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新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって、地球規模での人類の諸課題の解決は個別科学の発展だけでは難しいことが、はからずも明らかになった。総合生存学とは、文理融合型の学術研究に加えその研究成果を現実に社会実装することにより、人類の生存のための地球規模での諸課題の解決を目指すものである。本書には、このような強い志のもとに、学生と教員が日々対話と議論をかさねながら挑む姿が生々しく描かれている。次世代を担う若者たちに是非本書を薦める。
京都大学 第27代総長 湊 長博
20世紀の物理学は太陽のエネルギー源が何であるかを突きとめ、その寿命はまだ数十億年あることが分かった。宇宙にはビッグバンと呼ばれる始まりがあり、その進化のなかで我々の住む地球と似たような生命が育まれる環境をもつ惑星の探索も続いている。しかし、21世紀に生きる我々人類がいつまで「生存できるのか」という問いかけの答えは遠い未来のことではなくなってきているかも知れない。そのような警鐘を打ち鳴らす本である。
京都大学大学院理学研究科 教授、日本物理学会 第75・76期会長 永江知文
2020年、見えない敵が生み出した新たな生活は、予想外にも“世界共通の文化”となり今後のビジネス界、ことにデジタル市場に大きな可能性をもたらした。同時に人類が向き合ったのは「生存する」という事。各分野に特化した専門家の意見は全く通用せず事態は必要以上に重大化した。生存するためのサスティナブルな解決策とは何なのか。今だからこそ俯瞰的に考えたい、そして総合生存学を学ぶ若き精鋭たちに大いに期待したいと思う。
DMG森精機株式会社 取締役社長 森 雅彦
京都大学 第27代総長 湊 長博
20世紀の物理学は太陽のエネルギー源が何であるかを突きとめ、その寿命はまだ数十億年あることが分かった。宇宙にはビッグバンと呼ばれる始まりがあり、その進化のなかで我々の住む地球と似たような生命が育まれる環境をもつ惑星の探索も続いている。しかし、21世紀に生きる我々人類がいつまで「生存できるのか」という問いかけの答えは遠い未来のことではなくなってきているかも知れない。そのような警鐘を打ち鳴らす本である。
京都大学大学院理学研究科 教授、日本物理学会 第75・76期会長 永江知文
2020年、見えない敵が生み出した新たな生活は、予想外にも“世界共通の文化”となり今後のビジネス界、ことにデジタル市場に大きな可能性をもたらした。同時に人類が向き合ったのは「生存する」という事。各分野に特化した専門家の意見は全く通用せず事態は必要以上に重大化した。生存するためのサスティナブルな解決策とは何なのか。今だからこそ俯瞰的に考えたい、そして総合生存学を学ぶ若き精鋭たちに大いに期待したいと思う。
DMG森精機株式会社 取締役社長 森 雅彦
池田裕一(いけだ・ゆういち)
京都大学大学院総合生存学館・教授
1989年、米国ブルックヘブン国立研究所でのクォークグルーオンプラズマ生成(QCD相転移、リトルバンとも呼ばれる)の研究プロジェクトにおける原子核物理学の研究で、九州大学から理学博士を授与された。同年、東京大学原子核研究所で、ポスドク(日本学術振興会特別研究員PD) として高エネルギー物理学の研究に従事。1990年から2010年まで、研究員、主任研究員として(株)日立製作所に勤務。この間、1997年にカリフォルニア大学バークレー校で客員研究員としてプラズマ計算物理学を、2010年に国際エネルギー機関IEAでスマートグリッドを含むエネルギー政策を研究。2011年、東京大学生産技術研究所准教授。2012年以降は京都大学の教授として教鞭をとっている。
京都大学大学院総合生存学館・教授
1989年、米国ブルックヘブン国立研究所でのクォークグルーオンプラズマ生成(QCD相転移、リトルバンとも呼ばれる)の研究プロジェクトにおける原子核物理学の研究で、九州大学から理学博士を授与された。同年、東京大学原子核研究所で、ポスドク(日本学術振興会特別研究員PD) として高エネルギー物理学の研究に従事。1990年から2010年まで、研究員、主任研究員として(株)日立製作所に勤務。この間、1997年にカリフォルニア大学バークレー校で客員研究員としてプラズマ計算物理学を、2010年に国際エネルギー機関IEAでスマートグリッドを含むエネルギー政策を研究。2011年、東京大学生産技術研究所准教授。2012年以降は京都大学の教授として教鞭をとっている。
まえがき[池田裕一、塩山皐月、中本天望、前田里菜、関大吉]
プロローグ 人民の国における、人民の手による農村発展
[武田秀太郎、奥井剛、大橋柚香]
ボックスP.1 首都ダッカ——この街に生きる人々[奥勇紀、奥井剛]
ボックスP.2 気の緩み[武田秀太郎、奥井剛、大橋柚香]
ボックスP.3 衝撃と順応——農村入り[佐々木勇輔、羽尾一樹、武田秀太郎]
ボックスP.4 「豊かさ」とは何だろう?[桐山京子、朱瑩穎]
ボックスP.5 もっと遅く!——農村調査[藤村奈々緒、阿部久恵、大橋柚香]
ボックスP.6 村人との交流[高橋朝晴、野田旬太郎]
ボックスP.7 見た目が良いほど注意が必要——首都での生活[平尾和正、周敬棠、佐伯直樹]
パートI われわれはどこから来たのか
第1章 実践の大海原へ泳ぎだした総合生存学
[池田裕一、横山泰三、田中勇伍]
ボックス1.1 学位論文の研究遂行で苦労したこと、達成できたこと[長沼祥太郎]
ボックス1.2 総合生存学という実践知[夫津木廣大]
ボックス1.3 個別科学の研究と社会実装との隔たり[奥勇紀]
ボックス1.4 総合生存学から見た人工衛星系[関大吉]
ボックス1.5 目指せ、総合生存学団[高橋朝晴]
第2章 開発問題への接近[高島宏明、吉田朋央]
ボックス2.1 開発と災害復興と総合生存学[土田亮]
ボックス2.2 人の移動とその支援[渡辺彩加]
パートII 地球の有限性から何がみえるのか
第3章 途上国における再生可能エネルギ—への転換の現状と課題
[ヤルナゾフ ディミター サボフ、キーリー アレクサンダー 竜太]
ボックス3.1 繋がりと信頼がなければアポも取れない——インドネシアでのフィールド調査の経験から[キーリー アレクサンダー 竜太]
ボックス3.2 現地調査によってしか見えない課題と希望——ケニアでのフィールド調査の経験について[ボリコ チャールズ ンブリ]
ボックス3.3 養豚から出たメタンガス——ベトナムでのフィールド調査の経験から[羽尾一樹]
ボックス3.4 途上国における再生可能エネルギーヘの転換——国際機関による支援について [田中勇伍]
第4章 再生可能エネルギ—は人にも優しいのか?
[櫻井繁樹、武田秀太郎、奥井剛、田中勇伍]
ボックス4.1 資源・エネルギー政策研究会の概要[櫻井繁樹]
ボックス4.2 資源・エネルギー政策研究会の主要プロジェクト[櫻井繁樹]
第5章 コモディティはグロ—バル問題を解くキーワ—ド[金村宗]
パートIII なぜ生と死を凝視するのか
第6章 生き方としての哲学——「聞・思・修」の意義と可能性
[デロッシュ マルク=アンリ(和訳:篠原雅武)]
第7章 生涯にわたる心の可塑性——学びと交流の楽しさを通して[積山薫]
ボックス7.1 これからの時代を生きる力——幼児における好奇心の発逹の視点から[岩嵜唱子]
ボックス7.2 生徒のウェルビーイングを目指して——ポジティブエデュケーションの試み[大村榛菜]
ボックス7.3 奇跡?実力? ルワンダのここがすごい![高橋朝晴]
ボックス7.4 フランスの異世代ホームシェア・プロジェクト——高齢者の社会的孤立を防ぐために[鶴羽愛里]
ボックス7.5 望ましいケアシステム[王虹方]
パートIV どのように社会と歴史に向かい合うのか
第8章 ビッグデータとネットワーク科学が描くグローバル分断構造の実像[池田裕一]
ボックス8.1 ASEAN における移民同化[河崎 レイチェル 慧]
ボックス8.2 トルコにおけるシリア難民への医療サービス[栗木駿]
ボックス8.3 付加価値ネットワークからみた貿易問題[佐田宗太郎]
ボックス8.4 グローバル・デジタルエコノミーにおける国際租税回避[中本天望]
ボックス8.5 京都のフードバンク[野村亜矢香]
ボックス8.6 京都の伝統産業の生存可能性[佐藤大介]
ボックス8.7 京都のオーバーツーリズム[向井逹郎]
ボックス8.8 ブロックチェーンと社会イノベーション[池田裕一、佐藤大介、栗木駿、河崎 レイチェル 慧、嘉澤剛、田中仁海]
ボックス8.9 水素社会の未来[田中仁海]
ボックス8.10 社会的孤立指標の開発[大木有]
第9章 レジリエントな社会を創る[清水美香、寶 馨]
ボックス9.1 レジリエンスと総合生存学をつなぐもの[土田亮]
第10章 地球・宇宙・総合生存学へ[山敷庸亮]
ボックス10.1 災害保険と保険料[藤田萌]
ボックス10.2 宇宙天気予報[木村なみ]
ボックス10.3 気候変動と生物多様性[孫燁]
ボックス10.4 サトウキビ副産物の建設材料としての可能性[リベイロ ブルーノ]
ボックス10.5 画像認識を用いた海洋生物の特定[岡村森]
パートV われわれはどこへ行くのか
第11章 総合生存学としてのアート——グローバル社会における日本美の役割[土佐尚子、中津良平]
第12章 情報乱雑さで生きることを考えてみる——機械は賢くなれるか[趙 亮]
あとがき[池田裕一、横山泰三]
報告「総合生存学とアジアのSDGs」[武田英俊、関山健]
索 引
プロローグ 人民の国における、人民の手による農村発展
[武田秀太郎、奥井剛、大橋柚香]
ボックスP.1 首都ダッカ——この街に生きる人々[奥勇紀、奥井剛]
ボックスP.2 気の緩み[武田秀太郎、奥井剛、大橋柚香]
ボックスP.3 衝撃と順応——農村入り[佐々木勇輔、羽尾一樹、武田秀太郎]
ボックスP.4 「豊かさ」とは何だろう?[桐山京子、朱瑩穎]
ボックスP.5 もっと遅く!——農村調査[藤村奈々緒、阿部久恵、大橋柚香]
ボックスP.6 村人との交流[高橋朝晴、野田旬太郎]
ボックスP.7 見た目が良いほど注意が必要——首都での生活[平尾和正、周敬棠、佐伯直樹]
パートI われわれはどこから来たのか
第1章 実践の大海原へ泳ぎだした総合生存学
[池田裕一、横山泰三、田中勇伍]
ボックス1.1 学位論文の研究遂行で苦労したこと、達成できたこと[長沼祥太郎]
ボックス1.2 総合生存学という実践知[夫津木廣大]
ボックス1.3 個別科学の研究と社会実装との隔たり[奥勇紀]
ボックス1.4 総合生存学から見た人工衛星系[関大吉]
ボックス1.5 目指せ、総合生存学団[高橋朝晴]
第2章 開発問題への接近[高島宏明、吉田朋央]
ボックス2.1 開発と災害復興と総合生存学[土田亮]
ボックス2.2 人の移動とその支援[渡辺彩加]
パートII 地球の有限性から何がみえるのか
第3章 途上国における再生可能エネルギ—への転換の現状と課題
[ヤルナゾフ ディミター サボフ、キーリー アレクサンダー 竜太]
ボックス3.1 繋がりと信頼がなければアポも取れない——インドネシアでのフィールド調査の経験から[キーリー アレクサンダー 竜太]
ボックス3.2 現地調査によってしか見えない課題と希望——ケニアでのフィールド調査の経験について[ボリコ チャールズ ンブリ]
ボックス3.3 養豚から出たメタンガス——ベトナムでのフィールド調査の経験から[羽尾一樹]
ボックス3.4 途上国における再生可能エネルギーヘの転換——国際機関による支援について [田中勇伍]
第4章 再生可能エネルギ—は人にも優しいのか?
[櫻井繁樹、武田秀太郎、奥井剛、田中勇伍]
ボックス4.1 資源・エネルギー政策研究会の概要[櫻井繁樹]
ボックス4.2 資源・エネルギー政策研究会の主要プロジェクト[櫻井繁樹]
第5章 コモディティはグロ—バル問題を解くキーワ—ド[金村宗]
パートIII なぜ生と死を凝視するのか
第6章 生き方としての哲学——「聞・思・修」の意義と可能性
[デロッシュ マルク=アンリ(和訳:篠原雅武)]
第7章 生涯にわたる心の可塑性——学びと交流の楽しさを通して[積山薫]
ボックス7.1 これからの時代を生きる力——幼児における好奇心の発逹の視点から[岩嵜唱子]
ボックス7.2 生徒のウェルビーイングを目指して——ポジティブエデュケーションの試み[大村榛菜]
ボックス7.3 奇跡?実力? ルワンダのここがすごい![高橋朝晴]
ボックス7.4 フランスの異世代ホームシェア・プロジェクト——高齢者の社会的孤立を防ぐために[鶴羽愛里]
ボックス7.5 望ましいケアシステム[王虹方]
パートIV どのように社会と歴史に向かい合うのか
第8章 ビッグデータとネットワーク科学が描くグローバル分断構造の実像[池田裕一]
ボックス8.1 ASEAN における移民同化[河崎 レイチェル 慧]
ボックス8.2 トルコにおけるシリア難民への医療サービス[栗木駿]
ボックス8.3 付加価値ネットワークからみた貿易問題[佐田宗太郎]
ボックス8.4 グローバル・デジタルエコノミーにおける国際租税回避[中本天望]
ボックス8.5 京都のフードバンク[野村亜矢香]
ボックス8.6 京都の伝統産業の生存可能性[佐藤大介]
ボックス8.7 京都のオーバーツーリズム[向井逹郎]
ボックス8.8 ブロックチェーンと社会イノベーション[池田裕一、佐藤大介、栗木駿、河崎 レイチェル 慧、嘉澤剛、田中仁海]
ボックス8.9 水素社会の未来[田中仁海]
ボックス8.10 社会的孤立指標の開発[大木有]
第9章 レジリエントな社会を創る[清水美香、寶 馨]
ボックス9.1 レジリエンスと総合生存学をつなぐもの[土田亮]
第10章 地球・宇宙・総合生存学へ[山敷庸亮]
ボックス10.1 災害保険と保険料[藤田萌]
ボックス10.2 宇宙天気予報[木村なみ]
ボックス10.3 気候変動と生物多様性[孫燁]
ボックス10.4 サトウキビ副産物の建設材料としての可能性[リベイロ ブルーノ]
ボックス10.5 画像認識を用いた海洋生物の特定[岡村森]
パートV われわれはどこへ行くのか
第11章 総合生存学としてのアート——グローバル社会における日本美の役割[土佐尚子、中津良平]
第12章 情報乱雑さで生きることを考えてみる——機械は賢くなれるか[趙 亮]
あとがき[池田裕一、横山泰三]
報告「総合生存学とアジアのSDGs」[武田英俊、関山健]
索 引