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学術選書 086

?◉! 哲学の話

朴一功

四六並製・316頁

ISBN: 9784814001873     正誤表 PDF

発行年月: 2019/02

  • 本体: 1,800円(税込 1,980円
  • 在庫あり
 
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内容

哲学は私たちの人生に深くかかわる問題を扱い、大学のなかだけで論じられるべきものではない。古代ギリシアに誕生した哲学は多様な意味を担っていた。近世になってデカルトは哲学を一本の木に喩え、その果実は日々の生活にこの上もなく役立つものと考えたが、近代科学の発展とともに、幹の物理学や枝の医学をはじめ、もろもろの学問が次第に<哲学の木>から独立していった。何が残るのか? 現代における哲学の尽きない価値を明らかにする。

プロフィール

朴 一功(ぱく いるごん)
大谷大学文学部教授
1953年 京都市生まれ。京都大学文学部哲学科卒、同大学院博士課程学修退学、博士(文学)。ケンブリッジ大学古典学部客員研究員、甲南女子大学人間科学部教授を経て、二〇〇五年より現職。専門は古代ギリシア哲学。座右の銘は、「自分のことをすること」(プラトン)。

【主な著訳書】
『西洋哲学史(古代・中世編)』(共著、ミネルヴァ書房)、『イリソスのほとり』(共著、世界思想社)、『魂の正義』(京都大学学術出版会)、翻訳として、アリストテレス『ニコマコス倫理学』(京都大学学術出版会)、『詩学』(新版『アリストテレス全集』18所収、岩波書店)、プラトン『饗宴/パイドン』(京都大学学術出版会)、『エウテュデモス/クレイトポン』(京都大学学術出版会)、『エウテュプロン/ソクラテスの弁明/クリトン』(共訳、京都大学学術出版会)など

目次

読者のみなさんへ

第一話……哲学とは何か―はじめの始まり
1 なぜ問われるのか
2 辞書的意味をこえて
3 求められている意味
4 「哲学とは何か」を考えるために

ちょっと長い間奏 日本語で「哲学」
1 翻訳語としての「哲学」
2 西周の講義
3 「希賢学」から「哲学」へ
4 「哲学」と「理学」
5 西周以後―「哲学」という日本語の定着

第二話……哲学の旅立ち
1 「ピロソピアー」の伝承
2 哲学の創始者はピュタゴラスか?
3 ヘラクレイトスの断片
4 ソロンについて
5 ペリクレスの演説
6 論文「古い医術について」
7 ソクラテスの発言

第三話……ソクラテスの罪?
1 「哲学者」という呼称
2 ソクラテスの仕事とは?
3 何を知らないのか
4 プラトンの初期作品
5 哲学するのは若い時だけか?
6 ソクラテスの主張
7 魂(プシューケー)と徳(アレテー)
8 徳の重要性
9 哲学者ソクラテス
10 活動としての哲学
11 倫理学者ソクラテス?

第四話……伝統の始まり
1 プラトンとアリストテレス
2 プラトンに見られる「哲学」の用語法
3 学問としての哲学
4 ソクラテスからプラトンへ
5 哲学者と見物好きの人
6 哲学者とイデア
7 イデアの存在
8 自然研究をこえる問題

第五話……作られた哲学史
1 プラトンのあと
2 アリストテレスの哲学概念
3 最初の哲学者はタレス?
4 作り出された哲学史
5 アリストテレスによる哲学の分類
6 形而上学の由来
7 デカルトの哲学概念
8 哲学と近代科学

第六話……哲学の終焉
1 論理実証主義の視点
2 命題の種類
3 倫理的命題、形而上学的命題、美的判断
4 哲学の役割
5 ふり返って

第七話……これからの哲学―読むこと、対話すること、生きること
1 哲学の仕事
2 何を探求するのか
3 哲学の方法―読むこと、対話すること
4 生きること

第八話……哲学とは何か―終わりの始まり
1 「始まり」について
2 「哲学の話」という表題
3 哲学とは、哲学の効用とは
4 「洞窟の比喩」より
5 二つの「始まり」

引用文献について
あとがき
索引
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