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キリスト教世界最大の哲学者アウグスティヌスを、近年注目を浴びている言語記号理論と、聖書解釈学の視点から論じる。独自の記号理論を有しながら、同時にその聖書解釈がキリスト教的生にも深く関わっている、この稀有なる思想家の本質を明らかにする。
須藤 英幸(すどう ひでゆき)
京都大学文学部・文学研究科非常勤講師。
福島県生まれ。2003年、Fuller Theological Seminary, Master of Arts in Theology修了。2011年、京都大学大学院文学研究科思想文化学専攻(キリスト教学)博士後期課程研究指導認定退学。京都大学博士(文学)。
主な著作
“The Problem of Conversion in Ad Simplicianum: Augustine's Proposal of a Suitable Call (vocatio congruens) for the Human Condition," Patristica: Journal of the Japanese Society for Patristic Studies, Supplementary (vol. 3), 2011.
「アウグスティヌスにおける聖書解釈学と生の展開」『中世哲学研究——Veritas』第31号,2012年。
「アウグスティヌス『三位一体論』における内的言葉」『基督教学研究』第33号,2013年。
京都大学文学部・文学研究科非常勤講師。
福島県生まれ。2003年、Fuller Theological Seminary, Master of Arts in Theology修了。2011年、京都大学大学院文学研究科思想文化学専攻(キリスト教学)博士後期課程研究指導認定退学。京都大学博士(文学)。
主な著作
“The Problem of Conversion in Ad Simplicianum: Augustine's Proposal of a Suitable Call (vocatio congruens) for the Human Condition," Patristica: Journal of the Japanese Society for Patristic Studies, Supplementary (vol. 3), 2011.
「アウグスティヌスにおける聖書解釈学と生の展開」『中世哲学研究——Veritas』第31号,2012年。
「アウグスティヌス『三位一体論』における内的言葉」『基督教学研究』第33号,2013年。
序 論
第一節 探求すべき問い
第二節 『キリスト教の教え』の聖書解釈学
一 主題をめぐる研究史
二 意図される読者をめぐる研究史
三 執筆時期とレニングラード写本
四 内容と構造
五 用語としての聖書解釈学
第三節 言語の媒介性と本書の目的と方法
一 言語の媒介性をめぐる研究史㈵(一九八〇年以前)
二 言語の媒介性をめぐる研究史㈼(一九八〇年以降)
三 本書の目的と方法
第I部 アウグスティヌスの記号理論
第I部のアプローチ
第一章 『教師論』の記号理論
第一節 問題と方法
第二節 『教師論』の概略
一 記号理論と照明説
二 言葉と思考との乖離
三 真の内的教師
四 単語単位としての記号
第三節 『問答法』との対比
一 言葉の分類
二 理性的判断と内的真理
三 記号と事柄の関係性の内的把握
四 言葉の分類と口述可能なもの
第四節 アリストテレス『命題論』との対比
一 記号理論の構造対比
二 命題の意味と多義性の問題
第五節 『教師論』の照明と言葉
一 命題の意味と権威
二 事柄の権威と言葉の権威
三 言葉の権威と言葉への懐疑
第六節 結語
第二章 『問答法』の記号理論
第一節 問題と方法
第二節 ストア学派の論理学
一 ストア派言語論のシニフィアン
二 ストア派言語論のシニフィエ
三 ストア学派の記号論
第三節 『問答法』の記号理論とその適用
一 『問答法』の概略
二 『問答法』の言語理解
三 アウグスティヌスによる記号理論の適用
第四節 マークス説とジャクソン説
一 アウグスティヌスの独自性をめぐるマークス説
二 ジャクソンによるマークス批判とその検証
第五節 結語
第三章 『キリスト教の教え』の記号理論
第一節 問題と方法
第二節 『キリスト教の教え』の三極構造をめぐる諸説
一 三極構造をめぐるマークス説とシモーネ説
二 三極構造をめぐるジャクソン説
第三節 『キリスト教の教え』の記号理論と聖書解釈学
一 単語単位の記号理論と文章単位の意味理論
二 受信型記号と発信型記号
三 聖書解釈学と三極構造
第四節 結語
第II部 アウグスティヌスの言語理論
第II部のアプローチ
第四章 『教師論』の言語理論と『三位一体論』の内的言葉
第一節 問題と方法
第二節 『教師論』の主題とその意味理論
一 『教師論』の主題と構成をめぐる諸見解
二 『教師論』の言葉の二重性
三 『教師論』の意味理論
第三節 『三位一体論』の内的言葉
一 『キリスト教の教え』の「心に保持する言葉」
二 『三位一体論』の内的言葉と受肉的音声
三 『三位一体論』の内的言葉と愛
第四節 結語
第五章 『シンプリキアヌスへ』の言語理解と『キリスト教の教え』
第一節 問題と方法
第二節 『シンプリキアヌスへ』の言語理論をめぐる転換
一 『ローマ人への手紙諸論題の注解』の回心構造
二 『シンプリキアヌスへ』の「相応しい呼びかけ」
三 「相応しい呼びかけ」をめぐる諸見解
四 「相応しい呼びかけ」をめぐる諸見解の検討
五 「相応しい呼びかけ」による回心構造と自由意志
六 『シンプリキアヌスへ』の言語理解
第三節 『キリスト教の教え』の言語理論とその恩恵的前提
一 『キリスト教の教え』序論の言語理解と恩恵
二 『キリスト教の教え』と表現内容としての魂の動き
三 言語理論の発展性をめぐるアリーチとフレテレンの見解
四 照明の方法と言語の方法
第四節 結語
第III部 『キリスト教の教え』の聖書解釈学
第III部のアプローチ
第六章 『キリスト教の教え』の聖書解釈学とクライテリア
第一節 問題と方法
第二節 『マニ教徒に対する創世記』のクライテリア
一 アンブロシウスの説教と馬鹿げたこと
二 『マニ教徒に対する創世記』のクライテリアとペパン説
第三節 『キリスト教の教え』のクライテリア
一 『キリスト教の教え』のresとsigna
二 多義記号の解釈とその意義
三 『キリスト教の教え』のクライテリアとマルー説
第四節 『キリスト教の教え』のクライテリアの特殊性
一 クライテリアの転換なのか
二 テスケ説とクライテリアの特殊性の原因 I
三 テスケ説とクライテリアの特殊性の原因 II
第五節 『キリスト教の教え』のクライテリアとキリスト教共同体
一 キリスト教共同体のres
二 キリスト教共同体のsigna
第六節 結語
第七章 『キリスト教の教え』の聖書解釈学と生の展開
第一節 問題と方法
第二節 『キリスト教の教え』の生の展開
一 七段階の生の展開
二 知識の第三段階
第三節 字義的解釈と情念
一 字義的解釈の位置づけ
二 情念と悲嘆
第四節 比喩的解釈と喜び
一 比喩的解釈の位置づけ
二 喜びによる悲嘆の克服
三 比喩的解釈の解釈学的役割
四 『詩編注解』の比喩的解釈
第五節 結語
結 論
一 媒介としての言語の可能性
二 聖書解釈学における人間の現実的状況と言語表現
三 アウグスティヌスの聖書解釈学をめぐる研究の展望
あとがき
引用文献表
一次資料
一次資料(翻訳書)
二次文献(若干の参照文献を含む)
索引(人名・事項)
第一節 探求すべき問い
第二節 『キリスト教の教え』の聖書解釈学
一 主題をめぐる研究史
二 意図される読者をめぐる研究史
三 執筆時期とレニングラード写本
四 内容と構造
五 用語としての聖書解釈学
第三節 言語の媒介性と本書の目的と方法
一 言語の媒介性をめぐる研究史㈵(一九八〇年以前)
二 言語の媒介性をめぐる研究史㈼(一九八〇年以降)
三 本書の目的と方法
第I部 アウグスティヌスの記号理論
第I部のアプローチ
第一章 『教師論』の記号理論
第一節 問題と方法
第二節 『教師論』の概略
一 記号理論と照明説
二 言葉と思考との乖離
三 真の内的教師
四 単語単位としての記号
第三節 『問答法』との対比
一 言葉の分類
二 理性的判断と内的真理
三 記号と事柄の関係性の内的把握
四 言葉の分類と口述可能なもの
第四節 アリストテレス『命題論』との対比
一 記号理論の構造対比
二 命題の意味と多義性の問題
第五節 『教師論』の照明と言葉
一 命題の意味と権威
二 事柄の権威と言葉の権威
三 言葉の権威と言葉への懐疑
第六節 結語
第二章 『問答法』の記号理論
第一節 問題と方法
第二節 ストア学派の論理学
一 ストア派言語論のシニフィアン
二 ストア派言語論のシニフィエ
三 ストア学派の記号論
第三節 『問答法』の記号理論とその適用
一 『問答法』の概略
二 『問答法』の言語理解
三 アウグスティヌスによる記号理論の適用
第四節 マークス説とジャクソン説
一 アウグスティヌスの独自性をめぐるマークス説
二 ジャクソンによるマークス批判とその検証
第五節 結語
第三章 『キリスト教の教え』の記号理論
第一節 問題と方法
第二節 『キリスト教の教え』の三極構造をめぐる諸説
一 三極構造をめぐるマークス説とシモーネ説
二 三極構造をめぐるジャクソン説
第三節 『キリスト教の教え』の記号理論と聖書解釈学
一 単語単位の記号理論と文章単位の意味理論
二 受信型記号と発信型記号
三 聖書解釈学と三極構造
第四節 結語
第II部 アウグスティヌスの言語理論
第II部のアプローチ
第四章 『教師論』の言語理論と『三位一体論』の内的言葉
第一節 問題と方法
第二節 『教師論』の主題とその意味理論
一 『教師論』の主題と構成をめぐる諸見解
二 『教師論』の言葉の二重性
三 『教師論』の意味理論
第三節 『三位一体論』の内的言葉
一 『キリスト教の教え』の「心に保持する言葉」
二 『三位一体論』の内的言葉と受肉的音声
三 『三位一体論』の内的言葉と愛
第四節 結語
第五章 『シンプリキアヌスへ』の言語理解と『キリスト教の教え』
第一節 問題と方法
第二節 『シンプリキアヌスへ』の言語理論をめぐる転換
一 『ローマ人への手紙諸論題の注解』の回心構造
二 『シンプリキアヌスへ』の「相応しい呼びかけ」
三 「相応しい呼びかけ」をめぐる諸見解
四 「相応しい呼びかけ」をめぐる諸見解の検討
五 「相応しい呼びかけ」による回心構造と自由意志
六 『シンプリキアヌスへ』の言語理解
第三節 『キリスト教の教え』の言語理論とその恩恵的前提
一 『キリスト教の教え』序論の言語理解と恩恵
二 『キリスト教の教え』と表現内容としての魂の動き
三 言語理論の発展性をめぐるアリーチとフレテレンの見解
四 照明の方法と言語の方法
第四節 結語
第III部 『キリスト教の教え』の聖書解釈学
第III部のアプローチ
第六章 『キリスト教の教え』の聖書解釈学とクライテリア
第一節 問題と方法
第二節 『マニ教徒に対する創世記』のクライテリア
一 アンブロシウスの説教と馬鹿げたこと
二 『マニ教徒に対する創世記』のクライテリアとペパン説
第三節 『キリスト教の教え』のクライテリア
一 『キリスト教の教え』のresとsigna
二 多義記号の解釈とその意義
三 『キリスト教の教え』のクライテリアとマルー説
第四節 『キリスト教の教え』のクライテリアの特殊性
一 クライテリアの転換なのか
二 テスケ説とクライテリアの特殊性の原因 I
三 テスケ説とクライテリアの特殊性の原因 II
第五節 『キリスト教の教え』のクライテリアとキリスト教共同体
一 キリスト教共同体のres
二 キリスト教共同体のsigna
第六節 結語
第七章 『キリスト教の教え』の聖書解釈学と生の展開
第一節 問題と方法
第二節 『キリスト教の教え』の生の展開
一 七段階の生の展開
二 知識の第三段階
第三節 字義的解釈と情念
一 字義的解釈の位置づけ
二 情念と悲嘆
第四節 比喩的解釈と喜び
一 比喩的解釈の位置づけ
二 喜びによる悲嘆の克服
三 比喩的解釈の解釈学的役割
四 『詩編注解』の比喩的解釈
第五節 結語
結 論
一 媒介としての言語の可能性
二 聖書解釈学における人間の現実的状況と言語表現
三 アウグスティヌスの聖書解釈学をめぐる研究の展望
あとがき
引用文献表
一次資料
一次資料(翻訳書)
二次文献(若干の参照文献を含む)
索引(人名・事項)