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新・動物記 5

カニの歌を聴け

ハクセンシオマネキの恋の駆け引き

竹下 文雄

四六並製・192頁

ISBN: 9784814003952

発行年月: 2022/04

  • 本体: 2,000円(税込 2,200円
  • 在庫あり
 
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内容

「グーッ・グーッ・グーッ……」暗い穴の奥でかすかに響く低い音。これはハクセンシオマネキのオスがメスを巣穴に誘う求愛音だという。しかしどんな音がメスに好まれるのかも、そもそも音がカニの身体のどこから出ているのかすらも分からない。不思議な歌に導かれてカニ研究者になった著者が見た、炎天下の干潟の恋模様。2021年度日本動物行動学会賞受賞研究

プロフィール

竹下文雄(たけした ふみお)
宮崎県日向市出身。2011年、北海道大学大学院水産科学院博士後期課程修了(博士(水産科学))。日本学術振興会特別研究員(PD)・熊本大学特任助教などを経て、2019年 4月より北九州市立自然史・歴史博物館学芸員(甲殻類・貝類担当)。 小さい頃の夢はサッカー選手や考古学者など。高校生の頃に行動生態学に興味を持ち、臨海実験所の研究室への所属をきっかけに、現在に至るまで主に海産無脊椎動物を対象として研究を続けている。普段は学芸員の仕事を行いつつ、夏になると干潟に這いつくばってカニを観察するのだが、その時期は人間よりもカニの会話を聞く時間の方が長い。人見知りの内弁慶で、ギラヴァンツ北九州のサポーター。2021年「ハクセンシオマネキのメスによる配偶者選択と関連する社会性の研究」により日本動物行動学会賞を受賞。

目次

プロローグ

1章 干潟への招待
 ハクセンシオマネキとは
 「ハクセンシオマネキは鳴くよ」
 繰り返す満ち引きの間で
 二つの恋のかたち
 いざ研究開始!

2章 カニの歌を聴け
 ハクセンシオマネキの聖地へ
 ハクセンシオマネキの観察
 鳴かぬなら鳴かせてみよう
 音はどこから?

3章 メスの本音―どんな歌が好き?
 求愛音へのメスの好み
 恋人を探すメスを見つける
 たくさん鳴くオスが好き
 歩き出したカニ研究者

4章 オスの本音―腹が減っては恋もできぬ
 オスの状態と求愛の強さ
 カニの腹加減を操作する
 三つの求愛シグナル
 悩ましい結果とオスの算段
 巣を持たないポスドクの仕事探し

5章 カニの三角関係
 ライバルによる妨害
 灼熱の追跡調査
 激録!近隣オスによる妨害の瞬間
 悩めるメス
 妨害オスの狙い
 ふたりを遮る壁

6章 オスの事情―体の色が変わる理由
 恋の色模様
 変化する色を捉える
 色が物語ること

7章 研究者の事情―恋の終わった干潟から
 飼育室とナメクジウオと私
 ゴマフダマと二枚貝と私

8章 メスの事情―恋人探しを急ぐ理由
 忙しい夏
 暑さと産卵のタイムリミット
 追跡調査、再び
 選り好みする利益とコスト
 新たな巣へ

Column 1 干潟のカニたち
Column 2 臨海実験所
Column 3 カニの耳
Column 4 調査道具
Column 5 干潟の厄介者
Column 6 シオマネキ類の不思議なハサミ
Column 7 助け合うシオマネキ
Column 8 干潟に警察

エピローグ
引用文献
本書の内容が書かれた論文
さらに詳しく学びたい方へ
索引
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