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幻想の革命

十月革命からネップへ

梶川 伸一

A5上製・303頁

ISBN: 9784876986392

発行年月: 2004/11

  • 本体: 3,800円(税込 4,180円
  • 在庫あり
 
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内容

共産主義の理想へ向かって着実に前進しているというボリシェヴィキ指導部の「幻想」が生んだ悲劇を,ロシア公文書館資料に基づき克明に描く.ネップが,戦時共産主義の延長上に構想されて市場経済が政策的に導入されたのではなく,飢餓民の自然発生的動向がそれを生み出したことを明らかにする.

プロフィール

梶川伸一(かじかわ しんいち)

金沢大学文学部教授・文学博士
1949年 金沢市生まれ
1982年 京都大学大学院文学研究科博士後期課程退学、
日本学術振興会奨励研究員、名城大学講師・助教授を経て、
1994年4月より現職。

主 書
『飢餓の革命 ロシア十月革命と農民』(名古屋大学出版会、1997年)
『ボリシェビキ権力とロシア農民 戦時共産主義下の農村』(ミネルヴァ書房、1998年)

主論文
「社会主義建設の模索」(藤本和貴夫、松原広志編著『ロシア近現代史』ミネルヴァ書房、1999年、所収)
「ロシア革命の再検討」(社会経済史学会編『社会経済史学の課題と展望』、有斐閣、2002年、所収)など。

目次

  はしがき
  凡  例
  用語解説
  はじめに

第一章 飢餓は続く
第二章 割当徴発の停止
 タムボフでの農民蜂起
 集団経営「幻想」からの解放
 播種不足を克服せよ
 播種カムパニアに向けて
 法案『農民経営の強化と発展』をめぐって
 播種カムパニアの開始
 割当徴発停止の過程
第三章 現物税布告の策定
 現物税構想の背景
 現物税構想の意味
 ミニ・ネップ論
第四章 「現物税=商品交換体制」の成立
 第一〇回ロシア共産党大会
 「現物税=商品交換体制」の確立
第五章 戦時共産主義「幻想」の崩壊
 現物税布告を受けて
 現物税の実施に向けて
 辺境穀物地方での混乱
 ウクライナの現状
第六章 現物税体制下の民衆
 自由市場と民衆
 現物税の実施
第七章 二一―二二年の大飢饉
 旱魃による凶作
 飢饉の惨状
 飢饉の救済を求めて

   むすびに替えて ― ネップへの移行の意義 
   索 引
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