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第2次世界大戦でタイは特殊な位置にあった。日本と同盟し枢軸国の一員となりながらも,終戦後は敗戦国としての扱いを受けなかった。それは〈自由タイ〉の抗日の成果であり,参戦も日本に強制されたものだといわれるが実際はどうだったのか? 鉄道研究で名高い著者が,軍事輸送の細密な研究から迫り,鉄道を巡る争奪戦の実態に迫る意欲作。
『毎日新聞』2018年2月20日付夕刊「Interview」
柿崎 一郎(かきざき いちろう)
横浜市立大学国際総合科学部教授
1971年生まれ。1999年,東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程修了。横浜市立国際文化学部専任講師,同助教授,同国際総合科学部准教授を経て,2015年より現職。博士(学術)。第17回大平正芳記念賞(『タイ経済と鉄道 1885~1935年』),第2回鉄道史学会住田奨励賞(『鉄道と道路の政治経済学 タイの交通政策と商品流通 1935~1975年』),第40回交通図書賞(『都市交通のポリティクス バンコク 1886~2012年』),第30回大同生命地域研究奨励賞を受賞。
主要著書 『タイ経済と鉄道 1885~1935年』(日本経済評論社,2000年),Laying the Tracks: The Thai Economy and its Railways, 1885-1935(Kyoto University Press,2005年),『鉄道と道路の政治経済学 タイの交通政策と商品流通 1935~1975年』(京都大学学術出版会,2009年),『都市交通のポリティクス バンコク 1886~2012年』(京都大学学術出版会,2014年),Trams, Buses, and Rails: The History of Urban Transport in Bangkok(Silkworm Books,2014年)など。
横浜市立大学国際総合科学部教授
1971年生まれ。1999年,東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程修了。横浜市立国際文化学部専任講師,同助教授,同国際総合科学部准教授を経て,2015年より現職。博士(学術)。第17回大平正芳記念賞(『タイ経済と鉄道 1885~1935年』),第2回鉄道史学会住田奨励賞(『鉄道と道路の政治経済学 タイの交通政策と商品流通 1935~1975年』),第40回交通図書賞(『都市交通のポリティクス バンコク 1886~2012年』),第30回大同生命地域研究奨励賞を受賞。
主要著書 『タイ経済と鉄道 1885~1935年』(日本経済評論社,2000年),Laying the Tracks: The Thai Economy and its Railways, 1885-1935(Kyoto University Press,2005年),『鉄道と道路の政治経済学 タイの交通政策と商品流通 1935~1975年』(京都大学学術出版会,2009年),『都市交通のポリティクス バンコク 1886~2012年』(京都大学学術出版会,2014年),Trams, Buses, and Rails: The History of Urban Transport in Bangkok(Silkworm Books,2014年)など。
序章 鉄道の戦時動員研究の意義
コラム 戦争の痕跡1 バンコク
第 1 章 日本軍による鉄道の動員――軍用列車の運行状況
第1節 軍用列車の運行開始
第2節 軍事輸送の制度化
第3節 軍用列車の運行と輸送
第4節 軍事輸送の推移
第5節 軍事輸送の特徴
コラム 戦争の痕跡2 プラチュアップキーリーカン
第 2 章 日本軍の軍事輸送――何をどの程度運んでいたのか
第1節 軍用列車の輸送品目
第2節 旅客輸送の状況
第3節 貨物輸送の状況
第4節 一般旅客列車の使用
第5節 軍事輸送の実像
コラム 戦争の痕跡3 ピッサヌローク/サワンカローク~メーソート間道路
第 3 章 日本軍のタイ国内での展開1――通過地から駐屯地へ
第1節 マレー進攻作戦
第2節 ビルマ攻略作戦
第3節 軍用鉄道・道路の建設
第4節 警備部隊の復活
第5節 日本軍の通過と駐屯
コラム 戦争の痕跡4 泰緬鉄道その1
第 4 章 日本軍のタイ国内での展開2 ――後方から前線へ
第1節 インパール作戦への対応
第2節 飛行場と軍用道路の建設
第3節 タイの防衛強化
第4節 日本軍の全面展開
第5節 前線化するタイ
コラム 戦争の痕跡5 泰緬鉄道その2
第 5 章 タイ側の対応――鉄道の奪還と維持
第1節 マラヤ残留車両の返還
第2節 軍用列車の削減
第3節 潤滑油の調達
第4節 鉄道運営権の維持
第5節 タイはいかに鉄道を奪還・維持したか?
コラム 戦争の痕跡6 クラ地峡鉄道
第 6 章 一般輸送への影響――鉄道輸送の変容
第1節 旅客輸送の急増
第2節 貨物輸送の激減
第3節 食料輸送――備蓄のための輸送の継続
第4節 家畜輸送――主役の交代
第5節 木材輸送――一般輸送の壊滅
第6節 石油輸送――水運の限界
第7節 一般輸送の変容
コラム 戦争の痕跡7 チエンマイ~タウングー間道路
第 7 章 日本軍による鉄道の戦時動員とタイ
第1節 日本軍にとってのタイ鉄道
第2節 タイの役割の変化
第3節 鉄道争奪戦の結末
コラム 戦争の痕跡8 トランとカンタン
終章 鉄道の戦時動員の実像と今後の課題
コラム 戦争の痕跡9 ナコーンナーヨックとサラブリー
附表
引用資料
引用文献
あとがき
事項索引
人名索引
地名索引
コラム 戦争の痕跡1 バンコク
第 1 章 日本軍による鉄道の動員――軍用列車の運行状況
第1節 軍用列車の運行開始
第2節 軍事輸送の制度化
第3節 軍用列車の運行と輸送
第4節 軍事輸送の推移
第5節 軍事輸送の特徴
コラム 戦争の痕跡2 プラチュアップキーリーカン
第 2 章 日本軍の軍事輸送――何をどの程度運んでいたのか
第1節 軍用列車の輸送品目
第2節 旅客輸送の状況
第3節 貨物輸送の状況
第4節 一般旅客列車の使用
第5節 軍事輸送の実像
コラム 戦争の痕跡3 ピッサヌローク/サワンカローク~メーソート間道路
第 3 章 日本軍のタイ国内での展開1――通過地から駐屯地へ
第1節 マレー進攻作戦
第2節 ビルマ攻略作戦
第3節 軍用鉄道・道路の建設
第4節 警備部隊の復活
第5節 日本軍の通過と駐屯
コラム 戦争の痕跡4 泰緬鉄道その1
第 4 章 日本軍のタイ国内での展開2 ――後方から前線へ
第1節 インパール作戦への対応
第2節 飛行場と軍用道路の建設
第3節 タイの防衛強化
第4節 日本軍の全面展開
第5節 前線化するタイ
コラム 戦争の痕跡5 泰緬鉄道その2
第 5 章 タイ側の対応――鉄道の奪還と維持
第1節 マラヤ残留車両の返還
第2節 軍用列車の削減
第3節 潤滑油の調達
第4節 鉄道運営権の維持
第5節 タイはいかに鉄道を奪還・維持したか?
コラム 戦争の痕跡6 クラ地峡鉄道
第 6 章 一般輸送への影響――鉄道輸送の変容
第1節 旅客輸送の急増
第2節 貨物輸送の激減
第3節 食料輸送――備蓄のための輸送の継続
第4節 家畜輸送――主役の交代
第5節 木材輸送――一般輸送の壊滅
第6節 石油輸送――水運の限界
第7節 一般輸送の変容
コラム 戦争の痕跡7 チエンマイ~タウングー間道路
第 7 章 日本軍による鉄道の戦時動員とタイ
第1節 日本軍にとってのタイ鉄道
第2節 タイの役割の変化
第3節 鉄道争奪戦の結末
コラム 戦争の痕跡8 トランとカンタン
終章 鉄道の戦時動員の実像と今後の課題
コラム 戦争の痕跡9 ナコーンナーヨックとサラブリー
附表
引用資料
引用文献
あとがき
事項索引
人名索引
地名索引