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本書は17世紀から19世紀初頭における啓蒙思想と経済思想の関係と展開を、社会観の転換を踏まえつつ、イングランド・スコットランド・アイルランド・アメリカの英語圏四地域にまたがって比較し、解明を試みた共同研究である。本書の分析から、市民社会に根ざした人文学(ヒューマニズム)としての経済学の姿、「啓蒙のプロジェクト」の実体がじつは多様性に満ちた複合的な性格をはらむことが浮き彫りにされる。
『経済学史研究』52-1('10年7月)、110-111頁、評者:村松茂美氏
[編著者]
田中秀夫(たなか ひでお)
京都大学大学院経済学研究科教授。
研究テーマ:啓蒙と経済学の形成。
主要業績:『啓蒙と改革 ジョン・ミラー研究』(名古屋大学出版会、1999年)。『共和主義の思想空間』(共編著、名古屋大学出版会、2006年)。The Rise of Political Economy in the Scottish Enlightenment, eds. by T. Sakamoto and H. Tanaka, Routledge, 2003. J.G.A. ポーコック『マキァヴェリアン・モーメント』(共訳、名古屋大学出版会、2008年)。H. ディキンスン『自由と所有』(監訳、ナカニシヤ出版、2006年)。
[執筆者(執筆順)]
田中秀夫(たなか ひでお)[序章、第6章、終章]
上記を参照。
大倉正雄(おおくら まさお)[第1章]
拓殖大学教授。研究テーマ:イギリス財政思想史。
伊藤誠一郎(いとう せいいちろう)[第2章]
大月短期大学教授。研究テーマ:17・18世紀イングランドの経済思想史。
生越利昭(おごせ としあき)[第3章]
兵庫県立大学経済学部教授。研究テーマ:17・18世紀のイギリス経済思想史。
後藤浩子(ごとう ひろこ)[第4章]
法政大学経済学部教授。研究テーマ:アイルランド経済思想史。
渡辺恵一(わたなべ けいいち)[第5章]
京都学園大学経済学部教授。研究テーマ:アダム・スミス研究。
篠原 久(しのはら ひさし)[第7章]
関西学院大学経済学部教授。研究テーマ:アダム・スミスとスコットランド啓蒙思想。
川名雄一郎(かわな ゆういちろう)[第8章]
ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン、大学院博士課程 (School of Public Policy/ Department of Political Science, University College London)。研究テーマ:J.S.ミルと18・19世紀社会経済思想史。
田中秀夫(たなか ひでお)
京都大学大学院経済学研究科教授。
研究テーマ:啓蒙と経済学の形成。
主要業績:『啓蒙と改革 ジョン・ミラー研究』(名古屋大学出版会、1999年)。『共和主義の思想空間』(共編著、名古屋大学出版会、2006年)。The Rise of Political Economy in the Scottish Enlightenment, eds. by T. Sakamoto and H. Tanaka, Routledge, 2003. J.G.A. ポーコック『マキァヴェリアン・モーメント』(共訳、名古屋大学出版会、2008年)。H. ディキンスン『自由と所有』(監訳、ナカニシヤ出版、2006年)。
[執筆者(執筆順)]
田中秀夫(たなか ひでお)[序章、第6章、終章]
上記を参照。
大倉正雄(おおくら まさお)[第1章]
拓殖大学教授。研究テーマ:イギリス財政思想史。
伊藤誠一郎(いとう せいいちろう)[第2章]
大月短期大学教授。研究テーマ:17・18世紀イングランドの経済思想史。
生越利昭(おごせ としあき)[第3章]
兵庫県立大学経済学部教授。研究テーマ:17・18世紀のイギリス経済思想史。
後藤浩子(ごとう ひろこ)[第4章]
法政大学経済学部教授。研究テーマ:アイルランド経済思想史。
渡辺恵一(わたなべ けいいち)[第5章]
京都学園大学経済学部教授。研究テーマ:アダム・スミス研究。
篠原 久(しのはら ひさし)[第7章]
関西学院大学経済学部教授。研究テーマ:アダム・スミスとスコットランド啓蒙思想。
川名雄一郎(かわな ゆういちろう)[第8章]
ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン、大学院博士課程 (School of Public Policy/ Department of Political Science, University College London)。研究テーマ:J.S.ミルと18・19世紀社会経済思想史。
はしがき
序 章 啓蒙の遺産-解法としての経済学[田中秀夫]
第一節 啓蒙とは何か
第二節 自然法思想
第三節 共和主義
第四節 啓蒙と経済思想
第I部 軍事・政治から商業へ--初期啓蒙と社会認識の転回
第1章 初期啓蒙とペティの経済科学[大倉正雄]
はじめに
第一節 啓蒙思想史のなかのペティ
第二節 経済社会の幾何学的分析
第三節 政治算術-ベイコン主義の分析方法
第四節 戦費調達方法の提案
第五節 国力・経済力の数量的分析
第六節 神の摂理と主権者の手
むすび-重商主義の経済科学
第2章 レトリックを超えて
--近代初期イングランドの古典修辞学と政治算術[伊藤誠一郎]
第一節 ルネサンスと古典修辞学の伝統
第二節 哲学と修辞学
第三節 修辞学批判と政治算術
第四節 統治と古典修辞学
おわりに
第3章 勤労の育成--ロックからハチスンまで[生越利昭]
はじめに
第一節 ジョン・ロックにおける啓蒙と労働雇用
第二節 労役場と貧民雇用問題
第三節 一八世紀における思想展開と経済認識
第四節 ハチスンにおける啓蒙と経済認識
まとめ
第4章 貨幣から信用へ--アイルランド金融政策にみる経済学的思考[後藤浩子]
第一節 一七二〇-三〇年代の不況と経済時論の登場
第二節 輸入代替政策の提案と「完全雇用」
第三節 「貧国」における経済政策としての信用諸制度-完全雇用のための資本創出政策
第四節 貨幣から信用へ-バークリの金融論の位置
第五節 ロンドンのパーシヴァル・サークル
第II部 経済学の鍛造-盛期啓蒙と経済認識の深化
第5章 「立法者の科学」としての経済学
--アダム・スミスにおける啓蒙と経済学[渡辺恵一]
はじめに
第一節 近代自然法学と決疑論
第二節 『法学講義』における法学と経済学
第三節 近代政治学と経済学の黎明
むすび
第6章 新国家の創出-アメリカ啓蒙と植民地独立の経済思想[田中秀夫]
第一節 近代国家、植民地、帝国
第二節 啓蒙の産物としての植民地独立の思想
第三節 アメリカ独立の経済思想-アメリカ啓蒙の帰結
第四節 農業共和国か商業共和国か
おわりに-遺産と発展
第7章 啓蒙の「形而上学」と経済学の形成
--ドゥーガルド・ステュアートと「精神の耕作」[篠原久]
はじめに
第一節 「学問史」第三部としての「経済学序説」-その(一)「序説」第一章
第二節 「学問史」第三部としての「経済学序説」-その(二)「序説」第二章
第三節 「学問史」第二部末尾における「形而上学」
第四節 「学問史」第三部「終章」- “Georgics of the Mind”
第8章 文明社会と商業社会
--『エディンバラ・レヴュー』からJ・S・ミルまで[川名雄一郎]
第一節 はじめに
第二節 『エディンバラ・レヴュー』における商業社会論
第三節 一九世紀初頭のブリテンにおける経済学の位置づけ
第四節 J・S・ミルと経済学
第五節 商業社会と民主社会
終 章 終わりなき革命--永続する啓蒙と経済的自立の夢[田中秀夫]
第一節 英語圏四国の歴史と啓蒙のアジェンダ
第二節 啓蒙の自然法学
第三節 自由主義、重商主義、ネオ・マキァヴェリアン経済学
第四節 政治社会から商業社会への転換
第五節 現代の啓蒙
おわりに
人名索引
事項索引
序 章 啓蒙の遺産-解法としての経済学[田中秀夫]
第一節 啓蒙とは何か
第二節 自然法思想
第三節 共和主義
第四節 啓蒙と経済思想
第I部 軍事・政治から商業へ--初期啓蒙と社会認識の転回
第1章 初期啓蒙とペティの経済科学[大倉正雄]
はじめに
第一節 啓蒙思想史のなかのペティ
第二節 経済社会の幾何学的分析
第三節 政治算術-ベイコン主義の分析方法
第四節 戦費調達方法の提案
第五節 国力・経済力の数量的分析
第六節 神の摂理と主権者の手
むすび-重商主義の経済科学
第2章 レトリックを超えて
--近代初期イングランドの古典修辞学と政治算術[伊藤誠一郎]
第一節 ルネサンスと古典修辞学の伝統
第二節 哲学と修辞学
第三節 修辞学批判と政治算術
第四節 統治と古典修辞学
おわりに
第3章 勤労の育成--ロックからハチスンまで[生越利昭]
はじめに
第一節 ジョン・ロックにおける啓蒙と労働雇用
第二節 労役場と貧民雇用問題
第三節 一八世紀における思想展開と経済認識
第四節 ハチスンにおける啓蒙と経済認識
まとめ
第4章 貨幣から信用へ--アイルランド金融政策にみる経済学的思考[後藤浩子]
第一節 一七二〇-三〇年代の不況と経済時論の登場
第二節 輸入代替政策の提案と「完全雇用」
第三節 「貧国」における経済政策としての信用諸制度-完全雇用のための資本創出政策
第四節 貨幣から信用へ-バークリの金融論の位置
第五節 ロンドンのパーシヴァル・サークル
第II部 経済学の鍛造-盛期啓蒙と経済認識の深化
第5章 「立法者の科学」としての経済学
--アダム・スミスにおける啓蒙と経済学[渡辺恵一]
はじめに
第一節 近代自然法学と決疑論
第二節 『法学講義』における法学と経済学
第三節 近代政治学と経済学の黎明
むすび
第6章 新国家の創出-アメリカ啓蒙と植民地独立の経済思想[田中秀夫]
第一節 近代国家、植民地、帝国
第二節 啓蒙の産物としての植民地独立の思想
第三節 アメリカ独立の経済思想-アメリカ啓蒙の帰結
第四節 農業共和国か商業共和国か
おわりに-遺産と発展
第7章 啓蒙の「形而上学」と経済学の形成
--ドゥーガルド・ステュアートと「精神の耕作」[篠原久]
はじめに
第一節 「学問史」第三部としての「経済学序説」-その(一)「序説」第一章
第二節 「学問史」第三部としての「経済学序説」-その(二)「序説」第二章
第三節 「学問史」第二部末尾における「形而上学」
第四節 「学問史」第三部「終章」- “Georgics of the Mind”
第8章 文明社会と商業社会
--『エディンバラ・レヴュー』からJ・S・ミルまで[川名雄一郎]
第一節 はじめに
第二節 『エディンバラ・レヴュー』における商業社会論
第三節 一九世紀初頭のブリテンにおける経済学の位置づけ
第四節 J・S・ミルと経済学
第五節 商業社会と民主社会
終 章 終わりなき革命--永続する啓蒙と経済的自立の夢[田中秀夫]
第一節 英語圏四国の歴史と啓蒙のアジェンダ
第二節 啓蒙の自然法学
第三節 自由主義、重商主義、ネオ・マキァヴェリアン経済学
第四節 政治社会から商業社会への転換
第五節 現代の啓蒙
おわりに
人名索引
事項索引