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ポスト冷戦から20世紀末にかけて、世界政治の動向のなかで最も顕著な事象が、「地域紛争」の頻発であろう。本書は、この難問に、文化人類学、開発経済学、歴史学、政治学、法律学などの様々な分野からアプローチし、現状のレポートと分析を通じて、問題の所在を明らかにしようとしたものである。 第2回NIRA大来政策研究賞受賞
第2回NIRA大来政策研究賞 受賞
『外交フォーラム』No.178、評者:星野俊也氏
序 章 大量難民、地域紛争、グローバル資本主義の時代 ✎ 峯 陽 一
一 難民の世紀
二 憎悪から和解へ
三 安全保障とグローバル資本主義
第1部 難民の世紀
第1章 難民--バルト難民からインドシナ難民へ ✎ 畑中 幸子
一 第二次大戦下のヨーロッパ難民--バルト難民の発生
二 バルト難民移住への扉
三 インドシナ難民の行方
第2章 大量難民への国際的対応--庇護の限界と「一時的保護」の可能性 ✎ 滝澤 美佐子
一 大量難民への対応と難民条約の限界
二 地域紛争による大量難民の発生と庇護抑止政策の広がり
三 一時的保護概念の模索
四 一時的保護の設定の争点
五 一時的保護の要請された若干の事例の検討
第2部 憎悪から和解へ
第3章 紛争処理における多極共存型統治モデルの可能性 --南アフリカ共和国の事例から ✎ 峯 陽一
一 ファーニヴァルの複合社会論と東南アジア
二 アーサー・ルイスの西アフリカ政治論
三 レイプハルトのパワー・シェアリング論と南アフリカの実験
四 南アフリカの現在
第4章 武力紛争を平和的に解決するための試み--和解と真相究明、免責の役割 ✎ 田中 高
一 地域紛争における人権侵害についての国際法上の解釈
二 免責をめぐる議論
三 免責・恩赦実施の具体例
第5章 北アイルランド和平プロセスの二重路線 --ユニオニストに厳しい二つの基本原理 ✎ 堀越 智
一 北アイルランド和平合意
二 サニングデール協定の意義
三 イギリス=アイルランド協定の意味
四 ダウニング街宣言
五 聖金曜日合意実施の困難
第3部 安全保障とグローバル資本主義
第6章 冷戦後の地域紛争への米国の対応 --多国間外交への試練 ✎ 小川 敏子
一 低強度紛争への対応
二 湾岸戦争と冷戦後の米国の多国間外交
三 旧ユーゴスラビア紛争への米国の対応
四 ソマリア紛争への米国の対応
五 地域紛争介入をめぐる米国内の議論
第7章 「脆弱な国家」と日米安保体制 --ポスト冷戦下の地域紛争と安全保障 ✎ 菅 英輝
一 ポスト冷戦の世界と地域紛争--「脆弱な国家」をめぐる諸問題
二 アジア太平洋の紛争地域と日米安保「再定義」
三 日米安保の機能と「周辺有事」をめぐる諸問題
第8章 複合的グローバル化--競争国家とリスク社会の成立 ✎ 原田 太津男
一 グローバル経済と国家の衰退--神話か現実か
二 グローバル化と国家--衰退か適応か
三 グローバル化の社会的帰結--分裂と対立の深化
あとがき ✎ 畑中 幸子
索引/略語一覧
執筆者略歴
一 難民の世紀
二 憎悪から和解へ
三 安全保障とグローバル資本主義
第1部 難民の世紀
第1章 難民--バルト難民からインドシナ難民へ ✎ 畑中 幸子
一 第二次大戦下のヨーロッパ難民--バルト難民の発生
二 バルト難民移住への扉
三 インドシナ難民の行方
第2章 大量難民への国際的対応--庇護の限界と「一時的保護」の可能性 ✎ 滝澤 美佐子
一 大量難民への対応と難民条約の限界
二 地域紛争による大量難民の発生と庇護抑止政策の広がり
三 一時的保護概念の模索
四 一時的保護の設定の争点
五 一時的保護の要請された若干の事例の検討
第2部 憎悪から和解へ
第3章 紛争処理における多極共存型統治モデルの可能性 --南アフリカ共和国の事例から ✎ 峯 陽一
一 ファーニヴァルの複合社会論と東南アジア
二 アーサー・ルイスの西アフリカ政治論
三 レイプハルトのパワー・シェアリング論と南アフリカの実験
四 南アフリカの現在
第4章 武力紛争を平和的に解決するための試み--和解と真相究明、免責の役割 ✎ 田中 高
一 地域紛争における人権侵害についての国際法上の解釈
二 免責をめぐる議論
三 免責・恩赦実施の具体例
第5章 北アイルランド和平プロセスの二重路線 --ユニオニストに厳しい二つの基本原理 ✎ 堀越 智
一 北アイルランド和平合意
二 サニングデール協定の意義
三 イギリス=アイルランド協定の意味
四 ダウニング街宣言
五 聖金曜日合意実施の困難
第3部 安全保障とグローバル資本主義
第6章 冷戦後の地域紛争への米国の対応 --多国間外交への試練 ✎ 小川 敏子
一 低強度紛争への対応
二 湾岸戦争と冷戦後の米国の多国間外交
三 旧ユーゴスラビア紛争への米国の対応
四 ソマリア紛争への米国の対応
五 地域紛争介入をめぐる米国内の議論
第7章 「脆弱な国家」と日米安保体制 --ポスト冷戦下の地域紛争と安全保障 ✎ 菅 英輝
一 ポスト冷戦の世界と地域紛争--「脆弱な国家」をめぐる諸問題
二 アジア太平洋の紛争地域と日米安保「再定義」
三 日米安保の機能と「周辺有事」をめぐる諸問題
第8章 複合的グローバル化--競争国家とリスク社会の成立 ✎ 原田 太津男
一 グローバル経済と国家の衰退--神話か現実か
二 グローバル化と国家--衰退か適応か
三 グローバル化の社会的帰結--分裂と対立の深化
あとがき ✎ 畑中 幸子
索引/略語一覧
執筆者略歴