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川本愛(かわもとあい)
1986年東京都に生まれる。パリ第4大学修士課程(Master 2)修了
京都大学文学研究科博士後期課程研究指導認定退学
京都大学博士(文学)
主な著訳書
『権利の哲学入門』(共著,社会評論社,2017年),「ストア派の倫理学における行為と規則について」(『西洋古典学研究』63号,2015年),『メルロ=ポンティ哲学者事典第1巻』(翻訳協力,白水社,2017年)など。
1986年東京都に生まれる。パリ第4大学修士課程(Master 2)修了
京都大学文学研究科博士後期課程研究指導認定退学
京都大学博士(文学)
主な著訳書
『権利の哲学入門』(共著,社会評論社,2017年),「ストア派の倫理学における行為と規則について」(『西洋古典学研究』63号,2015年),『メルロ=ポンティ哲学者事典第1巻』(翻訳協力,白水社,2017年)など。
凡 例
序 章 現代と古代のコスモポリタニズム
現代の「コスモポリタニズム」はいったい何を主張しているのか?
過激なコスモポリタニズムの衰退
私たちはある種の過激なコスモポリタニズムを
必要としているのではないだろうか?
ストア派のコスモポリタニズム――先行研究
本書の構成
ストア派とその時代
第1章 知者と愚者,人間の社会的自然本性
1 知者と愚者
1―1 知と無知,徳と悪徳
1―2 「知者だけがXである」
2 親近化の理論――正義の原理
2―1 自己に対する親近化
(1)理論の紹介
(2)自己に対する親近化の理論は全人類に関わる
倫理的な関係の根拠を提供するか?
2―2 他者に対する親近化
(1)理論の紹介
(2)初期ストア派は他者に関する親近化の理論を
どの程度まで発展させたのか――動物に対する正義
まとめ――初期ストア派政治哲学の再考
第2章 ゼノンの『国家』――知者たちの共同生活
1 ゼノンの『国家』の再構築
2 知者だけが市民であるという主張の論証
2―1 ストア派における,市民,ポリス,法の再定義
2―2 ゼノンの『国家』における知者の徳と法
3 ゼノンの主張の意義
3―1 全人類に関わる倫理的な関係という考えの発展について
――開かれたコミュニティ
3―2 個人とコミュニティの関係について――エロス的な共同生活
まとめ――ゼノン以降のストア派
第3章 クリュシッポス――宇宙に拡がる互恵関係
1 クリュシッポスの主張の意味
1―1 基本的な主張
1―2 単なる比喩?
1―3 知者以外の人間も市民としてコミュニティに含まれるのか?
2 クリュシッポスの主張の根拠,目的,実践的な意義
2―1 根拠――法の徳としての再定義
2―2 目的――倫理学と自然学の接続
2―3 実践的な意義――星々と神話
3 クリュシッポスの主張の意義
3―1 全人類に関わる倫理的な関係という考えの発展について
――遠くの他者
3―2 個人とコミュニティの関係について
――伝統的なコミュニティの保存
まとめ――コスモポリタニズムの変身
第4章 ストア派の法――直観と規則のあいだ
1 価値の分類
2 行為の分類
3 行為の規則
3―1 個別的な状況において複数の
「適切な行為」は存在しうるのか?
3―2 状況非参照規則解釈のテクスト上の根拠
(1)適切な行為の区分と「困難な状況」
(2)正統ストア派とアリストンの論争
4 「忠告」
4―1 『倫理書簡』94の目的
4―2 『倫理書簡』94の構成
4―3 忠告とは何であるのか?
4―4 「忠告」と「原理」
3と4のまとめ――ストア派の法の特徴
5 ストア派の規範理論の意義
――普遍的な規範と特殊的な規範の関係について
まとめ――ストア派の社会変革
第5章 中後期ストア派――伝統的なコミュニティの正当性
1 中後期ストア派の基本的な性格
1―1 ゼノンの過激な主張に対する中後期ストア派の反応
1―2 中後期ストア派における結婚制度の肯定
2 中後期ストア派における新しい理論
2―1 全人類のコミュニティ
2―2 複数のコミュニティの優先順位
2―3 正しいロゴスとの関連づけによる伝統的な
コミュニティの正当化
(1)結婚
(2)親子
(3)国家
3 中後期ストア派の主張の意義
3―1 全人類に関わる倫理的な関係という考えの発展について
――全人類のコミュニティ
3―2 個人とコミュニティの関係について
――地上のコミュニティの改善
まとめ――アリストテレスへの回帰?
結 論
解釈の要点
――愚者の包含,範型としてのコミュニティ,普遍的な規範
ストア派のコスモポリタニズムの有用な観点
具体例に即した形式化――遠くの外国人と自分の子ども
参考文献表
あとがき
英文要約
索引(人名・事項・出典)
序 章 現代と古代のコスモポリタニズム
現代の「コスモポリタニズム」はいったい何を主張しているのか?
過激なコスモポリタニズムの衰退
私たちはある種の過激なコスモポリタニズムを
必要としているのではないだろうか?
ストア派のコスモポリタニズム――先行研究
本書の構成
ストア派とその時代
第1章 知者と愚者,人間の社会的自然本性
1 知者と愚者
1―1 知と無知,徳と悪徳
1―2 「知者だけがXである」
2 親近化の理論――正義の原理
2―1 自己に対する親近化
(1)理論の紹介
(2)自己に対する親近化の理論は全人類に関わる
倫理的な関係の根拠を提供するか?
2―2 他者に対する親近化
(1)理論の紹介
(2)初期ストア派は他者に関する親近化の理論を
どの程度まで発展させたのか――動物に対する正義
まとめ――初期ストア派政治哲学の再考
第2章 ゼノンの『国家』――知者たちの共同生活
1 ゼノンの『国家』の再構築
2 知者だけが市民であるという主張の論証
2―1 ストア派における,市民,ポリス,法の再定義
2―2 ゼノンの『国家』における知者の徳と法
3 ゼノンの主張の意義
3―1 全人類に関わる倫理的な関係という考えの発展について
――開かれたコミュニティ
3―2 個人とコミュニティの関係について――エロス的な共同生活
まとめ――ゼノン以降のストア派
第3章 クリュシッポス――宇宙に拡がる互恵関係
1 クリュシッポスの主張の意味
1―1 基本的な主張
1―2 単なる比喩?
1―3 知者以外の人間も市民としてコミュニティに含まれるのか?
2 クリュシッポスの主張の根拠,目的,実践的な意義
2―1 根拠――法の徳としての再定義
2―2 目的――倫理学と自然学の接続
2―3 実践的な意義――星々と神話
3 クリュシッポスの主張の意義
3―1 全人類に関わる倫理的な関係という考えの発展について
――遠くの他者
3―2 個人とコミュニティの関係について
――伝統的なコミュニティの保存
まとめ――コスモポリタニズムの変身
第4章 ストア派の法――直観と規則のあいだ
1 価値の分類
2 行為の分類
3 行為の規則
3―1 個別的な状況において複数の
「適切な行為」は存在しうるのか?
3―2 状況非参照規則解釈のテクスト上の根拠
(1)適切な行為の区分と「困難な状況」
(2)正統ストア派とアリストンの論争
4 「忠告」
4―1 『倫理書簡』94の目的
4―2 『倫理書簡』94の構成
4―3 忠告とは何であるのか?
4―4 「忠告」と「原理」
3と4のまとめ――ストア派の法の特徴
5 ストア派の規範理論の意義
――普遍的な規範と特殊的な規範の関係について
まとめ――ストア派の社会変革
第5章 中後期ストア派――伝統的なコミュニティの正当性
1 中後期ストア派の基本的な性格
1―1 ゼノンの過激な主張に対する中後期ストア派の反応
1―2 中後期ストア派における結婚制度の肯定
2 中後期ストア派における新しい理論
2―1 全人類のコミュニティ
2―2 複数のコミュニティの優先順位
2―3 正しいロゴスとの関連づけによる伝統的な
コミュニティの正当化
(1)結婚
(2)親子
(3)国家
3 中後期ストア派の主張の意義
3―1 全人類に関わる倫理的な関係という考えの発展について
――全人類のコミュニティ
3―2 個人とコミュニティの関係について
――地上のコミュニティの改善
まとめ――アリストテレスへの回帰?
結 論
解釈の要点
――愚者の包含,範型としてのコミュニティ,普遍的な規範
ストア派のコスモポリタニズムの有用な観点
具体例に即した形式化――遠くの外国人と自分の子ども
参考文献表
あとがき
英文要約
索引(人名・事項・出典)