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プリミエ・コレクション 67

中国中古の書学理論

成田 健太郎

A5上製・280頁

ISBN: 9784876988945

発行年月: 2016/03

  • 本体: 3,800円(税込 4,180円
  • 在庫あり
 
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内容

概ね後漢後期から唐前期に相当する中国中古の時代には、貴族社会の成熟によって書に対する意識が高度に高められ、王羲之、王献之など後代の手本となる書が出現した。本書はこの時期にはじめて現れた書学理論の特質を明らかにするとともに、同時代の文学、美術との関連を明確にしながら、中国書史の黄金期とも言うべき時代の特質に迫る。

書評

『書論』第42号(2016年8月)、298-299頁、評者:亀澤孝幸氏
『書学書道史研究』第26号(2016年10月)、112頁、評者:増田知之氏
『書道美術新聞』第1092号(2017年2月1日)

プロフィール

成田 健太郎(なりた けんたろう)
東京大学附属図書館アジア研究図書館上廣倫理財団寄付研究部門特任研究員
1981年 島根県松江市生まれ
京都大学大学院文学研究科中国語学中国文学専修博士後期課程修了
博士(文学)。

主な著作
『唐代の文論』(共著、研文出版、2009年)
『詩僧皎然集注』(共著、汲古書院、2014年)
『芸術理論古典文献アンソロジー東洋篇』(共著、藝術学舎、2014年)。

目次

    まえがき
    図版出典一覧
序 章
    第一節 書学理論の定義とその研究の意義
    第二節 中古における書学理論の発達
    第三節 本書の取り扱う書学理論著作
    第四節 書学理論研究の方向と本書の達成
第一章 書体を詠う韻文ジャンル「勢」とその周辺
    第一節 「勢」というジャンル
    第二節 「勢」の様式
    第三節 趙壱「非草書」にみる「勢」の胎動
    第四節 「勢」と詠物賦
    第五節 「勢」の形成と展開(東晉まで)
    第六節 劉宋以降の「勢」と散文書論
    第七節 小結
    附録 十家勢輯校
第二章 張懐瓘『書断』の書体論
    第一節 張懐瓘『書断』の品第法と書体論
    第二節 『書断』の十体
    第三節 質と文、古と今
    第四節 静と動
    第五節 篆隷における書体論
    第六節 草隷における書体論
    第七節 『書断』の書体論の成果
    附表
第三章 張懐瓘『書断』の史料利用と通俗書論
    第一節 『書断』の史料利用に関する先行研究
    第二節 『書断』の史料利用の体例
    第三節 正統書論と通俗書論
    第四節 『書断』の通俗書論利用
    第五節 『書断』と通俗書論の接近
    第六節 小結
第四章 初唐以前の書訣について
    第一節 緒論
    第二節 材料の整理
    第三節 問題点の検討
    第四節 餘論・小結
第五章 魏晉南朝の文論・書論にみる風格論と技法論
    第一節 人物評論にみる風格論とその文論への展開
    第二節 魏晉南朝の書論にみる技術と風格
    第三節 文体・書体の別と筆勢の位置
    第四節 風格から技法へ
第六章 〈筆勢〉の生れるところ―魏晉より唐初に至る書論を中心に
    第一節 緒論
    第二節 〈勢〉の構造
    第三節 書論における〈勢〉
    第四節 筆の形象
    第五節 書論における筆と〈筆勢〉
    第六節 書訣における筆法と〈筆勢〉
    第七節 小結

    初出一覧
    参考文献一覧
    あとがき
    索引(人名、事項、書名・書跡名)
    英文要約
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