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変容する親密圏/公共圏 9

競合する家族モデル論

ライカイ・ジョンボル・ティボル

A5上製, 320 pages

ISBN: 9784876983933

pub. date: 07/14

  • Price : JPY 3,800 (with tax: JPY 4,180)
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内容

80年代以降,家族モデルは個人化への道を進むが,このパラダイム転換にはさまざまな相が存在する。家族変動が複雑で,かつ市場主義と社会主義が現実に併存する【非西欧の文化圏】を検討しながら,近代家族の多様性について考える。

書評

『家族社会学研究』第27巻第1号(2015.4)、82-83頁、評者:渡辺秀樹氏
『社会学評論』Vol.66, No.1(2015)、161-162頁、評者:木戸功氏
『ソシオロジ』第60巻第2号(2015年10月)、129-134頁、評者:清水新二氏

プロフィール

ライカイ・ジョンボル・ティボル(RAJKAI Zsombor Tibor)

立命館大学国際関係学部准教授。
京都大学大学院文学研究科行動文化学専攻博士学位取得。専門領域:家族社 会学。

主な著作:
「『空虚な個人化』と家族の連帯―構造・体制変動を経験したハン ガリー」(『ソシオロジ』160, 2007 年)。
Frontiers and boundaries: Encounters on China’s margins. Asiatische Forschungen No. 156. Wiesbaden: Harrassowitz Verlag, 2012, co-edited with Ildikó Bellér-Hann.
Family and social change in socialist and post-socialist societies: Change and continuity in Eastern Europe and East Asia. editor. Brill, forthcoming.

目次

はじめに

第1章 家族の比較研究に潜在する可能性をめぐって
 1.ナショナル・アイデンティティと家族
 2.ミクロ・レベルでの人間関係の変容(1980年代以降)
 3.クーンの「パラダイム転換」論と家族社会学
 4.非西欧文化圏と家族社会学
第2章 本書における概念の定義と分析枠組み
 1.概念の定義
 2.本書における分析枠組み
   2―1. 分析の対象
   2―2. 分析の方法
第3章 社会主義期からポスト社会主義期へ転換するハンガリー
 1.価値の転換期における社会政治問題
 2.社会主義期に形成されたハンガリーの家族社会学研究の現状
 3.ハンガリーにおける家族社会学のテキストの現状
 4.社会主義期におけるマルクス主義的「家族モデル」形成の可能性
   4―1. 選択したテキストの基本データ
   4―2. 選択したテキストに表象される家族モデル
 5.脱マルクス主義期における「家族モデル」形成の可能性
   5―1. 選択したテキストの基本データ
   5―2. 選択したテキストに表象される家族モデル
 6.まとめ―美化された過去像への囚われ
第4章 閉鎖的社会から開放的社会へ歩みつつある中国
 1.中国社会の開放化・国際化に伴うイデオロギー的資源の多様化
 2.中国における社会学研究とイデオロギー的資源の多様化
 3.中国における家族社会学研究の現状と主要なテキスト
 4.「改革開放」直後における家族社会学テキスト
   4―1. 選択したテキストの基本データ
   4―2. 選択したテキストに表象される家族モデル
 5.グローバル化に挑戦する家族社会学テキスト
   5―1. 選択したテキストの基本データ
   5―2. 選択したテキストに表象される家族モデル
 6.まとめ―家族主義と個人主義との板ばさみ
第5章 伝統文化とアメリカ文化との葛藤に陥った台湾
 1.急激な経済発展を伴った「思想の真空」
 2.戦前の「伝統」の失墜・米国への依存から自律しつつある台湾の社会学
 3.台湾における家族社会学研究の現状と主要なテキスト
 4.政治体制変化の直後における家族社会学テキスト
   4―1. 選択したテキストの基本データ
   4―2. 選択したテキストに表象される家族モデル
 5.21世紀初期の台湾における家族社会学のテキスト
   5―1. 選択したテキストの基本データ
   5―2. 選択したテキストに表象される家族モデル
 6.まとめ―伝統文化と西欧文化の融合に向けて
第6章 脱亜から入亜へ転換する日本
 1.戦後日本の経済的黄金時代:見かけ上の価値の安定性?
 2.戦後日本における家族社会学研究の現状
 3.日本における主要な家族社会学テキスト(概要)
 4.近代日本家族の集団性を主張する家族社会学テキスト
   4―1. 選択したテキストの基本データ
   4―2. 選択したテキストに表象される家族モデル
 5.近代日本家族の集団性から脱却する家族社会学テキスト
   5―1. 選択したテキストの基本データ
   5―2. 選択したテキストに表象される家族モデル
 6.まとめ―家族主義からの「解放」
第7章 家族社会学の多様性
 1.家族社会学のテキストから読み取れる4つの物語
   1―1. 社会主義近代化およびその揺らぎにおける「モデル作成」問題
   1―2. 非西欧的資本主義近代化およびその揺らぎにおける「モデル作成」問題
 2.パラダイム転換がおきた日本と概念上の不一致
   2―1. パラダイム転換がおきた日本
   2―2. 概念の不一致
第8章 「競合する家族モデル」論の構築
 1.1980年代以降におけるテキスト作成の発展:4つのタイプ
 2.アイデンティティとしての家族
   2―1. イデオロギー的資源の絶対性・相対性をめぐって
   2―2. モデル作成の道・モデルの「均質性・異質性」問題
   2―3. 民主化言説の媒介的性格
   2―4. アイデンティティとしての家族
 3.「競合する家族モデル」論の要点
 4.家族社会学におけるパラダイム転換と今後の展望

参考文献
付録 テキストの内容(要約)
1.L. チェソンバティ(ハンガリー)
2.P. バンラキ(ハンガリー)
3.巫昌禎(中国)
4.潘允康(中国)
5.高淑貴(台湾)
6.蔡文輝(台湾)
7.森岡清美・望月嵩(日本)
8.目黒依子(日本)

謝 辞
索引(人名・事項)
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