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プリミエ・コレクション 117

配流刑の時代

清朝と刑罰

キム・ハンバク

A5上製・308頁

ISBN: 9784814004027

発行年月: 2022/03

  • 本体: 3,800円(税込 4,180円
  • 在庫あり
 
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内容

清代において前例がないほど突出した配流刑に政府の苦心の跡をみる。実刑中心の刑罰制度にともない、内地の州県に配された罪人の処遇は喫緊の課題であった。歴史史料「道里表」「巴県檔案」から制度改革と時代の変遷を見届ける。

書評

『近代史研究所集刊』118期、141-147頁、評者:王天馳氏
『中国研究月報』Vol.77 No.7(2023年7月号)、38-40頁、評者:高見澤麿氏

プロフィール

キム・ハンバク(Kim Hanbark)
台湾中央研究院近代史研究所博士後研究員
京都大学文学研究科博士課程修了、京都大学博士(文学)

主な論文
「清代充軍の「流刑化」と内地軍流犯の過剰問題」(『東洋史研究』、2018年)、「清代の「里程配流」―五軍道里表の改訂をめぐって」(『史林』、2019年)、「清代中期における徒刑の変質と「里程」の導入」(『法制史研究』、2021年)

目次

   凡 例

序 章 中国史における清代配流刑の意義

第一部 清代内地配流の定着
第一章 充軍の流刑化と内地配流の展開
   はじめに 辺境配流の歴史と清代内地配流の意義
   第一節 明代充軍の立法意図
   第二節 充軍の「流刑化」
   第三節 流刑における道里表の導入と内地全域の配所化
   おわりに
第二章 五軍道里表を通してみる里程配流の構造
   はじめに 道里表と「里程配流」
   第一節 里程配流のツールとしての五軍道里表の構造
   第二節 道里表による配流行政と地方の事情
   第三節 五軍道里表の改訂意図
   おわりに
第三章 徒刑の変質と里程の導入
   はじめに 清代の徒刑について
   第一節 雍正三年「徒流遷徙地方」律と配所としての駅站
   第二節 譚尚忠の上奏と乾隆五十二年の条例
   第三節 徒刑における里程の導入――『山東省五徒表』を中心に
   おわりに

第二部 内地配流の諸問題と清朝の対応
第四章 配流犯の実相と地方の管理策
   はじめに 配所到着以後の配流犯
   第一節 内地配流と軍流犯の管理問題
   第二節 配所における配流犯の実相
   第三節 配流犯による配流犯の管理
   おわりに
第五章 配流犯の釈放と自新の援用
   はじめに 前近代中国における刑罰と自新
   第一節 自新を基準とする配流犯の釈放の提案
   第二節 皇帝支配体制と恩詔による釈放・減等
   第三節 巴県檔案からみる配流犯の推移
   おわりに
第六章 配流刑の時代における発遣
   はじめに 発遣における問題の所在
   第一節 「犯罪免発遣」律と発遣
   第二節 乾隆五年『大清律例』での発遣
   第三節 新疆の征服と発遣の拡大
   おわりに

終 章 配流刑の時代の終焉

   参考文献
   あとがき
   索引(人名/事項/出典)
   英文要約/中文提要
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