ホーム > 書籍詳細ページ

東洋史研究叢刊之五十九

中国思想史の研究[改装版]

島田 虔次

A5上製・702頁

ISBN: 9784876985241

発行年月: 2005/04

  • 本体: 10,000円(税込 11,000円
  • 在庫あり
 
  • mixiチェック

内容

たえず世界の思潮の大きなうねりを背景に、中国における儒教思想の展開の一貫性を見据えつづけてきた著者の、単行書未収録論文のみを収載した学術論文集。思想界、東洋学関係者にとっては必携の新しい名著の誕生である。陽明学左派を論じた「中国近世の主観唯心論について」のほか、近世以降の中国思想を多角的に論究した22篇を収載。

プロフィール

島田虔次(しまだ けんじ)

1917年 広島県三次市生まれ。
1941年 京都帝国大学文学部史学科卒業。
1943年 東方文化研究所助手。
1946年 東海大学予科教授。
1949年 京都大学人文科学研究所助教授。その後同教授を経て京都大学文学部教授。
1981年 退官、京都大学名誉教授。
1997年 学士院会員。
2000年 逝去。

編著書・論文
本書収載「島田虔次著作目録」参照。

目次

凡例

第 I 部
中国近世の主観唯心論について――万物一体の仁の思想――
  はしがき
  一 程明道・謝上蔡・陸象山
  二 王陽明・陽明学派および清末の譚嗣同
  三 譚嗣同の思想の性格
  結語

第 II 部
陽明学における人間概念・自我意識の展開と其意義
  序
  一 王陽明 人間の自然としての聖人
  二 陽明的人間の展開 「吾」の成立
王龍渓先生の談話録並に解説
儒教の叛逆者・李贄(李卓吾)
  思想史的背景
  生涯
  童心の説
  歴史批判
  仏教その他
異人・〓(とう)豁渠
明代思想の一基調――スケッチ――
王学左派論批判の批判
ある陽明学理解について
『李贄――十六世紀中国反封建思想的先駆者』を評す

第 III 部
体明の歴史に寄せて
桓玄・慧遠の礼敬問題
宋学の展開
  はじめに
  士大夫の成立
  宋学のいわゆる大義名分論
楊慈湖
三浦梅園の哲学――極東儒学思想史の見地から――
  一 梅園再発見の歴史
  二 伝記
  三 梅園の哲学の概要
  四 極東思想史における梅園
中国・思想史

第 IV 部
歴史的理性批判――「六経皆史」の説――
  一 章学誠
  二 「史」の三つの意味
  三 章学誠(一)
  四 章学誠(二)
  五 章学誠(三)
章学誠の位置
清朝末期における学問の状況
  一 四つの前提
   (独自な学問体系の伝統/「学」ということばの意味/清朝の学問の全体的動向
    /時代の全般的性格)
  二 諸学の状況
   (考証学の時代/明の学問と清の学問/清朝の歴史学/戴震の存在/公羊学の復
    興/公羊学の主張/諸子学の復興/仏教の復興/考証学への非難/明代史研究
    おこる/学問上の常識の起源/公羊学の到達した孔子観・儒教観/古文学派の
    孔子観/疑古主義/仏教復興の成果/譚嗣同)
辛亥革命期の孔子問題
  はじめに
  一 清朝考証学の展開 三つの孔子像
  二 改革派(変法派)康有為の孔教主義 教主としての孔子
  三 革命派・章炳麟の孔教反対 民族主義的・国粋主義的孔子像
  四 清朝政府の孔子政策
  五 社会主義(無政府主義)グループ 否定的孔子像の萌芽
  まとめ
儒教における生けるもの
「儒教と二一世紀と」への提言
黄宗羲・横井小楠・孫文

解 説・・・・・・・・・・狭間直樹・森紀子

   島田虔次著作目録
   初出書誌一覧
   索  引
このページの先頭へ