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近代社会思想コレクション 23

合衆国滞在記

トクヴィル 大津真作 訳

四六上製・464頁

ISBN: 9784814001767

発行年月: 2018/10

  • 本体: 3,900円(税込 4,290円
  • 在庫あり
 
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内容

19世紀フランスを代表する思想家のひとり,トクヴィル(Tocqueville 1805〜1859)が,民主主義の新興国アメリカ合衆国を旅して著した『アメリカにおける民主主義』は,福澤諭吉がわが国に紹介したことでも知られている。しかし,この理論的記述とは別に,当時トクヴィルは合衆国東部を広領域にわたって旅行して,さまざまな観察記録を残している。東部諸州の住民の活気に満ちた活動,民主主義がもつさまざまな問題点の指摘,黒人への非道な扱いに関する報告など,新興国の成立過程の具体的な姿を活写した貴重な見聞録。

書評

『社会思想史研究』No.43 2019、190-194頁、評者:高山裕二氏

プロフィール

大津 真作(おおつ しんさく)
 甲南大学名誉教授。
 専門はヨーロッパ社会思想史。
主な著訳書
『啓蒙主義の辺境への旅』(世界思想社、1986)、『倫理の大転換』(行路社、2012)、『思考の自由とはなにか』(晃洋書房、2012)、『異端思想の500年』(京都大学学術出版会、2016)など。ジャルダン『トクヴィル伝』(晶文社、1994)、レ一ナル『両インド史 東インド篇』上・下巻(法政大学出版局、2009、2011)、ランゲ『市民法理論』(京都大学学術出版会、2013)、レーナル『両インド史 西インド篇』上巻(法政大学出版局、2015)、フリードリヒ二世『反マキアヴェッリ論』(監訳、京都大学学術出版会、2016)、シュアミなど『スピノザと動物たち』(法政大学出版局、2017)など。

目次

凡例
訳者からのメッセージ
第一章 大西洋横断の船中で
第二章 ニューヨークに上陸、第一印象
第三章 シング・シングの刑務所へ
第五章 地方風景、刑務所、オナイダ湖散策
第六章 インディアンとの遭遇、『荒野の二週間』の冒険
第七章 五大湖紀行
第八章 英仏が対立する旧仏領カナダへ
第九章 建国の地で民主制を考える
 第一節 知的都市ボストン
 第二節 ハートフォードから再びニューヨークへ
 第三節 クエーカー教徒の都市フィラデルフィア
 第四節 ボルティモアにて
 第五節 再びフィラデルフィアにて
第一〇章 かつてない大寒波、南部への苦難の旅
 第一節 オハイオ河からミシシッピ河へ向かう
 第二節 新興州オハイオに関する考察
 第三節 ミシシッピ河を下る
第一一章 ニュー・オーリンズと最後の長旅、ワシントン見学
 第一節 旧フランス領のルイジアナ
 第二節 ワシントンをめざして
 第三節 ワシントンで連邦の未来を考える
解 説
索引(人名・地名・事項)
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