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学術選書 049

世界単位論

高谷 好一

四六並製・284頁

ISBN: 9784876988495

発行年月: 2010/06

  • 本体: 1,800円(税込 1,980円
  • 在庫なし
 
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内容

それぞれの土地の持つ自然的生態的特性を基層に、数千年の社会文化的関係が加わって形成される「地域」。それを類型化し、外郭を示すことで、「近代」による地球分割の矛盾を鋭く突く——地域研究の基本的枠組みとなった世界単位論を、市民向けに語ることで、9.11後の新しい世界秩序を模索する。現代を憂い行動する人の必携書。

プロフィール

高谷 好一(たかや よしかず)

京都大学名誉教授、滋賀県立大学名誉教授。
1934(昭和9)年、滋賀県守山市に生まれる。1958年、京都大学理学部卒業。
京都大学東南アジア研究センター助手、助教授を経て、1975年から京都大学東南アジア研究センター教授。
1995年から2004年まで滋賀県立大学人間文化学部教授。
2004年から現在まで聖泉大学教授。
【主な著書】
『熱帯デルタの農業発展』(創文社、1982)、『東南アジアの自然と土地利用』(勁草書房、1985)、『マングローブに生きる』(NHKブックス、1990)、『新世界秩序を求めて』(中公新書、1993)、『「世界単位」から世界を見る』(京都大学学術出版会、1996/新編2001)、『多文明世界の構図』(中公新書、1997)、『地域間研究の試み』(京都大学学術出版会、1999)、『地球地域学序説』(弘文堂、2001)、『地域学の構築』(サンライズ出版、2004)、『二人の湖国』(サンライズ出版、2004)、『地域研究から自分学へ』 (京都大学学術出版会、2006年) 他

目次

まえがき

第1部 世界単位論

第1章……多様な自然と世界単位群
1 森の広がり
 ⅰ 東南アジアの森
 ⅱ 東南アジアの焼畑世界
   尾根筋を移動した人たち
   焼畑稲作の実際
   一元論的世界
   変容する焼畑世界
 ⅲ ジャワ・バリ世界
   乾燥した火山山麓
   ヒンドゥ・ジャワ期の繁栄
   一六世紀以降のジャワ
   インドネシア共和国とジャワ・バリ世界
 ⅳ 山間盆地世界
   山間盆地
   タイ族の南下
   ラーンナータイ王国
   現在の山間盆地
 ⅴ タイデルタ世界
   タイデルタの生態
   港市だった王都
   イギリスの到来とデルタの開田
   デルタ国家の出現
   タイデルタ世界と現在のタイ王国
2 砂漠と草原の広がり
 ⅰ ひと続きの砂漠
   澄明な世界
   都市的、人工的な世界
   イスラームの教え
 ⅱ ペルシャ世界
   生態的特徴
   ペルシャ人の誇り
   イラン東部の村で
 ⅲ モンゴル世界
   草原に生きる
   最初に出会ったカザフ人
   世界を制覇した騎馬民族
   モンゴルの復活
   葛藤のモンゴル世界
3 野の広がり
 ⅰ 中華世界
   多様な生態と生業
   中国の統一と分裂
   求心力
   中華世界の周辺
   超生態、超民族の大文明
 ⅱ インド世界
   インドの大地
   征服者の到来
   カースト制
   バラモン教からヒンドゥ教へ
   大地を覆うインド人の世界
4 海の広がり
 ⅰ インド洋世界
   海民の発見
   家島彦一のインド洋海域世界論
   イスラーム海民のネットワーク
 ⅱ 東南アジアの海域世界
   アブドゥル・ガフン氏の一生
   海上集落のブカワン
   シアク王国の経営
   実力の世界
 ⅲ 海中国世界
   経済は南
   海禁との戦い
   孫文とチャーリー宋
   海中国人のアイデンティティ

第2章……共存する世界単位
1 世界単位の三類型
 ⅰ 生態型の世界単位
 ⅱ ネットワーク型の世界単位
 ⅲ コスモロジー型の世界単位
2 自形的世界と他形的世界
3 共存する三類型
コラム:地域研究から出てきた世界単位論

第2部 近代と世界単位

第3章……植民地主義と世界
1 ヨーロッパの台頭
 ⅰ 前近代のヨーロッパ
   ヨーロッパの自然
   国々の歴史
   ヨーロッパの生態史的骨格
 ⅱ 産業革命と植民地主義
   ヨーロッパの海外進出
   産業革命
   一九世紀イギリスの論理
   戦争へ
2 植民地主義の生んだ国々
 ⅰ アメリカ合衆国
   初期のアメリカ
   第二次大戦後のアメリカ
   サラダボールのアメリカ
 ⅱ ラテンアメリカ
   メキシコ
   ブラジル
 ⅲ アフリカ
   アフリカの基盤
   イスラーム時代
   ヨーロッパ列強時代
   独立と新しい地域作り
3 世界単位と「新型の世界単位」

第4章……世界単位と日本の役割
1 世界単位としての日本
   日本の内世界
   外文明の到来
   日本に見る三層
   地縁社会と武士道
2 アジアの森・海文明圏の提唱
   南方の一元論的世界
   北方の一元論的世界
   南北を繋ぐ日本
   アジアの森・海文明圏の創設
3 50年後の世界—まとめにかえて
 ⅰ 多様な地域の今と50年後
 ⅱ ポストモダンへの視座
   地域の個性こそが宝
   原住民が主人

あとがき
引用文献
索引
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