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アフリカの二つの民族集団における長期調査をもとに,言語的相互行為を通じて,人と人とが「共にいる」という感覚の多様性を記載し,その分析枠組みを提示する。そして,相互行為の様式の記述が,現代において進行しつつあるコミュニケーションの大きな変化(インターネット,携帯電話等)の分析に対してどのような意味をもつかを考察する。
『談』no,81
『LIBERTINES』創刊号、122頁、評者:寄藤文平氏
『LIBERTINES』創刊号、122頁、評者:寄藤文平氏
木村大治(きむら だいじ)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科助教授、理学博士。
1960年 愛媛県生まれ。
1990年 京都大学大学院理学研究科博士課程修了。
日本学術振興会特別研究員、福井大学教育学部助教授、京都大学大学院人間・環境学研究科助教授を経て、
1998年より現職。
主な著書
『ヒトの自然誌』(分担執筆、田中二郎・掛谷誠編、平凡社、1991年)
『コミュニケーションの自然誌』(分担執筆、谷泰編、新曜社、1997年)
『人間性の起源と進化』(分担執筆、北村光二・西田正規・山極寿一編、昭和堂、2003年)など。
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科助教授、理学博士。
1960年 愛媛県生まれ。
1990年 京都大学大学院理学研究科博士課程修了。
日本学術振興会特別研究員、福井大学教育学部助教授、京都大学大学院人間・環境学研究科助教授を経て、
1998年より現職。
主な著書
『ヒトの自然誌』(分担執筆、田中二郎・掛谷誠編、平凡社、1991年)
『コミュニケーションの自然誌』(分担執筆、谷泰編、新曜社、1997年)
『人間性の起源と進化』(分担執筆、北村光二・西田正規・山極寿一編、昭和堂、2003年)など。
はじめに
叫ぶ男/共在感覚/相互行為とその記述/本書の構成
第Ⅰ部 民族誌的記載
第1章 ボンガンド
■ イヨンジへの道
□ 天 寅
□ ジンルイ
□ インタラクション・スクール
□ 加 納 隊
□ 「標準的なザイールの道」
□ 村 入 り
□ セマとイヨンジ
ダイヤモンド騒動/断定的言明/帰国まで
■ 民族誌的事項
□ 地形と気候
□ 民族の位置
□ 村落の空間的構造
□ 生業活動と日常生活
□ 社会構造
リニージ・システム/婚姻と婚資
□ ボンガンド研究史.
■二度目のフィールド
□ ノ リ コ
□ キンシャサ・バンダカ・マバリ
□ ヤリサンガ
□ 家を建てる
■ 相互行為にかかわるエピソード
□ まなざしの問題
□ 森に響く声
□ 「こっちにはSIDAはない
□ 重い名前と軽い名前
■ トーキング・ドラム
□ ドラミングの状況
□ 伝達の方法
■ 投擲的発話
□ 声に満ちた村
遠距離会話/うるささとヘッドフォン/水場: 女たちのアジール
□ 背景発話
背景発話の測定/背景発話の種類と頻度/発話形態の浮動
□ ボナンゴ
ボナンゴという発話形式/ボナンゴの内容/ロコレによるボナンゴ
□ 特徴的な発話形式
バーサセ/「アテ・アハランゲ」/物品の要求
□ 投擲的発話
発話を「投げる」/投擲的発話における言語行為/投擲性の意味
□ 他の民族の例
グアヤキ/アフリカの例
■ 挨拶境界と共在感覚
□ セルフ・フォーカル・サンプリング
□ 遠くにいても一緒?
□ 挨拶境界.
ロソンボにおける挨拶の不在/挨拶境界/大声に媒介された共在感覚
■ 帰 国
第2章 バカ・ピグミー
■ カメルーンの森へ
□ バカ・ピグミーとの出会い
□ ンバカ集落まで
■ 民族誌的事項
□ 「ピグミー」とは
□ ピグミー研究史
□ バカの系統と言語
□ 生態と社会
□ 農耕民との関係
■ 発話重複と長い沈黙.
□ ターン・テイキング
□ 会話サンプリング
□ バカ・バクウェレ、日本人の比較
会話場の状況/発話密度/発話の重複度/沈黙の長さ
□ 解 釈
発話重複/長い沈黙
■ 重なり合う人々
□行為の「圧力」のなさ
気配を感じない/遠 い 目/再びまなざしの問題.
□ ドドド現象
□ 「ベ」
「ベ」の様式/進行のプロセスと参与の状況/バクウェレの割礼儀礼
■ 拡散的会話場
□ 会話場の境界
□ 並列分散的相互行為
PDPとPDI/並列分散的相互行為の特徴/コネクションの様式
□ 背景発話の変動
□ 他の民族の例
ダヤクのロングハウス/モシの「シンローグ」/アメリカ中産階級
■ 何を語っているか
□ 会話の転記
「フェケの汁で」: 並進するトピック/「鳥の巣とハリナシバチの巣」: ストーリーテリング/「ベケルはいつも行ったままだ」: 投擲的発話/「われわれのボールだ」: 隣接対の消失
□ バカの会話分析のこれから
第Ⅱ部 相互行為論的考察
■ 相互行為における逸脱性
第1章 相互予期
■ 相互行為の境界
□ インタラクティブであるとはどういうことか
拡散的会話場/会話場の切り取り/インタラクティブであるとはどういうことか/身近な拡散的会話場
□ 規則性を読むということ
シャノン=ベイトソンのパラドックス/関連性理論について
■ 相互予期
□ 観察とコミュニケーション
□ 相互予期
ジャンマリーの返答/目と目が合うこと/相互予期/出会いのプロセス
□ 埋め込みと無限後退の問題
段階的埋め込み/無限後退/予期の力学系/二段構えの認識/通時的すり合わせ/思い込みの問題
□ ひとつのシステムになること
無限後退の「必要性」/プロセッサの速さと通信の速さ
□ 予期の分岐
予期の分岐と記述逸脱性/コンとポン
第2章 共在の枠
■ 三層モデル
□ 参与の垣根
□ 三層モデル
■ 枠からの逃れがたさ
□ コトニシテイナイというコトニシテイル?
□選択による枠の生成
■ 括弧の意味論
□ 括弧の事例
□ 括弧の意味作用
□ コンテクストの指示
□ 括弧と記述逸脱性
■ 「枠」のもつ性質
□ 逸脱性と多重性
□ 不可視性と拘束性
枠の不可視化/枠とコードの取り違え/関連性理論における伝達意図
第3章 双対図式
■ 双 対 性
□ 「予期の分岐」と「枠」の関係
□ 双 対 性
□ 記述逸脱性の二つの次元
■ 共-現前の水準
□ 共-現前
挨 拶/会 話 場/約 束 事
□ 共-現前と相互予期
■ ボンガンドとバカの共在感覚
□ ボンガンド
□ バ カ
第4章 今日の共在感覚
■ 分析のパラメータ
□ アドレス性
□ レスポンスの早さ
■ 携帯電話
■ インターネット
□ 電子メール
□ 電子掲示板
□ ホームページ
□ つながることと切ること
■ インタラクション工学
□ ロボティクスと相互予期
□ 対話システムとタグづけの問題
■ わからないことと面白いこと
あとがき
文 献
索 引
叫ぶ男/共在感覚/相互行為とその記述/本書の構成
第Ⅰ部 民族誌的記載
第1章 ボンガンド
■ イヨンジへの道
□ 天 寅
□ ジンルイ
□ インタラクション・スクール
□ 加 納 隊
□ 「標準的なザイールの道」
□ 村 入 り
□ セマとイヨンジ
ダイヤモンド騒動/断定的言明/帰国まで
■ 民族誌的事項
□ 地形と気候
□ 民族の位置
□ 村落の空間的構造
□ 生業活動と日常生活
□ 社会構造
リニージ・システム/婚姻と婚資
□ ボンガンド研究史.
■二度目のフィールド
□ ノ リ コ
□ キンシャサ・バンダカ・マバリ
□ ヤリサンガ
□ 家を建てる
■ 相互行為にかかわるエピソード
□ まなざしの問題
□ 森に響く声
□ 「こっちにはSIDAはない
□ 重い名前と軽い名前
■ トーキング・ドラム
□ ドラミングの状況
□ 伝達の方法
■ 投擲的発話
□ 声に満ちた村
遠距離会話/うるささとヘッドフォン/水場: 女たちのアジール
□ 背景発話
背景発話の測定/背景発話の種類と頻度/発話形態の浮動
□ ボナンゴ
ボナンゴという発話形式/ボナンゴの内容/ロコレによるボナンゴ
□ 特徴的な発話形式
バーサセ/「アテ・アハランゲ」/物品の要求
□ 投擲的発話
発話を「投げる」/投擲的発話における言語行為/投擲性の意味
□ 他の民族の例
グアヤキ/アフリカの例
■ 挨拶境界と共在感覚
□ セルフ・フォーカル・サンプリング
□ 遠くにいても一緒?
□ 挨拶境界.
ロソンボにおける挨拶の不在/挨拶境界/大声に媒介された共在感覚
■ 帰 国
第2章 バカ・ピグミー
■ カメルーンの森へ
□ バカ・ピグミーとの出会い
□ ンバカ集落まで
■ 民族誌的事項
□ 「ピグミー」とは
□ ピグミー研究史
□ バカの系統と言語
□ 生態と社会
□ 農耕民との関係
■ 発話重複と長い沈黙.
□ ターン・テイキング
□ 会話サンプリング
□ バカ・バクウェレ、日本人の比較
会話場の状況/発話密度/発話の重複度/沈黙の長さ
□ 解 釈
発話重複/長い沈黙
■ 重なり合う人々
□行為の「圧力」のなさ
気配を感じない/遠 い 目/再びまなざしの問題.
□ ドドド現象
□ 「ベ」
「ベ」の様式/進行のプロセスと参与の状況/バクウェレの割礼儀礼
■ 拡散的会話場
□ 会話場の境界
□ 並列分散的相互行為
PDPとPDI/並列分散的相互行為の特徴/コネクションの様式
□ 背景発話の変動
□ 他の民族の例
ダヤクのロングハウス/モシの「シンローグ」/アメリカ中産階級
■ 何を語っているか
□ 会話の転記
「フェケの汁で」: 並進するトピック/「鳥の巣とハリナシバチの巣」: ストーリーテリング/「ベケルはいつも行ったままだ」: 投擲的発話/「われわれのボールだ」: 隣接対の消失
□ バカの会話分析のこれから
第Ⅱ部 相互行為論的考察
■ 相互行為における逸脱性
第1章 相互予期
■ 相互行為の境界
□ インタラクティブであるとはどういうことか
拡散的会話場/会話場の切り取り/インタラクティブであるとはどういうことか/身近な拡散的会話場
□ 規則性を読むということ
シャノン=ベイトソンのパラドックス/関連性理論について
■ 相互予期
□ 観察とコミュニケーション
□ 相互予期
ジャンマリーの返答/目と目が合うこと/相互予期/出会いのプロセス
□ 埋め込みと無限後退の問題
段階的埋め込み/無限後退/予期の力学系/二段構えの認識/通時的すり合わせ/思い込みの問題
□ ひとつのシステムになること
無限後退の「必要性」/プロセッサの速さと通信の速さ
□ 予期の分岐
予期の分岐と記述逸脱性/コンとポン
第2章 共在の枠
■ 三層モデル
□ 参与の垣根
□ 三層モデル
■ 枠からの逃れがたさ
□ コトニシテイナイというコトニシテイル?
□選択による枠の生成
■ 括弧の意味論
□ 括弧の事例
□ 括弧の意味作用
□ コンテクストの指示
□ 括弧と記述逸脱性
■ 「枠」のもつ性質
□ 逸脱性と多重性
□ 不可視性と拘束性
枠の不可視化/枠とコードの取り違え/関連性理論における伝達意図
第3章 双対図式
■ 双 対 性
□ 「予期の分岐」と「枠」の関係
□ 双 対 性
□ 記述逸脱性の二つの次元
■ 共-現前の水準
□ 共-現前
挨 拶/会 話 場/約 束 事
□ 共-現前と相互予期
■ ボンガンドとバカの共在感覚
□ ボンガンド
□ バ カ
第4章 今日の共在感覚
■ 分析のパラメータ
□ アドレス性
□ レスポンスの早さ
■ 携帯電話
■ インターネット
□ 電子メール
□ 電子掲示板
□ ホームページ
□ つながることと切ること
■ インタラクション工学
□ ロボティクスと相互予期
□ 対話システムとタグづけの問題
■ わからないことと面白いこと
あとがき
文 献
索 引