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大気,水,地殻は常に互いに影響を及ぼしあう。地球の回転軸は,質量としての大気や水の分布変化の影響を受け,絶えずふらつく。中でも南極の変動,すなわち大陸氷の流出や局地的な多量の積雪は,地球全体としての質量バランスを崩し,地球の揺らぎは大きくなる。一方,こうした変動現象を精密に測定するには,多くの測地観測点での連携した作業が必要になるが,南半球は陸地面積が少なく観測点が不足する。そこで重要になるのが,南極大陸である。地球全体の変動にとってもその測定においても極めて重要な場所,南極を〈測る〉初めての包括的参考書,オールカラー。
『極地』Vol.56 No.2、95頁、評者:奥野淳一氏
渋谷 和雄 (しぶや かずお)
国立極地研究所・名誉教授,総合研究大学院大学・名誉教授
昭和23(1948)年生まれ,昭和53年1月東京大学大学院理学研究科地球物理学専門課程博士課程修了,理学博士学位取得。同10月国立極地研究所研究系助手。以来南極での固体地球物理学,測地学観測・研究に携わり,平成25年3月同研究所・教授にて定年退職。
昭和54年11月─同56年3月 第21次南極地域観測隊員として昭和基地越冬,
昭和61年11月─同63年3月 第28次南極地域観測隊員としてあすか基地越冬,
平成9年11月─同11年3月 第39次南極地域観測隊長(兼越冬隊長)
その他,1984年,1985年,1987年の3シーズン,日,米,NZとの共同観測にてアメリカ・マクマード基地,NZ・スコット基地においてエレバス火山観測に従事,1985年全米科学財団より,南極功労賞を授与される。本書は3回の越冬観測およびその後の知見に基づき得た研究結果を,共著者とともに主に大学高学年と大学院生対象にまとめた南極測地学教科書である。
主要著書
『南極・北極の百科事典』国立極地研究所編,丸善出版,2004年(共著),『CD-
ROMテキスト測地学』日本測地学会編,2004年(共著),『南極の科学 5地学』国立極地研究所編,古今書院,1986年(共著)など。
福田 洋一 (ふくだ よういち)
京都大学大学院理学研究科・教授
昭和30(1955)年生まれ,昭和54年京都大学大学院理学研究科地球物理学専攻修士課程修了,昭和55年弘前大学理学部助手,昭和62年東京大学海洋研究所助手,平成4年京都大学理学部付属地球物理学研究施設助教授,平成8年京都大学大学院理学研究科助教授を経て,平成19年より現職。理学博士。専門は測地学,特に重力測定やその応用に関連した研究で,第27次,28次,33次,45次,55次南極地域観測隊員(夏隊)として観測に従事。また,令和元年11月~12月には,韓国のジャンボゴ基地およびイタリアのマリオ・ズッケリ基地で絶対重力測定に従事。
主要著書
「宇宙からはかれば、ここまでわかる」 所収『海は百面相』京都大学総合博物館企画展「海」実行委員会編,京都通信社,2013年(共著),『アジアの地下環境─残された地球環境問題』学報社,2010年(共著),『南極観測隊─南極に情熱を燃やした若者たちの記録』南極OB会・観測五十周年記念事業委員会編集,日本極地研究振興会発行,技報堂出版,2006年(共著),など。
国立極地研究所・名誉教授,総合研究大学院大学・名誉教授
昭和23(1948)年生まれ,昭和53年1月東京大学大学院理学研究科地球物理学専門課程博士課程修了,理学博士学位取得。同10月国立極地研究所研究系助手。以来南極での固体地球物理学,測地学観測・研究に携わり,平成25年3月同研究所・教授にて定年退職。
昭和54年11月─同56年3月 第21次南極地域観測隊員として昭和基地越冬,
昭和61年11月─同63年3月 第28次南極地域観測隊員としてあすか基地越冬,
平成9年11月─同11年3月 第39次南極地域観測隊長(兼越冬隊長)
その他,1984年,1985年,1987年の3シーズン,日,米,NZとの共同観測にてアメリカ・マクマード基地,NZ・スコット基地においてエレバス火山観測に従事,1985年全米科学財団より,南極功労賞を授与される。本書は3回の越冬観測およびその後の知見に基づき得た研究結果を,共著者とともに主に大学高学年と大学院生対象にまとめた南極測地学教科書である。
主要著書
『南極・北極の百科事典』国立極地研究所編,丸善出版,2004年(共著),『CD-
ROMテキスト測地学』日本測地学会編,2004年(共著),『南極の科学 5地学』国立極地研究所編,古今書院,1986年(共著)など。
福田 洋一 (ふくだ よういち)
京都大学大学院理学研究科・教授
昭和30(1955)年生まれ,昭和54年京都大学大学院理学研究科地球物理学専攻修士課程修了,昭和55年弘前大学理学部助手,昭和62年東京大学海洋研究所助手,平成4年京都大学理学部付属地球物理学研究施設助教授,平成8年京都大学大学院理学研究科助教授を経て,平成19年より現職。理学博士。専門は測地学,特に重力測定やその応用に関連した研究で,第27次,28次,33次,45次,55次南極地域観測隊員(夏隊)として観測に従事。また,令和元年11月~12月には,韓国のジャンボゴ基地およびイタリアのマリオ・ズッケリ基地で絶対重力測定に従事。
主要著書
「宇宙からはかれば、ここまでわかる」 所収『海は百面相』京都大学総合博物館企画展「海」実行委員会編,京都通信社,2013年(共著),『アジアの地下環境─残された地球環境問題』学報社,2010年(共著),『南極観測隊─南極に情熱を燃やした若者たちの記録』南極OB会・観測五十周年記念事業委員会編集,日本極地研究振興会発行,技報堂出版,2006年(共著),など。
南極に身を置くことの意味─はじめに
第I部 衛星観測から探る南極の氷床変動
第I部の構成
第1章 棚氷と氷山
第2章 合成開口レーダーによる氷床観測
【トピックI-1】ERS-1とERS-2を用いたタンデム・ミッション
第3章 SAR干渉法による氷床接地線の同定
【トピックI-2】ボストーク湖の潮汐変動
第4章 画像相関法による氷河・氷床流動速度の推定
第5章 白瀬氷床域の質量収支
【トピックI-3】昭和基地,第一ダム・水汲み沢付近の水収支
第II部 潮位観測から探る南極の海洋変動
第II部の構成
第1章 昭和基地での潮汐観測の歴史
【トピックII-1】うねりによる定着氷の崩壊とピラタス機の漂流
第2章 海上保安庁水路部による2000年代半ばまでの解析結果
第3章 潮位データの再解析と長周期海水位変動
【トピックII-2】汀線─平均海水位変動は,
目に見える汀線位置変化として現れるだろうか?
【トピックII-3】ファラデー・ヴェルナツキー基地の潮汐観測
第4章 昭和基地の沖合海域における海底圧力計潮位観測
【トピックII-4】海底圧力計が記録した2004年スマトラ地震津波
第5章 人工衛星で見る海水位変動
【トピックII-5】DORIS
第6章 広域気象指数と海水位変動
第III部 重力観測から探る南極の地殻変動
第III部の構成
第1章 地球形状と重力
第2章 ばね式移動観測用相対重力計
第3章 超伝導重力計(Superconducting Gravimeter: SG)
【トピックIII-1】液体ヘリウムの漏出
第4章 絶対重力計の開発と国際重力基準観測網1971
【トピックIII-2】佐久間晃彦の絶対重力計
第5章 国際絶対重力基準点網と南極基地での絶対重力測定
【トピックIII-3】気体ヘリウムとルビジウム原子時計
第6章 露岩域への絶対重力基準点網の拡大
第7章 絶対重力測定と氷河性地殻均衡
参照文献
あとがき
索引
第I部 衛星観測から探る南極の氷床変動
第I部の構成
第1章 棚氷と氷山
第2章 合成開口レーダーによる氷床観測
【トピックI-1】ERS-1とERS-2を用いたタンデム・ミッション
第3章 SAR干渉法による氷床接地線の同定
【トピックI-2】ボストーク湖の潮汐変動
第4章 画像相関法による氷河・氷床流動速度の推定
第5章 白瀬氷床域の質量収支
【トピックI-3】昭和基地,第一ダム・水汲み沢付近の水収支
第II部 潮位観測から探る南極の海洋変動
第II部の構成
第1章 昭和基地での潮汐観測の歴史
【トピックII-1】うねりによる定着氷の崩壊とピラタス機の漂流
第2章 海上保安庁水路部による2000年代半ばまでの解析結果
第3章 潮位データの再解析と長周期海水位変動
【トピックII-2】汀線─平均海水位変動は,
目に見える汀線位置変化として現れるだろうか?
【トピックII-3】ファラデー・ヴェルナツキー基地の潮汐観測
第4章 昭和基地の沖合海域における海底圧力計潮位観測
【トピックII-4】海底圧力計が記録した2004年スマトラ地震津波
第5章 人工衛星で見る海水位変動
【トピックII-5】DORIS
第6章 広域気象指数と海水位変動
第III部 重力観測から探る南極の地殻変動
第III部の構成
第1章 地球形状と重力
第2章 ばね式移動観測用相対重力計
第3章 超伝導重力計(Superconducting Gravimeter: SG)
【トピックIII-1】液体ヘリウムの漏出
第4章 絶対重力計の開発と国際重力基準観測網1971
【トピックIII-2】佐久間晃彦の絶対重力計
第5章 国際絶対重力基準点網と南極基地での絶対重力測定
【トピックIII-3】気体ヘリウムとルビジウム原子時計
第6章 露岩域への絶対重力基準点網の拡大
第7章 絶対重力測定と氷河性地殻均衡
参照文献
あとがき
索引