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ダムとはそもそも何か.はたしてダムは河川環境やそこに棲む生き物たちにどのような影響を及ぼしているのか.河川工学・生態学など複数分野の研究者が数十の代表的ダムの事例をもとに,その機能,環境影響,歴史と社会ニーズを科学として検証.下流環境の改善のための技術とその実践も紹介し,治水や利水と環境をバランスさせる道を探る.
『ダム工学』Vol.20 No.1、63頁、評者:吉田明氏
[編著者]
池淵周一(いけぶち・しゅういち)
京都大学名誉教授、河川環境管理財団研究顧問
専門は水資源工学、水文学。短期および長期の降雨予測とその洪水時、渇水時のダム管理への支援導入策を検討している。
著書に『水資源工学』(森北出版、2000)、『水資源マネジメントと水環境』(共訳・技報堂出版、2000)、『エース 水文学』(共著・朝倉書店、2006)など
本書では、全体の整理・編集とともに、はじめに、1、2、3、5、8章、終章にかえて、終わりに、補遺、コラムを中心に執筆
[著者](50音順)
一柳英隆(いちやなぎ・ひでたか)
財団法人ダム水源地環境整備センター嘱託研究員
専門は動物生態学。河川に生息する動物の生活史や個体群動態、保全について研究している。
本書での担当章は、全体の整理とともに、補遺、コラムを中心に執筆
角 哲也(すみ・てつや)
京都大学防災研究所教授
専門は水工水理学、河川工学、ダム工学。貯水池の持続的管理および流砂系の総合土砂管理の観点からダムの堆砂問題解決のための研究を進めている。
著書に『川の百科事典』(共著・丸善、2009)、『多目的ダムの建設 −平成17年度版−』(共著・丸善、2005)、『UNESCO-EOLSS』(共著・UNESCO, Eolss Publishers、2004)など
本書では、4、8章を中心に執筆
竹門康弘(たけもん・やすひろ)
京都大学防災研究所准教授
専門は陸水生態学、水生昆虫学、応用生態工学。 水生昆虫の生息場を形成・維持するしくみ、貯水ダムが生息場に与える影響、砂州の生態機能などの研究をしている。
著書に『棲み場所の生態学』(共著・平凡社、1995)、『渓流生態砂防学』(共著・、東京大学出版会、1999)、『深泥池の自然と暮らし—生態系管理をめざして—』(共著・サンライズ出版、2008)など
本書では、6、7章、コラムを中心に執筆。
谷田一三(たにだ・かずみ)
大阪府立大学大学院理学系研究科教授
専門は河川生態学、分類学、生物地理学。とくに日本産トビケラ類の分類と生態、東アジアにおける淡水動物の多様性と起源を中心に研究している。
著書に『棲み場所の生態学』(共著・平凡社、1995)、『昆虫ウォッチング』(共著・平凡社、1996)、『日本産水生昆虫』(編著・東海大学出版会、2005)など
本書では、7、9章、補遺、コラムを中心に執筆
辻本哲郎(つじもと・てつろう)
名古屋大学大学院工学研究科教授
専門は、河川水理学、河川工学。持続性のある流域圏管理のためのアセスメント技術体系を確立することを目指している。
著書に『河川生態環境評価法』(共著・東京大学出版会、2000)、『生命の川』(共訳・新樹社、2006)、『川の環境目標を考える』(編著・技報堂、2008)など
本書では、1、2、5、9章を中心に執筆
池淵周一(いけぶち・しゅういち)
京都大学名誉教授、河川環境管理財団研究顧問
専門は水資源工学、水文学。短期および長期の降雨予測とその洪水時、渇水時のダム管理への支援導入策を検討している。
著書に『水資源工学』(森北出版、2000)、『水資源マネジメントと水環境』(共訳・技報堂出版、2000)、『エース 水文学』(共著・朝倉書店、2006)など
本書では、全体の整理・編集とともに、はじめに、1、2、3、5、8章、終章にかえて、終わりに、補遺、コラムを中心に執筆
[著者](50音順)
一柳英隆(いちやなぎ・ひでたか)
財団法人ダム水源地環境整備センター嘱託研究員
専門は動物生態学。河川に生息する動物の生活史や個体群動態、保全について研究している。
本書での担当章は、全体の整理とともに、補遺、コラムを中心に執筆
角 哲也(すみ・てつや)
京都大学防災研究所教授
専門は水工水理学、河川工学、ダム工学。貯水池の持続的管理および流砂系の総合土砂管理の観点からダムの堆砂問題解決のための研究を進めている。
著書に『川の百科事典』(共著・丸善、2009)、『多目的ダムの建設 −平成17年度版−』(共著・丸善、2005)、『UNESCO-EOLSS』(共著・UNESCO, Eolss Publishers、2004)など
本書では、4、8章を中心に執筆
竹門康弘(たけもん・やすひろ)
京都大学防災研究所准教授
専門は陸水生態学、水生昆虫学、応用生態工学。 水生昆虫の生息場を形成・維持するしくみ、貯水ダムが生息場に与える影響、砂州の生態機能などの研究をしている。
著書に『棲み場所の生態学』(共著・平凡社、1995)、『渓流生態砂防学』(共著・、東京大学出版会、1999)、『深泥池の自然と暮らし—生態系管理をめざして—』(共著・サンライズ出版、2008)など
本書では、6、7章、コラムを中心に執筆。
谷田一三(たにだ・かずみ)
大阪府立大学大学院理学系研究科教授
専門は河川生態学、分類学、生物地理学。とくに日本産トビケラ類の分類と生態、東アジアにおける淡水動物の多様性と起源を中心に研究している。
著書に『棲み場所の生態学』(共著・平凡社、1995)、『昆虫ウォッチング』(共著・平凡社、1996)、『日本産水生昆虫』(編著・東海大学出版会、2005)など
本書では、7、9章、補遺、コラムを中心に執筆
辻本哲郎(つじもと・てつろう)
名古屋大学大学院工学研究科教授
専門は、河川水理学、河川工学。持続性のある流域圏管理のためのアセスメント技術体系を確立することを目指している。
著書に『河川生態環境評価法』(共著・東京大学出版会、2000)、『生命の川』(共訳・新樹社、2006)、『川の環境目標を考える』(編著・技報堂、2008)など
本書では、1、2、5、9章を中心に執筆
口絵
はじめに
Part Ⅰ 河川とダム
第1章 川の姿の成り立ちと仕組み
1.1 物理基盤から川をとらえる
1.2 流域と河川の流況形成
コラム1 河川流域の地形則
コラム2 流出モデルと河道流追跡法
1.3 流砂,土砂移動と河道の物理的形成
コラム3 河床変動解析
第2章 川の姿(物理基盤)と生態系
2.1 ストラクチャー,テクスチャー,デュレーション
2.2 セグメント固有の景観
2.3 河川の物理環境のもつ生態的機能
2.4 瀬・淵の河床単位と微生息場所
コラム4 河川の生態学的な区分
2.5 攪乱と生物多様性
2.6 河川生態系の生産起源と連続体仮説
2.7 河川連続体仮説—高時川を事例として
コラム5 底生動物の特性と分類
2.8 水質環境と生態系
コラム6 生態系サービス
2.9 生息適性の評価
補遺 物理基盤と生態系における時・空間スケール
第3章 ダムと貯水池
3.1 流水環境と人間活動
3.2 社会ニーズとダム建設の推移
3.3 ダムの配置と諸元
3.4 ダム貯水池(ダム湖)の水,物質挙動
コラム7 WECモデル
Part Ⅱ ダムと下流河川環境
第4章 ダムによる流況・流砂の変化
4.1 河川における「フィルタ」としてのダム
4.2 流況変化の計測
4.3 流砂変化の計測
4.4 ダムによる下流域に対する物理環境の変化
第5章 流況・流砂改変がもたらすダム下流の生態系変化
5.1 流況の改変とそれが下流河川にもたらすもの
コラム8 河川生態系における物質動態とその変化過程の定式化
5.2 流砂の改変とそれが下流河川にもたらすもの
5.3 ダム貯水池内の改変とその流下が下流にもたらすもの
5.4 河川連続体仮説を基本としたダム流程に沿った下流河川への影響評価
5.5 ダム以外の人為による河川環境への影響
補遺 環境変動の抑制と河川生態系の変化
第6章 ダム下流河川の底質環境と底生動物群集の変化
6.1 ダム下流の底質環境と付着層
6.2 底生動物の変化
コラム9 ダム下流の外来種
6.3 ダムの影響の流程変化
6.4 試験湛水およびダム再開発事業に伴う流況変化と下流生態系変化
第7章 貯水池プランクトンと底生動物群集
7.1 濾過食者の増加
7.2 ダム貯水池の水質環境と河川底生動物への影響
7.3 ダム湖プランクトンの流下距離
7.4 ダム下流における栄養起源の変化
Part Ⅲ ダム下流の環境保全
第8章 ダム下流の河川環境保全策
8.1 河川環境の整備と保全
8.2 流況改変の対応策
8.3 流砂改変への対応策
コラム10 実験河川での人工洪水における粒状物質と生物の流下過程
コラム11 米国グレンキャニオンダムの人工洪水
8.4 貯水池水質への対応策
8.5 生態的連続性の分断への対応策
第9章 モニタリングと順応的管理
9.1 ダム下流生態系のモニタリング
9.2 ダム下流河川の順応的管理
コラム12 グレンキャニオンダムにおける順応的管理
9.3 保全策の効果と評価手法の開発
補遺 ダム建設を巡る社会環境
コラム13 ダム撤去
終章にかえて
おわりに
図表の出典および提供者一覧
用語解説
索引
はじめに
Part Ⅰ 河川とダム
第1章 川の姿の成り立ちと仕組み
1.1 物理基盤から川をとらえる
1.2 流域と河川の流況形成
コラム1 河川流域の地形則
コラム2 流出モデルと河道流追跡法
1.3 流砂,土砂移動と河道の物理的形成
コラム3 河床変動解析
第2章 川の姿(物理基盤)と生態系
2.1 ストラクチャー,テクスチャー,デュレーション
2.2 セグメント固有の景観
2.3 河川の物理環境のもつ生態的機能
2.4 瀬・淵の河床単位と微生息場所
コラム4 河川の生態学的な区分
2.5 攪乱と生物多様性
2.6 河川生態系の生産起源と連続体仮説
2.7 河川連続体仮説—高時川を事例として
コラム5 底生動物の特性と分類
2.8 水質環境と生態系
コラム6 生態系サービス
2.9 生息適性の評価
補遺 物理基盤と生態系における時・空間スケール
第3章 ダムと貯水池
3.1 流水環境と人間活動
3.2 社会ニーズとダム建設の推移
3.3 ダムの配置と諸元
3.4 ダム貯水池(ダム湖)の水,物質挙動
コラム7 WECモデル
Part Ⅱ ダムと下流河川環境
第4章 ダムによる流況・流砂の変化
4.1 河川における「フィルタ」としてのダム
4.2 流況変化の計測
4.3 流砂変化の計測
4.4 ダムによる下流域に対する物理環境の変化
第5章 流況・流砂改変がもたらすダム下流の生態系変化
5.1 流況の改変とそれが下流河川にもたらすもの
コラム8 河川生態系における物質動態とその変化過程の定式化
5.2 流砂の改変とそれが下流河川にもたらすもの
5.3 ダム貯水池内の改変とその流下が下流にもたらすもの
5.4 河川連続体仮説を基本としたダム流程に沿った下流河川への影響評価
5.5 ダム以外の人為による河川環境への影響
補遺 環境変動の抑制と河川生態系の変化
第6章 ダム下流河川の底質環境と底生動物群集の変化
6.1 ダム下流の底質環境と付着層
6.2 底生動物の変化
コラム9 ダム下流の外来種
6.3 ダムの影響の流程変化
6.4 試験湛水およびダム再開発事業に伴う流況変化と下流生態系変化
第7章 貯水池プランクトンと底生動物群集
7.1 濾過食者の増加
7.2 ダム貯水池の水質環境と河川底生動物への影響
7.3 ダム湖プランクトンの流下距離
7.4 ダム下流における栄養起源の変化
Part Ⅲ ダム下流の環境保全
第8章 ダム下流の河川環境保全策
8.1 河川環境の整備と保全
8.2 流況改変の対応策
8.3 流砂改変への対応策
コラム10 実験河川での人工洪水における粒状物質と生物の流下過程
コラム11 米国グレンキャニオンダムの人工洪水
8.4 貯水池水質への対応策
8.5 生態的連続性の分断への対応策
第9章 モニタリングと順応的管理
9.1 ダム下流生態系のモニタリング
9.2 ダム下流河川の順応的管理
コラム12 グレンキャニオンダムにおける順応的管理
9.3 保全策の効果と評価手法の開発
補遺 ダム建設を巡る社会環境
コラム13 ダム撤去
終章にかえて
おわりに
図表の出典および提供者一覧
用語解説
索引