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ギリシャに起源するヨーロッパ都市空間の理念型は,スペイン帝国の世界支配によって世界中に広がった.そして,征服者の時々の支配意図とそれぞれの土地の持つ生態的,地理的条件に規定されつつ土着化し変容する.イベリア本国から東南アジアまで,広く詳細な臨地調査によって植民都市空間の多様性と変容を追う.
2015年日本建築学会著作賞 受賞 受賞理由
布野 修司(ふの しゅうじ)
滋賀県立大学大学院環境科学研究科教授 副学長
1949年,松江市生まれ.工学博士(東京大学).建築計画アジア都市建築史専攻.東京大学工学研究科博士課程中途退学.京都大学大学院工学研究科助教授 を経て現職.
『インドネシアにおける居住環境の変容とその整備手法に関する研究』で,日本建築学会賞を受賞(1991年).また『近代世界システムと植民都市』(編著,京都大学学術出版会,2005年)で,日本都市計画学会賞論文賞(2006年)を受賞.
主な著書
『カンポンの世界』(パルコ出版,1991年).『住まいの夢と夢の住まい:アジア居住論』(朝日新聞社,1997年).『曼荼羅都市』(京都大学学術出版会,2006年),“Stupa & Swastika” Kyoto University Press + Singapore National University Press,2007(M.M.Pantとの共著),『ムガル都市:イスラーム都市の空間変容』(京都大学学術出版会,2008年,山根周との共著)『韓国近代都市景観の形成』(京都大学学術出版会,2010年,韓三建・朴重信・趙聖民との共著)など.
Juan Ramn Jimnez Verdejo(ヒメネス・ベルデホ ホアン・ラモン)
滋賀県立大学大学院環境科学研究科准教授
1968年,セヴィージャ生まれ.建築計画,都市計画学専攻.1996年,セヴィージャ大学工芸学部大学院E.T.S.A.S.卒業.2003年,神戸芸術工科大学大学院博士課程芸術工科研究科修了.Canon Foundation Fellowship(1998年〜1999年),神戸芸術工科大学芸術工学研究所特別研究員(2003年〜2007年),日本学術振興会外国人時別研究員(2006年〜2008年)を経て現職.2010年,‘Considerations Concerning French Urban Influence on Spanish Colonial Cities on the Island of Cuba’で,JAABE Best Paper Award 2009を受賞.
主な業績
“The Spanish-American City Study of the urban model used by Jos de Escandn to create the Colony of Nuevo Santander”, Ph. D Dissertation, 2005(ヒメネス ベルデホ,ホアン ラモン『ホセ・デ・エスカンドンがヌエヴォサンタンデール建設の際に用いたイスパノアメリカのモデル都市計画に関する研究』神戸芸術工科大学学位請求論文,2005年)
滋賀県立大学大学院環境科学研究科教授 副学長
1949年,松江市生まれ.工学博士(東京大学).建築計画アジア都市建築史専攻.東京大学工学研究科博士課程中途退学.京都大学大学院工学研究科助教授 を経て現職.
『インドネシアにおける居住環境の変容とその整備手法に関する研究』で,日本建築学会賞を受賞(1991年).また『近代世界システムと植民都市』(編著,京都大学学術出版会,2005年)で,日本都市計画学会賞論文賞(2006年)を受賞.
主な著書
『カンポンの世界』(パルコ出版,1991年).『住まいの夢と夢の住まい:アジア居住論』(朝日新聞社,1997年).『曼荼羅都市』(京都大学学術出版会,2006年),“Stupa & Swastika” Kyoto University Press + Singapore National University Press,2007(M.M.Pantとの共著),『ムガル都市:イスラーム都市の空間変容』(京都大学学術出版会,2008年,山根周との共著)『韓国近代都市景観の形成』(京都大学学術出版会,2010年,韓三建・朴重信・趙聖民との共著)など.
Juan Ramn Jimnez Verdejo(ヒメネス・ベルデホ ホアン・ラモン)
滋賀県立大学大学院環境科学研究科准教授
1968年,セヴィージャ生まれ.建築計画,都市計画学専攻.1996年,セヴィージャ大学工芸学部大学院E.T.S.A.S.卒業.2003年,神戸芸術工科大学大学院博士課程芸術工科研究科修了.Canon Foundation Fellowship(1998年〜1999年),神戸芸術工科大学芸術工学研究所特別研究員(2003年〜2007年),日本学術振興会外国人時別研究員(2006年〜2008年)を経て現職.2010年,‘Considerations Concerning French Urban Influence on Spanish Colonial Cities on the Island of Cuba’で,JAABE Best Paper Award 2009を受賞.
主な業績
“The Spanish-American City Study of the urban model used by Jos de Escandn to create the Colony of Nuevo Santander”, Ph. D Dissertation, 2005(ヒメネス ベルデホ,ホアン ラモン『ホセ・デ・エスカンドンがヌエヴォサンタンデール建設の際に用いたイスパノアメリカのモデル都市計画に関する研究』神戸芸術工科大学学位請求論文,2005年)
口絵
図表リスト
序 章
1 スペイン植民都市—グリッドとハト・コラル
2 ヒッポダモス—都市と国制をめぐる最初の議論
3 ミレトス—街区と基本尺度
4 コロニア—支配システムとしてのグリッド
5 理念と現実—変わるものと変わらないもの
第I章 スペイン植民都市の形成
1 スペイン植民都市の起源
1—1 イベリア半島における都市形成
1—2 イベリア半島の都市モデル
Column 1 ローマ・クアドラータ
2 レコンキスタからコンキスタへ
2—1 スペイン植民地帝国の成立
2—2 1492
Column 2 バスティード
3 拡大する「新世界」—発見,征服,植民
3—1 コンキスタドールの時代
3—2 コロンのインディアス事業
3—3 「新世界」探索
3—4 コンキスタドールと都市建設
Column 3 ラス・カサス
第II章 スペイン植民都市の空間理念とその形態
1 インディアス法と統治組織
1—1 インディアスの統治組織
1—2 インディアス法の形成
Column 4 スペイン植民都市計画と尺度
2 「フェリペII世の勅令」とスペイン植民都市モデル
2—1 「フェリペII世の勅令」
2—2 スペイン植民都市モデル
Column 5 ウィトルウィウス『建築十書』
3 スペイン植民都市の類型
3—1 スペイン植民都市地図
3—2 スペイン植民都市の類型
第III章 カリブ海ーサント・ドミンゴ・アウディエンシア
1 イスパニョーラ島のスペイン植民都市
1—1 イスパニョーラ島の概要
1—2 イスパニョーラ島の都市図
1—3 イスパニョーラ島の植民都市
2 最初のスペイン植民都市—サント・ドミンゴ
2—1 サント・ドミンゴの都市建設過程
2—2 ソーナ・コロニアルの空間構成
3 キューバのスペイン植民都市—ハト・コラル・システム
3—1 概要
3—2 キューバ・スペイン植民都市の類型
3—3 ハトとコラル—キューバにおける植民領域分割システム
4 スペイン植民都市の原像—ハバナ
4—1 ハバナの都市形成
4—2 ハバナ・ヴィエハの空間構成
4—3 ハバナ・ヴィエハの街区構成
4—4 ハバナ・ヴィエハの住居類型
5 キューバ・スペイン植民都市群像
5—1 ヌエヴァ・パス
5—2 サン・アントニオ・デ・ロス・バニョス
5—3 シエンフエゴス
5—4 カルデナス
第IV章 メソアメリカ—ヌエヴァ・エスパーニャ副王領
1 先スペイン期の都市
1—1 オルメカ
1—2 マヤ
1—3 サポテカ
1—4 テオティワカン
1—5 トルテカ
2 廃墟の上のエルサレム—メキシコ・シティ
2—1 テノチティトランの空間構成
2—2 シウダード・デ・メヒコの建設
2—3 ヌエヴァ・エスパーニャのスペイン植民都市
3 幻のインディオ共同体—アシエンダ
3—1 ヴァスコ・デ・キロガ
3—2 アシエンダ
Column 6 トマス・モア「ユートピア」
4 エスカンドンの都市
4—1 ホセ・デ・エスカンドン
4—2 ヌエヴォ・サンタンデール入植地の建設
4—3 ホセ・デ・エスカンドンの都市モデル
4—4 ホセ・デ・エスカンドンの都市の変容
第V章 アンデス—ペルー副王領
1 古代アンデスの都市
1—1 モチェ
1—2 ナスカ
1—3 ティワナク
1—4 ワリ
1—5 チムー
2 インカ帝国の聖都—クスコ
2—1 インカ帝国の都市
2—2 インカ帝国の征服と都市建設
2—3 インカ帝国の首都クスコ
2—4 スペイン植民都市クスコ
3 銀の帝都—ポトシ
3—1 ミタ労働制
3—2 ヴィジャ・インペリアル
3—3 銀経済圏
4 レドゥクシオン
4—1 イエズス会
4—2 レドゥクシオンの構成
Column 7 アントネッリ・ファミリー
5 王たちの都—リマ
5—1 ペルー副王領のスペイン植民都市
5—2 王都リマ
第VI章 フィリピン—マニラ・アウディエンシア
1 ラス・イスラス・フェリピナス
1—1 ポルトガルの海外進出
1—2 マニラ・ガレオン
1—3 マニラ・アウディエンシア
Column 8 最初の世界周航者
2 アジアへの橋頭堡—セブ
2—1 セブ島の植民地化
2—2 都市形成
2—3 中心街区の空間構成
2—4 初期都市計画
3 スペイン東インドの首都—マニラ
3—1 マニラの変遷
3—2 イントラムロスの空間構成
3—3 パリアンと日本町
4 バハイ・ナ・バトの都市—ヴィガン
4—1 ヴィジャ・フェルナンディナ
4—2 インディアス法とヴィガンの都市空間構成
4—3 バハイ・ナ・バトの類型
終 章
1 インディアス法—スペイン植民都市の理念モデル
2 ハト・コラル・システム—スペイン植民都市の原像
3 イデアとヴァリアント—スペイン植民都市の類型
4 インディアスとスペイン—布教と交易
5 アジアン・グリッド—都市とコスモロジー
6 アーバン・ティッシュ—街区と住居類型
Appendix 1 スペイン植民都市年表
Appendix 2 「インディアスの発見,植民,平定に関する新法令」
あとがき
参考文献
関連論文
索引
図表リスト
序 章
1 スペイン植民都市—グリッドとハト・コラル
2 ヒッポダモス—都市と国制をめぐる最初の議論
3 ミレトス—街区と基本尺度
4 コロニア—支配システムとしてのグリッド
5 理念と現実—変わるものと変わらないもの
第I章 スペイン植民都市の形成
1 スペイン植民都市の起源
1—1 イベリア半島における都市形成
1—2 イベリア半島の都市モデル
Column 1 ローマ・クアドラータ
2 レコンキスタからコンキスタへ
2—1 スペイン植民地帝国の成立
2—2 1492
Column 2 バスティード
3 拡大する「新世界」—発見,征服,植民
3—1 コンキスタドールの時代
3—2 コロンのインディアス事業
3—3 「新世界」探索
3—4 コンキスタドールと都市建設
Column 3 ラス・カサス
第II章 スペイン植民都市の空間理念とその形態
1 インディアス法と統治組織
1—1 インディアスの統治組織
1—2 インディアス法の形成
Column 4 スペイン植民都市計画と尺度
2 「フェリペII世の勅令」とスペイン植民都市モデル
2—1 「フェリペII世の勅令」
2—2 スペイン植民都市モデル
Column 5 ウィトルウィウス『建築十書』
3 スペイン植民都市の類型
3—1 スペイン植民都市地図
3—2 スペイン植民都市の類型
第III章 カリブ海ーサント・ドミンゴ・アウディエンシア
1 イスパニョーラ島のスペイン植民都市
1—1 イスパニョーラ島の概要
1—2 イスパニョーラ島の都市図
1—3 イスパニョーラ島の植民都市
2 最初のスペイン植民都市—サント・ドミンゴ
2—1 サント・ドミンゴの都市建設過程
2—2 ソーナ・コロニアルの空間構成
3 キューバのスペイン植民都市—ハト・コラル・システム
3—1 概要
3—2 キューバ・スペイン植民都市の類型
3—3 ハトとコラル—キューバにおける植民領域分割システム
4 スペイン植民都市の原像—ハバナ
4—1 ハバナの都市形成
4—2 ハバナ・ヴィエハの空間構成
4—3 ハバナ・ヴィエハの街区構成
4—4 ハバナ・ヴィエハの住居類型
5 キューバ・スペイン植民都市群像
5—1 ヌエヴァ・パス
5—2 サン・アントニオ・デ・ロス・バニョス
5—3 シエンフエゴス
5—4 カルデナス
第IV章 メソアメリカ—ヌエヴァ・エスパーニャ副王領
1 先スペイン期の都市
1—1 オルメカ
1—2 マヤ
1—3 サポテカ
1—4 テオティワカン
1—5 トルテカ
2 廃墟の上のエルサレム—メキシコ・シティ
2—1 テノチティトランの空間構成
2—2 シウダード・デ・メヒコの建設
2—3 ヌエヴァ・エスパーニャのスペイン植民都市
3 幻のインディオ共同体—アシエンダ
3—1 ヴァスコ・デ・キロガ
3—2 アシエンダ
Column 6 トマス・モア「ユートピア」
4 エスカンドンの都市
4—1 ホセ・デ・エスカンドン
4—2 ヌエヴォ・サンタンデール入植地の建設
4—3 ホセ・デ・エスカンドンの都市モデル
4—4 ホセ・デ・エスカンドンの都市の変容
第V章 アンデス—ペルー副王領
1 古代アンデスの都市
1—1 モチェ
1—2 ナスカ
1—3 ティワナク
1—4 ワリ
1—5 チムー
2 インカ帝国の聖都—クスコ
2—1 インカ帝国の都市
2—2 インカ帝国の征服と都市建設
2—3 インカ帝国の首都クスコ
2—4 スペイン植民都市クスコ
3 銀の帝都—ポトシ
3—1 ミタ労働制
3—2 ヴィジャ・インペリアル
3—3 銀経済圏
4 レドゥクシオン
4—1 イエズス会
4—2 レドゥクシオンの構成
Column 7 アントネッリ・ファミリー
5 王たちの都—リマ
5—1 ペルー副王領のスペイン植民都市
5—2 王都リマ
第VI章 フィリピン—マニラ・アウディエンシア
1 ラス・イスラス・フェリピナス
1—1 ポルトガルの海外進出
1—2 マニラ・ガレオン
1—3 マニラ・アウディエンシア
Column 8 最初の世界周航者
2 アジアへの橋頭堡—セブ
2—1 セブ島の植民地化
2—2 都市形成
2—3 中心街区の空間構成
2—4 初期都市計画
3 スペイン東インドの首都—マニラ
3—1 マニラの変遷
3—2 イントラムロスの空間構成
3—3 パリアンと日本町
4 バハイ・ナ・バトの都市—ヴィガン
4—1 ヴィジャ・フェルナンディナ
4—2 インディアス法とヴィガンの都市空間構成
4—3 バハイ・ナ・バトの類型
終 章
1 インディアス法—スペイン植民都市の理念モデル
2 ハト・コラル・システム—スペイン植民都市の原像
3 イデアとヴァリアント—スペイン植民都市の類型
4 インディアスとスペイン—布教と交易
5 アジアン・グリッド—都市とコスモロジー
6 アーバン・ティッシュ—街区と住居類型
Appendix 1 スペイン植民都市年表
Appendix 2 「インディアスの発見,植民,平定に関する新法令」
あとがき
参考文献
関連論文
索引