ホーム > 書籍詳細ページ
セクシュアルマイノリティやフェミニズム運動の活発化とバックラッシュ……東アジア各地にみられる状況をどう捉えればよいのか? 台湾・韓国の徴兵制、中国性産業の政治化、アジアの生殖補助医療。社会的包摂を謳いながらも、姿を変えたジェンダー規範のなかで排除され消費されるセクシュアリティの問題の根幹はどこか? 同姓不婚、妻と妾の身分差など、規範の淵源たる中国古来の「家族」の変化を捉えつつ、多様な主体がせめぎ合う東アジアジェンダー秩序の未来を考える。
執筆者紹介(掲載順)
【編者・執筆者】
小浜 正子(こはま まさこ)
日本大学文理学部教授。(公財)東洋文庫研究員。専門は中国近現代史、中国ジェンダー史。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科単位修得退学、博士(人文科学)。主な著作に、『一人っ子政策と中国社会』(京都大学学術出版会、2020年)、『中国ジェンダー史研究入門』(小浜正子・下倉渉・佐々木愛・高嶋航・江上幸子編、京都大学学術出版会、2018年)などがある。
板橋 暁子(いたはし あきこ)
東京大学東洋文化研究所助教。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学、博士(文学)。専門は魏晋南北朝史。主な著作に、「魏晋期における王朝の「内」と「外」をめぐる研究動向」(『中国史学』29、2019年)、「「周縁」からみた東晋の正統性――前涼における西晋愍帝年号「建興」奉用について」(『東洋史研究』78-2、2019年)などがある。
【執筆者】
福永 玄弥(ふくなが げんや)
早稲田大学ほか、非常勤講師。東京大学大学院総合文化研究科。専門はフェミニズム・クィア研究、社会学、地域研究(東アジア)。主な著作に、「『毀家・廃婚』から『婚姻平等』へ――台湾における同性婚の法制化と『良き市民』の政治」(『ソシオロゴス』45、2021年)、「『LGBTフレンドリーな台湾』の誕生」(瀬地山角編『ジェンダーとセクシュアリティで見る東アジア』勁草書房、2017年)などがある。
郭 立夫(Guo Lifu かく りつふ)
東京大学総合文化研究科博士課程。専門はフェミニズム・クィア理論、地域研究(中国・アフリカ)、社会学。主な著作に、「終わるエイズ、健康な中国:China AIDS Walkを事例に中国におけるゲイ・エイズ運動を再考する」(『女性学』28、2021年)、「重新想像跨國酷兒運動:2017 北京愛酷電影週中非酷兒電影論壇的事例」(『台湾文化研究季刊』167、2019年)などがある。
遠山 日出也(とおやま ひでや)
立命館大学BKC社系研究機構客員研究員。立命館大学大学院文学研究科博士課程後期課程単位取得退学。専門は現代中国女性史。主な著作に、「中国の公共交通機関における性暴力反対運動と女性専用車両――香港・台湾・日本との初歩的比較も」(『女性学年報』39、2018年)、「近年の中国におけるLGBT運動とフェミニスト行動派」(『現代思想』43(16)、2015年)などがある。
白水 紀子(しろうず のりこ)
横浜国立大学名誉教授、放送大学客員教授。東京大学大学院人文科学研究科中国文学専攻 博士課程単位取得退学。専門は中国近現代文学、台湾文学、ジェンダー研究。主な著作に、「中国の女性文学――『女の声』を聞く」(『アジア・ジェンダー文化学研究』4、2020年)、翻訳に『台湾女性作家集 蝶のしるし』(作品社、2021年)などがある。
油谷 佳歩(ゆたに かほ)
近畿大学大学院総合文化研究科修士課程修了。大学入学前より東アジアのクィア映画に興味を持ち、映画祭などにスタッフとして参加。現在は活動の場をクラブシーンに移し、フェミニズム/クィアの実践としてパーティーのオーガナイズやDJ活動を展開中。
姚 毅(Yao Yi よう き)
東京大学教養学部非常勤講師。東京大学総合文化研究科博士課程単位取得退学、博士(学術)。専門は中国歴史文化、ジェンダー。主な著作に、『近代中国の出産と国家・社会――医師・助産士・
接生婆』(研文出版、2011年)、「中国医学における医療・身体とジェンダー」(小浜正子・下倉渉・佐々木愛・高嶋航・江上幸子編『中国ジェンダー史研究入門』京都大学学術出版会、2018年)。
日比野 由利(ひびの ゆり)
金沢大学大学院医薬保健学総合研究科助教。東京都立大学大学院社会学科学研究科博士課程単位取得退学、博士(保健学)。専門は社会学。主な著作に、“Absence of laws regarding sperm and oocyte donation in Japan and the impacts on donors, parents, and the people born as a result.” Reprod Med Biol 19(3): 295-298, 2020. “Non-commercial Surrogacy in Thailand: Ethical, Legal, and Social Implications in Local and Global Contexts.” Asian Bioeth Rev 12(2): 135-147, 2020.などがある。
下倉 渉(しもくら わたる)
東北学院大学文学部教授。東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学、博士(文学)。専門は中国古代・中世史。主な著作に、「漢代の母と子」(『東北大学東洋史論集』8、2001年)、「ある女性の告発をめぐって――岳麓書院蔵秦簡「識劫婉案」に現れたる奴隷および「舎人」「里単」」(『史林』99-1、2016年)などがある。
佐々木 愛(ささき めぐみ)
島根大学法文学部教授。京都大学大学院文学研究科東洋史学専攻博士後期課程修了、博士(文学)。専門は中国近世思想史。主な著作に、「「父子同気」概念の成立時期について――「中国家族法の原理」再考」(『東洋史研究』79-1、2020年)、「墓からみた伝統中国の家族――宋代道学者の作った墓」(『社会文化論集』11、2015年)などがある。
小川 快之(おがわ よしゆき)
国士舘大学文学部教授、(公財)東洋文庫研究員。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。専門は中国史(宋代から清代の社会史・文化史・法制史)。主な著作に、『伝統中国の法と秩序――地域社会の視点から』(汲古書院、2009年)、「宮廷女官とジェンダー」(小浜正子・下倉渉・佐々木愛・高嶋航・江上幸子編『中国ジェンダー史研究入門』京都大学学術出版会、2018年)などがある。
五味 知子(ごみ ともこ)
聖心女子大学現代教養学部専任講師。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程修了、博士(史学)。専門は中国女性史・社会史(特に明清時代)。主な著作に、「「誣姦」の意味するもの――明清時代の判牘・官箴書の記述から」(『東洋史研究』70(4)、2012年)、「清代の告示にみる女性の行動空間に関する規範」(『聖心女子大学論叢』136、2020年)などがある。
泉谷 陽子(いずたに ようこ)
フェリス女学院大学国際交流学部准教授。東京都立大学人文科学研究科後期課程単位取得退学、博士(史学)。専門は中国現代史。主な著作に、『中国建国初期の政治と経済――大衆運動と社会主義体制』(御茶の水書房、2007年)、「重慶の青年Lの半生――労働教養分子になるまで」(鄭浩瀾・中兼和津次編著『毛沢東時代の政治運動と民衆の日常』慶応義塾大学出版会、2021年)などがある。
上田 貴子(うえだ たかこ)
近畿大学文芸学部教授。大阪外国語大学大学院言語社会研究科博士後期課程修了、博士(学術)。専門は中国近現代史。主な著作に、『奉天の近代――移民社会における商会・企業・善堂』(京都大学学術出版会、2018年)、「奉天・大阪・上海における山東幇」(『孫文研究』54、2014年)などがある。
【編者・執筆者】
小浜 正子(こはま まさこ)
日本大学文理学部教授。(公財)東洋文庫研究員。専門は中国近現代史、中国ジェンダー史。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科単位修得退学、博士(人文科学)。主な著作に、『一人っ子政策と中国社会』(京都大学学術出版会、2020年)、『中国ジェンダー史研究入門』(小浜正子・下倉渉・佐々木愛・高嶋航・江上幸子編、京都大学学術出版会、2018年)などがある。
板橋 暁子(いたはし あきこ)
東京大学東洋文化研究所助教。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学、博士(文学)。専門は魏晋南北朝史。主な著作に、「魏晋期における王朝の「内」と「外」をめぐる研究動向」(『中国史学』29、2019年)、「「周縁」からみた東晋の正統性――前涼における西晋愍帝年号「建興」奉用について」(『東洋史研究』78-2、2019年)などがある。
【執筆者】
福永 玄弥(ふくなが げんや)
早稲田大学ほか、非常勤講師。東京大学大学院総合文化研究科。専門はフェミニズム・クィア研究、社会学、地域研究(東アジア)。主な著作に、「『毀家・廃婚』から『婚姻平等』へ――台湾における同性婚の法制化と『良き市民』の政治」(『ソシオロゴス』45、2021年)、「『LGBTフレンドリーな台湾』の誕生」(瀬地山角編『ジェンダーとセクシュアリティで見る東アジア』勁草書房、2017年)などがある。
郭 立夫(Guo Lifu かく りつふ)
東京大学総合文化研究科博士課程。専門はフェミニズム・クィア理論、地域研究(中国・アフリカ)、社会学。主な著作に、「終わるエイズ、健康な中国:China AIDS Walkを事例に中国におけるゲイ・エイズ運動を再考する」(『女性学』28、2021年)、「重新想像跨國酷兒運動:2017 北京愛酷電影週中非酷兒電影論壇的事例」(『台湾文化研究季刊』167、2019年)などがある。
遠山 日出也(とおやま ひでや)
立命館大学BKC社系研究機構客員研究員。立命館大学大学院文学研究科博士課程後期課程単位取得退学。専門は現代中国女性史。主な著作に、「中国の公共交通機関における性暴力反対運動と女性専用車両――香港・台湾・日本との初歩的比較も」(『女性学年報』39、2018年)、「近年の中国におけるLGBT運動とフェミニスト行動派」(『現代思想』43(16)、2015年)などがある。
白水 紀子(しろうず のりこ)
横浜国立大学名誉教授、放送大学客員教授。東京大学大学院人文科学研究科中国文学専攻 博士課程単位取得退学。専門は中国近現代文学、台湾文学、ジェンダー研究。主な著作に、「中国の女性文学――『女の声』を聞く」(『アジア・ジェンダー文化学研究』4、2020年)、翻訳に『台湾女性作家集 蝶のしるし』(作品社、2021年)などがある。
油谷 佳歩(ゆたに かほ)
近畿大学大学院総合文化研究科修士課程修了。大学入学前より東アジアのクィア映画に興味を持ち、映画祭などにスタッフとして参加。現在は活動の場をクラブシーンに移し、フェミニズム/クィアの実践としてパーティーのオーガナイズやDJ活動を展開中。
姚 毅(Yao Yi よう き)
東京大学教養学部非常勤講師。東京大学総合文化研究科博士課程単位取得退学、博士(学術)。専門は中国歴史文化、ジェンダー。主な著作に、『近代中国の出産と国家・社会――医師・助産士・
接生婆』(研文出版、2011年)、「中国医学における医療・身体とジェンダー」(小浜正子・下倉渉・佐々木愛・高嶋航・江上幸子編『中国ジェンダー史研究入門』京都大学学術出版会、2018年)。
日比野 由利(ひびの ゆり)
金沢大学大学院医薬保健学総合研究科助教。東京都立大学大学院社会学科学研究科博士課程単位取得退学、博士(保健学)。専門は社会学。主な著作に、“Absence of laws regarding sperm and oocyte donation in Japan and the impacts on donors, parents, and the people born as a result.” Reprod Med Biol 19(3): 295-298, 2020. “Non-commercial Surrogacy in Thailand: Ethical, Legal, and Social Implications in Local and Global Contexts.” Asian Bioeth Rev 12(2): 135-147, 2020.などがある。
下倉 渉(しもくら わたる)
東北学院大学文学部教授。東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学、博士(文学)。専門は中国古代・中世史。主な著作に、「漢代の母と子」(『東北大学東洋史論集』8、2001年)、「ある女性の告発をめぐって――岳麓書院蔵秦簡「識劫婉案」に現れたる奴隷および「舎人」「里単」」(『史林』99-1、2016年)などがある。
佐々木 愛(ささき めぐみ)
島根大学法文学部教授。京都大学大学院文学研究科東洋史学専攻博士後期課程修了、博士(文学)。専門は中国近世思想史。主な著作に、「「父子同気」概念の成立時期について――「中国家族法の原理」再考」(『東洋史研究』79-1、2020年)、「墓からみた伝統中国の家族――宋代道学者の作った墓」(『社会文化論集』11、2015年)などがある。
小川 快之(おがわ よしゆき)
国士舘大学文学部教授、(公財)東洋文庫研究員。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。専門は中国史(宋代から清代の社会史・文化史・法制史)。主な著作に、『伝統中国の法と秩序――地域社会の視点から』(汲古書院、2009年)、「宮廷女官とジェンダー」(小浜正子・下倉渉・佐々木愛・高嶋航・江上幸子編『中国ジェンダー史研究入門』京都大学学術出版会、2018年)などがある。
五味 知子(ごみ ともこ)
聖心女子大学現代教養学部専任講師。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程修了、博士(史学)。専門は中国女性史・社会史(特に明清時代)。主な著作に、「「誣姦」の意味するもの――明清時代の判牘・官箴書の記述から」(『東洋史研究』70(4)、2012年)、「清代の告示にみる女性の行動空間に関する規範」(『聖心女子大学論叢』136、2020年)などがある。
泉谷 陽子(いずたに ようこ)
フェリス女学院大学国際交流学部准教授。東京都立大学人文科学研究科後期課程単位取得退学、博士(史学)。専門は中国現代史。主な著作に、『中国建国初期の政治と経済――大衆運動と社会主義体制』(御茶の水書房、2007年)、「重慶の青年Lの半生――労働教養分子になるまで」(鄭浩瀾・中兼和津次編著『毛沢東時代の政治運動と民衆の日常』慶応義塾大学出版会、2021年)などがある。
上田 貴子(うえだ たかこ)
近畿大学文芸学部教授。大阪外国語大学大学院言語社会研究科博士後期課程修了、博士(学術)。専門は中国近現代史。主な著作に、『奉天の近代――移民社会における商会・企業・善堂』(京都大学学術出版会、2018年)、「奉天・大阪・上海における山東幇」(『孫文研究』54、2014年)などがある。
小浜正子・下倉渉・佐々木愛・高嶋航・江上幸子 編『中国ジェンダー史研究入門』
総論 東アジアの家族とセクシュアリティの歴史 [小浜正子]
Ⅰ セクシュアリティ
第1章 冷戦体制と軍事化されたマスキュリニティ
――台湾と韓国の徴兵制を事例に [福永玄弥]
はじめに――近代国民国家とセクシュアリティ
1 台湾
2 韓国
おわりに――冷戦体制と軍事化されたマスキュリニティ
第2章 中国における包括的性教育の推進と反動
――『生命を大切に:小学生性健康教育読本』を事例に [郭立夫]
はじめに
1 中国における性教育とその実践
2 マイノリティの連帯としての包括的性教育
3 『生命を大切に』の挫折
おわりに
第3章 中国のフェミニズムとセックスワーカー運動
――2000年以降、両者の連帯に至るまで [遠山日出也]
はじめに
1 2000年頃までの売買春政策とセックスワークをめぐる議論
2 2000年以降の政策の変化とセックスワーカー
3 鄧玉嬌事件をめぐって
4 「売買春一掃」と「セックスワーカーデー」
5 東莞における売買春一掃をめぐって
6 連帯の形成要因
おわりに
第4章 台湾LGBT文学の現在
――「新しいホモノーマティビティ」への対抗 [白水紀子]
はじめに
1 エイズの問題
2 同性婚・家族の問題
3 周縁に追いやられた人々――貧困・老い
4 LGBT 文学とは
コラム① 女性の作り手による韓国独立ドキュメンタリー
――ビョン・ヨンジュから女性映像集団ウムまで [油谷佳歩]
Connecting Section――リプロダクション
第5章 中国における生殖補助医療規制に見る排除と包摂
――代理出産をめぐる議論を中心に [姚 毅]
はじめに
1 中国におけるART に関する法規制と現状
2 条件付きでの代理出産合法化賛成論
3 代理出産慎重論・反対論
4 誰がどのように利用すべきか――排除と包摂の原理
おわりに
第6章 アジアにおける代理出産ツーリズム
――拡大から廃止、そして法制度化へ [日比野由利]
はじめに
1 商業的代理出産と利他的代理出産
2 拡大から廃止、そして法制度化へ
3 親族間の人道的代理出産を法制化したベトナム
4 非商業的代理出産を法制化したタイ
5 インドにおける利他的代理出産の導入(その1)
6 インドにおける利他的代理出産の導入(その2)
おわりに
コラム② 女性映像集団ウムによる映像作品
――韓国フェミニズムの一コマ [油谷佳歩]
Ⅱ 家族
第7章 敦煌書儀はかく語る
――婚礼史上の“唐宋変革” [下倉 渉]
はじめに
1 妻方での挙式
2 『封氏見聞記』が伝える「拝堂の礼」
3 建中元年の婚礼儀改革
4 「婦見舅姑」の儀における拝礼
おわりに
第8章 近世中国における生命発生論
――母子間の継承関係と父系制 [佐々木愛]
はじめに
1 母子間における気の継承
2 「父は種・母は園」――魏禧と魏際端
3 強固な父子継承を支える気の思想
おわりに
第9章 魏晋南北朝時代の「以妾爲妻」「以妻爲妾」について [板橋暁子]
はじめに
1 魏晋時代の「以妾爲妻」「以妻爲妾」
2 南北朝時代の「以妾爲妻」「以妻爲妾」
おわりに
コラム③ 清代の宮廷歳時とジェンダー [小川快之]
第10章 清代の地方志における同姓通婚と同姓不婚 [五味知子]
はじめに
1 中国における同姓不婚
2 地方志の風俗関連の記述にみる同姓通婚
3 地方志の人物に関する記述にみる同姓不婚
おわりに
第11章 人民共和国建国初期の大衆運動と主婦
――上海市家庭婦連を中心に [泉谷陽子]
はじめに
1 家庭婦連の会員と活動
2 抗米援朝運動と家庭婦連の改組
3 反革命鎮圧運動と家属座談会
4 婚姻法貫徹運動と家庭婦連
おわりに
コラム④ 塞外の都市奉天にとっての女性
――上海女性のとある軌跡を手がかりに [上田貴子]
索引
執筆者紹介
Ⅰ セクシュアリティ
第1章 冷戦体制と軍事化されたマスキュリニティ
――台湾と韓国の徴兵制を事例に [福永玄弥]
はじめに――近代国民国家とセクシュアリティ
1 台湾
2 韓国
おわりに――冷戦体制と軍事化されたマスキュリニティ
第2章 中国における包括的性教育の推進と反動
――『生命を大切に:小学生性健康教育読本』を事例に [郭立夫]
はじめに
1 中国における性教育とその実践
2 マイノリティの連帯としての包括的性教育
3 『生命を大切に』の挫折
おわりに
第3章 中国のフェミニズムとセックスワーカー運動
――2000年以降、両者の連帯に至るまで [遠山日出也]
はじめに
1 2000年頃までの売買春政策とセックスワークをめぐる議論
2 2000年以降の政策の変化とセックスワーカー
3 鄧玉嬌事件をめぐって
4 「売買春一掃」と「セックスワーカーデー」
5 東莞における売買春一掃をめぐって
6 連帯の形成要因
おわりに
第4章 台湾LGBT文学の現在
――「新しいホモノーマティビティ」への対抗 [白水紀子]
はじめに
1 エイズの問題
2 同性婚・家族の問題
3 周縁に追いやられた人々――貧困・老い
4 LGBT 文学とは
コラム① 女性の作り手による韓国独立ドキュメンタリー
――ビョン・ヨンジュから女性映像集団ウムまで [油谷佳歩]
Connecting Section――リプロダクション
第5章 中国における生殖補助医療規制に見る排除と包摂
――代理出産をめぐる議論を中心に [姚 毅]
はじめに
1 中国におけるART に関する法規制と現状
2 条件付きでの代理出産合法化賛成論
3 代理出産慎重論・反対論
4 誰がどのように利用すべきか――排除と包摂の原理
おわりに
第6章 アジアにおける代理出産ツーリズム
――拡大から廃止、そして法制度化へ [日比野由利]
はじめに
1 商業的代理出産と利他的代理出産
2 拡大から廃止、そして法制度化へ
3 親族間の人道的代理出産を法制化したベトナム
4 非商業的代理出産を法制化したタイ
5 インドにおける利他的代理出産の導入(その1)
6 インドにおける利他的代理出産の導入(その2)
おわりに
コラム② 女性映像集団ウムによる映像作品
――韓国フェミニズムの一コマ [油谷佳歩]
Ⅱ 家族
第7章 敦煌書儀はかく語る
――婚礼史上の“唐宋変革” [下倉 渉]
はじめに
1 妻方での挙式
2 『封氏見聞記』が伝える「拝堂の礼」
3 建中元年の婚礼儀改革
4 「婦見舅姑」の儀における拝礼
おわりに
第8章 近世中国における生命発生論
――母子間の継承関係と父系制 [佐々木愛]
はじめに
1 母子間における気の継承
2 「父は種・母は園」――魏禧と魏際端
3 強固な父子継承を支える気の思想
おわりに
第9章 魏晋南北朝時代の「以妾爲妻」「以妻爲妾」について [板橋暁子]
はじめに
1 魏晋時代の「以妾爲妻」「以妻爲妾」
2 南北朝時代の「以妾爲妻」「以妻爲妾」
おわりに
コラム③ 清代の宮廷歳時とジェンダー [小川快之]
第10章 清代の地方志における同姓通婚と同姓不婚 [五味知子]
はじめに
1 中国における同姓不婚
2 地方志の風俗関連の記述にみる同姓通婚
3 地方志の人物に関する記述にみる同姓不婚
おわりに
第11章 人民共和国建国初期の大衆運動と主婦
――上海市家庭婦連を中心に [泉谷陽子]
はじめに
1 家庭婦連の会員と活動
2 抗米援朝運動と家庭婦連の改組
3 反革命鎮圧運動と家属座談会
4 婚姻法貫徹運動と家庭婦連
おわりに
コラム④ 塞外の都市奉天にとっての女性
――上海女性のとある軌跡を手がかりに [上田貴子]
索引
執筆者紹介