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人々とその環境の総体が織りなす動態の中に、研究者が飛び込み当事者と共に現場を改善していく。それがグループ・ダイナミックスだ。「心」を実体化せず、心理的問題も集合体の問題として捉える心理学が、自治、医療、教育、防災、家族といったコミュニティの変革に取り組む実践現場を紹介。コミュニティを見る目を豊かにする一冊。
1951年生まれ.九州大学大学院教育学研究科博士課程修了.学術博士(大阪大学).大阪大学人間科学部助手,京都大学教養部助教授,同大学総合人間学部助教授,同学部教授を経て,2003年より現職.専門分野はグループ・ダイナミックス.1994−97年,日本グループ・ダイナミックス学会会長.
【主著】 『フィールドワーク人間科学:よみがえるコミュニティ』(ミネルヴァ書房),『地域からの挑戦:鳥取県・智頭町の「くに」おこし』(岩波書店),『看護のための人間科学を求めて』(ナカニシヤ出版),『心理学者がみた阪神大震災─ 心のケアとボランティア』(ナカニシヤ出版),Progress in Asian Social Psychology (Volume II) : Theoretical and Empirical Contributions(Seoul: Kyoyook-Kwahak-Sa).
【主著】 『フィールドワーク人間科学:よみがえるコミュニティ』(ミネルヴァ書房),『地域からの挑戦:鳥取県・智頭町の「くに」おこし』(岩波書店),『看護のための人間科学を求めて』(ナカニシヤ出版),『心理学者がみた阪神大震災─ 心のケアとボランティア』(ナカニシヤ出版),Progress in Asian Social Psychology (Volume II) : Theoretical and Empirical Contributions(Seoul: Kyoyook-Kwahak-Sa).
まえがき〔杉万俊夫〕
コミュニティの時代
行政依存から住民主体へ
地域づくりの楽しみ
さまざまな軸—各章のあらまし
グループ・ダイナミックス
心理主義の否定/現象内在的な研究スタンス
第1章 グループ・ダイナミックス〔杉万俊夫〕
1 グループ・ダイナミックスとは
集合体の動き
研究スタンス
二つのメタ理論——論理実証主義と社会構成主義
社会構成主義——何に対するアンチテーゼなのか
自然科学と人間科学
2 当事者と研究者の協同的実践
ローカリティ
価値・目的
一次モードと二次モード
インターローカリティ
理論
3 グループ・ダイナミックスの理論
規範理論
規範/意味/互換する身体/第三の身体/宿命の両義性/
贈与と略奪/作用圏の拡大/「肉体に内蔵された心」の観念/
コミュニケーションの視点から
活動理論
活動の構造/新しい活動への発展/エネルギーとしての矛盾/
ダブルバインド/ダブルバインド突破の道具/文化から与えられた
新しい活動と真に創造された活動
第2章 自治:過疎地域における住民自治システムの創造〔杉万俊夫〕
1 過疎問題と過疎地域の活性化
過疎問題
過疎問題の質的変化
過疎法の変化/「貧しさの中の過疎」から「豊かさの中の過疎」へ
過疎地域の活性化における重要課題
前提としての人口減少と超少子・高齢社会/依存性の打破/
閉鎖性と保守性の打破
2 智頭町「ゼロ分のイチ村おこし運動」
智頭町の概要
「ゼロ分のイチ運動」の背景と概要
「ゼロ分のイチ運動」のルール
運動の理念/五本の柱/集落振興協議会
3 運動に取り組む集落の活動例
中原/市瀬/波多/早瀬/五月田/中田/新田/本折/白坪
運動のポイント
やる気のある個人で/若者に主導権を/伝統的ルールと
新しいルール/能動的に計画・実行/地域経営も広い視野で/
相乗効果
4 「ゼロ分のイチ運動」の実態調査
調査の概要
「ゼロ分のイチ運動」の知名度/住民の分類/定住意識・生活不安/
「ゼロ分のイチ運動」と寄り合い・総事
「ゼロ分のイチ運動」のインパクト
活性化の芽を育む
5 規範理論による考察—贈与・略奪の連鎖
第3章 医療:住民主体の地域医療〔杉万俊夫〕
きっかけ
1 原点としての西陣
2 住民主体の診療所づくりに向かって
小野郷
「住民の診療所」に向かって
小野郷の医療についてのアンケート
とにかく診療所を発足
3 医療を軸とする地域活性化
4 活動理論による考察
第4章 教育:市民グループによる「学校」教育〔東村知子〕
1 気軽な活動で教育を身近なものに
2 「てらこやNEYAGAWA」の経緯
立ち上げ
模索の時期
スタッフ総会
不安定ながらも継続
メンバーの一新と安定化
再スタートから現在まで
てらこやと保護者
3 軽い活動と重みある課題
おとなと子どもの気軽な関わり—コミュニティによる教育を取り戻す
気軽なボランティア活動—ボランティア社会の層を厚くする
4 活動理論による考察
第5章 防災:災害に強いコミュニティをつくる〔杉万俊夫・柴田慎士〕
1 災害NPO
2 レスキューストックヤード
3 日常の防災活動
小学校区における防災啓発活動
災害ボランティアコーディネーター養成講座
4 災害時の救援活動—ボランティアをコーディネートする
大垣水害
宮城県北部地震
5 行政・NPO・一般市民
6 規範理論と活動理論による考察—日常性と非日常性を結ぶ
第6章 家族:血縁なき「血縁関係」〔樂木章子〕
1 不妊と養子縁組
2 血縁なき「血縁関係」をサポートするネットワークの活動
—NPО法人「環の会」の事例
「環の会」の設立経緯
活動内容とその特徴
子どもを迎えるプロセス
育て親研修:血縁なき「血縁関係」への最初のステップ
⑴用語の見直し/⑵過去の振り返り/⑶偏見への気づき/
⑷産みの親の存在とテリング/
⑸無条件で子を迎える決断
3 「環の会」におけるサポーティング・メンバーの活動
4 血縁なき「血縁関係」を築く
「血縁」とは何か
血縁なき「血縁関係」とは何か
5 規範理論による考察—先験性の構成と維持
付録 エピソード:産みの親と育ての親の対面
索 引
コミュニティの時代
行政依存から住民主体へ
地域づくりの楽しみ
さまざまな軸—各章のあらまし
グループ・ダイナミックス
心理主義の否定/現象内在的な研究スタンス
第1章 グループ・ダイナミックス〔杉万俊夫〕
1 グループ・ダイナミックスとは
集合体の動き
研究スタンス
二つのメタ理論——論理実証主義と社会構成主義
社会構成主義——何に対するアンチテーゼなのか
自然科学と人間科学
2 当事者と研究者の協同的実践
ローカリティ
価値・目的
一次モードと二次モード
インターローカリティ
理論
3 グループ・ダイナミックスの理論
規範理論
規範/意味/互換する身体/第三の身体/宿命の両義性/
贈与と略奪/作用圏の拡大/「肉体に内蔵された心」の観念/
コミュニケーションの視点から
活動理論
活動の構造/新しい活動への発展/エネルギーとしての矛盾/
ダブルバインド/ダブルバインド突破の道具/文化から与えられた
新しい活動と真に創造された活動
第2章 自治:過疎地域における住民自治システムの創造〔杉万俊夫〕
1 過疎問題と過疎地域の活性化
過疎問題
過疎問題の質的変化
過疎法の変化/「貧しさの中の過疎」から「豊かさの中の過疎」へ
過疎地域の活性化における重要課題
前提としての人口減少と超少子・高齢社会/依存性の打破/
閉鎖性と保守性の打破
2 智頭町「ゼロ分のイチ村おこし運動」
智頭町の概要
「ゼロ分のイチ運動」の背景と概要
「ゼロ分のイチ運動」のルール
運動の理念/五本の柱/集落振興協議会
3 運動に取り組む集落の活動例
中原/市瀬/波多/早瀬/五月田/中田/新田/本折/白坪
運動のポイント
やる気のある個人で/若者に主導権を/伝統的ルールと
新しいルール/能動的に計画・実行/地域経営も広い視野で/
相乗効果
4 「ゼロ分のイチ運動」の実態調査
調査の概要
「ゼロ分のイチ運動」の知名度/住民の分類/定住意識・生活不安/
「ゼロ分のイチ運動」と寄り合い・総事
「ゼロ分のイチ運動」のインパクト
活性化の芽を育む
5 規範理論による考察—贈与・略奪の連鎖
第3章 医療:住民主体の地域医療〔杉万俊夫〕
きっかけ
1 原点としての西陣
2 住民主体の診療所づくりに向かって
小野郷
「住民の診療所」に向かって
小野郷の医療についてのアンケート
とにかく診療所を発足
3 医療を軸とする地域活性化
4 活動理論による考察
第4章 教育:市民グループによる「学校」教育〔東村知子〕
1 気軽な活動で教育を身近なものに
2 「てらこやNEYAGAWA」の経緯
立ち上げ
模索の時期
スタッフ総会
不安定ながらも継続
メンバーの一新と安定化
再スタートから現在まで
てらこやと保護者
3 軽い活動と重みある課題
おとなと子どもの気軽な関わり—コミュニティによる教育を取り戻す
気軽なボランティア活動—ボランティア社会の層を厚くする
4 活動理論による考察
第5章 防災:災害に強いコミュニティをつくる〔杉万俊夫・柴田慎士〕
1 災害NPO
2 レスキューストックヤード
3 日常の防災活動
小学校区における防災啓発活動
災害ボランティアコーディネーター養成講座
4 災害時の救援活動—ボランティアをコーディネートする
大垣水害
宮城県北部地震
5 行政・NPO・一般市民
6 規範理論と活動理論による考察—日常性と非日常性を結ぶ
第6章 家族:血縁なき「血縁関係」〔樂木章子〕
1 不妊と養子縁組
2 血縁なき「血縁関係」をサポートするネットワークの活動
—NPО法人「環の会」の事例
「環の会」の設立経緯
活動内容とその特徴
子どもを迎えるプロセス
育て親研修:血縁なき「血縁関係」への最初のステップ
⑴用語の見直し/⑵過去の振り返り/⑶偏見への気づき/
⑷産みの親の存在とテリング/
⑸無条件で子を迎える決断
3 「環の会」におけるサポーティング・メンバーの活動
4 血縁なき「血縁関係」を築く
「血縁」とは何か
血縁なき「血縁関係」とは何か
5 規範理論による考察—先験性の構成と維持
付録 エピソード:産みの親と育ての親の対面
索 引