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プリミエ・コレクション 43

フリッツ・イェーデの音楽教育

「生」と音楽の結びつくところ

小山 英恵

A5上製, 250 pages

ISBN: 9784876982844     正誤表PDF

pub. date: 03/14

  • Price : JPY 3,400 (with tax: JPY 3,740)
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内容

音楽は知られることではなく生きることを望むものである。——「生」の再興を主張したドイツの音楽教育家フリッツ・イェーデ。音楽と音楽する子どもの「生」が一体となり、子どもの「真の生」が歌いだす音楽教育。

プロフィール

小山 英恵(こやま はなえ)

鳴門教育大学准教授
桐朋女子高等学校音楽科卒業後,シオン高等音楽院(スイス)に留学,学習院大学文学部心理学科卒業,京都大学大学院教育学研究科博士課程修了,京都大学博士(教育学)

主な著訳書
「フリッツ・イェーデの音楽基礎教育 ―イェーデの音楽観『オルガニク』を検討の基盤として― 」(『音楽教育学』2011年),「フリッツ・イェーデの音楽における『創造』のための教育」(『教育方法学研究』2011年),「音楽科におけるパフォーマンス評価に関する一考察 ―「真正の評価」論に焦点をあてて― 」(『学校音楽教育研究』 2013年),『パフォーマンス評価入門 ―「真正の評価」論からの提案』(ダイアン・ハート著,共訳(田中耕治監訳),ミネルヴァ書房,2012年)。

目次

はじめに

序章
1 イェーデの歩みと活躍
 (1) 改革教育運動とイェーデ
 (2) 青少年音楽運動におけるイェーデ
 (3) ドイツ学校音楽教育への影響
2 これまでのイェーデ研究についての検討
 (1) イェーデ研究について
 (2) 日本におけるイェーデ研究
 (3) ドイツにおけるイェーデ研究
3 本書の課題と方法
4 本書の構成

第 1 章 イェーデの音楽教育における目的論
1 イェーデによる青少年音楽運動の理念
2 イェーデの音楽教育の目的
 (1) 「生」の概念
 (2) 「愛における共同体」
3 目的とその実現のための音楽教育
4 小括

第 2 章 イェーデの音楽観
1 音楽生活についての主張
 (1) 当時の音楽生活への批判
 (2) イェーデの求めた音楽生活
2 子どもの音楽
 (1) 学校音楽批判
 (2) 子どもの「生」のあらわれとしての音楽
 (3) 子どもの民謡
3 「創造」的に音楽すること
 (1) 「音楽以外の方法」への批判
 (2) イェーデの捉える「創造」と「再創造」
 (3) エネルギー論的音楽観「オルガニク」
4 小括

第 3 章 イェーデによる音楽の基礎教育
1 調性音楽の理解を目指した基礎教育
 (1) 『音楽の基礎教育』の概要
 (2) 内面における動きの感覚
 (3) 内面における動きの感覚を指導するための工夫
2 現代音楽の理解までを目指した基礎教育
 (1) 『それは私もできる』の概要
 (2) 内面における動きの感覚
 (3) 内面における動きの感覚を指導するためのハンドサイン
3 小括

第 4 章 イェーデによる音楽における「創造」のための教育
1 「創造」のための教育の理論
 (1) 3段階の教育
 (2) 各段階における教育内容
 (3)「共同体における教育」
 (4)「創造」の評価
2 「創造」のための教育の実践
 (1) 内面的なものを生成させる授業
 (2) 音楽的な表現の感覚を生成させる授業
3 小括

第 5 章 イェーデの青少年音楽学校構想
     ——シャルロッテンブルク青少年音楽学校のカリキュラム——
1 青少年音楽学校の概要
 (1) 青少年音楽学校創設の理念
 (2) アカデミー附属学校としての青少年音楽学校
 (3) 対象となる子どもたち
2 音楽授業のカリキュラム方針
 (1) 授業構成
 (2)「総合的な音楽授業」
 (3)「真の歌」への道
3 授業外の活動——もうひとつのカリキュラム
 (1) 図書室における営み
 (2) 子どもたちの自主的な活動
 (3) 学校行事における活動
4 小括

第 6 章 イェーデによる教師教育論
1 イェーデによる教師教育の概要
 (1) イェーデによる2つの教師教育
 (2) 教師教育の目的
2 民衆音楽学校のための教師教育内容
 (1) 受講条件
 (2) 教育内容
3 学校音楽講座における教育内容
 (1) 講座改善の方針
 (2) 教育内容
4 授業方法としての「作業共同体」
 (1) イェーデの「作業共同体」
 (2) 民衆音楽学校教師教育のための授業方法
 (3) 学校音楽講座における授業方法
5 小括

第 7 章 イェーデへの批判
     ——Th. アドルノによる批判の検討——
1 アドルノによる青少年音楽運動批判とこれまでの議論
 (1) アドルノによる批判の概要とその問題
 (2) これまでの議論の検討
2 音楽教育の目的に関する検討
 (1) アドルノの主張
 (2) イェーデにおける音楽教育の目的に関する検討
3 音楽教育内容に関する検討
 (1) 青少年音楽運動における音楽教育内容への批判
 (2) アドルノの音楽教育観
 (3) イェーデの音楽教育内容
4 小括

終章
1 本書の成果
2 現代の音楽教育への示唆
 (1)「音楽することの教育」と「音楽についての教育」
 (2)「音楽することの教育」の内容
 (3) 共同の「創造」
 (4)「生」と音楽とを結びつける教育課程構想
 (5) 教師教育改革を合めた音楽教育改革
3 今後に向けて

初出一覧
引用・参考文献および参考資料一覧
■欧文文献
 イェーデ文献
 その他
■日本語文献
■ウェブサイト
■ドイツ青少年運動アーカイブにおける史料
■イェーデ年表

あとがき
索引
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