Home > Book Detail Page
後4世紀に活動し、「古代ローマ最後の歴史の大家」とも評されるギリシア系歴史家がラテン語で著わした本書は、タキトゥスの後を継ぐべく、ネルウァ帝からウァレンス帝までを扱うものだったが、最初の部分が失われ、伝存するのはユリアヌス帝を中心とする同時代史の範囲のみ。本分冊では、正帝コンスタンティウス2世治下、兄ガルスの後を受けた副帝ユリアヌスの台頭が描かれる。本邦初訳。(全3冊)
山沢 孝至(やまざわ たかゆき)
神戸大学大学院国際文化学研究科准教授
一九五五年 大阪府生まれ
一九八五年 京都大学大学院文学研究科博士課程研究指導認定退学
一九九八年 京都大学助手、神戸大学講師を経て現職
主な著訳書
『ラテン文学を学ぶ人のために』(共著、世界思想社)
『はじめて学ぶラテン文学史』(共著、ミネルヴァ書房)
『キケロー弁論集』(共訳、岩波文庫)
プラウトゥス『ローマ喜劇集3』(共訳、京都大学学術出版会)
神戸大学大学院国際文化学研究科准教授
一九五五年 大阪府生まれ
一九八五年 京都大学大学院文学研究科博士課程研究指導認定退学
一九九八年 京都大学助手、神戸大学講師を経て現職
主な著訳書
『ラテン文学を学ぶ人のために』(共著、世界思想社)
『はじめて学ぶラテン文学史』(共著、ミネルヴァ書房)
『キケロー弁論集』(共訳、岩波文庫)
プラウトゥス『ローマ喜劇集3』(共訳、京都大学学術出版会)
はじめに
第十四巻
第十五巻
第十六巻
第十七巻
第十八巻
第十九巻
補 註
固有名詞索引/底本との異同/関連年表/関連系図/関連地図
【内容目次】
第十四巻
第一章 副帝ガルスの暴虐
第二章 イサウリ族の侵入
第三章 ペルシア人の空しき企て
第四章 サラセン人の侵攻とその習俗
第五章 マグネンティウス方の処罰
第六章 ローマの元老院と国民の悪弊
第七章 副帝ガルスの粗暴と暴虐
第八章 オリエント諸州の様子
第九章 副帝コンスタンティウス・ガルスについて
第十章 和平がこれを乞うアラマンニ族に正帝コンスタンティウスにより与えられる
第十一章 副帝コンスタンティウス・ガルス、正帝コンスタンティウスにより召喚され、斬首される
第十五巻
第一章 副帝ガルスの死が皇帝に報じられる
第二章 オリエント方面騎兵長官のウルシキヌス、副帝ガルスの弟ユリアヌス、および副帝の侍従長ゴルゴニウスが大逆罪で訴えられる
第三章 副帝ガルスの友人たちと手先の者たちに対し処罰が下される
第四章 アラマンニ族の一派レンティエンセス族、正帝コンスタンティウスにより、一部は殺害され一部は敗走せしめられる
第五章 ガリア諸州方面歩兵長官であったフランク族のシルウァヌス、コロニアで正帝の称号を奉られるも、帝位にあること二八日にして奸計により息の根を止められる
第六章 シルウァヌスの友人たち、共謀者たちが殺される
第七章 都市長官レオンティヌスによりローマの民衆の反乱が鎮圧される。司教リベリウスがその座を逐われる
第八章 ガルスの弟ユリアヌス、父方の従兄にあたる正帝コンスタンティウスにより副帝とされ、ガリア諸州の統治を委ねられる
第九章 ガリア人の起源と、何ゆえケルタエ人、ガラタエ人と呼ばれるか、および、これら部族の物識りたちについて
第十章 ガリア・アルプスについて、および、これを通る種々の道について
第十一章 ガリア諸州の簡単な区分と叙述、および、ロダヌス[ローヌ]河の流路
第十二章 ガリア人の習俗について
第十三章 オリエント方面近衛長官ムソニアヌスについて
第十六巻
第一章 副帝ユリアヌス賛
第二章 副帝ユリアヌス、アラマンニ族を攻撃し、殺戮し、捕虜とし、敗走せしめる
第三章 副帝ユリアヌス、フランク族に奪われたコロニアを奪回し、この地でフランク族の諸王と和睦を成す
第四章 副帝ユリアヌス、セノネスの町の近郊にてアラマンニ族に包囲される
第五章 副帝ユリアヌスの美点
第六章 執政官経験者のアルビティオが告訴されるも、無罪放免される
第七章 副帝ユリアヌス、侍従長エウテリウスにより、皇帝の御前にてマルケルスに対し、弁護される、および、エウテリウス賛
第八章 正帝コンスタンティウス陣営内の苛斂誅求と誹謗中傷、および、宮廷人の貪欲
第九章 ペルシア人との和平交渉がなされる
第十章 正帝コンスタンティウスの、軍を率いての凱旋式めいたローマの都への到着
第十一章 副帝ユリアヌス、レヌス[ライン]河の島々に家財を携え退避していたアラマンニ族を攻撃し、トレス・タベルナエを修復して彼らに備える
第十二章 副帝ユリアヌス、ガリアを窺うアラマンニ族の七王を攻め、蛮族をアルゲントラトゥス近郊の合戦にて蹴散らす
第十七巻
第一章 副帝ユリアヌス、レヌス川を渡ってアラマンニ族の村を掠奪し、火を放つ。この地でトラヤヌスの砦を修復し、一〇ヵ月間の休戦を蛮族に認める
第二章 副帝ユリアヌス、第二ゲルマニアを荒らし回るフランク族六〇〇名を包囲し、飢餓ゆえの降伏に追い込む
第三章 副帝ユリアヌス、貢税に圧迫されていたガリア人の負担軽減を試みる
第四章 正帝コンスタンティウスの命により、オベリスクがローマのキルクス・マクシムスに真っ直ぐに建てられる。および、オベリスクについて、また、ヒエログリフについて
第五章 正帝コンスタンティウスとペルシア王サポル、書簡と使節をもって和を講ずるも、空しく終わる
第六章 アラマンニ族の一部族なるユトゥンギ族、両ラエティア劫掠の折りにローマ軍に撃破され敗走せしめられる
第七章 ニコメディアが地震により倒壊する。また、地震が起こるのに幾通りの型があるか
第八章 副帝ユリアヌス、フランク族の一派サリイ族の降伏を受け容れ、カマウィ族の一部を殺し、一部を捕え、残りに和平を認める
第九章 副帝ユリアヌス、蛮族に破壊されていたモサ[ムーズ]河畔の三つの砦を修復し、飢えに苦しむ兵より侮辱と脅しを浴びせられる
第十章 アラマンニ族の二王スウォマリウスとホルタリウス、捕虜を返還して副帝ユリアヌスから和睦を得る
第十一章 副帝ユリアヌス、ガリアにて首尾よき成果を挙げてのち、正帝コンスタンティウスの宮廷にて妬み心を懐く者たちから嘲笑され、のろま、臆病者呼ばわりされる
第十二章 正帝コンスタンティウス、かつては支配者、当時は流浪の民であったサルマタエ族と、両パンノニアおよびモエシアを荒らしていたクァディ族に強いて、人質を出さしめ、捕虜を返還せしむる。かつまた、流浪のサルマタエ族に自由を回復させて父祖の住地に戻し、王を置く
第十三章 正帝コンスタンティウス、奴隷身分のサルマタエ族なるリミガンテス族を大量に殺戮したのち、その居住地を明け渡せしめ、配下の兵に呼びかける
第十四章 ローマの和平使節、サポルがアルメニアとメソポタミアの回復を要求したため、任を果たさずしてペルシアより戻る
第十八巻
第一章 副帝ユリアヌス、ガリア人の利益を図り、いずこにても万人により法が守られるべく配慮する
第二章 副帝ユリアヌス、奪還したレヌス河畔の要塞の城壁を修復し、レヌスを渡り、アラマンニアの敵対する一部を荒らしてアラマンニ族の五王に和平を求めしめ、捕虜を返還せしむる
第三章 歩兵長官バルバティオとその妻の首がなぜ正帝コンスタンティウスの命により刎ねられたか
第四章 ペルシア王サポル、ローマ人を全力を挙げて攻撃する備えをなす
第五章 親衛隊員のアントニヌス、一家をあげてサポルの許に走り、既に自らも動きを起こしていた相手をローマとの戦争に駆り立てる
第六章 軍司令長官ウルシキヌス、オリエントより召喚され、すでにトラキアまで来たとき、メソポタミアに再派遣される。そこへ戻るとマルケリヌスを通じてサポルの来寇を探る
第七章 サポル、キオニタエ族、アルバニ族の王とともにメソポタミアに入り込む。ローマ人は自らの畑に火を放ち、農夫を町の中に追い込み、エウフラテスの此岸を要塞と守備隊で固める
第八章 イリュリア人の騎兵七〇〇名がペルシア軍に不意を衝かれ敗走せしめられる。ウルシキヌスとマルケリヌスが別々の方向に逃げ出す
第九章 アミダの様子、および、当時ここでいかほどの軍団と騎兵部隊が守りについていたか
第十章 サポル、ローマ方の要塞二基の明け渡しを受ける
第十九巻
第一章 サポル、アミダの住人に降伏を勧めるうち、守備隊の矢や太矢に狙われる。同じことをグルンバテス王が試みる間に、その息子が殺される
第二章 アミダが包囲され、二日の間に二度、ペルシア軍の攻撃を受ける
第三章 ウルシキヌス、夜間、包囲勢の不意討ちを試みるも、軍司令長官サビニアヌスの反対に遭い、果たせずに終わる
第四章 アミダに起こった疫病が、一〇日間で少雨により終息する。さらに、疫病の原因と種類について
第五章 アミダが、片や城壁の周囲から、片や寝返り者の手引きにより地下の拱道を用いて、攻撃される
第六章 ペルシア方に惨禍をもたらしたガリア人軍団の突出
第十四巻
第十五巻
第十六巻
第十七巻
第十八巻
第十九巻
補 註
固有名詞索引/底本との異同/関連年表/関連系図/関連地図
【内容目次】
第十四巻
第一章 副帝ガルスの暴虐
第二章 イサウリ族の侵入
第三章 ペルシア人の空しき企て
第四章 サラセン人の侵攻とその習俗
第五章 マグネンティウス方の処罰
第六章 ローマの元老院と国民の悪弊
第七章 副帝ガルスの粗暴と暴虐
第八章 オリエント諸州の様子
第九章 副帝コンスタンティウス・ガルスについて
第十章 和平がこれを乞うアラマンニ族に正帝コンスタンティウスにより与えられる
第十一章 副帝コンスタンティウス・ガルス、正帝コンスタンティウスにより召喚され、斬首される
第十五巻
第一章 副帝ガルスの死が皇帝に報じられる
第二章 オリエント方面騎兵長官のウルシキヌス、副帝ガルスの弟ユリアヌス、および副帝の侍従長ゴルゴニウスが大逆罪で訴えられる
第三章 副帝ガルスの友人たちと手先の者たちに対し処罰が下される
第四章 アラマンニ族の一派レンティエンセス族、正帝コンスタンティウスにより、一部は殺害され一部は敗走せしめられる
第五章 ガリア諸州方面歩兵長官であったフランク族のシルウァヌス、コロニアで正帝の称号を奉られるも、帝位にあること二八日にして奸計により息の根を止められる
第六章 シルウァヌスの友人たち、共謀者たちが殺される
第七章 都市長官レオンティヌスによりローマの民衆の反乱が鎮圧される。司教リベリウスがその座を逐われる
第八章 ガルスの弟ユリアヌス、父方の従兄にあたる正帝コンスタンティウスにより副帝とされ、ガリア諸州の統治を委ねられる
第九章 ガリア人の起源と、何ゆえケルタエ人、ガラタエ人と呼ばれるか、および、これら部族の物識りたちについて
第十章 ガリア・アルプスについて、および、これを通る種々の道について
第十一章 ガリア諸州の簡単な区分と叙述、および、ロダヌス[ローヌ]河の流路
第十二章 ガリア人の習俗について
第十三章 オリエント方面近衛長官ムソニアヌスについて
第十六巻
第一章 副帝ユリアヌス賛
第二章 副帝ユリアヌス、アラマンニ族を攻撃し、殺戮し、捕虜とし、敗走せしめる
第三章 副帝ユリアヌス、フランク族に奪われたコロニアを奪回し、この地でフランク族の諸王と和睦を成す
第四章 副帝ユリアヌス、セノネスの町の近郊にてアラマンニ族に包囲される
第五章 副帝ユリアヌスの美点
第六章 執政官経験者のアルビティオが告訴されるも、無罪放免される
第七章 副帝ユリアヌス、侍従長エウテリウスにより、皇帝の御前にてマルケルスに対し、弁護される、および、エウテリウス賛
第八章 正帝コンスタンティウス陣営内の苛斂誅求と誹謗中傷、および、宮廷人の貪欲
第九章 ペルシア人との和平交渉がなされる
第十章 正帝コンスタンティウスの、軍を率いての凱旋式めいたローマの都への到着
第十一章 副帝ユリアヌス、レヌス[ライン]河の島々に家財を携え退避していたアラマンニ族を攻撃し、トレス・タベルナエを修復して彼らに備える
第十二章 副帝ユリアヌス、ガリアを窺うアラマンニ族の七王を攻め、蛮族をアルゲントラトゥス近郊の合戦にて蹴散らす
第十七巻
第一章 副帝ユリアヌス、レヌス川を渡ってアラマンニ族の村を掠奪し、火を放つ。この地でトラヤヌスの砦を修復し、一〇ヵ月間の休戦を蛮族に認める
第二章 副帝ユリアヌス、第二ゲルマニアを荒らし回るフランク族六〇〇名を包囲し、飢餓ゆえの降伏に追い込む
第三章 副帝ユリアヌス、貢税に圧迫されていたガリア人の負担軽減を試みる
第四章 正帝コンスタンティウスの命により、オベリスクがローマのキルクス・マクシムスに真っ直ぐに建てられる。および、オベリスクについて、また、ヒエログリフについて
第五章 正帝コンスタンティウスとペルシア王サポル、書簡と使節をもって和を講ずるも、空しく終わる
第六章 アラマンニ族の一部族なるユトゥンギ族、両ラエティア劫掠の折りにローマ軍に撃破され敗走せしめられる
第七章 ニコメディアが地震により倒壊する。また、地震が起こるのに幾通りの型があるか
第八章 副帝ユリアヌス、フランク族の一派サリイ族の降伏を受け容れ、カマウィ族の一部を殺し、一部を捕え、残りに和平を認める
第九章 副帝ユリアヌス、蛮族に破壊されていたモサ[ムーズ]河畔の三つの砦を修復し、飢えに苦しむ兵より侮辱と脅しを浴びせられる
第十章 アラマンニ族の二王スウォマリウスとホルタリウス、捕虜を返還して副帝ユリアヌスから和睦を得る
第十一章 副帝ユリアヌス、ガリアにて首尾よき成果を挙げてのち、正帝コンスタンティウスの宮廷にて妬み心を懐く者たちから嘲笑され、のろま、臆病者呼ばわりされる
第十二章 正帝コンスタンティウス、かつては支配者、当時は流浪の民であったサルマタエ族と、両パンノニアおよびモエシアを荒らしていたクァディ族に強いて、人質を出さしめ、捕虜を返還せしむる。かつまた、流浪のサルマタエ族に自由を回復させて父祖の住地に戻し、王を置く
第十三章 正帝コンスタンティウス、奴隷身分のサルマタエ族なるリミガンテス族を大量に殺戮したのち、その居住地を明け渡せしめ、配下の兵に呼びかける
第十四章 ローマの和平使節、サポルがアルメニアとメソポタミアの回復を要求したため、任を果たさずしてペルシアより戻る
第十八巻
第一章 副帝ユリアヌス、ガリア人の利益を図り、いずこにても万人により法が守られるべく配慮する
第二章 副帝ユリアヌス、奪還したレヌス河畔の要塞の城壁を修復し、レヌスを渡り、アラマンニアの敵対する一部を荒らしてアラマンニ族の五王に和平を求めしめ、捕虜を返還せしむる
第三章 歩兵長官バルバティオとその妻の首がなぜ正帝コンスタンティウスの命により刎ねられたか
第四章 ペルシア王サポル、ローマ人を全力を挙げて攻撃する備えをなす
第五章 親衛隊員のアントニヌス、一家をあげてサポルの許に走り、既に自らも動きを起こしていた相手をローマとの戦争に駆り立てる
第六章 軍司令長官ウルシキヌス、オリエントより召喚され、すでにトラキアまで来たとき、メソポタミアに再派遣される。そこへ戻るとマルケリヌスを通じてサポルの来寇を探る
第七章 サポル、キオニタエ族、アルバニ族の王とともにメソポタミアに入り込む。ローマ人は自らの畑に火を放ち、農夫を町の中に追い込み、エウフラテスの此岸を要塞と守備隊で固める
第八章 イリュリア人の騎兵七〇〇名がペルシア軍に不意を衝かれ敗走せしめられる。ウルシキヌスとマルケリヌスが別々の方向に逃げ出す
第九章 アミダの様子、および、当時ここでいかほどの軍団と騎兵部隊が守りについていたか
第十章 サポル、ローマ方の要塞二基の明け渡しを受ける
第十九巻
第一章 サポル、アミダの住人に降伏を勧めるうち、守備隊の矢や太矢に狙われる。同じことをグルンバテス王が試みる間に、その息子が殺される
第二章 アミダが包囲され、二日の間に二度、ペルシア軍の攻撃を受ける
第三章 ウルシキヌス、夜間、包囲勢の不意討ちを試みるも、軍司令長官サビニアヌスの反対に遭い、果たせずに終わる
第四章 アミダに起こった疫病が、一〇日間で少雨により終息する。さらに、疫病の原因と種類について
第五章 アミダが、片や城壁の周囲から、片や寝返り者の手引きにより地下の拱道を用いて、攻撃される
第六章 ペルシア方に惨禍をもたらしたガリア人軍団の突出
月報130