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生態人類学は挑む MONOGRAPH 5

川筋の遊動民バテッ

マレー半島の熱帯林を生きる狩猟採集民

河合 文

A5並製・334頁

ISBN: 9784814003747

発行年月: 2021/12

  • 本体: 3,200円(税込 3,520円
  • 在庫あり
 
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内容

マレー半島の狩猟採集民バテッ。縦横無尽にひろがる支流を全て記憶し、川の名を子に授け、自分の川で死ぬのを理想とする彼らは、地図上の領域で世界を区切る我々とはまったく別の風景をみていた。しかしいま、陸路とプランテーションの開発が迫るなかで世代がくだるごとに空間認識は変化しはじめている。川と陸路の風景のせめぎあいが私たちに問いかけるものとは。

プロフィール

河合 文 (かわい あや)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助教。千葉大学大学院人文社会科学研究科博士課程修了、博士(学術)。主な著作に、「オラン・アスリ」(信田敏宏編『東南アジア文化事典』丸善出版、2019年)、「半島マレーシアにおける土地制度の導入と民族:クランタン州ルビル流域を事例として」(『マレーシア研究』7: 116―139、2019年)などがある。

目次



第1章 川とともに暮らす
 1 クアラ・コ村のバテッ
 2 移動を伴う生活と川
 3 川とともに生きる

第2章 川筋の小王国ヌガラと領域型国家
 1 日和見フォレージングとヌガラ
 2 領域型国家の始まり

第3章 遊動生活と川筋世界の変容
 1 川に沿った遊動生活
 2 動植物利用と交易
 3 道路の開通と川筋世界の変容

第4章 継承される生活と動植物利用
 1 移動を伴う生活と二種のハヤ
 2 動植物の利用と認識
 3 森の空間とナビゲーション

第5章 陸路と市場経済
 1 森林産物の多様化と貨幣経済
 2 貨幣経済と社会関係
 3 陸路と川筋

終 章 バテッの暮らしが問いかけるもの
 1 人類のニッチ構築と自然環境
 2 陸路の発展とグローバリゼーション
 3 環境の改変と地球環境問題

あとがき
参考文献
索引
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