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『ロビンソン・クルーソー』の著者として旺盛な文筆を奮い,日本の経済史家にも多大な影響を与えたダニエル・デフォー。イングランドを重心の一つとするブリテンは,彼の生きた時代にヨーロッパ政治経済を左右する大国へと変貌を遂げた。それはどのように生じたのか。初期近代を時代背景におきつつ,事実認識に傾注した綿密な思想史学。
『経済学史研究』55-1(2013年7月号)、124-125頁、評者:古家弘幸氏
林 直樹(はやし なおき)
1982年 鳥取県生まれ
2005年 慶應義塾大学経済学部卒業
2010年 京都大学大学院経済学研究科博士後期課程学修認定退学
2011年 京都大学博士(経済学)
現在 京都大学大学院経済学研究科・関西大学・京都精華大学非常勤講師
専攻
社会思想史・経済学説史
業績
単著論文:Defoe and the Principle of Trade(The Kyoto Economic Review第79巻第1号),「デフォーと合邦のレトリック」(『経済学史研究』第53巻第1号)ほか
共訳:ライオネル・ロビンズ『一経済学者の自伝』(ミネルヴァ書房,2009年)ほか
1982年 鳥取県生まれ
2005年 慶應義塾大学経済学部卒業
2010年 京都大学大学院経済学研究科博士後期課程学修認定退学
2011年 京都大学博士(経済学)
現在 京都大学大学院経済学研究科・関西大学・京都精華大学非常勤講師
専攻
社会思想史・経済学説史
業績
単著論文:Defoe and the Principle of Trade(The Kyoto Economic Review第79巻第1号),「デフォーと合邦のレトリック」(『経済学史研究』第53巻第1号)ほか
共訳:ライオネル・ロビンズ『一経済学者の自伝』(ミネルヴァ書房,2009年)ほか
はじめに
第1章 デフォー研究と初期近代ブリテン社会思想
Ⅰ デフォー評価の変遷
Ⅱ 大塚久雄のデフォー研究
1 デフォー『イングランド経済の構図』と局地的市場圏
2 ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
3 スミスの「見えざる手」
Ⅲ 消費社会のヴィジョン
1 ヒュームの連続的影響説
2 商業革命という視座
Ⅳ デフォーの商業論
1 高賃金論
2 イングランド製品の質的優位とその国際競争力
3 小林昇の評価
4 『完全なるイングランド商人』の改作
Ⅴ 歴史内在的方法
第2章 デフォーと非国教徒学院
Ⅰ はじめに
Ⅱ 非国教徒学院の誕生
1 伝統的教育制度の改革
2 ホッブズの大学批判とスミス
3 非国教徒学院の設立と展開
Ⅲ デフォーとモートン
1 「長老派信徒」デフォー
2 モートンの非国教徒学院
3 ウェズリの学院批判
4 モートン『一論』
Ⅳ デフォー『企業論』における商業と女性
1 デフォーとフランクリン
2 商業論
3 英語教育論と軍事教育論
4 女性教育論
Ⅴ 結び
第3章 デフォーの社会思想(1698年—1701年)
Ⅰ はじめに
Ⅱ 財政金融革命
1 土地税と公信用
2 交易委員会
3 貨幣改鋳論争
4 財務府証券と国立土地銀行
Ⅲ 常備軍論争
Ⅳ ケント州請願
1 下院と上院の対立
2 ケント州請願事件
3 デフォーの『権利』
Ⅴ 結び
第4章 デフォーの社会思想(1702年—04年)
Ⅰ 筆禍事件
1 高教会派トーリの勢力伸張
2 サシェヴェレルとレズリ
3 『最も手間のかからない非国教徒対策』
4 デフォーの便宜的国教会遵奉批判
5 筆禍
Ⅱ 商業の原理
1 デフォーと穏健派トーリ政権
2 高教会派の後退と付加動議
3 マックワースの救貧法案
4 『施しは慈善にあらず』
5 『レヴュー』における救貧法案批判
6 プロテスタントと商業
Ⅲ 結び
第5章 デフォーと合邦のレトリック
Ⅰ はじめに
1 本章の目的
2 デフォーとフレッチャー
Ⅱ 『合邦史』の成立
Ⅲ 『合邦史』の諸論説
Ⅳ ダリエン計画をめぐって
Ⅴ グレンコー事件と王位継承問題
Ⅵ ウスター号事件が語るもの
Ⅶ 外国人法の撤廃と「見えざる手」
Ⅷ 結び
結びにかえて
Ⅰ 国王観
Ⅱ 蔵書
Ⅲ 三位一体主義
あとがき
参考文献
関連地図
関連年表
事項索引
人名索引
第1章 デフォー研究と初期近代ブリテン社会思想
Ⅰ デフォー評価の変遷
Ⅱ 大塚久雄のデフォー研究
1 デフォー『イングランド経済の構図』と局地的市場圏
2 ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
3 スミスの「見えざる手」
Ⅲ 消費社会のヴィジョン
1 ヒュームの連続的影響説
2 商業革命という視座
Ⅳ デフォーの商業論
1 高賃金論
2 イングランド製品の質的優位とその国際競争力
3 小林昇の評価
4 『完全なるイングランド商人』の改作
Ⅴ 歴史内在的方法
第2章 デフォーと非国教徒学院
Ⅰ はじめに
Ⅱ 非国教徒学院の誕生
1 伝統的教育制度の改革
2 ホッブズの大学批判とスミス
3 非国教徒学院の設立と展開
Ⅲ デフォーとモートン
1 「長老派信徒」デフォー
2 モートンの非国教徒学院
3 ウェズリの学院批判
4 モートン『一論』
Ⅳ デフォー『企業論』における商業と女性
1 デフォーとフランクリン
2 商業論
3 英語教育論と軍事教育論
4 女性教育論
Ⅴ 結び
第3章 デフォーの社会思想(1698年—1701年)
Ⅰ はじめに
Ⅱ 財政金融革命
1 土地税と公信用
2 交易委員会
3 貨幣改鋳論争
4 財務府証券と国立土地銀行
Ⅲ 常備軍論争
Ⅳ ケント州請願
1 下院と上院の対立
2 ケント州請願事件
3 デフォーの『権利』
Ⅴ 結び
第4章 デフォーの社会思想(1702年—04年)
Ⅰ 筆禍事件
1 高教会派トーリの勢力伸張
2 サシェヴェレルとレズリ
3 『最も手間のかからない非国教徒対策』
4 デフォーの便宜的国教会遵奉批判
5 筆禍
Ⅱ 商業の原理
1 デフォーと穏健派トーリ政権
2 高教会派の後退と付加動議
3 マックワースの救貧法案
4 『施しは慈善にあらず』
5 『レヴュー』における救貧法案批判
6 プロテスタントと商業
Ⅲ 結び
第5章 デフォーと合邦のレトリック
Ⅰ はじめに
1 本章の目的
2 デフォーとフレッチャー
Ⅱ 『合邦史』の成立
Ⅲ 『合邦史』の諸論説
Ⅳ ダリエン計画をめぐって
Ⅴ グレンコー事件と王位継承問題
Ⅵ ウスター号事件が語るもの
Ⅶ 外国人法の撤廃と「見えざる手」
Ⅷ 結び
結びにかえて
Ⅰ 国王観
Ⅱ 蔵書
Ⅲ 三位一体主義
あとがき
参考文献
関連地図
関連年表
事項索引
人名索引