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危機言語

言語の消滅でわれわれは何を失うのか

ニコラス・エヴァンズ 著/大西正幸・長田俊樹・森 若葉 訳

A5上製, 522 pages

ISBN: 9784876982097

pub. date: 02/13

  • Price : JPY 5,200 (with tax: JPY 5,720)
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内容

次世紀には6000以上もの言語が、記録されることもなく消滅するのではないかと危惧される中で、著者は世界各地に赴いて、その土地の言語を収録し、体系化する試みをおこなっている。ともすればヨーロッパ中心主義に陥りがちな言語学を、幅広いフィールドワークに基づく研究を通じて再考するために、本書は絶好の機会を提供している。

書評

『週刊ポスト』2013.5.31号、評者:井上章一氏
『週刊読書人』2013.5.24、評者:佐藤暢治氏

プロフィール

[著者略歴]
ニコラス・エヴァンズ(Nicholas Evans)
 オーストラリア国立大学 アジア太平洋研究所 文化歴史言語学部言語学科主任教授。
アメリカ・カリフォルニア生まれ。オーストラリア国立大学で博士号を取得。メルボルン大学を経て,2008年から現職。専門は,言語学,言語類型論。
 著書は,A Grammar of Kayardild, Mouton de Gruyter, Berlin (1995), Bininj Gun-wok: a pan-dialectal grammar of Mayali, Kunwinjku and Kune, Pacific Linguistics, Canberra (2003)など,オーストラリア先住民言語の文法書が多数ある。

翻訳者紹介
大西 正幸(おおにし まさゆき)
【担当箇所:プロローグ,第1部,第2部,第4部,訳者解題】
東京出身。東京大学英語英米文学科卒。オーストラリア国立大学(ANU) 文学部言語学科にてPh.D.取得。R.M.W. Dixon 主宰のRCLT(Research Centre for Linguistic Typlogy)助手,名桜大学(沖縄県)教授,Max-Planck-Institut (Leipzig)客員研究員,総合地球環境学研究所上級研究員などを経て,現在は地球研の外来研究員。専門は文学・言語学。
著書は,A Grammar of Motuna (Lincom Europa), Language Atlas of South Asia (Harvard University, 共編共著), Non-canonical Marking of Subjects and Objects (John Benjamins, 共編共著)など。また,モハッシェタ・デビ著「ジャグモーハンの死」(めこん社),タゴール著「家と世界」(第三文明社)など,ベンガル文学の翻訳書多数。
長田 俊樹(おさだ としき)
【担当箇所:日本語序文,第5部,エピローグ,著者自伝,あとがき】
総合地球環境学研究所名誉教授及び客員教授。
神戸市生まれ。北海道大学文学部卒。インド・ラーンチー 大学博士課程修了(Ph.D.)。国際日本文化研究センター助手,京都造形芸術大学教授を経て,2003年10月から2012年9月まで総合地球環境学研究所教授。専門は,言語学。
著書は,A Reference Grammar of Mundari (東京外国語大学アジアアフリカ言語文化研究所),『新インド学』(角川叢書),『ムンダ人の農耕文化と食事文化:民族言語学的考察』(国際日本文化研究センター)など多数。翻訳・監訳書にベルウッド著『農耕起源の人類史』(京都大学学術出版会)
森 若葉(もり わかは)
【担当箇所:第3部】
神戸市出身。京都大学文学部文学科言語学専攻卒。文学博士。
総合地球環境学研究所上級研究員などを経て,現在は,国士舘大学イラク古代文化研究所研究員。専門は,シュメール学・楔形文字学・言語学。
訳書に,ベルウッド著・長田俊樹他監訳『農耕起源の人類史』(京都大学学術出版会)(第9章,第10章を担当)ほかがある。

目次

日本語版序文
謝 辞
言語学資料の表記について

プロローグ

第1部 バベルの図書館
 第1章 ウォラムルングンジの子孫たち
 第2章 4000年を経てついに
第2部 さまざまな言語の饗宴
 第3章 言葉のガラパゴス諸島
 第4章 ぼくの心の中の君の心 ――文法における社会的認知
第3部 古代の言語景観のかすかな痕跡 ――言語の古代史
 第5章 共通の源から発して
 第6章 「言語圏」への旅 ――古代の言葉を古代の世界につなぐ
 第7章 解読の鍵―生きた言語から忘れられた文字を解き明かす
第4部 言語・文化・思考の共進化 ――互いにたかめあいながら
 第8章 精神の仕立て棚 ――言語が思考を訓練する
 第9章 韻文と口承文芸の編み出すもの
第5部 言語消滅の前に,聞けるうちに聞こう
 第10章 言葉を新しくしながら

エピローグ 大地にすわり,天空に立つ
言語学者になることもなく ――ニコラス・エヴァンズ

訳者解題
参照文献表
巻末地図
あとがき
索 引
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