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誰もがあっと驚く斬新な建築物のデザインは、実は「間違い」と紙一重?発明や革新につながるひらめきを万人の物とするために、先人たちはデザイン方法の理論化を目指してきた。要となるのは、創造と問違いが背中合わせの仮説形成推論。現代の複雑な課題やイノベーションの創出には、解法も答もない厄介な問題と対峙してきたデザイン方法論が有効だ。不確実な未来にデザインのプロ志望者が備えておくべき、知情意を携えつつ「間違う」力を探求する。
2024年日本感性工学会 著作奨励賞
松下 大輔(まつした だいすけ)
1974年東京都生まれ。Office for Metropolitan Architecture Asia(香港)、京都大学大学院工学研究科建築学専攻講師、岡山理科大学工学部建築学科准教授を経て現在、大阪公立大学生活科学研究科居住環境学分野居住空間設計学教授。京都大学博士(工学)。
主な著書に『建築のインテリアの本』(電気書院、2020年、2020年度大阪市立大学教育後援会優秀テキスト賞)、『知的創造とワークプレイス』(武田ランダムハウスジャパン、2010年、共著)、『都市・建築の感性デザイン工学』(朝倉書店、2008年、共著)など
1974年東京都生まれ。Office for Metropolitan Architecture Asia(香港)、京都大学大学院工学研究科建築学専攻講師、岡山理科大学工学部建築学科准教授を経て現在、大阪公立大学生活科学研究科居住環境学分野居住空間設計学教授。京都大学博士(工学)。
主な著書に『建築のインテリアの本』(電気書院、2020年、2020年度大阪市立大学教育後援会優秀テキスト賞)、『知的創造とワークプレイス』(武田ランダムハウスジャパン、2010年、共著)、『都市・建築の感性デザイン工学』(朝倉書店、2008年、共著)など
序 章 実践と研究の相克のために
デザイン方法論のありか
デザインと科学
本書のねらい
PART I だれもが日々デザインしている―デザイン方法論の射程
第1章 デザインの方法論のなりたち―「問題解決」としてのデザイン
1 デザインと方法論
デザインの定義
方法論の定義
2 デザイン方法論のはじまり25
Case Study 1 夜中にトイレに行けない?―ル・コルビュジェの医院兼用住宅の導線問題
ウルム造形大学(ULM)起源の問題意識
3 初期デザイン方法論の背景
コラム 1 ケーニヒスベルクの7つの橋問題
第2章 問題と解―デザインの答の問いかた
1 問題―人は問題が好き
2 問題の分類―良定義問題、不良定義問題、ひどい問題
3 問題解決
アシモウの型―垂直・水平構造とフィードバック
ジョーンズの型―思考の外部化
アーチャーの型―サイバネティクスの導入と創造性の重視
初期デザイン方法論の特徴
第3章 問題解決の周辺理論―心による問題解決
1 構成主義心理学と機能主義心理学
2 行動主義心理学
3 ゲシュタルト心理学
再構造化と洞察
機能的固着、心的構え
問題表象の転換
4 認知心理学
5 ヒューリスティクス(発見的手法)
6 その他の問題解決理論
類推(analogy)
熟達化とスキーマ
第4章 情報技術―計算機による問題解決
1 問題解決と情報技術
2 ソフトコンピューティング
進化的計算
ニューラルネットワーク
人工知能
コラム 2 遺伝的アルゴリズム
PART II ひどい問題と向き合う―デザイン方法論の戦略
第5章 推論―思考が現れる過程
1 推論の三形式
2 三段論法による推論の三形式
3 仮説形成による法則発見
4 推論の三形式による探究
第6章 デザインと間違い―構えのある心
1 デザインと仮説形成
同条件、十人十色の設計案
仮説形成の連鎖
2 倫理と間違い
Case Study 2 「だれのせいでもないけれど……」―太陽光発電選択の問題
結果的に誤りとなる仮説形成推論と倫理
ハイゼンベルクの葛藤
専門家の倫理と問題解決の責任
3 仮説と間違い
革新的な仮説形成
構えのある心
PART III 過程を見つめる―デザイン方法論が拡げるもの
第7章 デザイン思考―失敗に寛容であることの威力
1 デザインと革新
デザイン思考の波及
IDEOの人間中心アプローチ
2 Fail Harder(もっとひどく失敗しよう)
デザイン思考の威力
「体験」のデザイン事例
無数の画鋲が語るもの
革新をもたらすデザイン速度
3 デザイン思考と仮説形成
デザイナーは物語の達人
仮説形成は中らずと雖も遠からず
第8章 人とデザイン―知情意の方法論へ
1 仮説形成と生物
生物を取り巻く「ひどい」世界
人と機械
2 人と機械の協調
人の弱み、機械の弱み
個人が主役となるWeb3、人間中心のSociety 5.0
3 知情意
コラム 3 ブロックチェーン
終 章 不確実な未来に向かって「間違う」デザイン221
仮説形成に必要なもの
人の本質をはぐくむデザイン教育
あとがき
註
索引
デザイン方法論のありか
デザインと科学
本書のねらい
PART I だれもが日々デザインしている―デザイン方法論の射程
第1章 デザインの方法論のなりたち―「問題解決」としてのデザイン
1 デザインと方法論
デザインの定義
方法論の定義
2 デザイン方法論のはじまり25
Case Study 1 夜中にトイレに行けない?―ル・コルビュジェの医院兼用住宅の導線問題
ウルム造形大学(ULM)起源の問題意識
3 初期デザイン方法論の背景
コラム 1 ケーニヒスベルクの7つの橋問題
第2章 問題と解―デザインの答の問いかた
1 問題―人は問題が好き
2 問題の分類―良定義問題、不良定義問題、ひどい問題
3 問題解決
アシモウの型―垂直・水平構造とフィードバック
ジョーンズの型―思考の外部化
アーチャーの型―サイバネティクスの導入と創造性の重視
初期デザイン方法論の特徴
第3章 問題解決の周辺理論―心による問題解決
1 構成主義心理学と機能主義心理学
2 行動主義心理学
3 ゲシュタルト心理学
再構造化と洞察
機能的固着、心的構え
問題表象の転換
4 認知心理学
5 ヒューリスティクス(発見的手法)
6 その他の問題解決理論
類推(analogy)
熟達化とスキーマ
第4章 情報技術―計算機による問題解決
1 問題解決と情報技術
2 ソフトコンピューティング
進化的計算
ニューラルネットワーク
人工知能
コラム 2 遺伝的アルゴリズム
PART II ひどい問題と向き合う―デザイン方法論の戦略
第5章 推論―思考が現れる過程
1 推論の三形式
2 三段論法による推論の三形式
3 仮説形成による法則発見
4 推論の三形式による探究
第6章 デザインと間違い―構えのある心
1 デザインと仮説形成
同条件、十人十色の設計案
仮説形成の連鎖
2 倫理と間違い
Case Study 2 「だれのせいでもないけれど……」―太陽光発電選択の問題
結果的に誤りとなる仮説形成推論と倫理
ハイゼンベルクの葛藤
専門家の倫理と問題解決の責任
3 仮説と間違い
革新的な仮説形成
構えのある心
PART III 過程を見つめる―デザイン方法論が拡げるもの
第7章 デザイン思考―失敗に寛容であることの威力
1 デザインと革新
デザイン思考の波及
IDEOの人間中心アプローチ
2 Fail Harder(もっとひどく失敗しよう)
デザイン思考の威力
「体験」のデザイン事例
無数の画鋲が語るもの
革新をもたらすデザイン速度
3 デザイン思考と仮説形成
デザイナーは物語の達人
仮説形成は中らずと雖も遠からず
第8章 人とデザイン―知情意の方法論へ
1 仮説形成と生物
生物を取り巻く「ひどい」世界
人と機械
2 人と機械の協調
人の弱み、機械の弱み
個人が主役となるWeb3、人間中心のSociety 5.0
3 知情意
コラム 3 ブロックチェーン
終 章 不確実な未来に向かって「間違う」デザイン221
仮説形成に必要なもの
人の本質をはぐくむデザイン教育
あとがき
註
索引