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バビロン捕囚(前597年)からエルサレムへの帰還を果たしたユダヤ人たちは、祖国の再興に着手し神殿が再建されるなかで、歴史の新しい変動の波が到来する。アジアの支配者アレクサンドロス大王の登場である。唯一の史書ヨセフス『ユダヤ古代誌』を手掛かりに、この史書に隠されたさまざまな意味を読み解きながら、時代の真相に迫っていく。
秦 剛平 (はた ごうへい)
多摩美術大学名誉教授
聖書文学協会所属(ヨセフス・セミナー運営委員、フィロン・セミナー運営委員、ヘレニズム・ユダヤ教専門部会運営委員)、オックスフォード大学客員教授(1999—2000年)、同大学客員研究員(2001年以降)、現在ケンブリッジ大学、(クレア・ホール)フェロー終身会員、(ウォルフソン・コレッジ)フェロー終身会員
主な著書/『乗っ取られた聖書』『異教徒ローマ人に語る聖書創世記を読む』『書き替えられた聖書新しいモーセ像を求めて』『聖書と殺戮の歴史ヨシュアと士師の時代』『神の支配から王の支配へダビデとソロモンの時代』『南北分裂王国の誕生』(以上京都大学学術出版会)、『旧約聖書続編講義』(リトン)、『ヨセフスイエス時代の歴史家』『美術で読み解く新約聖書の真実』『美術で読み解く旧約聖書の真実』『美術で読み解く聖母マリアとキリスト教伝説』(以上ちくま学芸文庫)、『反ユダヤ主義を美術で読む』『描かれなかった十字架』『名画でたどる聖人たち』『名画で読む聖書の女たち』『天使と悪魔美術で読むキリスト教の深層』(以上青土社)ほか
主な訳書/フィロン『フラックスへの反論・ガイウスへの使節』エウセビオス『コンスタンティヌスの生涯』ピロストラトス『テュアナのアポロニオス伝』(以上京都大学学術出版会)、ヨセフス『ユダヤ戦記』全7巻3分冊、同『ユダヤ古代誌』全20巻6分冊(ちくま学芸文庫)、エウセビオス『教会史』全10巻2分冊(講談社学術文庫)『七十人訳ギリシア語聖書』全5分冊(河出書房新社)ほか30冊
主な論集編纂/共編『古代世界におけるモーセ五書の伝承』(京都大学学術出版会)、『ヨセフス論集』全4分冊(山本書店)、『エウセビオス論集』全3分冊(リトン)
多摩美術大学名誉教授
聖書文学協会所属(ヨセフス・セミナー運営委員、フィロン・セミナー運営委員、ヘレニズム・ユダヤ教専門部会運営委員)、オックスフォード大学客員教授(1999—2000年)、同大学客員研究員(2001年以降)、現在ケンブリッジ大学、(クレア・ホール)フェロー終身会員、(ウォルフソン・コレッジ)フェロー終身会員
主な著書/『乗っ取られた聖書』『異教徒ローマ人に語る聖書創世記を読む』『書き替えられた聖書新しいモーセ像を求めて』『聖書と殺戮の歴史ヨシュアと士師の時代』『神の支配から王の支配へダビデとソロモンの時代』『南北分裂王国の誕生』(以上京都大学学術出版会)、『旧約聖書続編講義』(リトン)、『ヨセフスイエス時代の歴史家』『美術で読み解く新約聖書の真実』『美術で読み解く旧約聖書の真実』『美術で読み解く聖母マリアとキリスト教伝説』(以上ちくま学芸文庫)、『反ユダヤ主義を美術で読む』『描かれなかった十字架』『名画でたどる聖人たち』『名画で読む聖書の女たち』『天使と悪魔美術で読むキリスト教の深層』(以上青土社)ほか
主な訳書/フィロン『フラックスへの反論・ガイウスへの使節』エウセビオス『コンスタンティヌスの生涯』ピロストラトス『テュアナのアポロニオス伝』(以上京都大学学術出版会)、ヨセフス『ユダヤ戦記』全7巻3分冊、同『ユダヤ古代誌』全20巻6分冊(ちくま学芸文庫)、エウセビオス『教会史』全10巻2分冊(講談社学術文庫)『七十人訳ギリシア語聖書』全5分冊(河出書房新社)ほか30冊
主な論集編纂/共編『古代世界におけるモーセ五書の伝承』(京都大学学術出版会)、『ヨセフス論集』全4分冊(山本書店)、『エウセビオス論集』全3分冊(リトン)
はじめに
第1章……バビロン捕囚からの帰還と神殿再建
キュロス王、ユダヤ民族のバビロン捕囚を終らせる
キュロス王の布告
キュロス王はイザヤ書を読んだ?
イスラエルびとの指導者たち、エルサレムへ向けて出発する
エルサレムへ帰還する一族の者たちとその数
シリアの総督宛のキュロス王の書簡
サマリアびと、神殿の再建工事の取りやめを要求する
神殿の再建工事の中断
サマリアびと、カンビュセス王に書簡を送り直訴する
ペルシアの新王ダレイオスとユダヤ人の指導者ゼルバベル
三人の若者たちの知恵くらべ
ゼルバベルがダレイオス王にもとめたものは?
ダレイオス王、ユダヤ人帰還のために数かずの好意を示す
ゼルバベル、バビロンの同胞にダレイオス王の好意を伝える
帰還のユダヤ人の数
仮庵の祭と神殿の再建工事の開始
神殿の棟上げ式と人びとの反応
ユダヤ人たち、近隣の異民族の者たちの協力の申し出を拒否する
ダレイオス王の返書/タテナイの協力と神殿工事の再開
神殿の再建工事の完成
神殿奉献の諸儀式
神殿再建後の統治形態は?
ユダヤ人、ダレイオス王にサマリアびとを告発
ダレイオス王のサマリアびと宛の書簡
ダレイオスの死
エスドラスの登場エスドラスとはだれ?
エスドラスのエルサレム行き
エスドラス、王の書簡を読み上げる
エスドラスの一行、エルサレムに向けて出発する
エルサレムに到着した後は
異民族の女たちの追放
雑婚の禁止から派生する事態は?
エスドラス、仮庵の祭で律法の書を朗詠する
エスドラスの死
スサのネヘミヤ、エルサレムの悲惨を知る
ペルシア王の前でのネヘミヤ
ペルシア王、ネへミヤのエルサレム行きを認める
ネへミヤのエルサレム到着とその後の行動
エルサレムの城壁の完成に要した期間
ネヘミヤの死
第2章……エステル物語
アルタクセルクセス王の酒宴
ワシュティ、王妃の地位を奪われる
美しい処女をかり集めるための王の布告
エステル、王妃に選ばれる
王座に近づくことを禁じたペルシアの法律
モルデカイ、王への陰謀を通報する
王の腹心ハマン、モルデカイとユダヤ民族の者を憎む
ヨセフスが語るユダヤ民族の生活様式
王名で出された布告
モルデカイの苦悩と王妃エステルの行動
モルデカイ、王妃エステルに民族絶滅の危機を伝える
モルデカイの嘆願とエステルの祈り
エステル、着飾って王に伺候する
エステル、王とハマンを宴席に招く
王、モルデカイの忠誠を知り、数かずの栄誉を与える
エステル、ハマンを王に告発する
エステルとモルデカイ、数かずの栄誉を受ける
ユダヤ民族絶滅の布告の取り消し
ハマンはマケドニア人、それともアマレクびとの子孫?
ハマン、処刑される
ユダヤ民族の者たちの喜び
ユダヤ民族の者たちの復讐と祝宴
プリムの祭について
第3章……アレクサンドロス大王登場前後のユダヤ
大祭司ヨハナンとバゴセスの争い
大祭司の弟マナセとサマリアびと
ユダヤ人の抗議/マナセ、サンバラトのもとに逃げ込む
アレクサンドロスの登場
アレクサンドロス、大祭司ヤドアに書簡を送る
サマリアびと、アレクサンドロスに忠誠を誓い、神殿建設を認めさせる
アレクサンドロスのエルサレム訪問
サマリアびととアレクサンドロス
アレクサンドロスのその後と死
ヨセフスの触れるアレクサンドロス死後のサマリアびと
アレクサンドロスの後継者たちの争い
プトレマイオスのエルサレム侵入
第4章……アレクサンドリアにおける律法の書の翻訳
一般論として
トーラーのギリシア語への翻訳の経緯を語るひとつの文書
プトレマイオス二世フィラデルフォス、トーラーの翻訳を望む
プトレマイオス王の下問
アリステアス、王にユダヤ人捕虜の釈放を請願する
王、エルサレムの大祭司宛に書簡を送る
大祭司エレアザルについて
ヨセフスの言及する七〇名の長老の数について
エルサレムから派遣された長老たちの受け入れ
長老たちのためのウェルカム・パーティ
トーラーの翻訳について
翻訳されたトーラーの朗読
古代のギリシア人作家はなぜ律法について語らなかったか
長老たちの帰国
『書簡』にまつわるアリストブーロスの言葉
終わりにひと言
第5章……エジプトとシリアのはざまで
セレウコス一世ニカトールがユダヤ人に与えた特権
アンティオコス三世のパレスチナ征服とユダヤ人に好意的な令書の数かず
アンティオコスの書簡
大祭司オニアスについて
ヨセフの徴税物語の資料は
オニアスの甥、ヨセフの徴税物語
ヒュルカノス物語
大祭司シモン二世とオニアス三世
あとがきに代えて
参考文献
索引
図版一覧
第1章……バビロン捕囚からの帰還と神殿再建
キュロス王、ユダヤ民族のバビロン捕囚を終らせる
キュロス王の布告
キュロス王はイザヤ書を読んだ?
イスラエルびとの指導者たち、エルサレムへ向けて出発する
エルサレムへ帰還する一族の者たちとその数
シリアの総督宛のキュロス王の書簡
サマリアびと、神殿の再建工事の取りやめを要求する
神殿の再建工事の中断
サマリアびと、カンビュセス王に書簡を送り直訴する
ペルシアの新王ダレイオスとユダヤ人の指導者ゼルバベル
三人の若者たちの知恵くらべ
ゼルバベルがダレイオス王にもとめたものは?
ダレイオス王、ユダヤ人帰還のために数かずの好意を示す
ゼルバベル、バビロンの同胞にダレイオス王の好意を伝える
帰還のユダヤ人の数
仮庵の祭と神殿の再建工事の開始
神殿の棟上げ式と人びとの反応
ユダヤ人たち、近隣の異民族の者たちの協力の申し出を拒否する
ダレイオス王の返書/タテナイの協力と神殿工事の再開
神殿の再建工事の完成
神殿奉献の諸儀式
神殿再建後の統治形態は?
ユダヤ人、ダレイオス王にサマリアびとを告発
ダレイオス王のサマリアびと宛の書簡
ダレイオスの死
エスドラスの登場エスドラスとはだれ?
エスドラスのエルサレム行き
エスドラス、王の書簡を読み上げる
エスドラスの一行、エルサレムに向けて出発する
エルサレムに到着した後は
異民族の女たちの追放
雑婚の禁止から派生する事態は?
エスドラス、仮庵の祭で律法の書を朗詠する
エスドラスの死
スサのネヘミヤ、エルサレムの悲惨を知る
ペルシア王の前でのネヘミヤ
ペルシア王、ネへミヤのエルサレム行きを認める
ネへミヤのエルサレム到着とその後の行動
エルサレムの城壁の完成に要した期間
ネヘミヤの死
第2章……エステル物語
アルタクセルクセス王の酒宴
ワシュティ、王妃の地位を奪われる
美しい処女をかり集めるための王の布告
エステル、王妃に選ばれる
王座に近づくことを禁じたペルシアの法律
モルデカイ、王への陰謀を通報する
王の腹心ハマン、モルデカイとユダヤ民族の者を憎む
ヨセフスが語るユダヤ民族の生活様式
王名で出された布告
モルデカイの苦悩と王妃エステルの行動
モルデカイ、王妃エステルに民族絶滅の危機を伝える
モルデカイの嘆願とエステルの祈り
エステル、着飾って王に伺候する
エステル、王とハマンを宴席に招く
王、モルデカイの忠誠を知り、数かずの栄誉を与える
エステル、ハマンを王に告発する
エステルとモルデカイ、数かずの栄誉を受ける
ユダヤ民族絶滅の布告の取り消し
ハマンはマケドニア人、それともアマレクびとの子孫?
ハマン、処刑される
ユダヤ民族の者たちの喜び
ユダヤ民族の者たちの復讐と祝宴
プリムの祭について
第3章……アレクサンドロス大王登場前後のユダヤ
大祭司ヨハナンとバゴセスの争い
大祭司の弟マナセとサマリアびと
ユダヤ人の抗議/マナセ、サンバラトのもとに逃げ込む
アレクサンドロスの登場
アレクサンドロス、大祭司ヤドアに書簡を送る
サマリアびと、アレクサンドロスに忠誠を誓い、神殿建設を認めさせる
アレクサンドロスのエルサレム訪問
サマリアびととアレクサンドロス
アレクサンドロスのその後と死
ヨセフスの触れるアレクサンドロス死後のサマリアびと
アレクサンドロスの後継者たちの争い
プトレマイオスのエルサレム侵入
第4章……アレクサンドリアにおける律法の書の翻訳
一般論として
トーラーのギリシア語への翻訳の経緯を語るひとつの文書
プトレマイオス二世フィラデルフォス、トーラーの翻訳を望む
プトレマイオス王の下問
アリステアス、王にユダヤ人捕虜の釈放を請願する
王、エルサレムの大祭司宛に書簡を送る
大祭司エレアザルについて
ヨセフスの言及する七〇名の長老の数について
エルサレムから派遣された長老たちの受け入れ
長老たちのためのウェルカム・パーティ
トーラーの翻訳について
翻訳されたトーラーの朗読
古代のギリシア人作家はなぜ律法について語らなかったか
長老たちの帰国
『書簡』にまつわるアリストブーロスの言葉
終わりにひと言
第5章……エジプトとシリアのはざまで
セレウコス一世ニカトールがユダヤ人に与えた特権
アンティオコス三世のパレスチナ征服とユダヤ人に好意的な令書の数かず
アンティオコスの書簡
大祭司オニアスについて
ヨセフの徴税物語の資料は
オニアスの甥、ヨセフの徴税物語
ヒュルカノス物語
大祭司シモン二世とオニアス三世
あとがきに代えて
参考文献
索引
図版一覧