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インドネシアでもすすむ小売の近代化。しかし、現地ではいまなお流通の主役は伝統的流通、農家と商人の駆け引きにある。「近代的流通に取って代わられる伝統的流通」という先進国のみせた歩みとは全く違う経路。伝統市場の商人が、流通革命をも飲み込む。近代化の陰で静かに進行していた伝統的流通の発展が通説を覆す。
2023年度日本農業経済学会奨励賞
2023年国際開発学会奨励賞
2023年国際開発学会奨励賞
『農業経済研究』第94巻第2号,
164-166頁、評者:伊藤紀子氏
『日本農業新聞』2023年1月15日付
164-166頁、評者:伊藤紀子氏
『日本農業新聞』2023年1月15日付
池田真也(いけだしんや)
茨城大学農学部助教
1984 年生まれ。2008 年,東京大学農学部卒業。2015 年,東北大学大学院農学研究科博士後期課程修了。博士(農学)。九州大学を経て2018 年より現職。専門・関心は農業経済学,開発経済学,東南アジア地域研究。
【主要著書・論文】
「インドネシア都市部における卸売流通拠点としてのバザール――ジャカルタ青果物中央卸売市場の事例」(『アジア研究』第57 巻1 号,2011 年)。
『新国富論――新たな経済指標で地方創生』(共著,岩波書店,2016 年).
“Inclusive Wealth of Regions: The Case of Japan,” Sustainability Science 12(6): 991―1006. 2017.(共著)
「流通革命下における伝統的な産地流通取引の変容――ジャワ島2 村における野菜流通の事例」(『アジア研究』第64 巻4 号,2018 年).
茨城大学農学部助教
1984 年生まれ。2008 年,東京大学農学部卒業。2015 年,東北大学大学院農学研究科博士後期課程修了。博士(農学)。九州大学を経て2018 年より現職。専門・関心は農業経済学,開発経済学,東南アジア地域研究。
【主要著書・論文】
「インドネシア都市部における卸売流通拠点としてのバザール――ジャカルタ青果物中央卸売市場の事例」(『アジア研究』第57 巻1 号,2011 年)。
『新国富論――新たな経済指標で地方創生』(共著,岩波書店,2016 年).
“Inclusive Wealth of Regions: The Case of Japan,” Sustainability Science 12(6): 991―1006. 2017.(共著)
「流通革命下における伝統的な産地流通取引の変容――ジャワ島2 村における野菜流通の事例」(『アジア研究』第64 巻4 号,2018 年).
はじめに
序章 パサールから卸売流通へ――問題設定と分析枠組み
1.問題設定
1.1 伝統的流通の近代化
1.2 途上国の流通革命と契約栽培
1.3 卸売流通の静かなる革命
2.分析枠組み――地域の文脈に基づく課題の特定化
2.1 インドネシアにおける流通革命
2.2 産地における伝統的流通と近代的流通の共存
2.3 伝統的流通の中央卸売市場
2.4 関係性を基準とした取引の分類
3.ジャワにおける流通調査の概要
4.本書の構成
第1章 産地流通取引の変容
はじめに
1.産地流通の調査
1.1 調査対象の集落の選定とデータ
1.2 調査地の農業,商業の概要
2.産地流通取引
2.1 商人の分類
2.2 商人同士の取引における信用供与
2.3 商人と農家の取引
3.商人の市場競争
3.1 商人の競争性
3.2 流通機能の分業
3.3 産地流通の競争激化――ブローカーと商人の競争
4.近代的流通による産地集荷
4.1 調査地におけるスーパーマーケットの購買状況
4.2 近代的流通の集荷を担う伝統的流通の商人
おわりに
コラム 産地の流通フィールドワーク
第2章 伝統的流通における販売契約の適応性
はじめに
1.契約選択行動の分析枠組み
1.1 総額契約としてのトゥバサン
1.2 農家の契約選択
2.分析方法
2.1 計量モデル
2.2 変数
2.3 データ
3.分析結果
3.1 労働・輸送費用に関する検証結果
3.2 評価費用の検証結果
4.考察
おわりに
【補論】トゥバサンによる介入効果の推計方法
第3章 契約栽培の導入地域における伝統的流通
はじめに
1.SSの衰退と契約栽培農家の展開
2.契約栽培の継続性の分析
3.事例分析
3.1 SS(ビマンドリ)の事例
3.2 農業企業(リコファームとアリティファック)の事例
3.3 産地流通における伝統的流通の意義再考
コラム ビマンドリは儲かってる?
第4章 卸売市場流通の市場統合
はじめに
1.市場統合の分析枠組み
1.1 検証方法
2.調査対象地の概要とデータ
2.1 消費地・産地間の卸売市場流通の概要
2.2 データ
3.結果および考察
3.1 検証結果
3.2 卸売市場間の価格伝達
3.3 卸売市場流通の問題点
おわりに
コラム スーパーマーケットから見た産地の商人
第5章 バザール的な中央卸売市場――流通機能とその展望
はじめに
1.調査概要
2.中央卸売市場の概要と取引
2.1 クラマッ・ジャティ中央卸売市場(K市場)
2.2 卸売取引の概要
3.中央卸売市場の商人と流通機能
3.1 インフォーマルな市場制度による価格形成
3.2 中央卸売市場のマークアップ
3.3 中央卸売市場の決済機能と参入障壁
4.卸売市場流通の展望
4.1 パサールは中央卸売市場になったのか?
4.2 中央卸売市場の意義
【補論】産地への市場制度の伝播
コラム 調査対象市場の一覧
第6章 結論
1.問いへの回答
2.本書の限界と展望――COVID―19以降の農産物流通
コラム パサールの様々な商人と市場移転
あとがき
参考文献
索引
序章 パサールから卸売流通へ――問題設定と分析枠組み
1.問題設定
1.1 伝統的流通の近代化
1.2 途上国の流通革命と契約栽培
1.3 卸売流通の静かなる革命
2.分析枠組み――地域の文脈に基づく課題の特定化
2.1 インドネシアにおける流通革命
2.2 産地における伝統的流通と近代的流通の共存
2.3 伝統的流通の中央卸売市場
2.4 関係性を基準とした取引の分類
3.ジャワにおける流通調査の概要
4.本書の構成
第1章 産地流通取引の変容
はじめに
1.産地流通の調査
1.1 調査対象の集落の選定とデータ
1.2 調査地の農業,商業の概要
2.産地流通取引
2.1 商人の分類
2.2 商人同士の取引における信用供与
2.3 商人と農家の取引
3.商人の市場競争
3.1 商人の競争性
3.2 流通機能の分業
3.3 産地流通の競争激化――ブローカーと商人の競争
4.近代的流通による産地集荷
4.1 調査地におけるスーパーマーケットの購買状況
4.2 近代的流通の集荷を担う伝統的流通の商人
おわりに
コラム 産地の流通フィールドワーク
第2章 伝統的流通における販売契約の適応性
はじめに
1.契約選択行動の分析枠組み
1.1 総額契約としてのトゥバサン
1.2 農家の契約選択
2.分析方法
2.1 計量モデル
2.2 変数
2.3 データ
3.分析結果
3.1 労働・輸送費用に関する検証結果
3.2 評価費用の検証結果
4.考察
おわりに
【補論】トゥバサンによる介入効果の推計方法
第3章 契約栽培の導入地域における伝統的流通
はじめに
1.SSの衰退と契約栽培農家の展開
2.契約栽培の継続性の分析
3.事例分析
3.1 SS(ビマンドリ)の事例
3.2 農業企業(リコファームとアリティファック)の事例
3.3 産地流通における伝統的流通の意義再考
コラム ビマンドリは儲かってる?
第4章 卸売市場流通の市場統合
はじめに
1.市場統合の分析枠組み
1.1 検証方法
2.調査対象地の概要とデータ
2.1 消費地・産地間の卸売市場流通の概要
2.2 データ
3.結果および考察
3.1 検証結果
3.2 卸売市場間の価格伝達
3.3 卸売市場流通の問題点
おわりに
コラム スーパーマーケットから見た産地の商人
第5章 バザール的な中央卸売市場――流通機能とその展望
はじめに
1.調査概要
2.中央卸売市場の概要と取引
2.1 クラマッ・ジャティ中央卸売市場(K市場)
2.2 卸売取引の概要
3.中央卸売市場の商人と流通機能
3.1 インフォーマルな市場制度による価格形成
3.2 中央卸売市場のマークアップ
3.3 中央卸売市場の決済機能と参入障壁
4.卸売市場流通の展望
4.1 パサールは中央卸売市場になったのか?
4.2 中央卸売市場の意義
【補論】産地への市場制度の伝播
コラム 調査対象市場の一覧
第6章 結論
1.問いへの回答
2.本書の限界と展望――COVID―19以降の農産物流通
コラム パサールの様々な商人と市場移転
あとがき
参考文献
索引