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アメリカの日本占領復興期,基幹産業の一つであった綿紡績業。その復興はGHQが施行した独自の占領政策による帰結であった。公文書や当局者の発言を網羅した膨大な1次資料の渉猟に基づいて,10大紡を対象にその政策過程を精査し,歴史的因果関係を析出。戦後日本経済の原動力となる経済復興の淵源を探り,日本の占領史研究に光を当てる。
第8回政治経済学・経済史学会賞
『日本歴史』2013年11月号、131-133頁、評者:地引淳氏
大畑 貴裕(おおはた たかひろ)
1973年 静岡県生まれ
1999年 京都大学経済学部卒業
2008年 京都大学経済学研究科博士課程
単位取得退学
現在 京都大学博士(経済学)
京都大学経済学研究科非常勤講師など
1973年 静岡県生まれ
1999年 京都大学経済学部卒業
2008年 京都大学経済学研究科博士課程
単位取得退学
現在 京都大学博士(経済学)
京都大学経済学研究科非常勤講師など
まえがき
凡例
略字表
序論
第1節 研究方針—何を目的にしてどのように分析するか—
第2節 復興概念—「復興」をどのように捉えるか—
第3節 分析視角—産業支援的な占領政策への着目—
第4節 先行研究の検討
第5節 GHQの基本方針とGHQ官僚の3類型
第6節 重点的な研究対象と本書の構成
第1章 日本綿紡績業に関する政策形成システム
はじめに
第1節 ESS繊維課の設立
第2節 ESS繊維課の任務規程と組織・人事の変遷
1.1946年6月19日付の任務規程
2.1948年4月16日付の任務規程
3.1948年8月11日付の任務規程
4.1949年8月22日付の任務規程
5.ESS繊維課解散後の繊維産業の主官部署
第3節 綿紡績業に関する政策形成システムの実態
1.ESS内部の政策形成に関する規程
2.書面による接触とESS繊維課への統計情報の定期的な提出
3.ESS繊維課と日本側の対面での接触
おわりに
第2章 日本綿紡績業に対するGHQの生産設備管理政策の形成と廃止
はじめに
第1節 生産設備管理政策の形成
1.10大紡の設備復元計画と「繊維産業再建3ヶ年計画」の提出
2.400万錘枠の形成過程
(1)1946年10月の会合と報告書の作成
(2)ESS内および日本側との調整とSCAPIN—1512の策定
3.10大紡の現有設備に関する指令の策定
(1)復元融資の許可
(2)10大紡現有設備の保有継続の許可と新規参入問題
4.新紡の参入許可
5.化繊工業と羊毛工業に対する生産設備管理政策の形成
(1)化繊工業に対する生産設備管理政策
(2)羊毛工業に対する生産設備管理政策
6.日本政府の対応
第2節 生産設備管理政策のその後の推移と廃止
1.GHQの対応と10大紡各社の綿紡機復元
(1)1949年までの生産設備管理政策の推移
(2)10大紡各社の復元状況
2.生産設備管理政策の廃止
(1)拡大もしくは撤廃に対する日本側の要望
(2)廃止までの経過
おわりに
第3章 占領復興期前半期における日本綿紡績業を中心とする統制体制
はじめに
第1節 棉花の輸入と統制体制の構築
1.日本側の棉花輸入の申請とGHQの米国政府との折衝
2.国務省の動向と繊維使節団の訪日
3.CCC棉協定の締結とCCCグループ1棉
4.米棉の取扱いに関する統制体制の形成
5.1947年の棉花調達
(1)CCCグループ2棉
(2)印棉とエジプト棉の調達
(3)USCCの輸出業務からの離脱とCCC棉協定の解消
6.統制体制の改変
7.1948年以降の棉花調達
(1)OJEIRFとPL820
(2)印棉の調達
第2節 綿製品の生産
1.1946年における生産促進策の実施
2.1947年の操業短縮と復元促進策
3.1948年の操業短縮
第3節 綿製品の配分
1.輸出向けと国内向け
2.国内向けにおける配給先
(1)生産資材用
(2)民生用
(3)占領軍向け
第4節 米棉借款の返済と統制体制の解消
第5節 統制体制の下での10大紡の収益
第4章 10大紡に対する集中排除政策の実施過程
はじめに
第1節 集排政策の実施過程の概要
第2節 ESS反トラスト課による10大紡への集排政策の始動
第3節 1948年8月頃までの日本側の陳情とESS反トラスト課の反論
第4節 ESS繊維課の動向とESS反トラスト課との対立
第5節 ESS反トラスト課の繊維総合経営の解体の理由
第6節 DRBとその審査に影響を与えた副次的要因
第7節 DRBの勧告
おわりに
第5章 占領復興期における10大紡の経営戦略
はじめに
第1節 戦時期の綿紡績企業の企業経営の概要
1.10大紡の形成と多角化の進展
2.10大紡の収益源
第2節 占領復興期前半期の企業経営と経営戦略の策定
1.敗戦時から1946年頃までの復元計画と新経営陣
2.占領復興期前半期における10大紡の経営戦略の策定
(1)1948年3月頃までの経営戦略
(2)10大紡各社の経営戦略の確定
第3節 占領復興期後半期の経営戦略
1.生産設備の推移と経営戦略
2.経営戦略が保持された要因
(1)売上額と収益
(2)需要の見通し
(3)経営者の特性
おわりに
結論
1 米国政府と日本側の間におけるGHQの役割
2 GHQの占領政策と日本側の対応
あとがき
注
資料・参考文献
凡例
略字表
序論
第1節 研究方針—何を目的にしてどのように分析するか—
第2節 復興概念—「復興」をどのように捉えるか—
第3節 分析視角—産業支援的な占領政策への着目—
第4節 先行研究の検討
第5節 GHQの基本方針とGHQ官僚の3類型
第6節 重点的な研究対象と本書の構成
第1章 日本綿紡績業に関する政策形成システム
はじめに
第1節 ESS繊維課の設立
第2節 ESS繊維課の任務規程と組織・人事の変遷
1.1946年6月19日付の任務規程
2.1948年4月16日付の任務規程
3.1948年8月11日付の任務規程
4.1949年8月22日付の任務規程
5.ESS繊維課解散後の繊維産業の主官部署
第3節 綿紡績業に関する政策形成システムの実態
1.ESS内部の政策形成に関する規程
2.書面による接触とESS繊維課への統計情報の定期的な提出
3.ESS繊維課と日本側の対面での接触
おわりに
第2章 日本綿紡績業に対するGHQの生産設備管理政策の形成と廃止
はじめに
第1節 生産設備管理政策の形成
1.10大紡の設備復元計画と「繊維産業再建3ヶ年計画」の提出
2.400万錘枠の形成過程
(1)1946年10月の会合と報告書の作成
(2)ESS内および日本側との調整とSCAPIN—1512の策定
3.10大紡の現有設備に関する指令の策定
(1)復元融資の許可
(2)10大紡現有設備の保有継続の許可と新規参入問題
4.新紡の参入許可
5.化繊工業と羊毛工業に対する生産設備管理政策の形成
(1)化繊工業に対する生産設備管理政策
(2)羊毛工業に対する生産設備管理政策
6.日本政府の対応
第2節 生産設備管理政策のその後の推移と廃止
1.GHQの対応と10大紡各社の綿紡機復元
(1)1949年までの生産設備管理政策の推移
(2)10大紡各社の復元状況
2.生産設備管理政策の廃止
(1)拡大もしくは撤廃に対する日本側の要望
(2)廃止までの経過
おわりに
第3章 占領復興期前半期における日本綿紡績業を中心とする統制体制
はじめに
第1節 棉花の輸入と統制体制の構築
1.日本側の棉花輸入の申請とGHQの米国政府との折衝
2.国務省の動向と繊維使節団の訪日
3.CCC棉協定の締結とCCCグループ1棉
4.米棉の取扱いに関する統制体制の形成
5.1947年の棉花調達
(1)CCCグループ2棉
(2)印棉とエジプト棉の調達
(3)USCCの輸出業務からの離脱とCCC棉協定の解消
6.統制体制の改変
7.1948年以降の棉花調達
(1)OJEIRFとPL820
(2)印棉の調達
第2節 綿製品の生産
1.1946年における生産促進策の実施
2.1947年の操業短縮と復元促進策
3.1948年の操業短縮
第3節 綿製品の配分
1.輸出向けと国内向け
2.国内向けにおける配給先
(1)生産資材用
(2)民生用
(3)占領軍向け
第4節 米棉借款の返済と統制体制の解消
第5節 統制体制の下での10大紡の収益
第4章 10大紡に対する集中排除政策の実施過程
はじめに
第1節 集排政策の実施過程の概要
第2節 ESS反トラスト課による10大紡への集排政策の始動
第3節 1948年8月頃までの日本側の陳情とESS反トラスト課の反論
第4節 ESS繊維課の動向とESS反トラスト課との対立
第5節 ESS反トラスト課の繊維総合経営の解体の理由
第6節 DRBとその審査に影響を与えた副次的要因
第7節 DRBの勧告
おわりに
第5章 占領復興期における10大紡の経営戦略
はじめに
第1節 戦時期の綿紡績企業の企業経営の概要
1.10大紡の形成と多角化の進展
2.10大紡の収益源
第2節 占領復興期前半期の企業経営と経営戦略の策定
1.敗戦時から1946年頃までの復元計画と新経営陣
2.占領復興期前半期における10大紡の経営戦略の策定
(1)1948年3月頃までの経営戦略
(2)10大紡各社の経営戦略の確定
第3節 占領復興期後半期の経営戦略
1.生産設備の推移と経営戦略
2.経営戦略が保持された要因
(1)売上額と収益
(2)需要の見通し
(3)経営者の特性
おわりに
結論
1 米国政府と日本側の間におけるGHQの役割
2 GHQの占領政策と日本側の対応
あとがき
注
資料・参考文献