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プリミエ・コレクション 16
美と深層心理学
A5上製, 250 pages
ISBN: 9784876982288
pub. date: 06/12
- Price : JPY 2,800 (with tax: JPY 3,080)
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美に無意識はあるのか。至高の美へのとらわれ、醜形恐怖や摂食障害などの容姿への強迫的なこだわりから、芸術療法や箱庭療法、夢分析まで。美を病み、美に癒されることを深層心理学はまなざしうるのか。臨床事例や三島由紀夫の作品を通して、心理療法の立場から美の分析を行う。深層を拒む美の表層性とこころの関連が浮き彫りにされる。
東畑 開人(とうはた かいと)
1983年カナダ生まれ.博士(教育学)(京都大学,2010年).臨床心理士.2005年京都大学教育学部卒業,2010年京都大学大学院教育学研究科博士後期課程修了.現在,精神科診療所なかまクリニック心理士,沖縄国際大学非常勤講師.研究分野は力動的心理療法学・臨床心理学・医療人類学.
主要論文には,本書にも収録されている「葛藤の美的解決について」(『心理臨床学研究』),「玩具の存在論」(『箱庭療法学研究』)などの美に関わる論文と,「“Super-Vision”を病むこと」(『心理臨床学研究』29巻1号,2011年),「自己愛的に考えられた『自己愛』」(『心理臨床学研究』29巻3号,2011年)などの心理療法の諸概念を再考した論文がある.
1983年カナダ生まれ.博士(教育学)(京都大学,2010年).臨床心理士.2005年京都大学教育学部卒業,2010年京都大学大学院教育学研究科博士後期課程修了.現在,精神科診療所なかまクリニック心理士,沖縄国際大学非常勤講師.研究分野は力動的心理療法学・臨床心理学・医療人類学.
主要論文には,本書にも収録されている「葛藤の美的解決について」(『心理臨床学研究』),「玩具の存在論」(『箱庭療法学研究』)などの美に関わる論文と,「“Super-Vision”を病むこと」(『心理臨床学研究』29巻1号,2011年),「自己愛的に考えられた『自己愛』」(『心理臨床学研究』29巻3号,2011年)などの心理療法の諸概念を再考した論文がある.
まえがき—美を病むこと
序論 心理療法における美の問題
1 定義の確認
心理療法の定義/美の定義
2 美学の問い、心理療法の問い
美学の問い/古代ギリシアから中世までの美学/近代以降の美学/心理療法の問い
3 心理療法における美の研究
芸術の心理療法的研究/芸術の研究における美の欠如/美に焦点づけた研究
4 問題提起、フロイトのためらい
5 本書の問い—心理療法の認識論における美の困難
6 方法と本書の構成
第Ⅰ部 美と心理療法
1章 「偽の美」考
1 芸術療法と美
2 心理療法と美の背反性
3 偽の美
4 美の比較課題
5 三歳児の飛躍
6 二者関係から三者関係へ
7 超自我と自我理想
8 コモンセンスの方へ—カントの無人島
9 ふたたび、「偽の美」
10 まとめ
2章 醜から目を背ける
1 醜のモーメント
2 いくつかの先行研究と本章の問い
3 「アンナ・O嬢」と〝みじめなブロイアーの神話〟
4 「見難さ」から「目を背ける」
5 醜と「かたち」
6 モルフェーと「見つめ」
7 人間を見つめて
8 鑑賞的な態度
9 まとめ
3章 ともに眺めること
1 関係を繋ぐ美
2 風景と自然
3 抵抗・象徴・私
4 少年と窓の外—ある事例
5 ともに眺めることと外界
6 美のはかなさと意味
7 まとめ
4章 玩具の存在論
1 環境設定と美
2 仕掛けとしての玩具
3 空白のスクリーン—表現の視点
4 玩具は「遊び」についてくる
5 イメージの戯れ—「遊び」の視点
6 玩具の条件
7 美とモノの主体性
8 玩具の存在論
9 まとめ—フロイトの診察室
第Ⅰ部 美と心理療法 跋
第Ⅱ部 美のパーソナリティー
5章 美的身体と他者
1 身体の美的次元
2 先行研究
3 美的身体における他者の諸相
まなざしとしての他者/他者からの拒絶の不安/基準としての他者/
外部性としての他者/臨床群と一般群の分水嶺
4 まとめ—鏡と他者
6章 皮膚的な自己
1 美的身体と自己
2 三島由紀夫・柏木・舟木収
3 林檎の自意識
4 他者の反応—共感不全
5 Beauty is only skin deep
6 皮膚的な自己
7 まとめ
7章 唯美家と自己愛、死と表面
1 美によって生きること
2 唯美家と自己愛
3 自己愛的に考えられた自己愛
4 『金閣寺』という物語
5 疎外・ガラス・表面
6 死者との関係
7 美と関係
8 まとめ
第Ⅱ部 美のパーソナリティー 跋
第Ⅲ部 美の認識論
8章 美と深層心理学
1 まなざしと夢
2 芸術の研究に見られる美の位置づけ
3 二重写しのまなざし
4 美的体験と乳幼児の姿—対象関係論
5 美・表面・主体性—元型的心理学
6 まとめ—心理療法における美の問題
9章 表面をめぐる力動—葛藤の美的解決について
1 日本の心理療法
ローカルな視点/河合隼雄の美学—葛藤の美的解決/表面をめぐる力動
2 ある臨床事例
事例の概要(クライエントの語りのまとめ)/第一期「洞察・風景・沈黙」/
第二期「箱庭と夢の語り」/第三期「性の変容」/第四期「別離と論文—出生の反復」
3 表面をめぐる力動
洞察的なありようと美的なありよう/ケガレ・性・精神病—表面の障害/
清めのプロセスと転移/美的な次元の葛藤
4 まとめ
第Ⅲ部 美の認識論 跋
結論 美の問題系
1 外部性と表面性—本書のまとめ
2 美と表面の問題系
3 今後の課題
4 最後に—心理療法の知とは何か?
あとがき
初出一覧
参考文献
索引
序論 心理療法における美の問題
1 定義の確認
心理療法の定義/美の定義
2 美学の問い、心理療法の問い
美学の問い/古代ギリシアから中世までの美学/近代以降の美学/心理療法の問い
3 心理療法における美の研究
芸術の心理療法的研究/芸術の研究における美の欠如/美に焦点づけた研究
4 問題提起、フロイトのためらい
5 本書の問い—心理療法の認識論における美の困難
6 方法と本書の構成
第Ⅰ部 美と心理療法
1章 「偽の美」考
1 芸術療法と美
2 心理療法と美の背反性
3 偽の美
4 美の比較課題
5 三歳児の飛躍
6 二者関係から三者関係へ
7 超自我と自我理想
8 コモンセンスの方へ—カントの無人島
9 ふたたび、「偽の美」
10 まとめ
2章 醜から目を背ける
1 醜のモーメント
2 いくつかの先行研究と本章の問い
3 「アンナ・O嬢」と〝みじめなブロイアーの神話〟
4 「見難さ」から「目を背ける」
5 醜と「かたち」
6 モルフェーと「見つめ」
7 人間を見つめて
8 鑑賞的な態度
9 まとめ
3章 ともに眺めること
1 関係を繋ぐ美
2 風景と自然
3 抵抗・象徴・私
4 少年と窓の外—ある事例
5 ともに眺めることと外界
6 美のはかなさと意味
7 まとめ
4章 玩具の存在論
1 環境設定と美
2 仕掛けとしての玩具
3 空白のスクリーン—表現の視点
4 玩具は「遊び」についてくる
5 イメージの戯れ—「遊び」の視点
6 玩具の条件
7 美とモノの主体性
8 玩具の存在論
9 まとめ—フロイトの診察室
第Ⅰ部 美と心理療法 跋
第Ⅱ部 美のパーソナリティー
5章 美的身体と他者
1 身体の美的次元
2 先行研究
3 美的身体における他者の諸相
まなざしとしての他者/他者からの拒絶の不安/基準としての他者/
外部性としての他者/臨床群と一般群の分水嶺
4 まとめ—鏡と他者
6章 皮膚的な自己
1 美的身体と自己
2 三島由紀夫・柏木・舟木収
3 林檎の自意識
4 他者の反応—共感不全
5 Beauty is only skin deep
6 皮膚的な自己
7 まとめ
7章 唯美家と自己愛、死と表面
1 美によって生きること
2 唯美家と自己愛
3 自己愛的に考えられた自己愛
4 『金閣寺』という物語
5 疎外・ガラス・表面
6 死者との関係
7 美と関係
8 まとめ
第Ⅱ部 美のパーソナリティー 跋
第Ⅲ部 美の認識論
8章 美と深層心理学
1 まなざしと夢
2 芸術の研究に見られる美の位置づけ
3 二重写しのまなざし
4 美的体験と乳幼児の姿—対象関係論
5 美・表面・主体性—元型的心理学
6 まとめ—心理療法における美の問題
9章 表面をめぐる力動—葛藤の美的解決について
1 日本の心理療法
ローカルな視点/河合隼雄の美学—葛藤の美的解決/表面をめぐる力動
2 ある臨床事例
事例の概要(クライエントの語りのまとめ)/第一期「洞察・風景・沈黙」/
第二期「箱庭と夢の語り」/第三期「性の変容」/第四期「別離と論文—出生の反復」
3 表面をめぐる力動
洞察的なありようと美的なありよう/ケガレ・性・精神病—表面の障害/
清めのプロセスと転移/美的な次元の葛藤
4 まとめ
第Ⅲ部 美の認識論 跋
結論 美の問題系
1 外部性と表面性—本書のまとめ
2 美と表面の問題系
3 今後の課題
4 最後に—心理療法の知とは何か?
あとがき
初出一覧
参考文献
索引