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森棲みの生態誌
アフリカ熱帯林の人・自然・歴史 I
菊上製, 460 pages
ISBN: 9784876989522
pub. date: 02/10
森の民の知識と技能を見事に描いた刺激的な成果
[推薦]井上 真(東京大学大学院教授)
アフリカ大陸の中央に広がる広大な熱帯雨林。かつては「暗黒大陸」と呼ばれ、いまでは地球環境保全というグローバルな観点から注目を集める。本書は、この森と人々との相互関係を軸に地域環境をとらえ、森の民の日常の「棲まい方」を通して蓄積された技能や知識を、地を這うような長期フィールドワークをもとに見事に描いた「生態誌」である。京大を中心とする日本人アフリカ研究者の面目躍如たる成果は実に刺激的だ。アジアや中南米を含めた熱帯雨林問題を地域住民の視点から考えることの重要性がこれで盤石なものになったといえよう。
近代化の波のなかでアフリカの森はどう変わったか.そこに暮らしてきた狩猟採集民たちは定住化を迫られ,農耕民とともに市場経済に呑み込まれてゆく.「森の文化」も大きく変容しつつあるが,そこには,グローバル化を自らの生き方に取り込む,したたかな人々の姿もある.地域社会が独自性を保持してゆく道を探るアフリカ人類学の結晶.
飯田 卓(いいだ たく)
国立民族学博物館准教授
1969年生まれ,京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了,博士(人間・環境学)。
主な著書に,『海を生きる技術と知識の民族誌—マダガスカル漁撈社会の生態人類学』(世界思想社),『電子メディアを飼いならす—異文化を橋渡すフィールド研究の視座』(せりか書房,共編著),『講座 世界の先住民族 ファースト・ピープルズの現在 5 サハラ以南アフリカ』(明石書店,共著)。
市川光雄(いちかわ みつお)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授
1946年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学,理学博士。
主な著書に,『森の狩猟民—ムブティ・ピグミーの生活』(人文書院),『人類の起源と進化』(有斐閣,共著),『森と人の共存世界』(京都大学学術出版会,共編著)など。
伊藤美穂(いとう みほ)
住商チューブラーズ株式会社
1980年生まれ,京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程退学,修士(地域研究)。
主な著作に,『ギニア共和国熱帯林地域におけるラフィアヤシの利用と管理』(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士予備論文),「ギニア共和国熱帯林地域におけるラフィアヤシの利用と管理」『生態人類学会ニュースレター』13: 14—16。
稲井啓之(いない ひろゆき)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程
1977年生まれ,同志社大学商学部卒業。
主な著作に,『伝統知識と技術の再活性化によるアフリカの草の根開発(Grass Root Development)と環境保護』(名古屋大学大学院文学研究科比較人文学嶋田研究室グループ,共著),『カメルーン熱帯雨林域における漁撈活動』(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士予備論文)。
北西功一(きたにし こういち)
山口大学教育学部准教授
1965年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了,博士(理学)。
主な著書に,『森と人の共存世界』(京都大学学術出版会,共著),『平等と不平等をめぐる人類学的研究』(ナカニシヤ出版,共著)。
木村大治(きむら だいじ)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科准教授
1960年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士課程修了,理学博士。
主な著書に,『ヒトの自然誌』(平凡社,共著),『人間性の起源と進化』(昭和堂,共著),『共在感覚—アフリカの二つの社会における言語的相互行為から』(京都大学学術出版会)。
小松かおり(こまつ かおり)
静岡大学人文学部准教授
1966年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学,博士(理学)。
主な著作に,『沖縄の市場〈マチグヮー〉文化誌』(ボーダーインク),「バナナ栽培文化のアジア・アフリカ地域間比較」『アジア・アフリカ地域研究』6 (1): 77—119(共著),『朝倉世界地理講座—大地と人間の物語—12 アフリカ㈼』(朝倉書店,共著)。
佐藤弘明(さとう ひろあき)
浜松医科大学教授
1947年生まれ,東京大学大学院理学研究科修士課程修了,理学博士。
主な著書に,『森と人の共存世界』(京都大学学術出版会,共編著),『アフリカ文化の研究』(アカデミア出版,共著)。
四方 篝(しかた かがり)
日本学術振興会特別研究員(RPD)
1976年生まれ,京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程研究指導認定退学,修士(地域研究)。
主な著作に,「二次林におけるプランテインの持続的生産—カメルーン東南部の熱帯雨林帯における焼畑農耕システム」『アジア・アフリカ地域研究』4 (1): 4—35,「伐らない焼畑—カメルーン東南部の熱帯雨林帯におけるカカオ栽培の受容にみられる変化と持続」『アジア・アフリカ地域研究』6 (2): 257—278。
寺嶋秀明(てらしま ひであき)
神戸学院大学人文学部教授
1951年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士課程修了,理学博士。
主な著書に,『共生の森』(東京大学出版会),『平等と不平等をめぐる人類学的研究』(ナカニシヤ出版,編著)。
林 耕次(はやし こうじ)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科研究員
1972年生まれ,総合研究大学院大学先導科学研究科博士後期課程修了,博士(学術)。
主な著作に,『みんぱく実践人類学シリ—ズ第7巻 開発と先住民』(明石書店,共著),Hunting activities in forest camps among the Baka hunter—gatherers in southeastern Cameroon. African Study Monographs 29 (2): 73—92。
平井將公(ひらい まさあき)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科研究員,大阪大学外国語学部非常勤講師
1975年生まれ,京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了,博士(地域研究)。
主な著作に,『セネガル中西部におけるアルビダ植生の維持機構』(古今書院,共著),A vegetation-maintaining system as a livelihood strategy among the Sereer, west-central Senegal. African Study Monographs Suppl. 30: 183—193。
古市剛史(ふるいち たけし)
京都大学霊長類研究所教授
1957年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士課程修了,理学博士。
主な著書に,『ビーリャの住む森で—アフリカ・人・ピグミーチンパンジ』(東京化学同人),『性の進化,ヒトの進化—類人猿ボノボの観察から』(朝日新聞社)。
安岡宏和(やすおか ひろかず)
法政大学人間環境学部専任講師
1976年生まれ,京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程研究指導認定退学,博士(地域研究)。
主な著作に,Human Ecology: Contemporary Research and Practice(Springer-Verlag,共著),Concentrated distribution of wild yam patches: Historical ecology and the subsistence of African rainforest hunter-gatherers. Human Ecology 37 (5): 577—587。
安田章人(やすだ あきと)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科研究員
1982年生まれ,京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程研究指導認定退学,修士(地域研究)。
主な著作に,『環境倫理学』(東京大学出版会,共著),「自然保護政策におけるスポーツハンティングの意義と住民生活への影響—カメルーン共和国・ベヌエ国立公園地域を事例に」『アフリカ研究』73: 1—15,「狩るものとしての「野生」:アフリカにおけるスポーツハンティングが内包する問題—カメルーン・ベヌエ国立公園地域を事例に」『環境社会学研究』14: 38—53。
国立民族学博物館准教授
1969年生まれ,京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了,博士(人間・環境学)。
主な著書に,『海を生きる技術と知識の民族誌—マダガスカル漁撈社会の生態人類学』(世界思想社),『電子メディアを飼いならす—異文化を橋渡すフィールド研究の視座』(せりか書房,共編著),『講座 世界の先住民族 ファースト・ピープルズの現在 5 サハラ以南アフリカ』(明石書店,共著)。
市川光雄(いちかわ みつお)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授
1946年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学,理学博士。
主な著書に,『森の狩猟民—ムブティ・ピグミーの生活』(人文書院),『人類の起源と進化』(有斐閣,共著),『森と人の共存世界』(京都大学学術出版会,共編著)など。
伊藤美穂(いとう みほ)
住商チューブラーズ株式会社
1980年生まれ,京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程退学,修士(地域研究)。
主な著作に,『ギニア共和国熱帯林地域におけるラフィアヤシの利用と管理』(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士予備論文),「ギニア共和国熱帯林地域におけるラフィアヤシの利用と管理」『生態人類学会ニュースレター』13: 14—16。
稲井啓之(いない ひろゆき)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程
1977年生まれ,同志社大学商学部卒業。
主な著作に,『伝統知識と技術の再活性化によるアフリカの草の根開発(Grass Root Development)と環境保護』(名古屋大学大学院文学研究科比較人文学嶋田研究室グループ,共著),『カメルーン熱帯雨林域における漁撈活動』(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士予備論文)。
北西功一(きたにし こういち)
山口大学教育学部准教授
1965年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了,博士(理学)。
主な著書に,『森と人の共存世界』(京都大学学術出版会,共著),『平等と不平等をめぐる人類学的研究』(ナカニシヤ出版,共著)。
木村大治(きむら だいじ)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科准教授
1960年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士課程修了,理学博士。
主な著書に,『ヒトの自然誌』(平凡社,共著),『人間性の起源と進化』(昭和堂,共著),『共在感覚—アフリカの二つの社会における言語的相互行為から』(京都大学学術出版会)。
小松かおり(こまつ かおり)
静岡大学人文学部准教授
1966年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学,博士(理学)。
主な著作に,『沖縄の市場〈マチグヮー〉文化誌』(ボーダーインク),「バナナ栽培文化のアジア・アフリカ地域間比較」『アジア・アフリカ地域研究』6 (1): 77—119(共著),『朝倉世界地理講座—大地と人間の物語—12 アフリカ㈼』(朝倉書店,共著)。
佐藤弘明(さとう ひろあき)
浜松医科大学教授
1947年生まれ,東京大学大学院理学研究科修士課程修了,理学博士。
主な著書に,『森と人の共存世界』(京都大学学術出版会,共編著),『アフリカ文化の研究』(アカデミア出版,共著)。
四方 篝(しかた かがり)
日本学術振興会特別研究員(RPD)
1976年生まれ,京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程研究指導認定退学,修士(地域研究)。
主な著作に,「二次林におけるプランテインの持続的生産—カメルーン東南部の熱帯雨林帯における焼畑農耕システム」『アジア・アフリカ地域研究』4 (1): 4—35,「伐らない焼畑—カメルーン東南部の熱帯雨林帯におけるカカオ栽培の受容にみられる変化と持続」『アジア・アフリカ地域研究』6 (2): 257—278。
寺嶋秀明(てらしま ひであき)
神戸学院大学人文学部教授
1951年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士課程修了,理学博士。
主な著書に,『共生の森』(東京大学出版会),『平等と不平等をめぐる人類学的研究』(ナカニシヤ出版,編著)。
林 耕次(はやし こうじ)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科研究員
1972年生まれ,総合研究大学院大学先導科学研究科博士後期課程修了,博士(学術)。
主な著作に,『みんぱく実践人類学シリ—ズ第7巻 開発と先住民』(明石書店,共著),Hunting activities in forest camps among the Baka hunter—gatherers in southeastern Cameroon. African Study Monographs 29 (2): 73—92。
平井將公(ひらい まさあき)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科研究員,大阪大学外国語学部非常勤講師
1975年生まれ,京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了,博士(地域研究)。
主な著作に,『セネガル中西部におけるアルビダ植生の維持機構』(古今書院,共著),A vegetation-maintaining system as a livelihood strategy among the Sereer, west-central Senegal. African Study Monographs Suppl. 30: 183—193。
古市剛史(ふるいち たけし)
京都大学霊長類研究所教授
1957年生まれ,京都大学大学院理学研究科博士課程修了,理学博士。
主な著書に,『ビーリャの住む森で—アフリカ・人・ピグミーチンパンジ』(東京化学同人),『性の進化,ヒトの進化—類人猿ボノボの観察から』(朝日新聞社)。
安岡宏和(やすおか ひろかず)
法政大学人間環境学部専任講師
1976年生まれ,京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程研究指導認定退学,博士(地域研究)。
主な著作に,Human Ecology: Contemporary Research and Practice(Springer-Verlag,共著),Concentrated distribution of wild yam patches: Historical ecology and the subsistence of African rainforest hunter-gatherers. Human Ecology 37 (5): 577—587。
安田章人(やすだ あきと)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科研究員
1982年生まれ,京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程研究指導認定退学,修士(地域研究)。
主な著作に,『環境倫理学』(東京大学出版会,共著),「自然保護政策におけるスポーツハンティングの意義と住民生活への影響—カメルーン共和国・ベヌエ国立公園地域を事例に」『アフリカ研究』73: 1—15,「狩るものとしての「野生」:アフリカにおけるスポーツハンティングが内包する問題—カメルーン・ベヌエ国立公園地域を事例に」『環境社会学研究』14: 38—53。
巻頭図
はじめに
第 I 部 総 説
第1章 アフリカ熱帯雨林の歴史生態学に向けて [市川光雄]
1―1 「グローバル・イシュー」から「森棲みの視点」へ
1―2 人間の生活環境としての熱帯雨林
1―3 植生環境に対する人間活動のインパクト
第2章 ワイルドヤム・クエスチョンから歴史生態学へ ―中部アフリカ狩猟採集民の生態人類学の展開― [安岡宏和]
2―1 ワイルドヤム・クエスチョン前史
2―2 リヴィジョニズムの台頭とワイルドヤム・クエスチョン
2―3 ワイルドヤム・クエスチョンをめぐる初期の論争
2―4 ワイルドヤム・クエスチョンの展開
2―5 ワイルドヤム・クエスチョンを組み替える
2―6 森と人のポリフォニー
第3章 中部アフリカ熱帯雨林の農耕文化史 [小松かおり]
3―1 アフリカの農耕文化
3―2 中部アフリカの農耕のはじまり
3―3 東南アジアからのバナナの到来
3―4 南米からのキャッサバの到来
3―5 主食作物の分布
3―6 作物としてのバナナとキャッサバの比較
3―7 調理と加工の技術の変化
3―8 キャッサバによる農耕と食の変化
3―9 コーヒーとカカオの受け入れと農産物の商品化
3―10 半栽培の文化
3―11 中部アフリカの農耕文化
第4章 アフリカ熱帯雨林とグローバリゼーション [北西功一]
4―1 はじめに
4―2 木材伐採と野生動物
4―3 カメルーンの森林法と行政
4―4 カメルーン東南部の自然保護,森林利用,地域住民
4―5 ピグミーと様々な援助活動
4―6 グローバルな世界とローカルな世界をつなぐ新しい動き
4―7 おわりに
第5章 交易の島から展望する「三つの生態学」 ―東アフリカ,ムワニ世界の漁師たち― [飯田卓]
5―1 はじめに
5―2 ムワニ世界
5―3 三つの生態学を展開させる「糸口」
5―4 キリンバ島の地曳網漁
5―5 人との絆に頼る漁撈社会
第6章 植生からみる生態史 ―イトゥリの森― [市川光雄]
6―1 森への誘い
6―2 二つの森林タイプ
6―3 生活史の比較
6―4 植生史の復元
6―5 野火の影響
6―6 Marantaceae forestの謎
6―7 地域の植生を考える視点
6―8 森に刻まれた歴史
第7章 熱帯雨林狩猟採集民が農耕民にならなかった理由 [佐藤弘明]
7―1 はじめに
7―2 「農耕民」インパクトを推し量る資料と方法
7―3 熱帯雨林における純粋な狩猟採集生活
7―4 定住村における日常生活
7―5 熱帯雨林狩猟採集民が農耕民と接触したとき何が起きたか?
第8章 バカ・ピグミーの生業の変容 ―農耕化か? 多様化か?― [安岡宏和]
8―1 未熟な農耕?
8―2 調査地およびバカの生活の概要
8―3 栽培
8―4 採集
8―5 半栽培
8―6 バカによる植物性食物の利用形態
8―7 農耕民になるということ
第9章 森が生んだ言葉 ―イトゥリのピグミーにおける動植物の名前と属性についての比較研究― [寺嶋秀明]
9―1 「ピグミー語」をめぐる問題
9―2 植物の名前とその利用
9―3 動物の名前と文化的属性
9―4 考察
Field essay 1 森の恋占い [四方篝]
第III部 森をひらく
第10章 バナナとカカオのおいしい関係 ―カメルーン東南部の熱帯雨林における焼畑農耕とその現代的展開― [四方篝]
10―1 バナナがそだつ森
10―2 調査地域の概要
10―3 バナナを基幹とする焼畑
10―4 カカオ栽培の導入と農耕システムの変化
10―5 バナナとカカオのおいしい関係
第11章 森と人が生み出す生物多様性 ―カメルーン熱帯雨林の焼畑・混作畑― [小松かおり]
11―1 農地における生物多様性
11―2 調査対象と調査方法
11―3 主食畑の作り方
11―4 農地のなかの植物群
11―5 農地の生物多様性
11―6 生物多様性を生みだす関係性
第12章 ヤシ酒と共に生きる ―ギニア共和国東南部熱帯林地域におけるラフィアヤシ利用― [伊藤美穂]
12―1 ヤシ植物の重要性
12―2 ラフィアヤシの利用
12―3 ヤシの樹液採取
12―4 ヤシ酒の消費
12―5 ラフィアヤシの管理
12―6 ラフィアヤシ利用の持続性を支えらもの
第13章 サバンナ帯の人口稠密地域における資源利用の生態史 ―セネガルのセレール社会の事例― [平井將公]
13―1 はじめに
13―2 集約的農業の展開とサース林の形成
13―3 サースの稀少化をめぐって
13―4 飼料採集の現場
13―5 サースの生態に対する理解と精緻な切枝技法
13―6 まとめと考察
Field essay 2 エコック行 [木村大治 ]
第IV部 森でとる
第14章 バカ・ピグミーの狩猟実践 ―罠猟の普及とブッシュミート交易の拡大のなかで― [安岡宏和]
14―1 森林伐採・ブッシュミート交昜・国立公園
14―2 バカの狩猟
14―3 罠猟が普及した生態的要因
14―4 ブッシュミート交易の拡大
14―5 罠猟のサステイナビリティ
14―6 森棲みのレジティマシーの確立へ向けて
第15章 コンゴ民主共和国・ワンバにおけるタンパク質 獲得活動の変遷 [木村大治 安岡宏和 古市剛史]
15―1 熱帯雨林におけるタンパク質獲得
15―2 1970年代から2000年代にかけての社会・経済・生態学的変化
15―3 ワンバの生活調査
15―4 タンパク質獲得活動の変遷
15―5 今後何ができるか
15―6 地域の未来と定点観測の意味
第16章 バカ・ピグミーのゾウ狩猟 [林 耕次]
16―1 はじめに―ゾウを倒すバカ・ピグミー
16―2 ピグミーのゾウ狩猟に関する先行研究
16―3 バカの概況と調査方法
16―4 バカの狩猟活動
16―5 バカ文化のなかのゾウ
16―6 ゾウ狩猟の実際
16―7 おわりに
第17章 出稼ぎ漁民と地元漁民の共存 ―カメルーン東南部における漁撈実践の比較から― [稲井啓之]
17―1 伐採活動と共に活性化する熱帯林の漁撈
17―2 調査地
17―3 ンゴコ川における漁撈活動
17―4 二つの漁撈ストラテジー
17―5 異質なグループはいかに共存をはかっていたか
Field essay 3 響く銃声と響かない声 [安田章人]
あとがき
引用文献
はじめに
第 I 部 総 説
第1章 アフリカ熱帯雨林の歴史生態学に向けて [市川光雄]
1―1 「グローバル・イシュー」から「森棲みの視点」へ
1―2 人間の生活環境としての熱帯雨林
1―3 植生環境に対する人間活動のインパクト
第2章 ワイルドヤム・クエスチョンから歴史生態学へ ―中部アフリカ狩猟採集民の生態人類学の展開― [安岡宏和]
2―1 ワイルドヤム・クエスチョン前史
2―2 リヴィジョニズムの台頭とワイルドヤム・クエスチョン
2―3 ワイルドヤム・クエスチョンをめぐる初期の論争
2―4 ワイルドヤム・クエスチョンの展開
2―5 ワイルドヤム・クエスチョンを組み替える
2―6 森と人のポリフォニー
第3章 中部アフリカ熱帯雨林の農耕文化史 [小松かおり]
3―1 アフリカの農耕文化
3―2 中部アフリカの農耕のはじまり
3―3 東南アジアからのバナナの到来
3―4 南米からのキャッサバの到来
3―5 主食作物の分布
3―6 作物としてのバナナとキャッサバの比較
3―7 調理と加工の技術の変化
3―8 キャッサバによる農耕と食の変化
3―9 コーヒーとカカオの受け入れと農産物の商品化
3―10 半栽培の文化
3―11 中部アフリカの農耕文化
第4章 アフリカ熱帯雨林とグローバリゼーション [北西功一]
4―1 はじめに
4―2 木材伐採と野生動物
4―3 カメルーンの森林法と行政
4―4 カメルーン東南部の自然保護,森林利用,地域住民
4―5 ピグミーと様々な援助活動
4―6 グローバルな世界とローカルな世界をつなぐ新しい動き
4―7 おわりに
第5章 交易の島から展望する「三つの生態学」 ―東アフリカ,ムワニ世界の漁師たち― [飯田卓]
5―1 はじめに
5―2 ムワニ世界
5―3 三つの生態学を展開させる「糸口」
5―4 キリンバ島の地曳網漁
5―5 人との絆に頼る漁撈社会
第6章 植生からみる生態史 ―イトゥリの森― [市川光雄]
6―1 森への誘い
6―2 二つの森林タイプ
6―3 生活史の比較
6―4 植生史の復元
6―5 野火の影響
6―6 Marantaceae forestの謎
6―7 地域の植生を考える視点
6―8 森に刻まれた歴史
第7章 熱帯雨林狩猟採集民が農耕民にならなかった理由 [佐藤弘明]
7―1 はじめに
7―2 「農耕民」インパクトを推し量る資料と方法
7―3 熱帯雨林における純粋な狩猟採集生活
7―4 定住村における日常生活
7―5 熱帯雨林狩猟採集民が農耕民と接触したとき何が起きたか?
第8章 バカ・ピグミーの生業の変容 ―農耕化か? 多様化か?― [安岡宏和]
8―1 未熟な農耕?
8―2 調査地およびバカの生活の概要
8―3 栽培
8―4 採集
8―5 半栽培
8―6 バカによる植物性食物の利用形態
8―7 農耕民になるということ
第9章 森が生んだ言葉 ―イトゥリのピグミーにおける動植物の名前と属性についての比較研究― [寺嶋秀明]
9―1 「ピグミー語」をめぐる問題
9―2 植物の名前とその利用
9―3 動物の名前と文化的属性
9―4 考察
Field essay 1 森の恋占い [四方篝]
第III部 森をひらく
第10章 バナナとカカオのおいしい関係 ―カメルーン東南部の熱帯雨林における焼畑農耕とその現代的展開― [四方篝]
10―1 バナナがそだつ森
10―2 調査地域の概要
10―3 バナナを基幹とする焼畑
10―4 カカオ栽培の導入と農耕システムの変化
10―5 バナナとカカオのおいしい関係
第11章 森と人が生み出す生物多様性 ―カメルーン熱帯雨林の焼畑・混作畑― [小松かおり]
11―1 農地における生物多様性
11―2 調査対象と調査方法
11―3 主食畑の作り方
11―4 農地のなかの植物群
11―5 農地の生物多様性
11―6 生物多様性を生みだす関係性
第12章 ヤシ酒と共に生きる ―ギニア共和国東南部熱帯林地域におけるラフィアヤシ利用― [伊藤美穂]
12―1 ヤシ植物の重要性
12―2 ラフィアヤシの利用
12―3 ヤシの樹液採取
12―4 ヤシ酒の消費
12―5 ラフィアヤシの管理
12―6 ラフィアヤシ利用の持続性を支えらもの
第13章 サバンナ帯の人口稠密地域における資源利用の生態史 ―セネガルのセレール社会の事例― [平井將公]
13―1 はじめに
13―2 集約的農業の展開とサース林の形成
13―3 サースの稀少化をめぐって
13―4 飼料採集の現場
13―5 サースの生態に対する理解と精緻な切枝技法
13―6 まとめと考察
Field essay 2 エコック行 [木村大治 ]
第IV部 森でとる
第14章 バカ・ピグミーの狩猟実践 ―罠猟の普及とブッシュミート交易の拡大のなかで― [安岡宏和]
14―1 森林伐採・ブッシュミート交昜・国立公園
14―2 バカの狩猟
14―3 罠猟が普及した生態的要因
14―4 ブッシュミート交易の拡大
14―5 罠猟のサステイナビリティ
14―6 森棲みのレジティマシーの確立へ向けて
第15章 コンゴ民主共和国・ワンバにおけるタンパク質 獲得活動の変遷 [木村大治 安岡宏和 古市剛史]
15―1 熱帯雨林におけるタンパク質獲得
15―2 1970年代から2000年代にかけての社会・経済・生態学的変化
15―3 ワンバの生活調査
15―4 タンパク質獲得活動の変遷
15―5 今後何ができるか
15―6 地域の未来と定点観測の意味
第16章 バカ・ピグミーのゾウ狩猟 [林 耕次]
16―1 はじめに―ゾウを倒すバカ・ピグミー
16―2 ピグミーのゾウ狩猟に関する先行研究
16―3 バカの概況と調査方法
16―4 バカの狩猟活動
16―5 バカ文化のなかのゾウ
16―6 ゾウ狩猟の実際
16―7 おわりに
第17章 出稼ぎ漁民と地元漁民の共存 ―カメルーン東南部における漁撈実践の比較から― [稲井啓之]
17―1 伐採活動と共に活性化する熱帯林の漁撈
17―2 調査地
17―3 ンゴコ川における漁撈活動
17―4 二つの漁撈ストラテジー
17―5 異質なグループはいかに共存をはかっていたか
Field essay 3 響く銃声と響かない声 [安田章人]
あとがき
引用文献