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祈りの心身技法
十四世紀ビザンツのアトス静寂主義
A5上製, 352 pages
ISBN: 9784876987818
pub. date: 03/09
- Price : JPY 5,900 (with tax: JPY 6,490)
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座位前傾姿勢、呼吸の制御、心臓への意識集中、「イエスの祈り」の復唱…という、あたかもヨーガのような心身の実践により神の光の観想体験を得ようとした神秘主義運動。その結実はいまも全世界の東方正教修道生活の基本理念として生き続けている。本書はこの実践面にとくに焦点をあて、アトス静寂主義の全体像を析出する。
2009年度キリスト教史学会学術奨励賞
『キリスト新聞』'09年9月19日、評者:土井健司氏
『キリスト教史学』第64集(2010年7月)、267-274頁
『宗教研究』84巻2輯 365号(2010年9月)、404-408頁、評者:柳澤田実氏
『日本の神学』第49号(2010年9月)、168-173頁、評者:大森正樹氏
『キリスト教史学』第64集(2010年7月)、267-274頁
『宗教研究』84巻2輯 365号(2010年9月)、404-408頁、評者:柳澤田実氏
『日本の神学』第49号(2010年9月)、168-173頁、評者:大森正樹氏
久松英二(ひさまつ えいじ)
1957年長崎県生まれ。1982年南山大学文学部神学科卒業。1985年南山大学大学院文学研究科神学専攻博士前期課程修了(神学修士)。1993年ウィーン大学大学院神学専攻博士課程修了(Dr. Theol.: 神学博士)。南山大学文学部講師、同助教授を経て、現在、神戸海星女子学院大学現代人間学部教授。
著訳書に、Gregorios Sinaites als Lehrer des Gebetes(M殤steraner Theologische Abhandlungen 34, Oros-Verlag, 1994年・単著)、『宗教と宗教の〈あいだ〉』(南山宗教文化研究所編、風媒社、2000年・共著)、『キリスト教修道制—周縁性と社会性の狭間で』(豊田浩志編、Sophia University Press、2003年・共著)、『中世と近世のあいだ—14世紀におけるスコラ学と神秘思想』(上智大学中世思想研究所編、知泉書館、2007年・共著)、Prayer and Spirituality in the Early Church, vol. 4: The Spiritual Life(St. Pauls Publications、2006年・共著)、ユスティノス「ユダヤ人トリュフォンとの対話」、カイサレイアのエウセビオス「福音の論証」(ともに上智大学中世思想研究所編訳・監修『中世思想原典集成1 初期ギリシア教父』平凡社、1995年・翻訳)、R・オットー『聖なるもの』(岩波文庫、近刊・翻訳)ほか。
1957年長崎県生まれ。1982年南山大学文学部神学科卒業。1985年南山大学大学院文学研究科神学専攻博士前期課程修了(神学修士)。1993年ウィーン大学大学院神学専攻博士課程修了(Dr. Theol.: 神学博士)。南山大学文学部講師、同助教授を経て、現在、神戸海星女子学院大学現代人間学部教授。
著訳書に、Gregorios Sinaites als Lehrer des Gebetes(M殤steraner Theologische Abhandlungen 34, Oros-Verlag, 1994年・単著)、『宗教と宗教の〈あいだ〉』(南山宗教文化研究所編、風媒社、2000年・共著)、『キリスト教修道制—周縁性と社会性の狭間で』(豊田浩志編、Sophia University Press、2003年・共著)、『中世と近世のあいだ—14世紀におけるスコラ学と神秘思想』(上智大学中世思想研究所編、知泉書館、2007年・共著)、Prayer and Spirituality in the Early Church, vol. 4: The Spiritual Life(St. Pauls Publications、2006年・共著)、ユスティノス「ユダヤ人トリュフォンとの対話」、カイサレイアのエウセビオス「福音の論証」(ともに上智大学中世思想研究所編訳・監修『中世思想原典集成1 初期ギリシア教父』平凡社、1995年・翻訳)、R・オットー『聖なるもの』(岩波文庫、近刊・翻訳)ほか。
まえがき
略号表
序 論 アトス静寂主義とは何か
第一部 アトス静寂主義以前の修道伝統
第一章 修道霊性の二段階理論または三段階理論
第一節 修行
第一項 情念の浄化としての修行
第二項 不動心
第三項 徳
第二節 観想
第一項 自然的観想
第二項 神智的観想
第三項 ヌースから心へ
総括
第二章 静寂の意義
第一節 古代世界における静寂
第一項 古典ギリシア
第二項 聖書
第二節 静寂の目的としての祈り
第一項 絶えず祈る
第二項 「純粋な祈り」
第三節 静寂の外的条件
第一項 地理的な自己隔離化
第二項 修屋に留まること
第三項 沈黙
第四節 静寂の内的条件
第一項 アメリムニア
第二項 ネープシス
第三項 プロソケー
第四項 ネープシス、プロソケー、祈り
第五節 共修制における静寂
第一項 静寂主義者ヨアンネス
第二項 共修制に組み込まれた隠修制
総括
第三章 「イエスの祈り」
第一節 「イエスの祈り」の起源
第一項 聖書における神名
第二項 神の想起
第三項 絶えざる祈り
第四項 短い祈り
第二節 「イエスの祈り」の発展史
第一項 アンキュラのネイロス
第二項 フォティケーのディアドコス
第三項 ガザの師父たちおよびフィレモン
第四項 ヨアンネス・クリマコス
第五項 シナイのヘシュキオス
第六項 新神学者シュメオン
総括
第二部 アトス静寂主義における「イエスの祈り」の心身技法
第四章 心身技法の始まり─擬シュメオンとニケフォロス第一節 技法の内容
第一項 修屋に留まる
第二項 座る
第三項 戸口を閉め、ヌースを引き離す
第四項 顎鬚を胸につけ、視線を臍に向ける
第五項 呼吸法と「イエスの祈り」
第六項 ヌースの心(臓)への導入
第二節 技法の効果
第一項 ヌースは「心(臓)の中の空気」を見る
第二項 ヌースは自分自身が「光に包まれ」かつ「識別能力に満たされている」のを見る
総括
第五章 心身技法の完成─シナイのグレゴリオス
第一節 技法の詳細化
第一項 座の姿勢
第二項 呼吸法
第三項 イエスの祈り
第四項 技法の相対化
第二節 心身技法の効果の詳細化
第一項 幻視体験
第二項 心(臓)の熱
第三項 喜悦
第四項 識別の重要性
第五項 祈りの究極的効果
総括
第六章 心身技法の意義
第三部 アトス静寂主義の理論体系
第七章 シナイのグレゴリオスの修道理論
第一節 修行論
第一項 二段階理論および三段階理論の継承
第二項 人間論的基礎づけ
第二節 恩恵論
第一項 洗礼の恵み
第二項 恵みのエネルゲイア
第三項 恵みの感覚
第四項 霊的感覚
第三節 観想論
第一項 自然的観想
第二項 神智的観想
総括
第八章 グレゴリオス・パラマスの神学理論
第一節 静寂主義論争
第二節 パラマス神学の思想的背景
第一項 人間の神化と神の光の神秘体験
第二項 神認識の二重構造
第三節 神における「本質」と「働き」の区別
第一項 「神の本質への与り」
第二項 分かたれずして分かたれる「本質」と「働き」
総括
終章 結論
補遺 ヨーガと静寂主義的心身技法
序
第一節 インド文献史におけるヨーガ
第二節 『ヨーガ・スートラ』
第一項 ヨーガ八支則
1「禁戒」と「勧戒」
2「坐法」と「調息」
3「制感」、「執持」、「静慮」および「三昧」
第二項 プルシャの独存
第三節 心身技法とヨーガの比較
第一項 浄化
第二項 座の姿勢
第三項 呼吸の調整
第四項 対象への意識集中
第五項 反復誦唱
第六項 神秘体験
総括
注
文献表
用語集
あとがき
索引
略号表
序 論 アトス静寂主義とは何か
第一部 アトス静寂主義以前の修道伝統
第一章 修道霊性の二段階理論または三段階理論
第一節 修行
第一項 情念の浄化としての修行
第二項 不動心
第三項 徳
第二節 観想
第一項 自然的観想
第二項 神智的観想
第三項 ヌースから心へ
総括
第二章 静寂の意義
第一節 古代世界における静寂
第一項 古典ギリシア
第二項 聖書
第二節 静寂の目的としての祈り
第一項 絶えず祈る
第二項 「純粋な祈り」
第三節 静寂の外的条件
第一項 地理的な自己隔離化
第二項 修屋に留まること
第三項 沈黙
第四節 静寂の内的条件
第一項 アメリムニア
第二項 ネープシス
第三項 プロソケー
第四項 ネープシス、プロソケー、祈り
第五節 共修制における静寂
第一項 静寂主義者ヨアンネス
第二項 共修制に組み込まれた隠修制
総括
第三章 「イエスの祈り」
第一節 「イエスの祈り」の起源
第一項 聖書における神名
第二項 神の想起
第三項 絶えざる祈り
第四項 短い祈り
第二節 「イエスの祈り」の発展史
第一項 アンキュラのネイロス
第二項 フォティケーのディアドコス
第三項 ガザの師父たちおよびフィレモン
第四項 ヨアンネス・クリマコス
第五項 シナイのヘシュキオス
第六項 新神学者シュメオン
総括
第二部 アトス静寂主義における「イエスの祈り」の心身技法
第四章 心身技法の始まり─擬シュメオンとニケフォロス第一節 技法の内容
第一項 修屋に留まる
第二項 座る
第三項 戸口を閉め、ヌースを引き離す
第四項 顎鬚を胸につけ、視線を臍に向ける
第五項 呼吸法と「イエスの祈り」
第六項 ヌースの心(臓)への導入
第二節 技法の効果
第一項 ヌースは「心(臓)の中の空気」を見る
第二項 ヌースは自分自身が「光に包まれ」かつ「識別能力に満たされている」のを見る
総括
第五章 心身技法の完成─シナイのグレゴリオス
第一節 技法の詳細化
第一項 座の姿勢
第二項 呼吸法
第三項 イエスの祈り
第四項 技法の相対化
第二節 心身技法の効果の詳細化
第一項 幻視体験
第二項 心(臓)の熱
第三項 喜悦
第四項 識別の重要性
第五項 祈りの究極的効果
総括
第六章 心身技法の意義
第三部 アトス静寂主義の理論体系
第七章 シナイのグレゴリオスの修道理論
第一節 修行論
第一項 二段階理論および三段階理論の継承
第二項 人間論的基礎づけ
第二節 恩恵論
第一項 洗礼の恵み
第二項 恵みのエネルゲイア
第三項 恵みの感覚
第四項 霊的感覚
第三節 観想論
第一項 自然的観想
第二項 神智的観想
総括
第八章 グレゴリオス・パラマスの神学理論
第一節 静寂主義論争
第二節 パラマス神学の思想的背景
第一項 人間の神化と神の光の神秘体験
第二項 神認識の二重構造
第三節 神における「本質」と「働き」の区別
第一項 「神の本質への与り」
第二項 分かたれずして分かたれる「本質」と「働き」
総括
終章 結論
補遺 ヨーガと静寂主義的心身技法
序
第一節 インド文献史におけるヨーガ
第二節 『ヨーガ・スートラ』
第一項 ヨーガ八支則
1「禁戒」と「勧戒」
2「坐法」と「調息」
3「制感」、「執持」、「静慮」および「三昧」
第二項 プルシャの独存
第三節 心身技法とヨーガの比較
第一項 浄化
第二項 座の姿勢
第三項 呼吸の調整
第四項 対象への意識集中
第五項 反復誦唱
第六項 神秘体験
総括
注
文献表
用語集
あとがき
索引