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実践としてのコミュニティ

移動・国家・運動

平井 京之介 編

A5上製, 350 pages

ISBN: 9784876985920

pub. date: 02/12

  • Price : JPY 3,800 (with tax: JPY 4,180)
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内容

グローバル化や新自由主義政策によって,伝統的な価値観や生活様式は大きく揺さぶられた。しかし,そうした現代社会ののっぴきならない問題に対して,人々はしたたかな実践を生み出している。移民ネットワークや自助グループ,人権・環境NGO等,新しい形の多彩なコミュニティをレ ポートし,その人類学的意味を析出する意欲的民族誌。

プロフィール

阿部利洋(あべ としひろ)
大谷大学文学部准教授
1973年生まれ.京都大学大学院文学研究科博士課程修了,博士(文学).
主な著書に,『紛争後社会と向き合う—南アフリカ真実和解委員会』(京都大学学術出版会),『真実委員会という選択—紛争後社会の再生のために』(岩波書店)など.

市川 哲(いちかわ てつ)
立教大学観光学部助教
1971年生まれ.立教大学大学院文学研究科博士課程満期退学,博士(文学).
主な論文に,「オセアニアの華人社会—植民地の労働力移民からトランスナショナルな生活実践へ—」熊谷圭知・片山一道編著『朝倉世界地理講座15 オセアニア』(朝倉書店,389—402頁),「移住経験から見るサブ・エスニシティの説明方法—パプアニューギニア華人を事例として—」(『社会人類学年報』第35号,121—137頁),禅he Role of Religion in Chinese Subethnicity: Christian Communities of Papua New Guinean Chinese in Australia� (People and Culture in Oceania 24: 31—50) など.

木村 自(きむら みずか)
大阪大学大学院人間科学研究科助教
1973年生まれ.大阪大学人間科学研究科博士課程修了,博士(人間科学).
主な著書・論文に,『ディアスポラから世界を読む』(明石書店,共著),「台湾回民のエスニシティと宗教—中華民国の主体から台湾の移民へ」(『国立民族学博物館調査報告書(SER)』83,69—88頁)など.

高城 玲(たかぎ りょう)
神奈川大学経営学部准教授
1969年生まれ.総合研究大学院大学文化科学研究科単位取得退学,博士(文学).
主な著書・論文に,『日常的実践のエスノグラフィ─語り・コミュニティ・アイデンティティ』(世界思想社,共著),「差異の可視化と相互行為─タイの農作業における集まりの場」(『歴史と民俗』〈神奈川大学日本常民文化研究所論集〉27号)など.

田辺繁治(たなべ しげはる)
国立民族学博物館名誉教授
1943年生まれ.連合王国ロンドン大学東洋・アフリカ学院博士課程修了,Ph. D.
主な著書に,『生き方の人類学』(講談社現代新書),『ケアのコミュニティ』(岩波書店),『「生」の人類学』(岩波書店)など.

平井京之介(ひらい きょうのすけ)
国立民族学博物館准教授・総合研究大学院大学准教授
1964年生まれ.連合王国ロンドン大学ロンドン経済政治学院博士課程修了,Ph. D.(人類学).
主な著書に,『村から工場へ』(NTT出版)など.

中村律子(なかむら りつこ)
法政大学現代福祉学部教授
1956年生まれ.名古屋大学大学院文学研究科人文学専攻博士課程満期修了,博士(文学).
主な著書に,『戦後高齢社会基本文献集』(日本図書センター,共編),『社会保障法・福祉と労働法の新展開』(信山社,共著)など.

信田敏宏(のぶた としひろ)
国立民族学博物館准教授
1968年生まれ.東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得退学,博士(社会人類学).
主な著書に,『周縁を生きる人びと—オラン・アスリの開発とイスラーム化』(京都大学学術出版会),『東南アジア・南アジア 開発の人類学』(明石書店,共編著),Living on the Periphery: Development and Islamization among the Orang Asli(Kyoto University Press & Trans Pacific Press)など.

西井凉子(にしい りょうこ)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授
京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学,総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程中途退学,博士(人類学).
主な著書に,『死をめぐる実践宗教—南タイのムスリム・仏教徒関係へのパースペクティヴ』(世界思想社),『社会空間の人類学—マテリアリティ・主体・モダニティ』(世界思想社,共編著),『時間の人類学—情動・自然・社会空間』(世界思想社,編著)など.

平野(野元)美佐(ひらの(のもと) みさ)
天理大学国際学部教員
1969年生まれ.総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程修了,博士(文学).
主な著書に『アフリカ都市の民族—カメルーンの「商人」バミレケのカネと故郷』(明石書店),『資源人類学第5巻 貨幣と資源』(弘文堂,共著)など.

古屋 哲(ふるや さとる)
大谷大学文学部非常勤講師
1961年生まれ.立命館大学国際関係研究科修士課程修了(国際関係学).
主な著書に,『人間の安全保障─国家中心主義をこえて』(ミネルヴァ書房,共著)など.

目次

序 章 実践としてのコミュニティ—移動・国家・運動 [平井京之介]

第1部 移動とコミュニティ

第1章 都市とエスニック・コミュニティ—カメルーンの国内移住民 [平野(野元)美佐]
第2章 越境するコミュニティと共同性
    —台湾華僑ムスリム移民の「社会」と「共同体」 [木村  自]
第3章 移住経験が生み出すコミュニティ、移住経験が変容させるアソシエーション
    —オーストラリア都市部に居住するパプアニューギニア華人 [市川  哲]
第4章 移住者の〈私たち〉の作り方
    —在日ペルー人が行うカトリック守護聖人の祝祭をめぐって [古屋  哲]

第2部 国民国家とコミュニティ

第5章 分断されるコミュニティ、創造するコミュニティ
    —マレーシア、オラン・アスリのコミュニティの再編 [信田 敏宏]
第6章 国家統治の過程とコミュニティ
    —タイの国王誕生日と村民スカウト研修の相互行為 [高城  玲]
第7章 過疎と高齢化の村の「生の技法」
    —三重県Y地区の高齢者を支えるコミュニティ [中村 律子]

第3部 社会運動のコミュニティ

第8章 情動のコミュニティ
    —北タイ・エイズ自助グループの事例から [田辺 繁治]
第9章 動員のプロセスとしてのコミュニティ、あるいは「生成する」コミュニティ
    —南タイのイスラーム復興運動 [西井 凉子]
第10章 帰還者が喚起するコミュナリティ
    —カンボジア特別法廷における被害者カテゴリーの創出 [阿部 利洋]
第11章 語りのコミュニティ
    —水俣「相思社」におけるハビトゥスの変容 [平井京之介]

あとがき
索引
著者紹介
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