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地域研究叢書 20

軍政ビルマの権力構造

ネー・ウィン体制下の国家と軍隊1962-1988

中西 嘉宏

菊上製・321頁

ISBN: 9784876987870     正誤表(2010.4.28更新)PDF

発行年月: 2009/06

  • 本体: 4,200円(税込 4,620円
  • 在庫あり
 
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内容

民主化に向かう世界の潮流に逆行するビルマの軍事政権.これまでその実態は闇に閉ざされてきた.なぜ軍事政権が生まれ,どのような発展を遂げ,そしてなぜ,かくも長く政権を持続しえるのか.兵営国家の視角から政軍関係を分析し,軍政ビルマの実像に迫る.

受賞

第26回大平正芳記念賞

書評

『外交フォーラム』'09年11月号、84-85頁、評者:宮城大蔵氏
『アジア・アフリカ地域研究』第9-2号、257-261頁、評者:山根健至氏
『アジア経済』Vol.51 No.5、87-92頁、評者:伊野憲治氏
『アジア研究』第56巻第3号、75-79頁、評者:武田康裕氏
『戦略研究』第8号(文献紹介)、107-109頁、評者:山田高裕氏
『東南アジア――歴史と文化』第40巻、165-170頁、評者:高橋昭雄氏

プロフィール

中西 嘉宏(なかにし よしひろ)
日本貿易振興機構・アジア経済研究所 研究員
1977年 兵庫県生まれ
2001年 東北大学法学部卒
2007年 京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科より博士(地域研究)取得
京都大学東南アジア研究所非常勤研究員(2007年)を経て,2008年より現職

目次

はしがき
目次/表目次/図目次
凡例

序章 ビルマにおける長期軍政とネー・ウィン体制
序章—1 落胆する司令官
序章—2 ビルマ政治の隘路
序章—3 ビルマ研究による5つの説明
序章—4 政軍関係論の知見
序章—5 視角と構成

第1章 帝国の辺境
 —近代ビルマにおける国民国家建設と暴力機構
1—1 はじめに
1—2 イギリス植民地時代
1—3 日本軍政期から独立へ
1—4 結び

第2章 ビルマ式社会主義の履歴
 —国家イデオロギーの形成と軍内政治
2—1 はじめに
2—2 チッ・フライン
2—3 1950年代の国軍改革と参謀本部穏健派
2—4 反共宣伝工作
2—5 国防省参謀本部穏健派の周辺化
2—6 「人と環境の相互作用の原理」の誕生
2—7 結び

第3章 未完の党国家
 —ネー・ウィンとビルマ社会主義計画党
3—1 はじめに
3—2 独裁と軍政
3—3 党国家への転換と挫折
3—4 結び

第4章 官僚制を破壊せよ
 —行政機構改革と国軍将校の転出
4—1 はじめに
4—2 近代国家の移植と独立後の行政機構
4—3 新行政体制建設
4—4 人民評議会幹部と副大臣の経歴
4—5 結び

第5章 「勝者総取り」の政治風土
 —政治エリートのプロフィール分析
5—1 はじめに
5—2 誰が政治エリートか
5—3 社会的プロフィール
5—4 断絶と連続
5—5 文民党幹部の限界
5—6 結び

第6章 兵営国家の政軍関係
 —ネー・ウィンによる国軍の掌握とその限界
6—1 はじめに
6—2 クーデタと国軍
6—3 国軍から党軍へ
6—4 国軍人事の安定化
6—5 側近の配置と分断人事
6—6 結び

終章 結論
 —ネー・ウィン体制の崩壊と新しい軍事政権の誕生
終章—1 はじめに
終章—2 ネー・ウィンの「革命」とは何だったのか
終章—3 体制崩壊
終章—4 1988年の「父殺し」
終章—5 片隅の死亡記事

あとがき
参考文献
索引
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