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「国際化」はそれこそ半世紀におよぶ日本のスローガンであり、特に昨今「世界標準」と言う言い方で、人々の生き方までも規定する言葉になった。しかし、その語は、人々にどう受け止められているのか。海外に在住する「文化仲介者」と呼ばれる人々の言説(ディスコース)から、「国際化」の中の日本人の実状に迫る。
馬渕 仁(まぶち ひとし)
大阪女学院短期大学助教授
大学在学中にタイに留学。中学・高校の教員を勤めた後、渡豪。現在、大阪女学院短期大学助教授。Ph.D.(モナシュ大学)。
主な論文
"The Problem of Japanology" in Culture and Communication, K. Kitao (ed.),. Yamaguchi Shoten, 1995
Japanese Children Abroad: Toward a Sociology of the Literature on their Situation, Melbourne: Monash Asia Institute, Monash University, 1998
大阪女学院短期大学助教授
大学在学中にタイに留学。中学・高校の教員を勤めた後、渡豪。現在、大阪女学院短期大学助教授。Ph.D.(モナシュ大学)。
主な論文
"The Problem of Japanology" in Culture and Communication, K. Kitao (ed.),. Yamaguchi Shoten, 1995
Japanese Children Abroad: Toward a Sociology of the Literature on their Situation, Melbourne: Monash Asia Institute, Monash University, 1998
序章
一 三人三様の「異文化理解」論
二 本書のねらい
1 なぜ、今新たに「海外・帰国子女教育」なのか
2 「文化仲介者」の「ディスコース」を取り上げる意味
三 本書における基本的用語
四 本書の構成
第1章 グローバリゼーションと多文化主義
一 グローバリゼーション
1 経済的領域におけるグローバリゼーションと文化帝国主義
2 政治的領域におけるグローバリゼーションと国民国家
3 文化的領域におけるグローバリゼーションと普遍性・進歩の概念
4 普遍性・進歩の概念と教育
二 多文化主義と多文化教育
1 同化主義的な考え方
2 文化多元主義的な考え方
3 多文化主義
4 多文化主義への反駁
5 多文化主義批判への批判
6 「多」概念から「文化」概念の検討へ
三 文化本質主義をめぐる問題
1 多文化主義と文化本質主義
2 ナショナリズムの問題
3 エスニシティの問題
4 ディアスポリック・ハイブリィディティの可能性
5 ジェンダーと文化本質主義の問題
6 戦略的な本質主義
四 まとめ
第2章 海外・帰国子女教育から国際理解教育へ
一 政策と問題の変遷
1 問題の登場(1950年代)
2 政策の変化(1960年代)
3 海外・帰国子女教育の発展(1970年代)
4 ピークを迎えた海外・帰国子女教育(1980年代)
5 国際理解教育への転換(1990年代以降)
二 問題研究の推移
1 適応への取り組み
2 特性伸長と国際化
■国際化の促進
■日本を変える契機としての海外・帰国子女教育
3 国際理解と「共生」
■現地理解と国際理解
■国際理解教育と共生
■普遍主義とグローバル教育の問題
三 まとめ
第3章 方法論
一 客観性、中立性の問題
二 ディスコースをめぐるグループ
三 公的なディスコース(政策と研究)
四 文化仲介者へのインタビュー
五 本調査の意義と限界
第4章 公的なディスコース(政策と研究)
一 異文化理解と共生の能力
二 外国語能力―特に英語力について
三 「日本人」の育成と国際理解教育
四 普遍性と進歩の概念
1 普遍主義
2 日本は遅れているという見解
五 文化相対主義
六 他文化の受け入れ
七 文化本質主義
八 日本社会の多様性―特に男女の差異について
九 まとめ
第5章 文化仲介者と異文化理解
一 はじめに
1 メルボルンの日本人社会と日本人学校
2 クアラルンプールの日本人社会と日本人学校
3 インタビューにおける質問項目
二 異文化理解における能力
1 「共生の能力」
2 「コミュニケーション能力」
3 国際社会で最も大切な能力とは
三 異文化理解における日本人の能力
1 日本人に共生の能力はあるか
2 日本人にコミュニケーション能力はあるか
四 外国語(英語)について
1 英語の重要性
2 英語以外の言語の重要性
五 普遍的な規範
1 異文化間コミュニケーションにおける規範
2 規範の普遍性
六 国際理解教育の内容とその進め方
1 グローバリゼーションとは
2 国際理解教育の定義
3 国際理解教育における国家の役割
4 国際理解における価値と自文化における価値が衝突した場合
七 まとめ
第6章 文化仲介者の文化観
一 はじめに
二 文化相対主義
1 文化間の優劣
2 全ての文化は平等に扱うべきか
三 同化主義、文化多元主義、多文化主義
1 日本は、単一民族国家か
2 他民族の受け入れ
四 文化本質主義�――日本人論について
1 日本社会の中にある差異と共通性
2 日本人の特徴とは
3 日本人論とその一般化
4 比較の対象
5 日本人論の変化
五 文化本質主義�――根無し草について
1 海外日本人の多様性
2 いわゆる「根無し草」について
六 男女の差異
1 日本社会の中での男女の差異
2 海外・帰国子女教育における男女の問題
七 まとめ
終章 文化本質主義から解放されるために
一 規範的な見解
1 コンフリクト・フリーな考え方
2 ナイーブな言説
二 文化本質主義
三 公的言説と文化仲介者の見解との食い違い
四 企業理事、教員、母親グループの相違
五 文化本質主義への挑戦
一 三人三様の「異文化理解」論
二 本書のねらい
1 なぜ、今新たに「海外・帰国子女教育」なのか
2 「文化仲介者」の「ディスコース」を取り上げる意味
三 本書における基本的用語
四 本書の構成
第1章 グローバリゼーションと多文化主義
一 グローバリゼーション
1 経済的領域におけるグローバリゼーションと文化帝国主義
2 政治的領域におけるグローバリゼーションと国民国家
3 文化的領域におけるグローバリゼーションと普遍性・進歩の概念
4 普遍性・進歩の概念と教育
二 多文化主義と多文化教育
1 同化主義的な考え方
2 文化多元主義的な考え方
3 多文化主義
4 多文化主義への反駁
5 多文化主義批判への批判
6 「多」概念から「文化」概念の検討へ
三 文化本質主義をめぐる問題
1 多文化主義と文化本質主義
2 ナショナリズムの問題
3 エスニシティの問題
4 ディアスポリック・ハイブリィディティの可能性
5 ジェンダーと文化本質主義の問題
6 戦略的な本質主義
四 まとめ
第2章 海外・帰国子女教育から国際理解教育へ
一 政策と問題の変遷
1 問題の登場(1950年代)
2 政策の変化(1960年代)
3 海外・帰国子女教育の発展(1970年代)
4 ピークを迎えた海外・帰国子女教育(1980年代)
5 国際理解教育への転換(1990年代以降)
二 問題研究の推移
1 適応への取り組み
2 特性伸長と国際化
■国際化の促進
■日本を変える契機としての海外・帰国子女教育
3 国際理解と「共生」
■現地理解と国際理解
■国際理解教育と共生
■普遍主義とグローバル教育の問題
三 まとめ
第3章 方法論
一 客観性、中立性の問題
二 ディスコースをめぐるグループ
三 公的なディスコース(政策と研究)
四 文化仲介者へのインタビュー
五 本調査の意義と限界
第4章 公的なディスコース(政策と研究)
一 異文化理解と共生の能力
二 外国語能力―特に英語力について
三 「日本人」の育成と国際理解教育
四 普遍性と進歩の概念
1 普遍主義
2 日本は遅れているという見解
五 文化相対主義
六 他文化の受け入れ
七 文化本質主義
八 日本社会の多様性―特に男女の差異について
九 まとめ
第5章 文化仲介者と異文化理解
一 はじめに
1 メルボルンの日本人社会と日本人学校
2 クアラルンプールの日本人社会と日本人学校
3 インタビューにおける質問項目
二 異文化理解における能力
1 「共生の能力」
2 「コミュニケーション能力」
3 国際社会で最も大切な能力とは
三 異文化理解における日本人の能力
1 日本人に共生の能力はあるか
2 日本人にコミュニケーション能力はあるか
四 外国語(英語)について
1 英語の重要性
2 英語以外の言語の重要性
五 普遍的な規範
1 異文化間コミュニケーションにおける規範
2 規範の普遍性
六 国際理解教育の内容とその進め方
1 グローバリゼーションとは
2 国際理解教育の定義
3 国際理解教育における国家の役割
4 国際理解における価値と自文化における価値が衝突した場合
七 まとめ
第6章 文化仲介者の文化観
一 はじめに
二 文化相対主義
1 文化間の優劣
2 全ての文化は平等に扱うべきか
三 同化主義、文化多元主義、多文化主義
1 日本は、単一民族国家か
2 他民族の受け入れ
四 文化本質主義�――日本人論について
1 日本社会の中にある差異と共通性
2 日本人の特徴とは
3 日本人論とその一般化
4 比較の対象
5 日本人論の変化
五 文化本質主義�――根無し草について
1 海外日本人の多様性
2 いわゆる「根無し草」について
六 男女の差異
1 日本社会の中での男女の差異
2 海外・帰国子女教育における男女の問題
七 まとめ
終章 文化本質主義から解放されるために
一 規範的な見解
1 コンフリクト・フリーな考え方
2 ナイーブな言説
二 文化本質主義
三 公的言説と文化仲介者の見解との食い違い
四 企業理事、教員、母親グループの相違
五 文化本質主義への挑戦