に輝く海へ
1 視覚とイメージ、操られる識別
春もいろいろ
緑色のワイン
2 純粋な(単純な)色?
光は「色」なのか
アリストテレスの基本色?
プリニウスの絵の具
3 感性の間で知覚される色
共感覚(Synaesthesia)
白は甘いのか
なめらかなのは白、あらいのは黒?
「みること」は、「知ること」である
おわりに―ガラスのような言語をとおして
第2章 センスとセンシビリティ―魔法のような色
はじめに―「色」の Basic Colours という幻
色彩基本色の移行過程の普遍性
1 人間と切っても切れない「色」―パストゥローの研究から
古代ギリシアの色彩研究の先駆者の一人は英国首相
プラトナウアーによる区別
2 配色と調和―学際的研究への幕開け
ポリュクロミー(Polychromy)
3 「色たち」に要注意!
おわりに―秘伝の色彩たち
賢者の石をもとめて
金と銀の品格
魔法のように
第3章 文字と記憶―劇場ホメロス叙事詩を翔けめぐる色
はじめに―記憶するという認識
口承叙事詩
繰り返されることの意味
記憶力の喪失
文字の使用によって
1 ホメロスの色と音、動き
想いのごとく
夜の闇のなかで
苦悩する心は逆巻く波のように
2 文字と色
3 モノをみる楽しみ
おわりに―炎の光に揺れて
第4章 言語変換の壁―黄色はブロンドか
はじめに―葡萄酒色の海を前に
亜麻色の髪、ブロンド、そして xanthos
1 アキレウスの髪は何色だった?
ブロンドというグラデーション
2 黄色も光にあたれば
ホメロスに編み込まれるクサントス(xanthos)
輝くクリュソス(chrusos)
3 神話や歴史のなかに
言語変換という操作
おわりに―「黄金」という区別、階級化(?)
金属と黄金と―ヘシオドスとオウィディウス
時代の波にのる「黄金」
第5章 大空と大地を舞う色―虹と自然の緑
はじめに―虹(iris)の色は
七色の虹
1 空の架け橋―伝令使イリス
虹色が表象するもの
2 多彩に輝く緑のグラデーション
自然界に差し込む光とともに
3 ホメロスが操る多彩な緑
新鮮なクロロス(chlōros)
緑色の恐怖
おわりに―揺れ動く緑
第6章 海を越える色―巻貝と紫
はじめに―海からの贈り物
巻貝とヘラクレスの犬、そして紫
紫の染料生産
1 テュリアン・パープル(Tyrian Purple)
ミュレクス(Murex)から紫へ
区別する色——紫色に産まれる
抗争と終焉、そして移行
2 ホメロスの光景を彩るポルピュレオス(porphureos)
人間の心は波(の色)のように
3 ホメロスの紫にある高貴な輝き
おわりに——ホメロスには青い空、青い海はなかった?
第7章 暁の光に織り込まれる色―クロッカス、バラ、etc.
はじめに―「暁」の光
色とりどりのクロッカスとバラに投影される暁
1 戦う女たち
ヘラの勝負服
2 女の敵は女―銀色の足のテティス
3 白と輝き、そして美
おわりに―織るということ
第8章 水面を彩る色―たくさんの青
はじめに―海は何色?
1 葡萄酒色の海
2 心に響く海の色たち
3 白と黒の狭間で
おわりに―銀色に渦巻く波にのって
おわりに―色の旅は終わらない
色彩と文化、社会
輝くカラー(個性)
註
あとがき―葡萄酒色に輝く海の上を漂いながら
参考文献一覧
索引(固有名詞・事項・書名・Alphabet)
はじめに―夜空に浮かぶ花火を眺めながら
色を扱うということ
多彩な感覚とともに
第1章 「色」とは―飛び出す色
はじめに―葡萄酒色に輝く海へ
1 視覚とイメージ、操られる識別
春もいろいろ
緑色のワイン
2 純粋な(単純な)色?
光は「色」なのか
アリストテレスの基本色?
プリニウスの絵の具
3 感性の間で知覚される色
共感覚(Synaesthesia)
白は甘いのか
なめらかなのは白、あらいのは黒?
「みること」は、「知ること」である
おわりに―ガラスのような言語をとおして
第2章 センスとセンシビリティ―魔法のような色
はじめに―「色」の Basic Colours という幻
色彩基本色の移行過程の普遍性
1 人間と切っても切れない「色」―パストゥローの研究から
古代ギリシアの色彩研究の先駆者の一人は英国首相
プラトナウアーによる区別
2 配色と調和―学際的研究への幕開け
ポリュクロミー(Polychromy)
3 「色たち」に要注意!
おわりに―秘伝の色彩たち
賢者の石をもとめて
金と銀の品格
魔法のように
第3章 文字と記憶―劇場ホメロス叙事詩を翔けめぐる色
はじめに―記憶するという認識
口承叙事詩
繰り返されることの意味
記憶力の喪失
文字の使用によって
1 ホメロスの色と音、動き
想いのごとく
夜の闇のなかで
苦悩する心は逆巻く波のように
2 文字と色
3 モノをみる楽しみ
おわりに―炎の光に揺れて
第4章 言語変換の壁―黄色はブロンドか
はじめに―葡萄酒色の海を前に
亜麻色の髪、ブロンド、そして xanthos
1 アキレウスの髪は何色だった?
ブロンドというグラデーション
2 黄色も光にあたれば
ホメロスに編み込まれるクサントス(xanthos)
輝くクリュソス(chrusos)
3 神話や歴史のなかに
言語変換という操作
おわりに―「黄金」という区別、階級化(?)
金属と黄金と―ヘシオドスとオウィディウス
時代の波にのる「黄金」
第5章 大空と大地を舞う色―虹と自然の緑
はじめに―虹(iris)の色は
七色の虹
1 空の架け橋―伝令使イリス
虹色が表象するもの
2 多彩に輝く緑のグラデーション
自然界に差し込む光とともに
3 ホメロスが操る多彩な緑
新鮮なクロロス(chlōros)
緑色の恐怖
おわりに―揺れ動く緑
第6章 海を越える色―巻貝と紫
はじめに―海からの贈り物
巻貝とヘラクレスの犬、そして紫
紫の染料生産
1 テュリアン・パープル(Tyrian Purple)
ミュレクス(Murex)から紫へ
区別する色——紫色に産まれる
抗争と終焉、そして移行
2 ホメロスの光景を彩るポルピュレオス(porphureos)
人間の心は波(の色)のように
3 ホメロスの紫にある高貴な輝き
おわりに——ホメロスには青い空、青い海はなかった?
第7章 暁の光に織り込まれる色―クロッカス、バラ、etc.
はじめに―「暁」の光
色とりどりのクロッカスとバラに投影される暁
1 戦う女たち
ヘラの勝負服
2 女の敵は女―銀色の足のテティス
3 白と輝き、そして美
おわりに―織るということ
第8章 水面を彩る色―たくさんの青
はじめに―海は何色?
1 葡萄酒色の海
2 心に響く海の色たち
3 白と黒の狭間で
おわりに―銀色に渦巻く波にのって
おわりに―色の旅は終わらない
色彩と文化、社会
輝くカラー(個性)
註
あとがき―葡萄酒色に輝く海の上を漂いながら
参考文献一覧
索引(固有名詞・事項・書名・Alphabet)