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膨大な資源量を誇り、荒廃した土地でも成長し、しかも余すことなく利用可能な植物。それがサゴヤシである。その生理・生態から、栽培・利用、そしてサゴヤシが育む地域文化まで、我が国の熱帯農学、植物学、食品化学、人類学を挙げて取り組まれた30余年の研究を集大成し、人口・食糧・環境・資源の世紀をサゴを利用して救う道を示す。
第21回 高知出版学術賞
『毎日新聞』'10.12.7朝刊「火論」
編集委員長
山本由徳 高知大学農学部
編集幹事
江原 宏 三重大学大学院生物資源学研究科
編集委員
(五十音順)
安藤 豊 山形大学農学部 第6章
江原 宏 三重大学大学院生物資源学研究科 第1章,第8章
近江正陽 東京農工大学大学院農学府 第9章
岡崎正規 東京農工大学大学院生物システム応用科学府 第2章,第5章,第12章
後藤雄佐 東北大学大学院農学研究科 第4章
豊田剛己 東京農工大学大学院生物システム応用科学府 第2章,第5章
豊田由貴夫 立教大学観光学部 第10章,第11章
新田洋司 茨城大学農学部 第3章
平尾和子 愛国学園短期大学 第9章
山本由徳 高知大学農学部 第7章
執筆者(執筆順)
山本由徳 高知大学
江原 宏 三重大学
高村奉樹 元京都大学
下田博之 元東京農工大学
岡崎正規 東京農工大学
木村園子ドロテア 東京農工大学
新田洋司 茨城大学
後藤雄佐 東北大学
中村 聡 宮城大学
渡邉 学 岩手大学
Jong Foh Shoon 前PT. NTFP1)
宮崎 彰 高知大学
内藤 整 倉敷芸術科学大学
豊田剛己 東京農工大学
安藤 豊 山形大学
角田憲一 山形大学
佐々木由佳 山形大学
渡辺 彰 名古屋大学
吉田徹志 高知大学
西村美彦 琉球大学
三島 隆 三重大学
高橋節子 元共立女子大学
近堂(濱西)知子 共立女子大学
平尾和子 愛国学園短期大学
近江正陽 東京農工大学
木尾茂樹 日澱化學株式会社
貝沼圭二 九州大学
豊田由貴夫 立教大学
三橋 淳 元東京農工大学
紙村 徹 神戸市看護大学
1)PT. National Timber and Forest Product, Indonesia
山本由徳 高知大学農学部
編集幹事
江原 宏 三重大学大学院生物資源学研究科
編集委員
(五十音順)
安藤 豊 山形大学農学部 第6章
江原 宏 三重大学大学院生物資源学研究科 第1章,第8章
近江正陽 東京農工大学大学院農学府 第9章
岡崎正規 東京農工大学大学院生物システム応用科学府 第2章,第5章,第12章
後藤雄佐 東北大学大学院農学研究科 第4章
豊田剛己 東京農工大学大学院生物システム応用科学府 第2章,第5章
豊田由貴夫 立教大学観光学部 第10章,第11章
新田洋司 茨城大学農学部 第3章
平尾和子 愛国学園短期大学 第9章
山本由徳 高知大学農学部 第7章
執筆者(執筆順)
山本由徳 高知大学
江原 宏 三重大学
高村奉樹 元京都大学
下田博之 元東京農工大学
岡崎正規 東京農工大学
木村園子ドロテア 東京農工大学
新田洋司 茨城大学
後藤雄佐 東北大学
中村 聡 宮城大学
渡邉 学 岩手大学
Jong Foh Shoon 前PT. NTFP1)
宮崎 彰 高知大学
内藤 整 倉敷芸術科学大学
豊田剛己 東京農工大学
安藤 豊 山形大学
角田憲一 山形大学
佐々木由佳 山形大学
渡辺 彰 名古屋大学
吉田徹志 高知大学
西村美彦 琉球大学
三島 隆 三重大学
高橋節子 元共立女子大学
近堂(濱西)知子 共立女子大学
平尾和子 愛国学園短期大学
近江正陽 東京農工大学
木尾茂樹 日澱化學株式会社
貝沼圭二 九州大学
豊田由貴夫 立教大学
三橋 淳 元東京農工大学
紙村 徹 神戸市看護大学
1)PT. National Timber and Forest Product, Indonesia
はじめに
刊行によせて
第1章 起源・伝播・分布
1 分 類
(1) デンプンを蓄積するヤシ
(2) サゴヤシ属の分類
2 サゴヤシの起源地,伝播と分布
3 主要生産国におけるサゴヤシ林の現状
(1) インドネシアおよびマレーシア
(2) パプアニューギニア
第2章 生育環境
1 温度・日射量
2 降水量・湿度
3 土壌の種類
(1) 泥炭土壌
(2) 酸性硫酸塩土壌
(3) その他のエンティソル・インセプティソル
4 地下水位
5 汽水・海水
第3章 形態的特性
1 根
(1) 根の種類
(2) 茎における不定根原基の太さと密度
(3) 根の内部構造
2 葉
(1) 葉序
(2) 葉のつき方と小葉の着生
(3) 気孔の分布
(4) 葉の内部形態
3 茎(幹)
(1) 幹の形状
(2) サッカー
(3) 幹横断面における維管束の分布
(4) 維管束の走向
(5) 幹の柔組織
4 花・果実・種子
(1) 花
(2) 果実
(3) 種子
第4章 生育特性
1 サゴヤシの一生
(1) ロゼット期
(2) 幹立ち期
(3) 開花・結実期
2 発芽
(1) 発芽の規定要因
(2) 発芽の過程
3 葉の形成と展開
(1) 葉の展開
(2) 葉の形成
4 幹の形成と伸長肥大
5 根の形成と伸長
(1) サッカーからの根の発生と伸長
(2) 根系の形成
(3) 土壌環境の影響
6 生殖生長
(1) 栄養生長から生殖生長への移行
(2) 茎頂での花芽の発達
(3) 花芽の数
(4) 花のタイプ
(5) 開花
(6) 開花の行程と受粉の方式
(7) 受粉と受粉媒介者
(8) 受粉と結実
第5章 生理的特性
1 吸水・蒸散速度
2 光合成
3 物質生産
(1) 葉面積
(2) 全地上部生重と乾物重
(3) 地上部の部位別乾物重
(4) 地上部各部位の乾物重割合
(5) デンプン収量と物質生産特性
4 汽水域への適応機構
(1) 水ストレスに対する適応機構
(2) 塩ストレスに対する適応機構
5 低pHへの適応機構
(1) 水素イオンストレスに対する適応機構
(2) アルミニウムストレスに対する適応機構
6 海水への適応機構
7 窒素固定菌
第6章 栽培・管理
1 サゴヤシの収穫と栽培方法の現状
(1) 小規模農家での栽培
(2) インドネシア,リアウ州の小規模農家の例
(3) プランテーションでの集約的なサゴヤシ栽培
2 繁殖方法
(1) サッカーによる繁殖
(2) 種子による繁殖
3 植えつけと活着
(1) サッカーの養成
(2) サッカーの定植と活着
4 植えつけ後の管理
(1) サッカーの調整
(2) 施肥
(3) 水管理
(4) 除草
(5) 病害虫の管理
5 サゴヤシの収穫と運搬
6 栽培管理と環境保全
(1) 栽培管理が温室効果ガス(メタン,CO2)発生量に与える影響
(2) 栽培管理が土壌および排水の化学的性質に与える影響
第7章 デンプンの生産性
1 樹幹髄部におけるデンプンの蓄積過程
(1) デンプン収量の測定方法
(2) デンプン含量の表示方法
(3) デンプンの蓄積過程
(4) 糖の種類と消長
(5) 柔細胞におけるデンプン粒の発達
2 サゴヤシのデンプン生産性
(1) 個体当たりのデンプン収量
(2) 面積当たりのデンプン収量
3 他のデンプン作物との生産性の比較
4 サゴヤシの潜在収量
第8章 デンプンの抽出と製造
1 伝統的抽出方法
(1) 伝統的デンプン抽出方法の基本形態
(2) 抽出手法の形態の相違
(3) 髄粉砕作業
(4) デンプン濾し(髄屑の水洗い)
(5) デンプンの容器詰め
(6) 抽出手法の地域的相違と分類
(7) 技術,手法の違いの背景と考察
2 デンプン工場における抽出方法とデンプンの製造工程
(1) デンプンの精製プロセス
(2) 今後に残された課題
3 世界におけるサゴデンプンの生産量
(1) サゴヤシの生育・栽培面積
(2) デンプン生産量
第9章 デンプンの特性と利用
1 サゴデンプンの特性
(1) サゴデンプンの理化学的性質
(2) 「属」および「変種」の違いとデンプンの性質
(3) サゴヤシの生育段階および部位におけるデンプンの理化学的性質の変化
2 サゴデンプンの利用
(1) サゴデンプンの利用の現状
(2) 食料としての利用
(3) 工業原料としての利用
(4) 飼料としての利用
3 サゴデンプンの潜在的利用性
(1) サゴヤシ研究における長戸公先生の貢献
(2) 日本におけるサゴヤシおよびサゴデンプン研究
(3) サゴデンプンの特徴と利用特性
(4) サゴデンプンの将来像
第10章 多面的利用
1 葉の利用
(1) サゴヤシの葉の部分ごとのメラナウによる名称
(2) サゴヤシの葉の具体的な用途
2 樹皮の利用
3 樹幹頂部の利用
4 果実の利用
5 デンプン抽出残渣の利用
(1) サゴヤシからのデンプン抽出工程とサゴ残渣の生成
(2) サゴ残渣の化学的特徴と物理的特性
(3) 化学修飾による熱可塑化
(4) サゴ残渣からのウレタンフォームの調製とその物性
(5) サゴ残渣利用の今後の展開
6 サゴムシの利用
(1) サゴムシとは
(2) 生活環
(3) 採集法
(4) 調理法
(5) 商品としてのサゴムシ
(6) 栄養価
(7) 祭りとサゴムシ
第11章 文化人類学的側面
1 根栽文化
(1) 根栽農耕とは
(2) 根栽農耕文化の特徴
2 「サゴヤシ文化圏」の社会構造
3 サゴヤシの社会的役割
(1) 贈与財としてのサゴ
(2) 食料の象徴としてのサゴ
(3) 大規模な交易
(4) サゴのジェンダー
(5) サゴデンプン抽出作業の性別役割
(6) しつけとしてのサゴ料理法
4 サゴヤシにまつわる神話
(1) サゴヤシにまつわる神話の特異性
(2) イェンゼンの栽培植物起源神話の二類型
(3) 殺害と生殖,死と生,あるいは殺害されることと新たな生の産出
(4) 月,女,そして栽培植物
(5) 結論
第12章 21世紀におけるサゴヤシの将来
1 デンプン原料としてのサゴヤシ
2 バイオ燃料として期待されるサゴヤシ
3 バイオマスを資源として利用できるサゴヤシ
4 サゴヤシへの期待
資料 国際サゴシポジウム開催及びプロシーディング一覧
引用文献
索 引
刊行によせて
第1章 起源・伝播・分布
1 分 類
(1) デンプンを蓄積するヤシ
(2) サゴヤシ属の分類
2 サゴヤシの起源地,伝播と分布
3 主要生産国におけるサゴヤシ林の現状
(1) インドネシアおよびマレーシア
(2) パプアニューギニア
第2章 生育環境
1 温度・日射量
2 降水量・湿度
3 土壌の種類
(1) 泥炭土壌
(2) 酸性硫酸塩土壌
(3) その他のエンティソル・インセプティソル
4 地下水位
5 汽水・海水
第3章 形態的特性
1 根
(1) 根の種類
(2) 茎における不定根原基の太さと密度
(3) 根の内部構造
2 葉
(1) 葉序
(2) 葉のつき方と小葉の着生
(3) 気孔の分布
(4) 葉の内部形態
3 茎(幹)
(1) 幹の形状
(2) サッカー
(3) 幹横断面における維管束の分布
(4) 維管束の走向
(5) 幹の柔組織
4 花・果実・種子
(1) 花
(2) 果実
(3) 種子
第4章 生育特性
1 サゴヤシの一生
(1) ロゼット期
(2) 幹立ち期
(3) 開花・結実期
2 発芽
(1) 発芽の規定要因
(2) 発芽の過程
3 葉の形成と展開
(1) 葉の展開
(2) 葉の形成
4 幹の形成と伸長肥大
5 根の形成と伸長
(1) サッカーからの根の発生と伸長
(2) 根系の形成
(3) 土壌環境の影響
6 生殖生長
(1) 栄養生長から生殖生長への移行
(2) 茎頂での花芽の発達
(3) 花芽の数
(4) 花のタイプ
(5) 開花
(6) 開花の行程と受粉の方式
(7) 受粉と受粉媒介者
(8) 受粉と結実
第5章 生理的特性
1 吸水・蒸散速度
2 光合成
3 物質生産
(1) 葉面積
(2) 全地上部生重と乾物重
(3) 地上部の部位別乾物重
(4) 地上部各部位の乾物重割合
(5) デンプン収量と物質生産特性
4 汽水域への適応機構
(1) 水ストレスに対する適応機構
(2) 塩ストレスに対する適応機構
5 低pHへの適応機構
(1) 水素イオンストレスに対する適応機構
(2) アルミニウムストレスに対する適応機構
6 海水への適応機構
7 窒素固定菌
第6章 栽培・管理
1 サゴヤシの収穫と栽培方法の現状
(1) 小規模農家での栽培
(2) インドネシア,リアウ州の小規模農家の例
(3) プランテーションでの集約的なサゴヤシ栽培
2 繁殖方法
(1) サッカーによる繁殖
(2) 種子による繁殖
3 植えつけと活着
(1) サッカーの養成
(2) サッカーの定植と活着
4 植えつけ後の管理
(1) サッカーの調整
(2) 施肥
(3) 水管理
(4) 除草
(5) 病害虫の管理
5 サゴヤシの収穫と運搬
6 栽培管理と環境保全
(1) 栽培管理が温室効果ガス(メタン,CO2)発生量に与える影響
(2) 栽培管理が土壌および排水の化学的性質に与える影響
第7章 デンプンの生産性
1 樹幹髄部におけるデンプンの蓄積過程
(1) デンプン収量の測定方法
(2) デンプン含量の表示方法
(3) デンプンの蓄積過程
(4) 糖の種類と消長
(5) 柔細胞におけるデンプン粒の発達
2 サゴヤシのデンプン生産性
(1) 個体当たりのデンプン収量
(2) 面積当たりのデンプン収量
3 他のデンプン作物との生産性の比較
4 サゴヤシの潜在収量
第8章 デンプンの抽出と製造
1 伝統的抽出方法
(1) 伝統的デンプン抽出方法の基本形態
(2) 抽出手法の形態の相違
(3) 髄粉砕作業
(4) デンプン濾し(髄屑の水洗い)
(5) デンプンの容器詰め
(6) 抽出手法の地域的相違と分類
(7) 技術,手法の違いの背景と考察
2 デンプン工場における抽出方法とデンプンの製造工程
(1) デンプンの精製プロセス
(2) 今後に残された課題
3 世界におけるサゴデンプンの生産量
(1) サゴヤシの生育・栽培面積
(2) デンプン生産量
第9章 デンプンの特性と利用
1 サゴデンプンの特性
(1) サゴデンプンの理化学的性質
(2) 「属」および「変種」の違いとデンプンの性質
(3) サゴヤシの生育段階および部位におけるデンプンの理化学的性質の変化
2 サゴデンプンの利用
(1) サゴデンプンの利用の現状
(2) 食料としての利用
(3) 工業原料としての利用
(4) 飼料としての利用
3 サゴデンプンの潜在的利用性
(1) サゴヤシ研究における長戸公先生の貢献
(2) 日本におけるサゴヤシおよびサゴデンプン研究
(3) サゴデンプンの特徴と利用特性
(4) サゴデンプンの将来像
第10章 多面的利用
1 葉の利用
(1) サゴヤシの葉の部分ごとのメラナウによる名称
(2) サゴヤシの葉の具体的な用途
2 樹皮の利用
3 樹幹頂部の利用
4 果実の利用
5 デンプン抽出残渣の利用
(1) サゴヤシからのデンプン抽出工程とサゴ残渣の生成
(2) サゴ残渣の化学的特徴と物理的特性
(3) 化学修飾による熱可塑化
(4) サゴ残渣からのウレタンフォームの調製とその物性
(5) サゴ残渣利用の今後の展開
6 サゴムシの利用
(1) サゴムシとは
(2) 生活環
(3) 採集法
(4) 調理法
(5) 商品としてのサゴムシ
(6) 栄養価
(7) 祭りとサゴムシ
第11章 文化人類学的側面
1 根栽文化
(1) 根栽農耕とは
(2) 根栽農耕文化の特徴
2 「サゴヤシ文化圏」の社会構造
3 サゴヤシの社会的役割
(1) 贈与財としてのサゴ
(2) 食料の象徴としてのサゴ
(3) 大規模な交易
(4) サゴのジェンダー
(5) サゴデンプン抽出作業の性別役割
(6) しつけとしてのサゴ料理法
4 サゴヤシにまつわる神話
(1) サゴヤシにまつわる神話の特異性
(2) イェンゼンの栽培植物起源神話の二類型
(3) 殺害と生殖,死と生,あるいは殺害されることと新たな生の産出
(4) 月,女,そして栽培植物
(5) 結論
第12章 21世紀におけるサゴヤシの将来
1 デンプン原料としてのサゴヤシ
2 バイオ燃料として期待されるサゴヤシ
3 バイオマスを資源として利用できるサゴヤシ
4 サゴヤシへの期待
資料 国際サゴシポジウム開催及びプロシーディング一覧
引用文献
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