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学術選書 112

自然に学ぶ「甘くない」共生論

椿 宜高

四六並製, 330 pages

ISBN: 9784814004935

pub. date: 07/23

  • Price : JPY 2,200 (with tax: JPY 2,420)
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内容

幼少期から学校で環境教育を受けてきた現代日本人にとって、「生物多様性」や「自然との共生」はもはや日常的な言葉となった。しかし現実の社会を見渡すと、ヒトにとって必ずしも平和的でない生物たちとの関係から目を背けた甘い議論が横行している。ヒトが幸福になるためには、それでは不十分なのではないか? 本書はヒトと生物の共生のあり方を冷徹な目で見つめる「甘くない」共生論である。

プロフィール

椿 宜高(つばき よしたか)
京都大学名誉教授
1948年福岡県に生まれる。九州大学大学院理学研究科博士課程中退(理学博士)。九州大学理学部助手、名古屋大学農学部助手、国立環境研究所上席研究官、東京大学農学生命科学研究科教授、京都大学生態学研究センター教授、センター長を歴任。2013年定年退職の後、京都産業大学講師、個体群生態学会会長、Worldwide Dragonfly Association会長などを歴任。

【主な著書】
『トンボの繁殖システムと社会構造』(共著、東海大学出版会、1987年)、“The ecology and evolutionary biology of swallowtail butterflies”(共編著、Scientific Publishers、1995年)、『熱帯林の減少―地球環境の行方』(共著、中央法規出版、1996年)、『新しい地球環境学』(分担執筆、古今書院、2000年)、『蝶の自然史―行動と生態の進化学』(分担執筆、北海道大学出版会、2000年)、『新たな保全と管理を考える(シリーズ群集生態学 6)』(共編著、京都大学学術出版会、2009年)、『地球環境と保全生物学(現代生物科学入門 6)』(共著、岩波書店、2010年)

目次

はじめに

第I部 「甘くない」共生とは?
第1章 成長の限界を超えた世界で
第2章 ゆれ動く恒常性
第3章 「持続可能な開発」論の危うさ
第4章 互恵社会の光と陰

第II部 オスとメスの共生
第5章 進化が生んだ「性」と「死」
第6章 多様なオスとメスの関係
第7章 「母性本能」神話からの脱却
第8章 …子育て生態の不思議

第III部 ヒトと自然の共生
第9章 科学的生物分類が保全を妨げる?
第10章 好かれる外来種、嫌われる外来種
第11章 絶滅種の復活は必要か?
第12章 動物との対話で探る共生への道
第13章 家畜化という進化
第14章 家畜化はどこまで許されるか
第15章 サルをヒトにした淘汰圧
第16章 ヒトの進化は感染症と共に

第IV部 人新世―変化する共生
第17章 人口爆発はなぜ起きたのか
第18章 ヒトの進化とニッチ争奪戦
第19章 薄氷の人新世を生き延びるために

参考文献
生物・生物グループ名索引
人名索引
事項索引
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