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北米の森は何故かくも美しいのか? そこには収奪的林業と開墾によって壊滅寸前であった森を再生させていった人々の百年にわたる活動がある。その中心となった農務省森林局が、初代長官以来培ってきた思想と技術の歴史を追うことで、人と森の関係、さらには公共の福利と国民の自由との関係のあるべき様を探る。 平成14年度日本林学会賞受賞
平成14年度日本林学会賞 受賞
『農業と経済』66巻9号、評者:北尾邦伸氏
大田伊久雄(おおた いくお)
京都大学大学院農学研究科生物資源経済学専攻助手。京都大学博士(農学)。
1960年 三重県生まれ。
1979年 滋賀県立膳所高等学校卒業。
1984年 北海道大学理学部物理学科卒業。
1986年 北海道大学大学院工学研究科生体工学専攻修了。
1986年~1989年 松下電器産業㈱技術本部開発研究所勤務。
1992年 オレゴン州立大学森林学部大学院森林資源学専攻修了。
1992年~ 京都大学農学部農林経済学科助手。
改組によって現職。
主な著訳書
『アメリカ林業と環境問題』(1998)村嶌由直編;共著。日本経済評論社。
『森林経済学とその政策への応用』(1996)W・F・ハイド,D・H・ニューマン著;大田伊久雄訳。日本林業調査会。
京都大学大学院農学研究科生物資源経済学専攻助手。京都大学博士(農学)。
1960年 三重県生まれ。
1979年 滋賀県立膳所高等学校卒業。
1984年 北海道大学理学部物理学科卒業。
1986年 北海道大学大学院工学研究科生体工学専攻修了。
1986年~1989年 松下電器産業㈱技術本部開発研究所勤務。
1992年 オレゴン州立大学森林学部大学院森林資源学専攻修了。
1992年~ 京都大学農学部農林経済学科助手。
改組によって現職。
主な著訳書
『アメリカ林業と環境問題』(1998)村嶌由直編;共著。日本経済評論社。
『森林経済学とその政策への応用』(1996)W・F・ハイド,D・H・ニューマン著;大田伊久雄訳。日本林業調査会。
序 章 本書の課題設定と先行研究
I アメリカの森林景観はなぜかくも美しいのか?
国有林と国立公園/森林局が管理する国有林/国有林の憂鬱
II 本書の構成と視点
本書の構成/国有林管理理念の追求/歴代長官の足跡を追う/
略奪の歴史/アメリカ人的なアウトドアレクリエーション観
III この分野における先行研究と本書の特徴
日本におけるアメリカ国有林研究/合州国における国有林の歴史研究
第1章 国有林成立の過程(~一八九七年)
I 連邦政府の公地政策
土地政策の始まり/払い下げの進展と問題点
II 森林の減少と自然保護運動の台頭
森林資源の荒廃/自然保護思想の芽吹き/連邦政府の動き
III 連邦政府による森林政策の幕開け
ハフによる森林部の創設/ファーノウの活躍/保留林法の成立/
基本法の成立
第2章 ピンショー初代長官と森林局の成立(一八九八~一九一〇年)
I 組織の整備と業務内容の充実
ピンショーの森林部長への就任/セオドア=ローズベルト大統領の就任
と森林局への格上げ/賢明な利用
II 保留林の農務省移管と森林局の誕生
保留林移管法の成立/フォレストサービスへの改称と分権体制の確立
III 国有林の拡大と管理体制の整備
理想のレンジャー像の追求/「真夜中の保留林」/放牧地問題への着手
/組織整備の進展
第3章 国有林の維持と拡大(一九一一~一九二八年)
I 森林局に対する外圧の高まり
国有林の払い下げ要求と不正取得問題/西部諸州からの譲渡要求/
人員の拡大と経営の効率化
II レクリエーション事業と国立公園局の創設問題
国立公園運動の活発化/森林局によるレクリエーション政策の始動/
国立公園局の誕生と森林局との確執
III 国有林の東部への展開、州政府との協力体制、研究組織の整備
ウィークス法/カッパーレポートとクラーク=マクナリー法/研究
部門の充実
IV グリーリー長官の国有林管理政策
防火対策やアラスカ問題でのグリーリーの活躍/レクリエーション
政策/森林における経済分析の重要性
第4章 ニューディール政策下の森林管理(一九二九~一九四四年)
I CCCによる森林の改良
大恐慌とニューディール政策/コープランドレポート/CCCの成果/
シェルターベルト計画とTVA
II 私有林規制問題の再燃
規制問題の枠組み/文書Xと木材コード/いくつかの重要な法律
III 放牧問題と統廃合問題
テーラー放牧法/「保全省」創設計画
第5章 木材増産体制の確立(一九四五~一九六〇年)
I 施業規制問題の終結
戦後の森林資源状況に関する二つの報告書/木材産業の抵抗とアイ
ゼンハワー共和党政権の成立
II 木材増産とレクリエーション需要の拡大
引き続く放牧利用問題/戦後の経済成長と木材需要の拡大/国有林
における木材増産を支えた要因/レクリエーション需要の伸長
III 多目的利用・保続収穫法の成立
木材業界および国立公園局との摩擦/多目的利用・保続収穫法/国
有林における多目的利用の推進状況
第6章 木材生産の推進と環境保護運動(一九六一~一九八五年)
I 木材生産と皆伐論争
クリフ・マクガイヤー両長官の下での木材生産活動の伸展/一斉林
管理と皆伐施業/ビタールート国有林およびトンガス国有林での論
争/モノンガヒーラ国有林における敗訴
II 国有林におけるウィルダネス地域の指定からウィルダネス法へ
国有林ウィルダネス制度の展開/ウィルダネス立法化への環境保護
団体の動き/ウィルダネス保護システムの拡大
III 環境保護と国有林管理に関する立法化の波
優れた景観や稀少な生物を後世に残すための保護法/良好な自然環
境を汚染から守るための規制法/自然資源に関する管理・計画法
IV 費用以下での木材販売問題
木材販売に関する疑問の提起/森林局の見解
第7章 エコシステムマネージメントの到来(一九八六年~)
I マダラフクロウとオールドグロース林の保護問題
マダラフクロウ問題の提起/森林局の初期の対応とその限界/法廷
闘争と絶滅の恐れのある種への指定/クリントン政権による解決策
の提示
II エコシステムマネージメント
ニューフォレストリーの登場/エコシステムマネージメントの概念
/エコシステムマネージメント導入の現況/今後の課題
III 森林局と国有林システムの現況
森林局の近年の事業実績/森林局組織の現状と変化
終 章 「国民のための森林」管理の評価と展望
I 森林局における国有林管理の時代的変遷
II 変貌する森林局とその未来
付 録 アメリカ国有林に関する主要な出来事および歴代長官在任期間の年表
引用文献
あとがき
索 引
英文目次および要約
I アメリカの森林景観はなぜかくも美しいのか?
国有林と国立公園/森林局が管理する国有林/国有林の憂鬱
II 本書の構成と視点
本書の構成/国有林管理理念の追求/歴代長官の足跡を追う/
略奪の歴史/アメリカ人的なアウトドアレクリエーション観
III この分野における先行研究と本書の特徴
日本におけるアメリカ国有林研究/合州国における国有林の歴史研究
第1章 国有林成立の過程(~一八九七年)
I 連邦政府の公地政策
土地政策の始まり/払い下げの進展と問題点
II 森林の減少と自然保護運動の台頭
森林資源の荒廃/自然保護思想の芽吹き/連邦政府の動き
III 連邦政府による森林政策の幕開け
ハフによる森林部の創設/ファーノウの活躍/保留林法の成立/
基本法の成立
第2章 ピンショー初代長官と森林局の成立(一八九八~一九一〇年)
I 組織の整備と業務内容の充実
ピンショーの森林部長への就任/セオドア=ローズベルト大統領の就任
と森林局への格上げ/賢明な利用
II 保留林の農務省移管と森林局の誕生
保留林移管法の成立/フォレストサービスへの改称と分権体制の確立
III 国有林の拡大と管理体制の整備
理想のレンジャー像の追求/「真夜中の保留林」/放牧地問題への着手
/組織整備の進展
第3章 国有林の維持と拡大(一九一一~一九二八年)
I 森林局に対する外圧の高まり
国有林の払い下げ要求と不正取得問題/西部諸州からの譲渡要求/
人員の拡大と経営の効率化
II レクリエーション事業と国立公園局の創設問題
国立公園運動の活発化/森林局によるレクリエーション政策の始動/
国立公園局の誕生と森林局との確執
III 国有林の東部への展開、州政府との協力体制、研究組織の整備
ウィークス法/カッパーレポートとクラーク=マクナリー法/研究
部門の充実
IV グリーリー長官の国有林管理政策
防火対策やアラスカ問題でのグリーリーの活躍/レクリエーション
政策/森林における経済分析の重要性
第4章 ニューディール政策下の森林管理(一九二九~一九四四年)
I CCCによる森林の改良
大恐慌とニューディール政策/コープランドレポート/CCCの成果/
シェルターベルト計画とTVA
II 私有林規制問題の再燃
規制問題の枠組み/文書Xと木材コード/いくつかの重要な法律
III 放牧問題と統廃合問題
テーラー放牧法/「保全省」創設計画
第5章 木材増産体制の確立(一九四五~一九六〇年)
I 施業規制問題の終結
戦後の森林資源状況に関する二つの報告書/木材産業の抵抗とアイ
ゼンハワー共和党政権の成立
II 木材増産とレクリエーション需要の拡大
引き続く放牧利用問題/戦後の経済成長と木材需要の拡大/国有林
における木材増産を支えた要因/レクリエーション需要の伸長
III 多目的利用・保続収穫法の成立
木材業界および国立公園局との摩擦/多目的利用・保続収穫法/国
有林における多目的利用の推進状況
第6章 木材生産の推進と環境保護運動(一九六一~一九八五年)
I 木材生産と皆伐論争
クリフ・マクガイヤー両長官の下での木材生産活動の伸展/一斉林
管理と皆伐施業/ビタールート国有林およびトンガス国有林での論
争/モノンガヒーラ国有林における敗訴
II 国有林におけるウィルダネス地域の指定からウィルダネス法へ
国有林ウィルダネス制度の展開/ウィルダネス立法化への環境保護
団体の動き/ウィルダネス保護システムの拡大
III 環境保護と国有林管理に関する立法化の波
優れた景観や稀少な生物を後世に残すための保護法/良好な自然環
境を汚染から守るための規制法/自然資源に関する管理・計画法
IV 費用以下での木材販売問題
木材販売に関する疑問の提起/森林局の見解
第7章 エコシステムマネージメントの到来(一九八六年~)
I マダラフクロウとオールドグロース林の保護問題
マダラフクロウ問題の提起/森林局の初期の対応とその限界/法廷
闘争と絶滅の恐れのある種への指定/クリントン政権による解決策
の提示
II エコシステムマネージメント
ニューフォレストリーの登場/エコシステムマネージメントの概念
/エコシステムマネージメント導入の現況/今後の課題
III 森林局と国有林システムの現況
森林局の近年の事業実績/森林局組織の現状と変化
終 章 「国民のための森林」管理の評価と展望
I 森林局における国有林管理の時代的変遷
II 変貌する森林局とその未来
付 録 アメリカ国有林に関する主要な出来事および歴代長官在任期間の年表
引用文献
あとがき
索 引
英文目次および要約