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アパルトヘイト後の南アフリカ社会は、どのような展望と手法をもって和解を目指すのか? 社会による過去への取り組みについて、現地での具体的な知見をベースに包括的な整理を行い、社会的和解概念に新たな分析地点を探る。世界各地の体制移行期における社会的和解の一つの目安たる「真実和解委員会」に関する日本初のモノグラフ。
日本アフリカ学会研究奨励賞(2008)
日本社会学会第7回奨励賞(著書の部)
日本社会学会第7回奨励賞(著書の部)
『社会学評論』Vol.60, No.1、158-159頁、第7回日本社会学会奨励賞【著書の部】受賞者「自著を語る」
阿部 利洋(あべ としひろ)
1973年生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。
日本学術振興会特別研究員を経て、現在、大谷大学文学部講師。
専攻は社会学。
訳書に、プリシラ・B・ヘイナー『語りえぬ真実——真実委員会の挑戦』(2006年、平凡社)。
1973年生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。
日本学術振興会特別研究員を経て、現在、大谷大学文学部講師。
専攻は社会学。
訳書に、プリシラ・B・ヘイナー『語りえぬ真実——真実委員会の挑戦』(2006年、平凡社)。
はじめに
略号一覧
第Ⅰ部 「和解」をめぐる状況
第一章 アパルトヘイトの終焉と社会的な和解
一 紛争の時代と社会的な和解
1 あいまいな和解のプラグマティズム
2 現代の紛争と紛争後の社会状況
3 真実委員会
二 「人種差別の社会」は過去といかに対峙したか——南アフリカ社会における和解の選択
1 喪失感の告白
◎事例1 一九九六年九月四日、ネルスプリット
2 紛争の背景——アパルトヘイトとは
3 政権移行期の交渉と和解という選択
第二章 真実和解委員会の制度と活動
一 活動の概略と多様な評価
二 真実和解委員会の制度
1 基本的な概念はどのように法的に規定されているか
2 真実と和解を追求する組織はどのように構成されるのか
三 真実和解委員会の活動
1 証言聴取にともなう問題
2 細分化された公聴会の設定と運営
3 証言者および関係者の保護
4 広報と報道——テレビ・新聞・(ローカル)ラジオとの関係
5 NGOとの協力ネットワーク
6 調査——とりわけ捜査・機密機関を調査することの困難について
◎事例2 最初期の調査——警察に対する
◎事例3 民間人による調査の困難——軍施設に対する
7 記録と分析——収集された情報はどのように扱われるのか
8 特赦の審議と決定
9 補償政策の提案と勧告
四 他国の委員会との比較
第Ⅱ部 「和解」の射程
第三章 真実和解委員会の象徴的効果
一 和解という理念のリアリティ
二 キリスト教的偏向批判
三 スローガンと正当化
1 理念・スローガンに着目するとは?
2 TRC組織とその活動を正当化する言説
3 理念の伏線(史的背景)
四 証言公聴会を支える「逸脱」——告白、嘆き、祝福、赦し
1 告白
◎事例4 回心を思わせる告白——人権侵害公聴会
◎事例5 パフォーマティブな告白——特赦公聴会
2 嘆き
◎事例6 夫を亡くしたマセコの証言——人権侵害公聴会
◎事例7 「アスカリ」の処分——人権侵害公聴会
3 祝福
◎事例8 解放運動組織から排除された若者——人権侵害公聴会
◎事例9 公聴会を介した再会——人権侵害公聴会
◎事例10 祝福と歓喜——特赦公聴会
4 赦し
◎事例11 赦しの言明と対他認識のすれ違い——特赦公聴会
◎事例12 ラプスリー牧師の赦し——人権侵害公聴会
◎事例13 聖ジェームズ教会虐殺事件の生存者と加害者が対面
五 法と宗教のあいだ
第四章 社会的な和解に関する解釈モデル
一 新たな視点の要請
二 意味付与回路の限定——メトニミー的なコミュニケーションの回避
◎事例14 実名を挙げての非難は排除される
1 方法論としてのレトリック理解
2 記憶の連鎖と和解
3 和解の対象を同定しない用語法
三 対他意識の変容——逆説的な競合関係の創出
1 和解の判定をめぐる袋小路
2 社会的和解に関する社会学的解釈モデル
終章
あとがき
注
巻末資料
引用・参考文献
索引
略号一覧
第Ⅰ部 「和解」をめぐる状況
第一章 アパルトヘイトの終焉と社会的な和解
一 紛争の時代と社会的な和解
1 あいまいな和解のプラグマティズム
2 現代の紛争と紛争後の社会状況
3 真実委員会
二 「人種差別の社会」は過去といかに対峙したか——南アフリカ社会における和解の選択
1 喪失感の告白
◎事例1 一九九六年九月四日、ネルスプリット
2 紛争の背景——アパルトヘイトとは
3 政権移行期の交渉と和解という選択
第二章 真実和解委員会の制度と活動
一 活動の概略と多様な評価
二 真実和解委員会の制度
1 基本的な概念はどのように法的に規定されているか
2 真実と和解を追求する組織はどのように構成されるのか
三 真実和解委員会の活動
1 証言聴取にともなう問題
2 細分化された公聴会の設定と運営
3 証言者および関係者の保護
4 広報と報道——テレビ・新聞・(ローカル)ラジオとの関係
5 NGOとの協力ネットワーク
6 調査——とりわけ捜査・機密機関を調査することの困難について
◎事例2 最初期の調査——警察に対する
◎事例3 民間人による調査の困難——軍施設に対する
7 記録と分析——収集された情報はどのように扱われるのか
8 特赦の審議と決定
9 補償政策の提案と勧告
四 他国の委員会との比較
第Ⅱ部 「和解」の射程
第三章 真実和解委員会の象徴的効果
一 和解という理念のリアリティ
二 キリスト教的偏向批判
三 スローガンと正当化
1 理念・スローガンに着目するとは?
2 TRC組織とその活動を正当化する言説
3 理念の伏線(史的背景)
四 証言公聴会を支える「逸脱」——告白、嘆き、祝福、赦し
1 告白
◎事例4 回心を思わせる告白——人権侵害公聴会
◎事例5 パフォーマティブな告白——特赦公聴会
2 嘆き
◎事例6 夫を亡くしたマセコの証言——人権侵害公聴会
◎事例7 「アスカリ」の処分——人権侵害公聴会
3 祝福
◎事例8 解放運動組織から排除された若者——人権侵害公聴会
◎事例9 公聴会を介した再会——人権侵害公聴会
◎事例10 祝福と歓喜——特赦公聴会
4 赦し
◎事例11 赦しの言明と対他認識のすれ違い——特赦公聴会
◎事例12 ラプスリー牧師の赦し——人権侵害公聴会
◎事例13 聖ジェームズ教会虐殺事件の生存者と加害者が対面
五 法と宗教のあいだ
第四章 社会的な和解に関する解釈モデル
一 新たな視点の要請
二 意味付与回路の限定——メトニミー的なコミュニケーションの回避
◎事例14 実名を挙げての非難は排除される
1 方法論としてのレトリック理解
2 記憶の連鎖と和解
3 和解の対象を同定しない用語法
三 対他意識の変容——逆説的な競合関係の創出
1 和解の判定をめぐる袋小路
2 社会的和解に関する社会学的解釈モデル
終章
あとがき
注
巻末資料
引用・参考文献
索引