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シュミッツ現象学の根本問題
身体と感情からの思索
A5上製, 338 pages
ISBN: 9784876986071
pub. date: 12/02
- Price : JPY 3,800 (with tax: JPY 4,180)
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現象学は、新しい哲学運動として20世紀初頭に始まり、既に1世紀の歴史をもつ。その流れの中で新たな局面を開いていると欧米で高く評価されるヘルマン・シュミッツは、わが国では部分的な紹介に止まっている。本書で初めて、そのシュミッツの理論を従来の現象学運動の中に位置づけ、身体と感情などの根本概念をを中心に体系的考察が試みられた。
梶谷真司(かじたに しんじ)
龍谷大学、関西大学、摂南大学非常勤講師。
1966年名古屋市生まれ。
1997年京都大学大学院人間・環境学科博士後期課程修了。
主な著訳書
『新現象学運動』(共編)、『雰囲気と集合心性』(共著)ほか
龍谷大学、関西大学、摂南大学非常勤講師。
1966年名古屋市生まれ。
1997年京都大学大学院人間・環境学科博士後期課程修了。
主な著訳書
『新現象学運動』(共編)、『雰囲気と集合心性』(共著)ほか
序 論
第1章 現象学の理念と方法
§1 事象自身をめぐる格闘
§2 シュミッツ現象学の方法
a)現象学的還元
b)三段階の方法
c)実証的学問としての現象学
§3 現象学と超越論主義
a)超越論主義の陥穽
b)シュミッツにおける哲学の原理
§4 具体的現実への眼差しシュミッツ現象学の課題と対象
第2章 主観性の復権
§1 現象学における主観性主客二元論の克服へ
§2 主観性への問いの来歴と所在主客二元論の隠れた前提
§3 自己存在の固有性ハイデガーにおける主観性の問題
§4 シュミッツによる主観性理論の刷新
a)事実の主観性と情動的経験の関連
b)主観的事実から見た自己意識の様態
第3章 内面投入論批判とその克服の方途
§1 内面投入論の成立歴史的反証とシュミッツの批判の視点
§2 シュミッツ以前の内面投入論批判克服における問題点
a)アヴェナリウス内面世界の解体と主観なき世界
b)ハイデガー自己存在の事実性と感情
§3 シュミッツによる内面投入論の克服事実性・感情と身体の空間性
第4章 身体と空間の多様性
§1 近代の空間論における問題点
§2 身体なき意味空間
§3 身体性とその空間的構造
a)身体的感知とは何か
b)身体の場所性と空間性
c)身体の空間的力動性
§4 身体的存在の空間経験
a)身体空間の諸形態と伝統的三次元空間
b)空間形態の諸区分に関する問題
第5章 雰囲気としての感情
§1 伝統的な感情理解の反証
§2 感情空間の構造
§3 雰囲気への配慮
a)居住と雰囲気
b)雰囲気の産出
第6章 拡大する知覚
§1 意味と事態の知覚可能性フッサールにおける非感性的直観
§2 意味と事態の根源性ハイデガーの存在論による知覚論の転換
§3 知覚の全体的地平ハイデガーの「世界」とフッサールの「地平」
§4 「状況」への身体的応答シュミッツの知覚理論
a)「状況」としての印象の知覚
b)身体的コミュニケーションとしての知覚
第7章 共同的な生のダイナミズム
§1 問われざる共同性の現実
§2 情動の隠蔽と自己の孤立
§3 現象学における他者論の問題点
a)他者経験の間接性と直接性フッサール
b)自他の無差別と区別メルロ=ポンティとシェーラー
c)他者による侵襲サルトル
§4 他者との直接的な交流シュミッツの他者論
a)他者知覚の拡大
b)他者との身体的コミュニケーション
結 語
後 記
本書について
ヘルマン・シュミッツとその著作
シュミッツ現象学の受容
文献表
謝 辞
索 引
第1章 現象学の理念と方法
§1 事象自身をめぐる格闘
§2 シュミッツ現象学の方法
a)現象学的還元
b)三段階の方法
c)実証的学問としての現象学
§3 現象学と超越論主義
a)超越論主義の陥穽
b)シュミッツにおける哲学の原理
§4 具体的現実への眼差しシュミッツ現象学の課題と対象
第2章 主観性の復権
§1 現象学における主観性主客二元論の克服へ
§2 主観性への問いの来歴と所在主客二元論の隠れた前提
§3 自己存在の固有性ハイデガーにおける主観性の問題
§4 シュミッツによる主観性理論の刷新
a)事実の主観性と情動的経験の関連
b)主観的事実から見た自己意識の様態
第3章 内面投入論批判とその克服の方途
§1 内面投入論の成立歴史的反証とシュミッツの批判の視点
§2 シュミッツ以前の内面投入論批判克服における問題点
a)アヴェナリウス内面世界の解体と主観なき世界
b)ハイデガー自己存在の事実性と感情
§3 シュミッツによる内面投入論の克服事実性・感情と身体の空間性
第4章 身体と空間の多様性
§1 近代の空間論における問題点
§2 身体なき意味空間
§3 身体性とその空間的構造
a)身体的感知とは何か
b)身体の場所性と空間性
c)身体の空間的力動性
§4 身体的存在の空間経験
a)身体空間の諸形態と伝統的三次元空間
b)空間形態の諸区分に関する問題
第5章 雰囲気としての感情
§1 伝統的な感情理解の反証
§2 感情空間の構造
§3 雰囲気への配慮
a)居住と雰囲気
b)雰囲気の産出
第6章 拡大する知覚
§1 意味と事態の知覚可能性フッサールにおける非感性的直観
§2 意味と事態の根源性ハイデガーの存在論による知覚論の転換
§3 知覚の全体的地平ハイデガーの「世界」とフッサールの「地平」
§4 「状況」への身体的応答シュミッツの知覚理論
a)「状況」としての印象の知覚
b)身体的コミュニケーションとしての知覚
第7章 共同的な生のダイナミズム
§1 問われざる共同性の現実
§2 情動の隠蔽と自己の孤立
§3 現象学における他者論の問題点
a)他者経験の間接性と直接性フッサール
b)自他の無差別と区別メルロ=ポンティとシェーラー
c)他者による侵襲サルトル
§4 他者との直接的な交流シュミッツの他者論
a)他者知覚の拡大
b)他者との身体的コミュニケーション
結 語
後 記
本書について
ヘルマン・シュミッツとその著作
シュミッツ現象学の受容
文献表
謝 辞
索 引