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技術とはテクノロジーだけを意味しない。歩く,座るなどの平凡な行為も,神経,筋肉,骨格等,身体の機能と運動を統合する「わざ」があってはじめてなし得る。人にとっての「わざ」とは,限りなく広く深い。身体運動,狩猟採取から,コスプレ(身体変容),暦(時間認識),料理,藝術鑑賞,土木技術そして原子力まで,気鋭の論客たちが,既存の技術論を越え,人とその社会の本質に「わざ」から迫る。身体,技術,環境など,現代人文学の主要なテーマ全てに示唆を与える意欲作。
『図書新聞』2022年4月30日付、評者:村田敦郎氏
卯田宗平(うだ しゅうへい)
国立民族学博物館人類文明誌研究部准教授
総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程修了,博士(文学).
主な著作に,『鵜飼いと現在中国』(東京大学出版会,2014年),編著に『野生性と人類の論理』(東京大学出版会,2021年),『アジアの環境研究入門』(東京大学出版会,2014年)など.
内山田康(うちやまだ やすし)
筑波大学名誉教授
1955年生まれ.1995年,LSE人類学科Ph. D.エディンバラ大学社会人類学科講師,筑波大学歴史・人類学系助教授などを経て,2004年より教授,2021年,定年退職.1995年,レイモンド・ファース賞(LSE).
主な著作に,『放射能の人類学』(青土社,2021年),『原子力の人類学』(青土社,2019年),Architecture of Immanent Power(Social Anthropology 12(1),2004年)など.
奥野克巳(おくの かつみ)
立教大学異文化コミュニケーション学部教授
1962年生まれ.1998年,一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了.桜美林大学国際学部専任講師,同助教授,リベラルアーツ学群准教授,教授を経て,2015年より現職.
主な著作に,『「精霊の仕業」と「人の仕業」――ボルネオ島カリス社会における災い解釈と対処法』(春風社,2004年),『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』(亜紀書房,2018年)など.また共訳書に『人類学とは何か』ティム・インゴルド著(亜紀書房,2020年)など.
木村周平(きむら しゅうへい)
筑波大学人文社会系准教授
東京大学大学院総合文化研究科中途退学.博士(学術).京都大学特定助教などを経て,2018年より現職.
主な著作に『津波のあいだ,生きられた村』(共著,鹿島出版会,2019年),The Routledge Companion to Actor-Network Theory(共著,Routledge, 2019年)など.
久保明教(くぼ あきのり)
一橋大学社会学研究科准教授
1978年生まれ.2010年,大阪大学大学院人間科学研究科博士後期過程単位習得退学.
一橋大学大学院社会学研究科専任講師を経て2016年より現職.博士(人間科学).
主な著書に,『機械カニバリズム――人間なきあとの人類学へ』(講談社,2018年),『ブルーノ・ラトゥールの取説――アクターネットワーク論から存在様態探求へ』(月曜社,2019年),『「家庭料理」という戦場――暮らしはデザインできるか?』(コトニ社,2020年)など.
黒田末寿(くろだ すえひさ)
滋賀県立大学名誉教授.1947年生まれ.京都大学理学研究科満期退学.博士(理学).京都大学理学部助教授,滋賀県立大学人間文化学部教授を経て2013年より同名誉教授.アフリカでボノボの調査と保護,日本で焼畑の実践的研究と初期人類社会の研究に従事.第34回読売文学賞紀行部門受賞(『ピグミーチンパンジー――未知の類人猿』).
主な著作に,『人類進化再考――社会生成の考古学』(以文社,1999),『自然学の未来――自然との共感』(弘文堂,2002),『アフェクトゥス(情動)――生の外側に触れる』(共著,京都大学学術出版会,2020)など.
祖田亮次(そだ りょうじ)
大阪市立大学文学研究科教授
1970年生まれ.2000年,京都大学文学研究科博士後期課程指導認定退学.広島大学助手,北海道大学助教授等を経て,現職.博士(文学).2000年日本地理学会研究奨励賞,2008年人文地理学会賞,2020年北海道地理学会賞を受賞.
主な著作に,『広島原爆デジタルアトラス』(広島大学総合地誌研究資料センター,共著,2001年),People on the move(Kyoto University Press and Trans Pacific Press, 2007年),Anthropogenic tropical forests(Springer,共編,2020年)など.
染谷昌義(そめや まさよし)
高千穂大学人間科学部教授
2006年,東京大学大学院総合文化研究科博士学位(学術)取得.高千穂大学人間科学部准教授を経て2017年より現職.
主な著作に,『知覚経験の生態学――哲学へのエコロジカル・アプローチ』(勁草書房,2017年),『身体とアフォーダンス――ギブソン『生態学的知覚システム』から読み解く』(共著,金子書房,2018年),翻訳にエドワード・リード『魂から心へ――心理学の誕生』(共訳,講談社学術文庫,2020年)など.
床呂郁哉(ところ いくや)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授
東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学.博士(学術).文化人類学,東南アジア研究.
主な著作に,『越境――スールー海域世界から』(岩波書店,1999年),『東南アジアのイスラーム』(共著,東京外国語大学出版会,2012年),『ものの人類学』(共著,京都大学学術出版会,2011年),『ものの人類学2』(共著,京都大学学術出版会,2019年)など.
西江仁徳(にしえ ひとなる)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科特任研究員,日本学術振興会特別研究員RPD
1976年生まれ.2009年,京都大学大学院理学研究科博士後期課程単位取得退学.博士(理学).
主な著作に,『インタラクションの境界と接続――サル・人・会話研究から』(共著,昭和堂,2010年),『制度――人類社会の進化』(共著,京都大学学術出版会,2013年),『極限――人類社会の進化』(共著,京都大学学術出版会,2020年)など.
丹羽朋子(にわ ともこ)
国際ファッション専門職大学講師
インテリア会社勤務の後,東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学.大学共同利用機関法人 人間文化研究機構特任助教を経て,2019年より現職.人類学的表現実践として映像インスタレーション等を用いた展覧会等の企画・運営にも携わる.
主な著作に,『窓花/中国の切り紙――黄土高原・暮らしの造形』(共著,福岡アジア美術館/エクスプランテ,2013年),『災害文化の継承と創造』(共著,臨川書店,2016年),『ものの人類学2』(共著,京都大学学術出版会,2019年)など.
檜垣立哉(ひがき たつや)
大阪大学人間科学研究科教授
1964年生まれ.1992年,東京大学大学院人文科学研究科中途退学.東京大学助手,埼玉大学助教授,大阪大学助教授などを経て現職.博士(文学 大阪大学)
主な著作に,『ドゥルーズ 解けない問いを生きる【増補新版】』(ちくま学芸文庫2019年)『食べることの哲学』(世界思想社,2018年),『瞬間と永遠 ジル・ドゥルーズの時間論』(岩波書店,2010年),『賭博/偶然の哲学』(河出書房新社,2008年)など.
森下翔(もりした しょう)
大阪大学社会技術共創研究センター特任研究員
1987年生まれ.京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程単位取得満期退学.修士(人間・環境学).
主な著作に,「「融合」としての認識=存在論――「非 ―自然主義的」な科学実践を構成する「観測データへの不信」と「ア・プリオリなデータ」の概念」『文化人類学』85(1):5 ―21,「不可視の世界を畳み込む――固体地球物理学の実践における「観測」と「モデリング」」『文化人類学』78(4):449―469など.
吉田ゆか子(よしだ ゆかこ)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授
2012年筑波大学大学院博士(学術).国立民族学博物館機関研究員,日本学術振興会特別研究員PD,アジア・アフリカ言語文化研究所助教を経て,2020年より現職.
専門は文化人類学.芸能,宗教,身体,モノ,わざ,環境,をテーマに,特にバリ,ジャカルタ,日本におけるバリ芸能の展開を追っている.2009年東方学会賞,2013年度第8回日本文化人類学会奨励賞受賞.
主な著作に,『バリ島仮面舞踊劇の人類学――人とモノの織りなす芸能』(2016,風響社)など.
渡辺知花(わたなべ ちか)
マンチェスター大学社会人類学准教授(Senior Lecturer)
コーネル大学大学院文化人類学博士課程修了.PhD.イェール大学博士研究員を経て,2014年より現職.
主な著作に,Becoming One: Religion, Development, and Environmentalism in a Japanese NGO in Myanmar(University of Hawai'i Press, 2019年)など.
国立民族学博物館人類文明誌研究部准教授
総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程修了,博士(文学).
主な著作に,『鵜飼いと現在中国』(東京大学出版会,2014年),編著に『野生性と人類の論理』(東京大学出版会,2021年),『アジアの環境研究入門』(東京大学出版会,2014年)など.
内山田康(うちやまだ やすし)
筑波大学名誉教授
1955年生まれ.1995年,LSE人類学科Ph. D.エディンバラ大学社会人類学科講師,筑波大学歴史・人類学系助教授などを経て,2004年より教授,2021年,定年退職.1995年,レイモンド・ファース賞(LSE).
主な著作に,『放射能の人類学』(青土社,2021年),『原子力の人類学』(青土社,2019年),Architecture of Immanent Power(Social Anthropology 12(1),2004年)など.
奥野克巳(おくの かつみ)
立教大学異文化コミュニケーション学部教授
1962年生まれ.1998年,一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了.桜美林大学国際学部専任講師,同助教授,リベラルアーツ学群准教授,教授を経て,2015年より現職.
主な著作に,『「精霊の仕業」と「人の仕業」――ボルネオ島カリス社会における災い解釈と対処法』(春風社,2004年),『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』(亜紀書房,2018年)など.また共訳書に『人類学とは何か』ティム・インゴルド著(亜紀書房,2020年)など.
木村周平(きむら しゅうへい)
筑波大学人文社会系准教授
東京大学大学院総合文化研究科中途退学.博士(学術).京都大学特定助教などを経て,2018年より現職.
主な著作に『津波のあいだ,生きられた村』(共著,鹿島出版会,2019年),The Routledge Companion to Actor-Network Theory(共著,Routledge, 2019年)など.
久保明教(くぼ あきのり)
一橋大学社会学研究科准教授
1978年生まれ.2010年,大阪大学大学院人間科学研究科博士後期過程単位習得退学.
一橋大学大学院社会学研究科専任講師を経て2016年より現職.博士(人間科学).
主な著書に,『機械カニバリズム――人間なきあとの人類学へ』(講談社,2018年),『ブルーノ・ラトゥールの取説――アクターネットワーク論から存在様態探求へ』(月曜社,2019年),『「家庭料理」という戦場――暮らしはデザインできるか?』(コトニ社,2020年)など.
黒田末寿(くろだ すえひさ)
滋賀県立大学名誉教授.1947年生まれ.京都大学理学研究科満期退学.博士(理学).京都大学理学部助教授,滋賀県立大学人間文化学部教授を経て2013年より同名誉教授.アフリカでボノボの調査と保護,日本で焼畑の実践的研究と初期人類社会の研究に従事.第34回読売文学賞紀行部門受賞(『ピグミーチンパンジー――未知の類人猿』).
主な著作に,『人類進化再考――社会生成の考古学』(以文社,1999),『自然学の未来――自然との共感』(弘文堂,2002),『アフェクトゥス(情動)――生の外側に触れる』(共著,京都大学学術出版会,2020)など.
祖田亮次(そだ りょうじ)
大阪市立大学文学研究科教授
1970年生まれ.2000年,京都大学文学研究科博士後期課程指導認定退学.広島大学助手,北海道大学助教授等を経て,現職.博士(文学).2000年日本地理学会研究奨励賞,2008年人文地理学会賞,2020年北海道地理学会賞を受賞.
主な著作に,『広島原爆デジタルアトラス』(広島大学総合地誌研究資料センター,共著,2001年),People on the move(Kyoto University Press and Trans Pacific Press, 2007年),Anthropogenic tropical forests(Springer,共編,2020年)など.
染谷昌義(そめや まさよし)
高千穂大学人間科学部教授
2006年,東京大学大学院総合文化研究科博士学位(学術)取得.高千穂大学人間科学部准教授を経て2017年より現職.
主な著作に,『知覚経験の生態学――哲学へのエコロジカル・アプローチ』(勁草書房,2017年),『身体とアフォーダンス――ギブソン『生態学的知覚システム』から読み解く』(共著,金子書房,2018年),翻訳にエドワード・リード『魂から心へ――心理学の誕生』(共訳,講談社学術文庫,2020年)など.
床呂郁哉(ところ いくや)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授
東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学.博士(学術).文化人類学,東南アジア研究.
主な著作に,『越境――スールー海域世界から』(岩波書店,1999年),『東南アジアのイスラーム』(共著,東京外国語大学出版会,2012年),『ものの人類学』(共著,京都大学学術出版会,2011年),『ものの人類学2』(共著,京都大学学術出版会,2019年)など.
西江仁徳(にしえ ひとなる)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科特任研究員,日本学術振興会特別研究員RPD
1976年生まれ.2009年,京都大学大学院理学研究科博士後期課程単位取得退学.博士(理学).
主な著作に,『インタラクションの境界と接続――サル・人・会話研究から』(共著,昭和堂,2010年),『制度――人類社会の進化』(共著,京都大学学術出版会,2013年),『極限――人類社会の進化』(共著,京都大学学術出版会,2020年)など.
丹羽朋子(にわ ともこ)
国際ファッション専門職大学講師
インテリア会社勤務の後,東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学.大学共同利用機関法人 人間文化研究機構特任助教を経て,2019年より現職.人類学的表現実践として映像インスタレーション等を用いた展覧会等の企画・運営にも携わる.
主な著作に,『窓花/中国の切り紙――黄土高原・暮らしの造形』(共著,福岡アジア美術館/エクスプランテ,2013年),『災害文化の継承と創造』(共著,臨川書店,2016年),『ものの人類学2』(共著,京都大学学術出版会,2019年)など.
檜垣立哉(ひがき たつや)
大阪大学人間科学研究科教授
1964年生まれ.1992年,東京大学大学院人文科学研究科中途退学.東京大学助手,埼玉大学助教授,大阪大学助教授などを経て現職.博士(文学 大阪大学)
主な著作に,『ドゥルーズ 解けない問いを生きる【増補新版】』(ちくま学芸文庫2019年)『食べることの哲学』(世界思想社,2018年),『瞬間と永遠 ジル・ドゥルーズの時間論』(岩波書店,2010年),『賭博/偶然の哲学』(河出書房新社,2008年)など.
森下翔(もりした しょう)
大阪大学社会技術共創研究センター特任研究員
1987年生まれ.京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程単位取得満期退学.修士(人間・環境学).
主な著作に,「「融合」としての認識=存在論――「非 ―自然主義的」な科学実践を構成する「観測データへの不信」と「ア・プリオリなデータ」の概念」『文化人類学』85(1):5 ―21,「不可視の世界を畳み込む――固体地球物理学の実践における「観測」と「モデリング」」『文化人類学』78(4):449―469など.
吉田ゆか子(よしだ ゆかこ)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授
2012年筑波大学大学院博士(学術).国立民族学博物館機関研究員,日本学術振興会特別研究員PD,アジア・アフリカ言語文化研究所助教を経て,2020年より現職.
専門は文化人類学.芸能,宗教,身体,モノ,わざ,環境,をテーマに,特にバリ,ジャカルタ,日本におけるバリ芸能の展開を追っている.2009年東方学会賞,2013年度第8回日本文化人類学会奨励賞受賞.
主な著作に,『バリ島仮面舞踊劇の人類学――人とモノの織りなす芸能』(2016,風響社)など.
渡辺知花(わたなべ ちか)
マンチェスター大学社会人類学准教授(Senior Lecturer)
コーネル大学大学院文化人類学博士課程修了.PhD.イェール大学博士研究員を経て,2014年より現職.
主な著作に,Becoming One: Religion, Development, and Environmentalism in a Japanese NGO in Myanmar(University of Hawai'i Press, 2019年)など.
序 章 「わざ」の人類学のための序章[床呂郁哉]
1 「もの」から「わざ」へ
2 近代(西欧)的な技術観の再検討
3 伝統的・在地的技術をめぐって―設計主義と非設計主義
4 技術における身体性と場所性
5 「近代的技術/伝統的技術」二分法を越えて
6 テクノロジーから「わざ」へ―技術概念の拡張
7 本論集の特徴と構成
第Ⅰ部 「わざ」と身体の再構築―世界と身体を結びなおす
第1章 「カメラの眼」と「肉体を持った眼」を往還する
―「映像のフィールドワーク・ラボ」の試みから [丹羽朋子]
1 「知る」技法の探索―「現実」と「仮構的再現」のあいだ
2 「科学映像アーカイブ」としてのECフィルム
3 EC映像がひらく新たな知覚世界―上映座談会を通じた映像的解体と再組み合わせ
4 ECの「なかに入る」―「映像のフィールドワーク・ラボ」における他者/他種の生の「見真似」
5 「カメラの眼」と「肉体を持った眼」を往還する技法
第2章 奏でるわざと聴くわざ
―バリと日本におけるガムラン音楽から考えるわざの連関 [吉田ゆか子]
1 異文化の音を聴く
2 日本におけるガムラン音楽―聴き手側のわざの欠如
3 バリにおけるガムラン音楽―ライバルと観客と共にわざを育む
4 聴くことにわざはあるか
第3章 身体変容の「わざ」としてのコスプレ
―アート/テクノロジーを越えて [床呂郁哉]
1 身体加工/変容のわざ
2 東南アジアのコスプレにおける変身の技法
3 アニメ・マンガ/コスプレ文化における身体の変容をどう捉えるか?
4 2次元と3次元の狭間で
5 コスプレにおける身体変容の技法―生身の身体のノイズをいかに除去するか
6 考察―アトムの命題の「逆問題」としてのコスプレ
第4章 反復なき反復としてのわざ
―動作の哲学から浮かび上がるわざの本性 [染谷昌義]
1 身体技法探究のマルチプル
2 身体技法の基本原理に触れる
3 運動制御の困難
4 運動制御のメカニズム
5 わざの獲得,学習,発達
6 「わざ」の本性―巧みさとは何か
第Ⅱ部 「 わざ」のブリコラージュ―「近代/伝統」を越えて
第5章 ポイエーシスとテクノロジーの狭間で
―家庭料理における「手作り」の変容 [久保明教]
1 風車と原子力
2 長い/短いネットワーク
3 手作りと手抜き
4 美味しい時短
5 中間的ネットワーク
6 冷蔵庫の中の自然
第6章 河川改修における「伝統」工法とは何か
―「技術」と「わざ」のあいだ [祖田亮次]
1 河川工法の技術とわざ
2 人と川の相互作用
3 河川技術のローカライゼーション
4 河川技術のローカリティ
5 「伝統」工法の再創造
6 技術/わざの集合性と制約性
7 「伝統」工法のゆくえ
第7章 時間と「わざ」
―インドネシア・イスラーム社会における暦の同時性をめぐる
一問題についての試論 [森下 翔]
1 暦をめぐる時間と「わざ」
2 イスラームと「同時性」
3 インドネシアにおけるラマダーンと日取りの決め方
4 「同時性」を創造する複数の「型」の「共存」と「競合」
パレンテシス テクノサイエンスの臨界
第8章 原子力マシーン[内山田康]
1 原子力マシーンの部分と全体
2 フィールドワーク
3 大津波が来る生活世界の世界内存在
4 現象学の限界を超えるシミュレーションの限界
5 慣れ親しんだバブルの中の方法と現実の非対応
6 複数のローカリティ
7 複数のテンポラリティ
8 時間の経過とともに場所の性質が変わる
9 オクロ天然原子炉の交叉
第9章 災害への「備え」におけるコンテンツ化と翻訳
―日本の国際協力における研修と応用の観察から
[木村周平・渡辺知花]
1 予測不可能性への「備え」
2 研修は何を伝えるか―キーワードと翻訳
3 研修で伝わるもの
4 わざの「コンテンツ化」がもたらす隙間と創造的翻訳
第Ⅲ部 脱人間中心主義的な技術論の可能性
―人間と動物における「わざ」
第10章 チンパンジーの生の技法としての「文化」[西江仁徳]
1 わざの人類学が「非人間=動物のわざ」を考える意味
2 チンパンジーの「わざ=文化」研究小史
3 チンパンジーの生の技法としての「文化」
4 解なき問いを作り出す―他者/他種の合理性の理解
5 人間の「わざ」を拡張する異種の生き物の世界
第11章 他種を真似るわざ―擬態と模倣 [奥野克巳]
1 他種の模倣
2 「なりきる」模倣,「なり入る」模倣
3 ボルネオ島のプナンによる他種の模倣
4 シベリア・ユカギールによる動物模倣と模倣的共感
5 虫と人間,他種を真似ることをめぐって
Essay わざの対象が人間からわざを引きだす
―前例なきウミウの人工繁殖と飼育技術の安定化[卯田宗平]
第Ⅳ部 新たな「わざ」論へ向かって
―哲学と霊長類学からの視点
第12章 動物と人間―わざ論の視角から [檜垣立哉]
1 競馬という事例より
2 ポスト・ヒューマン的状況の前哨,ドゥルーズ=ガタリにおける自然と人間の共進化
3 動物はいかなる他者であるのか デリダの視角
4 ハラウェイと伴侶種
5 アジリティーへ
6 物質-記号論的交換―機械論的ではない行動主義
7 歴史性が結晶する「わざ」の瞬間
第13章 類人猿の森林を歩く
―方法から「自然のほほえみ」へ [黒田末寿]
1 「何という人たちか!」
2 森を歩く「わざ」は「わざ」だろうか?
3 自然科学でのわざの後景化
4 霊長類社会学の方法に埋め込まれた自然への謙虚さ
5 個体識別の人格的識別=観るわざ
6 熱帯雨林
7 閉塞空間から生命に満ちた熱帯雨林へ
8 森を感知するソフトゾーン
9 生態的参与観察
10 自然がほほ笑むとき
索引
執筆者紹介
1 「もの」から「わざ」へ
2 近代(西欧)的な技術観の再検討
3 伝統的・在地的技術をめぐって―設計主義と非設計主義
4 技術における身体性と場所性
5 「近代的技術/伝統的技術」二分法を越えて
6 テクノロジーから「わざ」へ―技術概念の拡張
7 本論集の特徴と構成
第Ⅰ部 「わざ」と身体の再構築―世界と身体を結びなおす
第1章 「カメラの眼」と「肉体を持った眼」を往還する
―「映像のフィールドワーク・ラボ」の試みから [丹羽朋子]
1 「知る」技法の探索―「現実」と「仮構的再現」のあいだ
2 「科学映像アーカイブ」としてのECフィルム
3 EC映像がひらく新たな知覚世界―上映座談会を通じた映像的解体と再組み合わせ
4 ECの「なかに入る」―「映像のフィールドワーク・ラボ」における他者/他種の生の「見真似」
5 「カメラの眼」と「肉体を持った眼」を往還する技法
第2章 奏でるわざと聴くわざ
―バリと日本におけるガムラン音楽から考えるわざの連関 [吉田ゆか子]
1 異文化の音を聴く
2 日本におけるガムラン音楽―聴き手側のわざの欠如
3 バリにおけるガムラン音楽―ライバルと観客と共にわざを育む
4 聴くことにわざはあるか
第3章 身体変容の「わざ」としてのコスプレ
―アート/テクノロジーを越えて [床呂郁哉]
1 身体加工/変容のわざ
2 東南アジアのコスプレにおける変身の技法
3 アニメ・マンガ/コスプレ文化における身体の変容をどう捉えるか?
4 2次元と3次元の狭間で
5 コスプレにおける身体変容の技法―生身の身体のノイズをいかに除去するか
6 考察―アトムの命題の「逆問題」としてのコスプレ
第4章 反復なき反復としてのわざ
―動作の哲学から浮かび上がるわざの本性 [染谷昌義]
1 身体技法探究のマルチプル
2 身体技法の基本原理に触れる
3 運動制御の困難
4 運動制御のメカニズム
5 わざの獲得,学習,発達
6 「わざ」の本性―巧みさとは何か
第Ⅱ部 「 わざ」のブリコラージュ―「近代/伝統」を越えて
第5章 ポイエーシスとテクノロジーの狭間で
―家庭料理における「手作り」の変容 [久保明教]
1 風車と原子力
2 長い/短いネットワーク
3 手作りと手抜き
4 美味しい時短
5 中間的ネットワーク
6 冷蔵庫の中の自然
第6章 河川改修における「伝統」工法とは何か
―「技術」と「わざ」のあいだ [祖田亮次]
1 河川工法の技術とわざ
2 人と川の相互作用
3 河川技術のローカライゼーション
4 河川技術のローカリティ
5 「伝統」工法の再創造
6 技術/わざの集合性と制約性
7 「伝統」工法のゆくえ
第7章 時間と「わざ」
―インドネシア・イスラーム社会における暦の同時性をめぐる
一問題についての試論 [森下 翔]
1 暦をめぐる時間と「わざ」
2 イスラームと「同時性」
3 インドネシアにおけるラマダーンと日取りの決め方
4 「同時性」を創造する複数の「型」の「共存」と「競合」
パレンテシス テクノサイエンスの臨界
第8章 原子力マシーン[内山田康]
1 原子力マシーンの部分と全体
2 フィールドワーク
3 大津波が来る生活世界の世界内存在
4 現象学の限界を超えるシミュレーションの限界
5 慣れ親しんだバブルの中の方法と現実の非対応
6 複数のローカリティ
7 複数のテンポラリティ
8 時間の経過とともに場所の性質が変わる
9 オクロ天然原子炉の交叉
第9章 災害への「備え」におけるコンテンツ化と翻訳
―日本の国際協力における研修と応用の観察から
[木村周平・渡辺知花]
1 予測不可能性への「備え」
2 研修は何を伝えるか―キーワードと翻訳
3 研修で伝わるもの
4 わざの「コンテンツ化」がもたらす隙間と創造的翻訳
第Ⅲ部 脱人間中心主義的な技術論の可能性
―人間と動物における「わざ」
第10章 チンパンジーの生の技法としての「文化」[西江仁徳]
1 わざの人類学が「非人間=動物のわざ」を考える意味
2 チンパンジーの「わざ=文化」研究小史
3 チンパンジーの生の技法としての「文化」
4 解なき問いを作り出す―他者/他種の合理性の理解
5 人間の「わざ」を拡張する異種の生き物の世界
第11章 他種を真似るわざ―擬態と模倣 [奥野克巳]
1 他種の模倣
2 「なりきる」模倣,「なり入る」模倣
3 ボルネオ島のプナンによる他種の模倣
4 シベリア・ユカギールによる動物模倣と模倣的共感
5 虫と人間,他種を真似ることをめぐって
Essay わざの対象が人間からわざを引きだす
―前例なきウミウの人工繁殖と飼育技術の安定化[卯田宗平]
第Ⅳ部 新たな「わざ」論へ向かって
―哲学と霊長類学からの視点
第12章 動物と人間―わざ論の視角から [檜垣立哉]
1 競馬という事例より
2 ポスト・ヒューマン的状況の前哨,ドゥルーズ=ガタリにおける自然と人間の共進化
3 動物はいかなる他者であるのか デリダの視角
4 ハラウェイと伴侶種
5 アジリティーへ
6 物質-記号論的交換―機械論的ではない行動主義
7 歴史性が結晶する「わざ」の瞬間
第13章 類人猿の森林を歩く
―方法から「自然のほほえみ」へ [黒田末寿]
1 「何という人たちか!」
2 森を歩く「わざ」は「わざ」だろうか?
3 自然科学でのわざの後景化
4 霊長類社会学の方法に埋め込まれた自然への謙虚さ
5 個体識別の人格的識別=観るわざ
6 熱帯雨林
7 閉塞空間から生命に満ちた熱帯雨林へ
8 森を感知するソフトゾーン
9 生態的参与観察
10 自然がほほ笑むとき
索引
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