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プリミエ・コレクション 99

コスモポリタニズムの起源

初期ストア派の政治哲学

川本 愛 著

A5上製・212頁

ISBN: 9784814002023

発行年月: 2019/02

  • 本体: 3,000円(税込 3,300円
  • 在庫あり
 
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プロフィール

川本愛(かわもとあい)
1986年東京都に生まれる。パリ第4大学修士課程(Master 2)修了
京都大学文学研究科博士後期課程研究指導認定退学
京都大学博士(文学)
主な著訳書
『権利の哲学入門』(共著,社会評論社,2017年),「ストア派の倫理学における行為と規則について」(『西洋古典学研究』63号,2015年),『メルロ=ポンティ哲学者事典第1巻』(翻訳協力,白水社,2017年)など。

目次

凡 例

序 章 現代と古代のコスモポリタニズム
  現代の「コスモポリタニズム」はいったい何を主張しているのか?
  過激なコスモポリタニズムの衰退
  私たちはある種の過激なコスモポリタニズムを
  必要としているのではないだろうか?
  ストア派のコスモポリタニズム――先行研究
  本書の構成
  ストア派とその時代


第1章 知者と愚者,人間の社会的自然本性
  1 知者と愚者
   1―1 知と無知,徳と悪徳
   1―2 「知者だけがXである」
  2 親近化の理論――正義の原理
   2―1 自己に対する親近化
    (1)理論の紹介
    (2)自己に対する親近化の理論は全人類に関わる
       倫理的な関係の根拠を提供するか?
   2―2 他者に対する親近化
    (1)理論の紹介
    (2)初期ストア派は他者に関する親近化の理論を
       どの程度まで発展させたのか――動物に対する正義
  まとめ――初期ストア派政治哲学の再考

第2章 ゼノンの『国家』――知者たちの共同生活
  1 ゼノンの『国家』の再構築
  2 知者だけが市民であるという主張の論証
   2―1 ストア派における,市民,ポリス,法の再定義
   2―2 ゼノンの『国家』における知者の徳と法
  3 ゼノンの主張の意義
   3―1 全人類に関わる倫理的な関係という考えの発展について
       ――開かれたコミュニティ
   3―2 個人とコミュニティの関係について――エロス的な共同生活
  まとめ――ゼノン以降のストア派

第3章 クリュシッポス――宇宙に拡がる互恵関係
  1 クリュシッポスの主張の意味
   1―1 基本的な主張
   1―2 単なる比喩?
   1―3 知者以外の人間も市民としてコミュニティに含まれるのか?
  2 クリュシッポスの主張の根拠,目的,実践的な意義
   2―1 根拠――法の徳としての再定義
   2―2 目的――倫理学と自然学の接続
   2―3 実践的な意義――星々と神話
  3 クリュシッポスの主張の意義
   3―1 全人類に関わる倫理的な関係という考えの発展について
      ――遠くの他者
   3―2 個人とコミュニティの関係について
      ――伝統的なコミュニティの保存
  まとめ――コスモポリタニズムの変身
第4章 ストア派の法――直観と規則のあいだ
  1 価値の分類
  2 行為の分類
  3 行為の規則
   3―1 個別的な状況において複数の
      「適切な行為」は存在しうるのか?
   3―2 状況非参照規則解釈のテクスト上の根拠
    (1)適切な行為の区分と「困難な状況」
    (2)正統ストア派とアリストンの論争
  4 「忠告」
   4―1 『倫理書簡』94の目的
   4―2 『倫理書簡』94の構成
   4―3 忠告とは何であるのか?
   4―4 「忠告」と「原理」
  3と4のまとめ――ストア派の法の特徴
  5 ストア派の規範理論の意義
    ――普遍的な規範と特殊的な規範の関係について
  まとめ――ストア派の社会変革

第5章 中後期ストア派――伝統的なコミュニティの正当性
  1 中後期ストア派の基本的な性格
   1―1 ゼノンの過激な主張に対する中後期ストア派の反応
   1―2 中後期ストア派における結婚制度の肯定
  2 中後期ストア派における新しい理論
   2―1 全人類のコミュニティ
   2―2 複数のコミュニティの優先順位
   2―3 正しいロゴスとの関連づけによる伝統的な
      コミュニティの正当化
    (1)結婚
    (2)親子
    (3)国家
  3 中後期ストア派の主張の意義
   3―1 全人類に関わる倫理的な関係という考えの発展について
      ――全人類のコミュニティ
   3―2 個人とコミュニティの関係について
      ――地上のコミュニティの改善
  まとめ――アリストテレスへの回帰?

結 論
  解釈の要点
  ――愚者の包含,範型としてのコミュニティ,普遍的な規範
  ストア派のコスモポリタニズムの有用な観点
  具体例に即した形式化――遠くの外国人と自分の子ども

参考文献表
あとがき
英文要約
索引(人名・事項・出典)
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